「ふーむ…人間どもの魔法も、昔に比べて随分と様変わりしたものだな」
「つまり、ここ千年の間に魔法にも技術革新があったと言う事ですか?」
 エヴァの書斎から借りてきた魔導書を読みながら、土偶羅がしみじみと呟くと、すぐさまそれに夕映が食いつく。
 こう見えても土偶羅は千年以上前、日本で言うところの平安時代の頃には既にアシュタロスに仕えていた古株の兵鬼だ。時には失態を演じてバラバラにされ、幾度となく修理、改修、改良を加えられた末に現在の『三界最高峰の情報ユニット』たる土偶羅魔具羅が完成したわけだが、その人格はずっと同一のものである。
 そんな土偶羅が現在居るのは、午前の間千雨と夏美が寛いでいた浜辺の休憩所だ。一旦書斎に本を借りに行ったが、締め切った部屋よりも外が良いと言う事で、ここに移動してきている。
 先客であった千雨は非常識の塊の来訪に飲んでいたジュースを噴き出し、土偶羅達が来たのに合わせて逃げ出すのも癪なので、逃げようにも逃げられずに頭を抱えていた。頑固であるために諦める事もできず、負けず嫌いであるため目を背ける事もできない。そして、論理的であるために、否が応でも話を理解してしまう。なんとも難儀な話である。

「いや、魔法と言うのは、元々わしら魔族が人間に与えたものなんだが…これは、根本的に違う。精霊の力、マナを借りているな」
 借りた魔導書は、言わば初心者のための魔法教本。それを読んだだけでネギ達の魔法を理解してしまう分析能力は称賛に値するだろう。
 土偶羅の説明によると、本来魔法と言うのは魔族の力を借りる、或いは魔属性に傾いた人間の力を用いる術らしく、それに対しネギやエヴァが使う魔法は主に精霊がその源となっているそうだ。
 魔法使い達は、魔族の力を借りるが故に人間界を追われて魔法界に移住する事になったため、その際に魔族から教わった魔法のほとんどを捨ててしまった。そして、新たに求めた力を借りる相手と言うのが精霊達だ。移住先の世界、魔法界がそれだけ精霊の力に満ちた世界だったのであろう。と言うより元からそう言う世界を選んで移住したのではないかと土偶羅は推察する。オコジョ妖精の用いる仮契約の魔法陣等、精霊、妖精の力を借りる魔法は以前から少なからず存在していたのがその理由だ。
「それじゃ、中世ヨーロッパの魔法は現存しない…?」
「いやー、人間界のオカルト関係者が復活させようと研究しとるそうだぞ」
 それが現在世間にも認知されている所謂『表の魔法使い』だ。彼等は中世に滅びたとされる魔法を復活させる研究者であり、『魔法学会』と言う集まりで互いに情報を共有し合っていると言う。
 ただし、それがどこで行われているかは謎とされているため、詳しい事は定かでは無い。これはやはり、かつて魔法使い達が人間界から追い出される事になった原因、『魔女狩り』が影響しているのだろう。現代も『教会』が健在であるため、それを警戒しているのだ。
「わしも詳しい事は知らんが、ここ何年か一人の天才が現れて飛躍的に研究が進んどるそーだぞ」
「ああ、魔鈴さんだな」
「ああ、その名前は以前にも――って、その人の事なんですかっ!?」
「らしいな。俺が事務所独立した時の保証人の一人でもある」
「ああ、横島さんをマスターに選んだのは間違いじゃありませんでした…」
 感動した様子で、キラキラした瞳を横島に向ける夕映。こんな調子で土偶羅の話は続き、いつの間にか土偶羅と夕映を中心に授業が開催されていた。どうやら、土偶羅は何かと語りたがる傾向にあるらしい。
 魔法や魔界に関する話は学校の授業よりも面白いらしく、興味津々の和美はもちろんの事、風香達も水着の上にTシャツを着て土偶羅の話に聞き入っていた。この場にいないのは「秘密の特訓」と称して塔の裏手に行ってしまった豪徳寺、中村、山下の三人と、現在屋上で猛攻に曝されているネギ、そして曝しているエヴァだけだ。午後も魔法の練習を続けるつもりであったのどかも、土偶羅から魔法に関する話を聞くためにここに居る。
「あ、あの、土偶羅…さん? ちょっと聞きたい事があるんですけど」
「ん、なんだ?」
 アスナとしては座学よりも身体を動かしたいところなのだが、ここは少し我慢して以前から一つ疑問に思っていた事を尋ねてみる事にした。どう呼べばいいか分からないが、とりあえずさん付けで呼んで見る。
「魔法を防ぐ力ってあるんですか?」
「結界術の事か?」
 土偶羅は間髪入れずに切り返すが、そうではない。
 アスナは修学旅行中の関西呪術協会総本山が襲撃された夜、至近距離で放たれた石化の魔法を弾いた事があるのだ。
 あの時は理由も分からず、助かったと言う結果だけを受け止めていたが、土偶羅ならばその謎が解けるかも知れない。もしそれが何かしらの特別な力であれば、自分は除霊助手として一歩も二歩も前進する事ができるとアスナは考えていた。
「ふーむ、それはおそらく『魔法無効化能力』と言うヤツだな。魔法使いと関わっているなら、他に覚えがないか? 魔法が効かなかったとか、魔法を無視できたとか」
「そう言えば、エヴァちゃんが魔法障壁を無視するなとか言ってたような…」
「それだ。ヨコシマの文珠ほどじゃないが、なかなかレアな能力だぞ」
「具体的にどういう力なんですか?」
「それはだな――」
 夕映も興味を持って問い掛けたため、土偶羅は気を良くして説明し始めた。薀蓄好きの一面を持つ土偶羅と、知的好奇心溢れる夕映。やはり、土偶羅魔具羅は夕映の下に来るべくして来たアーティファクトと言う事なのかも知れない。

