その日の晩、エヴァの家で夕食を済ませた横島は、古菲と合流して自警団のパトロール、いつもの見回りのルートを回っていた。
 この自警団、表向きは生徒達のボランティアと言う事になっているが、その裏で麻帆良学園都市を守る魔法先生や生徒達が夜間に動くための口実、隠れ蓑になっている。学園長と自警団のリーダーである弐集院がグループ分け、担当の時間、ルートを上手く振り分けることで、魔法使い達が本来の目的である外部からの侵入者に備え、一般の生徒達は通常の見回りを行うように調整されているのだ。
 横島と古菲は、一般生徒側のルートを夜間見回るようになっており、いざと言う時の援軍とされていたが、学園長はそろそろ魔法使い側のルートを担当させても良いのではないかと考えている。横島としては反対したいところなのだが、これは刹那が木乃香のサポートに集中するための処置でもあるらしく、そう言われると横島も反対しにくい。

 とは言え、今のところは一般生徒のルートの見回りだ。
 やる事は普通の夜間パトロールと変わらない。コンビニの前等にいる男子生徒達を見つけて注意をしたり、門限破りをして夜間外出している女子生徒を見つけては横島がナンパしようとして古菲が肘鉄を叩き込んだりである。
 時には不審者を発見したりもするが、それも一般人だ。修学旅行前に一度不審者を捕らえた事があったが、女子寮狙いの下着ドロであった。
 麻帆良の女生徒達は、アスナ達の麻帆良女子中に限らず、高校、大学も皆可愛いので、横島としてはその気持ちは分からなくはないのだが、古菲の目もあるので心を鬼にして警察に突き出した。

 トラブルがあってもその程度なので、見回りの間は二人で雑談する余裕も出てくる。彼等のルートには公園も含まれているので尚更である。
「と言うわけで、ネギと勝負する事になった」
「うらやましいアルな〜」
「何が!? いやいや、どっちがっ!?」
「ネギ坊主ネ。私、まだ一度も横島師父と戦えてないアル」
「…簡易式神で戦うだけじゃダメか?」
 古菲が横島に勝負を挑みたがるのは修学旅行以前からの話なのだが、修学旅行で彼の戦いを見てからその情熱が更に燃え上がっていた。昼、アスナとの修行中に古菲と簡易式神で戦ったのも、彼女の情熱に負けて断りきれなくなったためだ。
 ところが、古菲はそれで満足するどころか、今までに味わった事のない手応えを感じ、余計に横島との戦いに情熱を燃やす事になった。本末転倒とは正にこの事である。

 夜の公園、愛を語らえば似合いそうな雰囲気ではあるが、この二人の場合はそのシチュエーションそのものが似合わない。古菲は夜の真っ暗な公園と言うのが面白いのか、子供のようにはしゃぎ回っていた。
 微笑ましい光景ではあるが、その実「暗闇から襲い掛かる敵」をイメージして動いているのはここだけの話である。

「私も見に行て良いか?」
「良いらしいぞ。エヴァとしてはギャラリー多い方がいいんだと」
 そう聞くと、古菲は嬉しそうに顔をほころばせた。
 しかし、次の一言を聞いて、表情が怪訝なものに変わる。

「明日の夜七時にエヴァの家に集合だ。お泊りセット一式持ってな
「…お泊り?」
 夜通し戦うと言うのだろうか。もしそうなら、自分も参加したいと古菲は考える。

「でも、古菲の望むような戦いは見れないかも知れんぞ?」
「? どーしてアルか?」
「エヴァに注文されたからなぁ…」
 そう言って横島は、古菲に顔を近付けて耳打ちする。誰かが聞いているわけでもないのだが、エヴァの注文と言うのは、そうしてしまうような内容なのだ。
 それを聞いた古菲は呆気に取られた表情をしたが、少し考えて、それも興味深いと思い直す。
 彼女は元々、自分には無い戦いを求めて横島と共にあるのだ。無論それだけではないのだが、その注文の内容もまた、今までの彼女には無かったものである事は確かだ。
 このチャンス、逃してはならない。
 今頃は女子寮の方でも、横島とネギの勝負の事は、まき絵達からネギの事情を知る者達だけに密かに伝わっているだろう。皆一様に明日を楽しみにしているだろうが、古菲は彼女達とはまた別の意味でそれを楽しみにしていた。


