北海道ツーリングレポート

 

 

 


2002年 7月 28日 日曜日 へそ祭り当日

 

今日も晴天晴れだった。

かといって、今夜の事を考えると遠出は出来ない。

私は洗濯物をしたり、本を読んだりして時間を潰す。

ひしひしと迫り来る脅威に怯えながら・・・

 

午後五時

 

「それじゃあ、皆さん絵を書きますのでお腹を出して下さ〜い」

 

現在の気温、16度前後

肌寒い気温の中、そんな無茶な事をおっしゃる現地参加者・・・

そう、へそ祭りとはお腹に書かれた顔を使って、ひたすら踊り狂う祭りなのだ。

それはある意味、腹踊り。

 

つまり何か?・・・宴会芸か?

 

北海道のツーリング名所紹介で、確かにこのへそ祭りは取り上げられていた。

私も、準備していたイベント帳で、その祭りを知ったのだ。

 

まさか自分が参加するとは、夢にも思っていなかったが。

 

人生とは、人の縁とは、つくづく不思議である。

まあ、長い人生、こういう経験も悪くない・・・そう思う。

何時もの『前向きお気楽思考回路』を発動させ、己の腹に絵を書いている男性に注文をする。

どうせなら、格好良い絵の方がいいじゃないか。

 

「あ、歌舞伎調の絵でお願いします」

 

「・・・ごめん、可愛い絵で書いちゃった」

 

―――何ですと?

 

確かに、私のお腹には可愛らしい絵が書かれていた。

瞳には星まで浮かんでそうだ・・・

下地として、既に白いペイントをお腹一面にされているため、今更書き直しは出来ない。

 

現実に打ちのめされた私が、そこに居た。

 

そして出陣

会場前で手渡された器具を使い、腰の部分に手があるように装う。

足は大きく開かないように、こちらも膝の部分できつく縛り上げる(歩き難かった・・・)

つまりお腹が『顔』、太ももが『胴』、膝下が『足』になるのだ。

顔は笠によって隠されるので、お腹の絵が本当の顔のように映える。

いや・・・映えてほしくないって(汗)

 

富良野市の一角に交通規制を敷き、大きな会場が作られていた。

そしてその会場を囲うように、大多数の見物客が押しかけている。

半ば吹っ切れた私と、同じライダー仲間達は踊った。

地元の人の歌声にのって、踊り狂った。

 

 

一時間半も休み無く

 

 

「ぜぇ、ぜぇ、まだ踊るんですか!!

 もう汗でお腹の絵が消えかけてますよ!!」

 

ただでさえ歩きにくい状態で、ひたすらステップを繰り返す。

 

「わはははははははははは!!

 酒じゃ、酒じゃ!!」

 

「うお〜〜〜!!

 もう一周いくぞ、おらぁ!!」

 

・・・振る舞い酒を飲み、既にハイテンションの彼方に逝ってる仲間達。

あまりアルコールに強くない私は、水で我慢をしているため、『壊れる』事ができないでいた。

足はガクガクになり、何時もは肌寒く感じていた北海道の夜が、熱帯夜に変わった瞬間だった。

 

『ええじゃないか、ええじゃないか、ええ〜じゃないか♪』

 

今でも当時を思い出すと聞こえてきます・・・あの『へそ祭り』の音頭が・・・

多分、私はこの記憶を忘れる事は無いだろう。

良い意味でも、悪い意味でも、印象が深すぎる思い出だから。

 

その後、ロッジに帰り露天風呂で絵の具を落とした後。

全員で楽しくバーベキューをした。

殆どの方がライダーなので、出身地はバラバラだった。

それでも、その日はお互いに話が盛り上がり、楽しい一日を過ごせた。

 

 

まあ、地元の祭りに参加するのも旅の醍醐味でしょう・・・今日の走行距離0km(総走行距離3540km)

明日は小樽に向けて出発


2002年 7月 29日 月曜日 小樽へ舞い戻った日

 

この日は少し曇り気味だった。

明日の朝10:00時のフェリー(小樽→舞鶴)で、帰る事にしていた私は、ロッジを昼前に出発した。

今朝のうちに、長い間一緒に走っていたTさんは先に出発をするので、見送りをしたりした。

他のへそ祭り参加者達も、次々に旅立ち・・・出発が遅れた私は、皆さんを見送っていた。

 

「じゃ、そろそろ行きますか。

 オーナー、お世話になりました」

 

「おお、来年もまた来いよ!!

 『へそ祭り』に参加するためにな!!」

 

・・・・・・・・・ちょっと考えさせて下さい。

 

オーナーに見送られながら、私もロッジを出発した。

実は同じように小樽のフェリーに乗る方がいたので、その人と一緒に私は走っていた。

 

これで迷う心配無し

 

フェリーのチケットは既に取得済みなので、遅れるわけにはいかないのだ!!

今度は小樽を目指したら苫小牧・・・なんて事態に陥れば、目も当てられない。

その可能性を否定しきれない自分が、嫌といえば嫌だが。

ふっ、これも私の個性の一つなのさ。

 

北海道の自然を記憶に焼付けながら、小樽への道のりは順調に進んだ。

まだまだ行きたい場所はあったけれど、ハローワーク町役場から召喚されているので帰るしかない。

・・・町役場は、昨日実家に電話をした時に聞いたのだ。

ハローワークに関しては今更説明するまでもないだろう。

っていうか、今日が呼び出し日じゃん。

 

「・・・・・・・・・・・・最早手遅れか」

 

遠い目を緑の山々に向けて、私はそう呟くしかなかった。

北海道の雄大な自然は、何も答えてくれなかったけど(返事があったら逆に怖いわ)

 

その後無事に、Bさん(同行者)と私は小樽に着いた。

到着早々、雨に打たれたけれど・・・

最後の最後まで、北海道は私に雨の洗礼を与えたのだ。

がっでむ

 

 

 

明日にはとうとう北海道ともお別れです・・・今日の走行距離220km(総走行距離3760km)

最後まで雨に付きまとわれるなんてねぇ・・・

 

続く 戻る トップに戻る