 閑話休題。

 魂から引き出される力には三つある。肉体を通して引き出される『気』、精神を通して引き出される『魔法力』、魂から直接引き出される『生命力』すなわち霊力の三つだ。
 土偶羅の説明によると、この内『魔法力』に依って引き起こされる現象を中和する能力の事を『魔法無効化能力(マジックキャンセル)』と呼ぶそうだ。先天的なもので、どれだけ努力しようとも後天的に身に付く事はない、極めて希少な存在である。
「私に、そんな能力が…」
「能力と言うより、魂の持つ個性だな。それに、使いこなすには相応の努力をせんといかんぞ。どこまで無効化するか、そもそもどれを無効化するか」
「うっ…」
 石化魔法を無効化した際に、アスナ自身は無事でも身体に巻いていたバスタオルは石になって砕け散った事を思い出してアスナは呻いた。
 それだけではない。ネギが麻帆良に来た当初、アスナは何度か『武装解除(エクサル・マティオー)』と言う魔法によって衣服を吹き飛ばされている。つまり、アスナ自身をどうにかしようと言う魔法は防げても、アスナ以外――例えば着ている服等をどうにかする魔法は防げないと言う事だ。
「…今の私には使いこなせないって事?」
「貴様自身を狙った魔法ならどうにかできるだろうが、それ以外は難しいだろうな」
 土偶羅のおかげで謎の現象の正体は判明したが、結局アスナが未熟であるため、すぐさま役に立つようなものではない事まで判明してしまった。
 この能力自体魂の個性であるため、『気』、『魔法力』、『生命力』のいずれかを使いこなす事が出来れば、特に魂から直接力を引き出す『生命力』ならば、その応用範囲がグンと広がる事が分かっただけでも収穫と言えよう。
「それって、つまり…アスナには魔族の魔力による攻撃が一切効かないって事なんじゃ!?」
「おおーっ!」
「アスナ、すごーい!」
「コラコラ、貴様等勘違いしとるぞ」
 盛り上がる一同に土偶羅がツっこみを入れる。
 魔法無効化能力で中和できるのはあくまで『魔法力』であって『魔力』ではない。そもそも、魔族の大半は『生命力』としてその力を振るっている。『魔法力』が用いられるのは所謂術系のものだけだ。
「その気になれば幻術でも無効化できるんだろうが、それも貴様が幻術である事を認識できん事にはどーしようもないな」
「要勉強って事ね」
「慣れない内はあまり当てにせん事だ。魔族の攻撃なぞ、魔法に見えて普通に魔力をぶつけるだけなんてのは珍しくないぞ」
 アスナはガックリと肩を落とした。土偶羅の言葉によれば、魔法無効化能力は、今の状態でも対魔法使いに関してはジョーカーに成り得る能力ではある。しかし彼女が求めているのは除霊助手として横島に頼ってもらえるような力なのだ。