 一方、こちらにも他の面々とは別の意味で明日を待ち遠しく思う少女が存在した。
「はぁ!? あんた、明日横島さんと戦うの!?」
「え、ええ、エヴァンジェリンさんが、僕があれからどこまで腕を上げたか見てみたいって…」
「アスナの姐さん、そんな驚く事じゃねぇだろ? 兄貴の弟子入りテストの相手として、横島の兄さんを選んだってだけじゃねぇか」
 そう、アスナだ。横島の戦いが見れると言うことで楽しみではあるのだが、相手がネギと言うことで、まだ子供である彼を心配してもいる。
 と言うのも、ネギはエヴァから戦い方を学ぼうと言うのだが、アスナは横島が麻帆良に来た初日に、そのエヴァと横島が戦っているところを見ているのだ。彼女が横島に弟子入りしたきっかけでもある。
「そうだ兄貴、姐さんに横島の兄さんの戦い方聞いといた方がいいんじゃねぇか? 弱点が見つかりゃ儲けもんだ」
「えぇっ! それって、卑怯じゃないかな?」
「何、甘い事言ってんだい。事前の情報収集はプロとして当然の事じゃねぇか」
「ぷ、プロ…?」
 プロかアマチュアかはともかく、カモの言う事にも一理あるかも知れない。
 正直なところ、事前に弱点を調べるなど、そういう事はあまり気が進まないのだが、カモがしつこく食い下がるので、ネギは仕方なく、アスナ、木乃香、そして部屋に居た刹那の三人から話を聞いてみる事にする。

「実は私、横島さんが麻帆良に来た日に、エヴァちゃんと戦ってるの見てたのよね」
 横島、エヴァに、アスナ、茶々丸も交えて盛大に鬼ごっこした時の事だ。
 それを聞いたネギは一瞬驚きかけるが、直後に、その時のエヴァは魔法が使えない事を思い出す。
 肉体的には小学生の少女に過ぎないエヴァと横島の戦い。まるでだだっこの様に横島の胸板をポカポカと叩くエヴァの姿を思い浮かべてしまうが、アスナによるとエヴァは何かしらの格闘技を修めており、魔法が使えなくてもかなり強いらしい。そのエヴァが一発掠らせるのがやっとだと言うのだ、横島は。
「まぁ、エヴァちゃんにも言ってたし、子供のあんたに怪我させたりはしないだろうけどね」
「僕としては、男と男の勝負がしたいんですけど…」
 ネギは不服なようだが、カモはその甘さが付け入る隙かと、目を光らせている。

 一方、木乃香と刹那は、横島が除霊しているところに立ち会った事があるそうだ。
「ウチな、横島さんと一緒に幽霊屋敷に行ったことあるんよ」
「…実はその時、私もこっそり後をつけていました」
 横島は基本的に右手に霊波刀『栄光の手(ハンズ・オブ・グローリー)』、左手に、盾であり、投擲する事で武器にもなる攻防一体の『サイキックソーサー』を構えるのが基本スタイルである。サイキックソーサーが盾として小さい事や、横島の動きが洗練されたものと言うよりも、動物的な荒々しさを感じさせる事から、刹那はそれを『剣闘士スタイル』と呼んでいた。
「状況によっては、両手ともサイキックソーサーにしたりするようです」
 たった二つの霊能だが、その応用範囲は広い。横島は、それらを駆使して真正面からぶつかるのではなく、気付かれない内に奇襲を仕掛ける事を好むとは刹那の弁。彼女は更に、ネギとの相性は悪いと付け加えた。

「兄貴は、騎士みたいに正々堂々の決闘をしたがるからなぁ…」
「そんな戦い、横島さんは受けてくれないと思いますよ」
「うぅ…」
 二人の性格の差からか、相性の上ではやはりネギの方が不利なようだ。逃げようとしても追い討ちを掛ける事ができれば話は別なのだろうが、横島の回避は相当のものらしい。
 いかにして自分のペースに引き込み、真っ向勝負に持って行くか。明日の戦いは、そこが勝負の分かれ目となりそうである。

見習GSアスナ極楽大作戦! FILE.38


 翌日の放課後、教師としての仕事を終えたネギがエヴァの家に到着すると、既に大勢のクラスメイト達が揃っていた。
「あ、ネギ。遅いわよー」
 最初に到着したのは、アスナ、古菲、風香、史伽の四人だ。世界樹広場前でのアスナの修行を終えて、そのまま横島と連れ立って来たらしい。
 続けて木乃香、刹那が、のどか、夕映、ハルナを連れて現れた。図書館島で会い、木乃香からのどか達に今日の事が伝えられたのだ。そして、昨日、エヴァの家で話を聞いていたまき絵、亜子、裕奈、アキラ、そして桜子の五人も当然の如くやって来ている。
 更に、カモを通じて今日の事を知った和美もカメラを持って駆けつけた。これで総勢十五名、エヴァ、茶々丸、それに昨日の内に人形の身体を直してもらったさよを合わせると十八名。クラスの半分以上である。
 皆、エヴァの言う通り、宿泊するための準備を整えてきたので、まるで今から修学旅行に行くかのようだ。
「横島師父はとっくに到着してるアル」
「すいません、仕事があって…ところで、横島さんは?」
「そ、それが…」
 おずおずと、のどかが指差す先を見てみると、そこには顔を突き合わせてしゃがみ込む横島とエヴァの姿があった。気のせいか、二人を中心に怪しいオーラが湧き上がっている、ような気がする。
「ネギ君も大変だねー。ありゃ絶対、何か企んでるよ」
「思いっ切り、悪だくみしてるです」
 二人の言う通り、如何にしてネギと戦うかを話し合っているのだろう。
 エヴァは横島の戦い方に注文を付けるだけとの事だが、この光景を見ていると、今日の戦いは横島とネギの一対一の戦いであるはずが、横島の背後にはエヴァが潜んでいるかのような錯覚に陥ってしまう。
 とにかく、これ以上二人に時間を与えても碌な事にはなるまい。ネギは意を決して、恐る恐る二人に声を掛けた。

「む、来たな、ぼーや」
「は、はいっ…!」
 元気良く返事をするが、足が震えている。
「ククク…怯えるな、別に取って食いはせん。だが、つまらん戦いを見せれば…分かってるな?」
「あんま、いじめんなって」
 ネギに気付いて振り返り、悪の笑みを浮かべるエヴァの後頭部に横島チョップが炸裂した。
 涙目のエヴァは横島へと向き直り、「貴様もだぞ、横島! 請け負ったからには、楽しませろよ!」と怒り顔だ。「請け負った」と言うのは、件のエヴァが注文を付けたと言う戦い方の事だろう。横島は分かった分かったと、軽く受け流している。
 それを聞いたネギは小さく溜め息をついた。やはり、その内容はエヴァを楽しませるためなのだと。

 エヴァは、ざっと集まったクラスメイト達を見回して、これ以上ギャラリーは増えないと判断すると、一同を試合が行われる会場へと案内する――はずなのだが、何故か彼女はどこかへ移動するでもなく、家の扉を開けて皆を中へと迎え入れた。
「エヴァちゃん? 流石に、家の中じゃ狭いと思うんだけど…」
「黙ってついて来い。貴様らに『魔法使いらしい』ものを見せてやる」
 アスナ達は世界樹前広場にでも移動するのかと思っていたのだが、どうやらエヴァは屋内で試合を行うつもりのようだ。何か考えがあるようで、リビングを通り抜けて地下室へと一同を案内して行く。
「…ここにも、地下に大迷宮があるとか言わんだろうな?」
「図書館島の事か? 安心しろ、ここにあるのはもっと良いものだ」
 大きな扉の前まで辿り着いたエヴァは、ニヤリと笑ってその扉を開いた。
 奥に進むと、そこは少し広めの部屋で、中央の台座の上には、中にミニチュアの塔のような建物が入ったボトルシップのようなものが鎮座されている。この場合は『ボトルタワー』と言うべきだろうか。
 最後尾の茶々丸に促されて全員が部屋に入ると、そのまま部屋の扉はバタンと閉じられた。
「よし、全員、私が良いと言うまで目を瞑れ」
 いきなりの言葉に面々は戸惑った表情で顔を見合わせている。やがて視線が茶々丸に集まり、彼女が「大丈夫です。マスターの言う通りにしてください」と言うと、皆は安心したのか、言われるままに、両目を閉じた。エヴァより茶々丸の言葉の方が信用できるらしい。
 その様子にこめかみをひくつかせていたエヴァだったが、気を取りなおすとボトルタワーに手を当てて、短く言葉を紡いだ。すると、少女達の足元に魔法陣が浮かび上がり、次々にその姿がフッと消えていく。
 クラスメイトの姿がなくなると、次はネギと横島の番だ。
 二人も他の者達と同じようにその姿が音も無く掻き消える。
「よし、行くぞ」
「了解しました」
 最後に残ったのはエヴァと茶々丸。他に取り残された者がいない事を確認すると、二人も同じように姿を消し、後には台座の上で淡い光を放つボトルタワーだけが残された。


「何よこれーーーっ!?」
 エヴァが「そこ」に現れると、アスナの絶叫が響き渡っていた。
 そこはボトルタワーの中のミニチュアが、そのまま実物大になったかのような塔であり、彼女達は細い柱のような塔の上に立っていた。目の前には、同じ高さだがビルのように大きな塔があり、手すりもない橋で柱の塔と繋がっている。
「ここは私の別荘だ」
 一同が振り向くと、そこには腕を組んだエヴァの姿が。彼女が皆をここに送り込んだのだろう。改めて、彼女が『魔法使い』である事を思い知らされる。
「こ、ここは、あのボトルの中、なの…?」
「厳密には少し違うんだが、まぁ、似たようなものだ。横島達は覚えがあるだろう?」
「ああ、あの幽霊屋敷の地下にあった」
 確かに、横島と刹那には覚えがあった。幽霊屋敷の地下で見た、中に城が入った水晶玉である。
 水晶玉ではなくボトルであったり、こちらの方がはるかに大きかったりと、細かな差異はあるが、原理としては同じなのだろう。今、横島達は、ボトルの中の異空間に入り込んだのだ。
「ですが、あれは水晶玉で、中にあったのは城だったはず」
「こっちの方が少々、型が古いんでな。それに、中に何を入れるかは持ち主次第だ。私はこの通り別荘を入れた」
 そう言ってエヴァは、皆を先導して大きな塔へと橋を渡って行った。
 少女達の足元には大きな魔法陣がある。柱のような小さな塔は、外と中とを繋ぐ出入り口なのだろう。エヴァが向かおうとしている大きな塔こそが本体。彼女の別荘である。
「向こうの塔の上が、柱に囲まれた広場のようになっているだろう。あそこで試合を行う」
「なるほど、ここなら派手に魔法を使っても、周囲に知られる恐れはないな」
「多少派手にやっても構わんぞ。ちょっとやそっとじゃ壊れん」
 人目に付くかも知れないところでは、ネギが遠慮してしまうと考えたのだろう。その点、ここならば誰かに見つかる事はない。塔以外は麓まで何も無い空間が広がっているので、ネギは杖を使っての飛行、空中での機動力を遺憾なく発揮できる。