 ちなみに、この時横島は何をしていたかと言うと―――

「ほほぅ、これはこれは…」

―――身を乗り出して土偶羅の話を聞いている面々の中にいる桜子の、うっすらと透けるTシャツや、ちょんと突き出された形になっている水着に包まれた形の良いお尻をこっそり堪能していた。
 幸いにも、皆の視線は土偶羅とアスナに集中していたため、気付かれる事はなかったようだ。

見習GSアスナ極楽大作戦! FILE.52


「横島さん! 早速午後の修行を始めましょっ!」
 横島に腕を絡めて早く午後の修行を始めようと促す。
 土偶羅のおかげで除霊助手としての修行だけではなく、魔法無効化能力の修行もしなければならないと分かった。この別荘で使える時間をフルに使って修行に励みたい。
「そうだな…愛衣ちゃん。昼から空いてる?」
「え、あ、はい、大丈夫です、多分」
 突然声を掛けられて戸惑う愛衣であったが、高音は千鶴と仲良くなっているため、近くで見学させておけば少しぐらい離れても大丈夫だろうと返事を返す。
「それじゃ、アスナの修行に協力してくれないか? その魔法無効化能力がどんなものか見るには、実際に魔法を使ってもらうのが一番だろうし」
「な、なるほど…分かりました、お兄様っ!」
 他ならぬ横島の頼みであるため、愛衣は満面の笑顔で承諾した。
「よろしくね、愛衣ちゃん!」
「はい、アスナさん!」
 この三人で砂浜に向かおうとすると、興味を持った古菲を始めとする幾人かがその後に続いた。
 まず、高音が続き、それを千鶴と夏美が後を追う。これは高音が愛衣の側を離れたくないためだ。昨日までのように常にひしっと抱き着いていなければならない事はないが、やはり愛衣の側が一番安心できるらしく、一生懸命ついて来ている。
「やっぱり、お兄様の側にいたいんですね」
「あ、あれ、そうなのかしら…?」
 肝心の愛衣はものの見事に勘違いしていたが。
 そして、土偶羅の話も興味はあるが、やはり授業よりも目の前で動いてくれている方が面白い風香と史伽。自他共に認める可愛いもの好きで、高音、千鶴と遊びたい桜子。これに一分一秒でも早く土偶羅の下から離れたい千雨が続く。
 行った先でも魔法が飛び交い、アスナがそれを防ぐと言う非常識な光景が繰り広げられる事になるのだが、千雨はまだそれに気付いていなかった。