「でも、ここでするなら何でお泊りセットを…?」
「わかった! ついでに皆でパーティやるんだ!」
「違うわっ! これからそれについても説明する!」
 本体の塔、その頂上に立つ大きな柱を背に振り返ったエヴァは、横島とネギを呼び、試合のルールの説明を始める。
「まず、この別荘のルールなんだが――一度入ると丸一日、二十四時間出られん
「「「………」」」
 絶句する一同。今日は平日だ、明日だって学校はあると言うのに。
 エヴァは彼女達の表情に気付き「心配するな」と説明を続ける。彼女の説明によると、この中は二十四時間経たないと外に出られない代わりに、中で二十四時間過ごしても、外では一時間しか経過していないとの事。
 何故わざわざそんな事を、と誰かが疑問を口にすると、茶々丸がワインを早く熟成させるためですと答えてくれた。塔の中にはワインセラーがあるらしい。最近は、自家製チーズまで作ろうかと目論んでいるそうだ。勿論、実際に作るのは茶々丸になるだろうが。
「ともかく! この男は、ぶちのめせと言ってもやろうとせん!」
 実は、横島はエヴァの注文を全て受け容れたわけではなかった。彼女は当初、ネギを思い切り倒せと言っていたのだが、横島は頑なにそれを断ったのだ。幼児虐待はできないと。
「そこで、試合の終わり方は二つ用意した。一つは勿論ぼーやが横島を倒す事、もう一つは横島が二十四時間逃げ切る事だ」
「それ、横島兄ちゃんが二十四時間攻撃され続けるって事?」
「別に、『ここだけ』で戦えとは言ってないぞ?」
「なるほど、俺流にやっていいんだな?」
 心配そうな裕奈に対し、エヴァがニヤニヤとした笑みで応えると、横島も負けじとニヤリと笑みを浮かべる。この二人、悪だくみする時はどこか通じ合っているのかも知れない。
 ネギは怯え、ハルナが苦笑混じりにその頭を撫でていた。

 戦場は別荘内の全て、塔の麓の砂浜はおろか、周囲の海に潜ろうが自由だ。横島は好きに逃げ回り、ネギはそれを追い詰めて倒す。風香は「二十四時間耐久鬼ごっこ?」と目を輝かせており、ネギも似たようなものではないかと判断した。
 ただし、横島は怪我をさせるつもりはないが、攻撃しないわけではないと言っているので、ネギの方も注意しなければならないだろう。

 説明が終わると、二人は少し距離を取って並び立った。
 中央の柱の側に立った茶々丸が試合開始を告げるとネギは杖を構え、そして横島は『栄光の手』を出して身構えた。守りに徹するならば横島は、両手にサイキックソーサーで来るはずと考えていたので、ネギは詠唱を開始せずに距離を取って警戒している。

「行くぞ! 蝶のよーに舞いッ!」

 横島が自分に向かって駆け出したため、ネギはそれを迎撃すべく『魔法の射手(サギタ・マギカ)』の詠唱を始める。
 だが、横島が動き出してから詠唱を開始したため、魔法の完成まで少し時間が足りそうにない。横島の一手目は魔法障壁と杖で受け止めるべきかと身構える。

「…え?」
「ゴキブリのよーに逃げーるッ!」

 しかし、横島はそのままの勢いでネギの脇を通り過ぎて行ってしまった。
 呆気にとられたネギが詠唱を止め、動きを止めたその瞬間―――

「と、見せ掛けてハチのよーに刺ーすッ!!」
「あたっ!?」

―――ネギの後頭部に『栄光の手』の一撃が叩き込まれた。
 なんと横島は、通り過ぎた直後に急ブレーキを掛けて、身を翻して躍り掛かったのだ。
 痛いが、動けないほどではない。怪我をさせるつもりはないが、攻撃しないわけではない。あの言葉はこういう事だったのかとネギは得心する。
 ならば、追撃に備えなければならない、反撃もしなければならない。
 ネギは後頭部を手で押さえながら振り返り、手にした杖を横島に向ける。

「そしてまたゴキブリのよーに逃げーるっ!」

 しかし、その杖の先には虚空しかない。横島は既に踵を返して逃げ出していた。
「え? え?」
 キョロキョロと辺りを見回し横島の姿を探してみる。「兄貴、向こうだ!」和美の肩の上に乗っていたカモの指差す先を見ると、そこには塔の中へと続く階段を駆け降りて行く横島の姿があった。
「って、横島さーん!?」
「戦場はこの別荘内、ルール違反じゃないぞ。ほれ、追いかけろ」
 エヴァが顎で追うように促し、ネギは慌てて杖に跨ってその後を追う。屋内では、杖で空を飛ぶにも、その機動力を大きく削ぐ事になるが、それでも走るよりはスピードが出るはずだ。
 地面すれすれの低空飛行で下へと降りると、まず目の前に広がったのは柱が立ち並ぶ広い回廊だった。
 もしかしたら、どれかの柱の影に横島が隠れているかも知れない。ネギはゆっくりと飛んだままで辺りを警戒していると、回廊の向こう側、曲がり角の先からタタタッと走り去る足音が聞こえてくる。
 横島は柱の影に潜むのではなく、もっと奥に隠れるつもりだ。どこかの部屋の中に隠れられたら、そのまま二十四時間逃げ切られるかも知れない。ネギは慌てて奥へと飛んだ。曲がり角を曲がってみると、既に横島の姿は無い。これ以上引き離されてしまってはネギの負けだ。
 戦う前は、空を飛べない横島に対し、杖で飛んで空から攻撃するなんてと考えていたが、横島は容赦なく自分の得意なフィールドに引き込んで来た。ネギの望む戦いではないが、これも戦いだ。
 それでも自分は正々堂々と戦い、横島を捕らえて勝つ。回廊を抜けると廊下も少し狭くなっているが、そんな事を気にしている暇はない。ネギは跨る杖を握る手にぎゅっと力を込めると、横島を追うべく更にスピードを上げて奥へと飛んだ。


 一方、塔の屋上では、少女達が横島の行動に絶句していた。
「よ、横島さんって…」
「えーっと、あれも戦術ってヤツ?」
「『ヒットアンドアウェイ』と言葉を変えれば、理解できなくもないです」
 試合開始からの一連の流れに亜子は呆れ顔だ。まき絵も、あれは戦術ではないかと言っているが、あまり自信はなさ気である。逆に夕映はそれなりの理解を示していた。言動はあれだが、「フェイント」と言い換える事もできるだろう。
「せっちゃんはどない思う?」
「…まぁ、ただ逃げるよりかはいいでしょうね。『反撃がある』とネギ先生は感じたでしょうから」
「そ、そうよね! あれも作戦なのよねっ!」
 刹那の言葉を聞いて、呆然としていたアスナは俄然元気を取り戻した。
 最初にダメージを与えておく事は決して悪い手ではない。横島が逃げの一手に徹するだけならば、ネギは追い掛けて攻撃するだけで良いが、反撃もあるとなると、そちらの方にも意識を割かざるを得ない。
「しかも建物の中に入てしまたから、ネギ坊主は奇襲も警戒しないといけないアル」
「い、色々と考えてるんだね…」
 アキラは感心した様子だが、割と動物的カンで動くところのある横島が、実際にそこまで考えていたかは微妙なところだ。ただ単に屋内の方が隠れる場所が多いと判断したのかも知れないが、それを知る術は彼女達には無い。
 そして、気付いているのはエヴァとカモだけであったが、屋内に逃げると言う事は、杖による飛行の機動力を削ぐと同時に、魔法の射程における有利も殺している。どこに隠れているかが分からなければ、魔法の使い様がないのだ。
 嫌な手を使う、エヴァは唇の端を吊り上げて笑みを浮かべる。
 ネギの『正々堂々』とは対極に位置するその戦い方。エヴァが横島に求めたのは、まさにそれであった。

 とは言え、これではせっかく見学に来たと言うのに何も見る事ができない。
「ねぇねぇ、エヴァちゃん。二人がどこで何やってるか、中継する事はできないの?」
「任せておけ。チャチャゼロ、そこの小動物を閉じ込めておけ」
「リョーカイ、御主人」
 和美が何とかならないかとエヴァに問い掛けてみると、エヴァは待ってましたと言わんばかりに、すぐさまチャチャゼロを呼び寄せた。すると、エヴァ達よりも先に別荘内に入っていたチャチャゼロが、ナイフと鳥カゴを持って現れる。
 カモは別荘内に足を踏み入れた時から感じていた事だが、ここはチャチャゼロが自由に動き回れるぐらいに魔法力が充満している。それはつまり、封印状態のエヴァでも、ある程度の魔法が使えると言うことだ。
「…チッ、仕方ねーなぁ」
 一瞬逃げようかと考えたカモだったが、ナイフを持ったチャチャゼロの目が「逃げろ」と言っているので、おとなしく捕まる事にする。あの目は「獲物を狙うハンター」の目だ。
 一見して、色が金色である事と、装飾が凝っている事以外は、普通の鳥カゴなのだが、実は元々妖精を捕らえるための檻で、念話も妨害できる優れものだ。
「では、二人がどこで何をやっているか、これで見てみるとしようか」
 カモが檻に入った事を確認すると、エヴァは予め準備していた水晶玉を取り出した。占い師が使うようなサイズで、エヴァの手には少々大きい代物である。
「やるね、エヴァちゃん。実はこうなるって予測してたんでしょ?」
 その準備の良さにハルナがニヤニヤした笑みを浮かべると、エヴァも「まぁな」と微笑んで水晶玉に手をかざして呪文を唱えた。ここに連れてくれば横島は塔の中に逃げ込むと予測していたのだろう。カモ用に檻を用意したのも、ここで中継する内容を念話でネギに伝えられないようにするためだ。