 一方、屋上では激闘が繰り広げられていた。ただし、極めて一方的な。
「ほらほら、どーした。ちょっとは反撃してみせろ」
「ぐっ…風花・風障壁(フランス・パリエースアエリアーリス)ッ!!
 エヴァの攻撃を魔法の障壁で防ぐネギ。
 防戦一方だが、当初はこの防御すらも間に合わなかったのだから、これでも大した進歩である。
 しかし、当のエヴァはこの程度では満足しない。
 ようやくネギが一撃防いだ事に笑みを浮かべ「ならば、これはどうかな?」と、障壁に小さな拳を叩きつけ、力技でそれを破り始めた。
「うわわっ!?」
 これにはネギも驚きの声を上げる。
 その気になればトラックとの正面衝突も無傷で済ませる事ができる、本来ならば物理的に破壊する事が出来ない魔法障壁。しかし、それは理論上の話で、力量差によってはこの通り、力尽くで突破される事は有り得るのだ。魔法力による身体能力強化の賜物と言えよう。
 ネギのような魔法界で生まれた者達は、かつて人間界で魔族と交流を持っていた者達に比べて、魔族の圧倒的な力を知らない傾向にある。ネギもそうだ、障壁を力技で破られた事に驚きの声を上げているのが何よりの証拠である。
 だからこそ、エヴァはここで教える。魔法障壁を過信するなと。
 障壁程度、魔法使いでも実力者であれば攻撃魔法で相殺してくる。魔族ならば尚更だ。
「ハァーハッハッハッ!」
「ひいぃぃー!」
 叩き割るのも一興だが、ここは演出に力を入れ、障壁に両手の指を突き刺して引き千切るように霧散させる。
 更にそこから顔を覗かせるようにして悪らしく高笑いを上げれば、まさに空間を突き破って召喚される悪魔か何かだ。ネギが思わず恐怖に駆られて悲鳴を上げてしまうのも無理はない。
 そしてエヴァは、後ずさるネギの頭を逃がさんと言わんばかりにわしっと掴み、動けないように地面に押さえつける。
「どうした、どうした。私はまだまだ余裕があるぞ」
「うっ…まだまだです!」
 押さえつけられながらも、ネギの目は戦う意志を失っていない。それを見てエヴァは、そうこなくてはと唇の端を吊り上げて笑みを浮かべる。彼女も昨日大量に血を戴いたので、これだけ動いても魔力量にはまだ余裕があった。流石に全力と言うわけにはいかないが、どの道ネギを相手にするには手加減しなければならないので、それはどうでも良い。こうして魔力を以って暴れられる事こそが、彼女にとっては重要なのだ。
「フッ…横島に感謝、だな」
 今日はどのように味付けをして、どうやって血を戴こうか。考えるだけで心が躍る。
 そうすれば、明日はまた更に魔力を使う事が出来るのだ。正直なところ、京都から持ち帰った文献の調査があまりはかばかしくなかったため、エヴァにとってこれは良いストレス発散にもなっていた。
 そのおかげか、現在彼女は非常に機嫌が良い。こうしてネギに稽古を付けてやるだけではなく、少しサービスしてやっても良いと思えるぐらいに。

「よし、大サービスだ。とくと味わえ」
 エヴァは、その言葉と共に倒れるネギを豪快に蹴り上げた。
 そして、宙を舞うネギを自ら飛んで追い、接近するやいなや無詠唱で雷の精霊の力を借りて『魔法の射手(サギタ・マギカ)』を叩き込む。
 蹴りで体勢を崩されたところに、空中で詠唱時間ゼロの魔法で追撃。ネギは成す術もなくその連続攻撃を食らってしまう。威力そのものはこれまでのエヴァの攻撃に比べて大した事はないのだが、如何せん速いため防御したり反撃を狙う暇が無い。
「クッ…」
「更に行くぞ、リク・ラクラ・ラック・ライラック!
 しかも、エヴァの大サービスはここからが本番だった。
『来れ、虚空の雷、薙ぎ払え(ケノテートス・アストラプサトー・デ・テメトー)』
 更に詠唱魔法の追撃が来るのは理解できている。
 しかし、先程の『魔法の射手』で地面に落とされたばかりのネギには、対処しようにも体勢を立て直す時間すら与えられていない。出来る事があるとすれば、不完全でも魔法障壁を張って身を守るぐらいだ。