 実はこの水晶玉はこのボトルタワーの別荘の端末であり、別荘内であればどこでも見る事ができるし、侵入者があれば探す事もできる。この機能を使って、塔内の二人の姿を中継する。
「それじゃ、まず横島さんをっ!」
「がっつくな、神楽坂アスナ。待ってろ…私としても、寝室とかに忍び込まれていると困………る?」
 水晶玉に横島の居場所を映し出したエヴァの動きが止まった。何事かとアスナも覗き込んでみると、そこにはアスナ達が現在居る塔の屋上が映されている。
「よぉ、何見てんだ?」
「えぇっ!?」
 バッと顔を上げて見てみると、そこには塔内で隠れているはずの横島の姿。
 エヴァも横島の顔を確認し、慌てて水晶玉でネギの位置を確認してみる。するとネギは塔内を一部屋一部屋確認しながら横島を探し続けていた。
「き、貴様、何をしたっ!?」
 エヴァが問い詰めると、横島は笑って、光る文珠を見せた。
 そこに込められた文字は『音』、実際に塔内では別の文珠を使って何かしたのは間違いない。
「ッ! まさか…」
「横島さん、文珠で足音出したんやな〜」
「ハイ、木乃香ちゃん正解」
 意外にも、一番に正解に辿り着いたのは木乃香であった。
 そう、横島はやはり最初の回廊の廊下に隠れていたのだ。そして、文珠だけを奥に放り投げて足『音』を出し、ネギを塔の奥へと誘導。自分は『隠』の文珠で気配を消し、彼が曲がり角を曲がって奥へと消えた後、悠々と階段を登って屋上へと戻ってきたというわけだ。
「な、なんつー反則技を…」
「卑怯にやれと言ったのはエヴァだろ? 見つける相手のいないかくれんぼって言うのは凶悪だぞ〜」
「たわけ。貴様の卑劣な手に対して、ぼーやがどう対応するかが見たかったんだ」
 しかし、これではネギがこのトリックに気付くまで対処のしようが無い。下手をすると、このまま塔内で居もしない横島を二十四時間探し続けるかも知れない。
「あ〜、そういう事だったのか。んじゃ、ネギが戻ってきたらやってみるわ。茶々丸、何か飲み物もらえるか?」
「かしこまりました。すぐに紅茶をご用意いたしますので、少々お待ちください」
「貴様と言うヤツは…茶々丸も、当然のように横島の命令を聞くなっ!」
 修学旅行の時も含め、横島には何かと世話になっており、エヴァの呪いを解くためには彼の協力は必要不可欠なので、茶々丸の中には彼に対する仲間意識、身内意識があるのかも知れない。
「マスター、茶葉はどちらの物を?」
「ウバだ! ミルクたっぷりでな!」
「承知しました」
 怒りながらも、きっちりと自分の分も注文するエヴァ。
 状況は気に入らないが、横島の居場所をあっさりとネギに教える気はないようだ。少しでも疑念を抱けば教えてやるつもりなので、中継は続けるが、しばらくはそのまま見守る事にする。
 茶々丸は、ネギに見つからないように塔の外側の階段を使って厨房に降り、十分ほどして人数分のティーカップに暖めたポット、そしてケーキとクッキーを乗せた大きなトレイを持って現れた。外側の階段は、柱の塔に続く橋と同じく手すりの類は無い。実に素晴らしいバランス感覚である。

 そして茶々丸が手馴れた手付きで紅茶を注ぎ終えた頃、水晶玉に映るネギの動きに変化があった。横島の姿はおろか、影も形も、痕跡すらも見つからない事に疑問を感じたようで、一旦屋上に戻ろうとしているようだ。
 横島としては、このままネギが屋上に戻ってくるのを見計らって、外側の階段を使って逃げると言う手もあるのだが、エヴァの視線が怖いので、おとなしくここでネギを待ち構える事にする。
 せっかく、おいしく淹れてもらったミルクティーを、香りを楽しむことなくグイッと一気に呷り、何か言いたげな茶々丸の視線が背中に突き刺さるのを感じながら待つこと数分。杖に跨り飛んだままのネギが屋上に飛び出して来た。
「やっぱり、ここに居たんですね! 『犯人は現場に戻る』、この前見たドラマで言ってました!」
「誰が犯人やねん」
 ツっこみながらも、横島はネギの言葉にピンと閃いた。
 エヴァは卑怯にやれと言う。しかも、ネギの目の前で。本当なら、この後は逃げながら各所にトラップを仕掛ける予定だったのだが、それでは彼女はお気に召さないだろう。
 ならば言う通り『犯人』になってやろう。横島は空中のネギにニヤリと笑い掛けると、ミルクティーを楽しむエヴァを抱え上げて、ネギの前に立った。
「お、おい、横島何を…」
 いきなり皆が見ている前で抱き上げられ、恥ずかしいのか頬を染めるエヴァ。
 しかし、次の瞬間、横島の口から出たのは、彼女の予想を遥か外へと越えて、光の彼方に飛び去るような衝撃的な言葉だった。

「それ以上近付くなー! コイツがどうなっても知らんぞーっ!!」

 何が起きるのかと見守っていた一同は、だあぁっとずっこける。
 なんと、横島はネギに対し、エヴァを人質に取ってみせたのだ。
「なっ!? ひ、卑怯ですよ!!」
「卑怯で結構! このままお前が二十四時間攻撃できなきゃ、俺の勝ちだ!」
 先程の横島とエヴァの話によれば、わざと卑怯にやっているはずなのだが、この男ノリノリである。迫真の演技にも見えるが、どこまで本気かは分からない。
「貴様、覚悟はできてるんだろうな?」
「卑怯にやれと言ったのはエヴァだろ?」
「ぐぅ…」
 そう言われると、エヴァも口を噤むしかない。
 ここで人質を取るなど、エヴァですら考え付かなかった卑劣なやり方だ。いっそ感心さえしてしまう。
 ネギもこう来るとは予想できなかったようで、混乱しているようだ。無理もあるまい。
 横島はエヴァを抱えたままじりじりと動いて、階段の方へと向かって行く。このままいつまでも膠着状態でいるわけにはいかないので、時間制限を設けたのだ。横島が階段に辿り着くまでに、ネギが対処方法を考えつかなければ、横島の勝ちである。

「兄貴、構う事はねぇ! やっちまえ!」
「で、でも、カモ君…」
 檻の中でカモが叫んでいるが、ネギは動けない。
 それもそのはずだ。ここで人質を見捨てると言う非情な決断を下せるならば、エヴァもこんな試験を用意しなかった。ここで彼がどう動くかは、非常に興味深い。だからこそ、エヴァも横島に対し反撃する事なく、おとなしく流れに身を任せているのだ。勿論、後でお仕置きはするつもりだが。
「兄貴、ここなら真祖は魔法が使えるんだ! 魔法障壁もあるから、ちょっとやそっとの魔法じゃビクともしねぇって!」
 カモは更に続けた。なんと、エヴァは魔法を防ぐ事ができるから気にせず撃てと言うのだ。
「そうなのか?」
「実はな。もしここでぼーやが攻撃したら、相当強力な魔法でない限り、傷付くのは貴様だけだぞ」
「そりゃ困ったな…」
 足を止めて横島は本当に困った顔をしている。
 それならば、もし本当に攻撃してきた時に安心だが、人質としての意味が薄れてしまう。
 もう少しネギを本気で悩ませるために、横島は更なる一言を付け加える事にした。
「ネギー! 確かにエヴァは魔法を防げるみたいだが、それは人質にしても、俺は安心していられるって事だぞー!」
「いっそ惚れ惚れするな、貴様の言い分は」
 感心した様子のエヴァだったが、ここで終わらないのが横島である。
「だが、お前にとって人質である事は変わらないぞ!」
 ネギが魔法を使っても平気だと言うのに、何故そうなるのか。分からない一同が疑問符を浮かべていると、横島は詳しい解説を付け加えてくれた。

「もし、本当に攻撃したらエヴァは絶対に怒る! 後が怖いぞーッ!!」
「くうぅッ!?」

 相当の衝撃だったのか、空を飛んでいたネギは、ポトリと屋上に落ちてしまった。
 確かに、本当に攻撃したら、たとえ魔法障壁で防げたとしても、エヴァは絶対に怒るだろう。横島だけでなくネギの身にも危険が及ぶ事になる。
 何とかしてエヴァを助けたいが、横島はその隙を見せてくれない。
 下手に攻撃すると、人質を助けるどころか、その人質が怒る。
 ネギは、杖を構えて横島を見据えるが、これでは本当に何もできない。

「………」
「………」
「………」

 完全な膠着状態に陥ってしまった。
 横島はエヴァを抱きかかえたまま、エヴァを膝の上に乗せて座り込み、ネギの次の動きを待つ。
 手持ち無沙汰なエヴァは、茶々丸にケーキを運ばせると、それを受け取りおいしそうに食べ始めた。当の人質にはそれぐらいの余裕があるのだが、ネギの方は頭を抱え、脂汗をダラダラと流して考え込んでいる。