『雷の斧(ディオス・テュコス)ッ!!』

 力ある言葉と共に放たれた雷の精霊は、巨大な斧となって、その刃をネギ目掛けて容赦なく振り下ろした。
 荒ぶる力は容易く障壁を突き破って、ネギの身体を貫いていく。
 この時ネギは身を以って理解した。不完全な魔法障壁で身を守ったはいいが、仮に完全な障壁であったとしても、これは防ぎ切る事が出来ないと。
「今のが、決めとしてそれなりに有効な上位古代語魔法(ハイ・エンシェント)だ」
 静かに降り立つエヴァ。その姿からは、余裕が感じられる。
 距離を詰めての白兵戦と無詠唱の攻撃魔法で体勢を崩し、相手が満足に防御できない隙を突いて更に強い詠唱を要する攻撃魔法を叩き込む。シンプルだが効果的な戦法である。
 エヴァが使ったのは、彼女が苦手とする雷の精霊の力を借りた魔法だ。本来、氷と闇の精霊の力を借りた魔法が専門である事を差し引いても、まだまだ強い魔法が使えるはず。それでも『雷の斧』を使ったのは、ネギに見せるため、作った隙を最大限に活かすために詠唱に掛かる時間と威力を見極めて魔法をチョイスしているのだろう。
 ネギは倒れ伏し、痙攣しながらも、エヴァの連続攻撃をそう分析していた。
「ちなみにこれは『千の呪文の男(サウザンド・マスター)』が好んで使った連携でもある。覚えておいて損はないぞ」
「え…」
 更にエヴァは「もっとも、今のぼーやには無理だろうがな」と付け加える。
 案の定、ネギは目を輝かせて顔を上げた。やはり、この少年には父親の話が抜群のカンフル剤となる。その傾倒振りは見ていて色々と不安になるが、その辺りはエヴァの知ったことではないのであえて目を瞑る。さじを投げていると言い換えても良いだろう。
 かく言うエヴァは、あまりこのような連携は好まない。彼女の戦闘スタイルは、スピード重視の『魔法剣士』タイプではなく、あくまで『魔法使い』タイプだ。戦場における魔法使いは『大砲』として火力が全てと言う考えの持ち主で、チャチャゼロを筆頭とした人形軍団を前面に出して、強力な魔法で一気に勝負を決める事を好んでいる。
 二つの戦闘スタイルは強くなればなるほど、分ける意味合いが薄れていく。実際、エヴァは見ての通り『魔法剣士』スタイルでも十分に戦える。しかし、あくまでエヴァは『魔法使い』である事にこだわっている。これはひとえにその性格故であろう。ただ単に強力な魔法で大勢の敵を蹴散らすのが好きなのだ、彼女は。

「小動物、何をボサっとしている。回復だ!」
「お、おう!」
 距離を置いて見守っていたカモが、『治癒の水薬』が入った小瓶を背負ってネギに駆け寄った。
 これは愛衣が持っていたものと同じもので、エヴァが学園都市を護る警備員になった際に支給されたものなのだが、エヴァには必要なかったためそのまま死蔵されていたものだ。
 今は丁度良い機会だと、修行で傷付いたネギを回復させるためにフル活用されている。
「よし、回復したら続けるぞ」
「は、はい! …って、あーっ!?
 エヴァの言葉に元気良く返事したネギであったが、その手に妙な感触を覚え、おそるおそるそちらに視線をやり、素っ頓狂な声を上げた。
「どうした?」
「あ、いえ、杖が…」
 何事かとエヴァが覗き込むと、先程までネギが使用していた杖がエヴァの魔法に耐え切れなかったのか、見事に砕けて粉々になっていた。
 ネギが普段愛用している大きな杖ではない。実は、あれは六年前ヘルマン達魔族に故郷の村が襲撃された際に、助けに来てくれた父から貰った物だ。あれが壊れてしまったのであれば、ネギはもっと大騒ぎしている。
 砕けたのは折り畳み式の予備の小さな杖だ。愛用の杖は父から貰っただけあって大人用サイズで、ネギには少々大き過ぎる。跨って空を飛ぶ分には便利だが、実戦で用いるには小回りが利かず、色々と不便だ。
 そのため、折り畳み式で脆い面のある予備――本来は子供用の杖を、ネギは実戦用として使用していた。
「ふむ…少し待っていろ」
 そう言ってエヴァは屋上から階下に降りて行く。
 ネギとカモは疑問符を浮かべつつも、これは休むチャンスだと両手を広げて横たわった。