「ぼーや、一つ言い忘れたが、決着の条件はもう一つあるぞ」
「…何ですか?」
「どちらかがギブアップする事だ」
「………分かりました。降参します」
 それから丸々一時間悩み抜いた後、見かねたエヴァが助け舟を出すと、ネギも諦めて白旗を揚げた。
 当初はこれを認めると、横島が試合開始直後に土下座する可能性もあったので認めるつもりはなかったのだが、このような状況に陥ってしまったら、降参を認めるしかない。
 何もできなかったに等しいネギは落ち込んだ様子だったが、こればかりは相手が悪かったとしか言いようがあるまい。横島の膝に腰掛けたままネギを見詰めるエヴァの瞳にも、同情の色が混じっている。

「あー…この別荘でなら時間も取れるし、何なら私が魔法使いの戦い方をレクチャーしてやってもいいぞ?」
「え? でも…僕は何もできませんでしたし」
「いや、それは…」
 流石に、今のネギに『アレ』を相手にうまく立ち回れと言うのは無茶である。それぐらい判断できないエヴァではない。
 とにかく、正々堂々だけではどうにもならない事だってあると、これでネギも思い知ったであろう。横島のおかげで予定以上に厳しい結果となったが、彼女の当初の目的は果たされたと言える。
「ネギは気にする事ないぞ」
「そうだ、ぼーやは気にしないくていい」
 落ち込んだネギを見かねた横島とエヴァは、揃って彼のフォローを始める。
「悪いのは、エヴァなんだし」
「悪いのは、横島なんだからな」
 揃ってフォローを始めた二人は、やはり揃ってお互いに責任をなすりつけた。
 落ち込んでいたはずのネギも呆気に取られて、目を丸くしている。
「って、人のせいにすんな、エヴァー! お前がやれ言うたからやったんだろがー!」
「誰もあそこまでやれとは言っとらんっ!」
 横島が膝の上のエヴァの脇腹をくすぐると、彼女も負けじと鼻に噛み付いて反撃する。
 そのまま二人の戦いはアキラがエヴァを抱き上げて引き剥がし、古菲が横島の脇腹に肘鉄を炸裂させるまで続けられた。
 その後は和美とハルナが「「ネギ君の弟子入り決定〜っ!!」」と囃し立て、なし崩し的にネギのエヴァへの弟子入りが決定する事となる。エヴァとしても、ネギが正々堂々だけではやっていけないと理解すれば、調べ物の合間の気晴らしに稽古を付けてやっても良いと考えていたので、文句は無い。むしろ、必要以上にやり過ぎたと、あのエヴァが反省しているぐらいだ。茶々丸がそれを知れば喜んで赤飯を炊くだろうから、あえて口には出さないが。

 ハルナが中心となってネギを胴上げする中、エヴァは茶々丸の助けを借りて、なんとかその輪から抜け出した。
 そして、横島の方を見てみると、こちらも「そんな目で見んといてー!」と悶絶しながら転がっている。
「わざとでも、アレだけやたら十分ヨゴレアル」
「ネギ先生には非常に効果的だと思いますが、やりすぎです」
「いやー、予想外の事ばっかで、結構面白かったけどねー!」
「大丈夫…?」
「あの、戦術的には凄かったと思います! 刹那さんも言ってました!」
 悶絶しているところを、風香と史伽が面白がって突く中、それなりに理解を示してくれる古菲に夕映。面白かったと言ってくれる裕奈。そして背中をさすってくれるアキラの思いやりと、健気にフォローしてくれるアスナの心遣いが心に痛かった。
 ある程度楽しんでやった面もあるので、自業自得なのかも知れないが、結局のところ、今回色々な意味で一番のダメージを受けたのは、実はこの男なのかも知れない。



つづく


あとがき
 今回はエヴァに関する事が多いですが、

 別荘内にワインセラーがある。
 外での一時間が中での二十四時間なのは、ワインを熟成させるため。
 好きな紅茶はウバのミルクティー。

 この辺りは『見習GSアスナ』独自の設定です。

 別荘に関しては、原作を参考にしながら、他にも色々と独自の設定を加えています。
 ご了承ください。

 それと、今回カモを入れた檻ですが、これはGS美神原作の方で、妖精の鈴女を捕らえていた檻と同じようなものかも知れません。
 あれに念話を妨害する力があるかどうかは謎ですが、それは魔法使いが用意した檻だと言うことでひとつ。







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代理人の感想
・・・・・まぁ、なんつーか慰める言葉が無いなぁ。
正面から叩き潰されたならまだしも、実力を出せないどころかコケにされまくった上に完封負けですからねぇ。
さすがのエヴァも悪どさでは横島に(そして多分美神にも)勝てないってぇ事ですか。

>幼児虐待はできない

さすがに幼児は酷いんじゃないかと(笑)。
アダルトチルドレン予備軍っぽくはありますが、それは関係ないし。>ネギ

>「別に、『ここだけ』で戦えとは言ってないぞ?」
>「なるほど、俺流にやっていいんだな?」

つかこの時点ですでに児童虐待のような気はするのは私だけだろうか(爆)。