 エヴァが戻ってきたのはそれから十数分後。
 十分ではないが身体を休める事の出来たネギは、階段を上って来る足音に気付いて飛び起きる。
「これをぼーやにくれてやろう」
 戻ってきたエヴァは小さな何かを投げ渡してきた。ネギが落とさないように気を付けて受け取ってみると、それは小さな指輪であった。
「これは…」
「杖の代わりにそれを使うといい」
 無論、エヴァが持って来た指輪が只の指輪の訳がない。小さなプレート部分にラテン語で『魔術を発動する指輪型のワンド』と記されている。そう、これは杖の代わりとなる指輪型の魔法発動体だ。
「小さな杖でも片手が塞がる事には変わりないからな、これからは修行中もそれを使うといい。安心しろちょっとやそっとじゃ壊れはせん」
「いいんですか?」
「構わん。昔、私を襲ってきた連中から分捕った物の一つだから気にするな」
「は、はい! ありがとうございます!」
 高価そうな指輪だが、エヴァはこの手の物を数多く所持しており、それらは倉庫に無造作に放り込まれているそうだ。
 それはすなわち、彼女が過去にそれだけ多くの戦いを潜り抜けてきたと言う事でもある。
 早速その指輪を嵌め、試しに空に向け『魔法の射手』を撃ち出してみて、ネギはなるほどと納得する。
 これまでは杖で片手が塞がっていたが、これならば両手が自由になる。つまり、白兵戦も同時に行えると言う事だ。
 また、『魔法の射手』は詠唱完了から発射まで、ある程度『溜め』ておく事が可能であるため、まず『魔法の射手』を準備して、白兵戦で切り込み、隙を突いて発射と言う方法も取れる。
 更に、精神集中等クリアしなければならないハードルは幾つもあるが、白兵戦と無詠唱魔法を組み合わせる事が出来れば、戦いの幅を一気に広げる事が出来るだろう。
 魔法発動体を杖から指輪に換える。これだけで魔法使いの戦いが変わる。
 ネギは確かな手応えを感じて、グッとその拳を握り締めた。
「どうやら理解したようだな。確か以前にも言ったかな『杖を使っている内は未熟者』だと」
「ハイ! 戦いに身を置く魔法使いとしては、片手が塞がっている時点で文字通り『片手落ち』と言う事ですね!」
「フッ、字面通りに受け取ればそうなるが…五十点と言ったところか」
「え?」
 ネギは自信を持って答えたが、残念ながらエヴァは百点を付けてはくれなかった。辛口採点だ。
 と言うのも、杖を持つ魔法使いの中でも、白兵戦の手段として杖術を身に付けている者や、大振りの杖を槍に見立てて槍術を駆使して戦う者をエヴァは知っている。彼女が言う「未熟者」とは杖をただ魔法発動体としてしか使えず、無駄に片手を塞いでいる者の事であって、杖を持つ者全てが未熟者と言うわけではない。
 杖を持って未熟者の振りをすると言うのもよく使われる戦法の一つだ。ネギの勘違いはここできっちりと正しておかねばならないだろう。

「杖を使うのではない、杖を戦闘手段の一つと考えろ。つまり――」
「師匠?」
「…いや、何でもない」
 言いながらふと、まだ十歳にも満たない子供に言うのは早過ぎるのではないかとも考えエヴァは言葉を止める。
 だが、ネギは年に似合わず非常に聡明な子供だ。この話もきっちり理解し、己の血肉にする事が出来るだろうと考え直し、そのまま話を続ける事にした。
「己を見極め、不必要な贅肉は削ぎ落として、戦いを洗練させて行くんだ。その中で、魔法発動体をどの位置に持ってくるかはぼーや次第だ。よく考えてみるといい」
「戦いを洗練、ですか」
「その結果として、戦いを構成するパーツの一つに、例の杖を使いたければそれでも良いさ。まぁ、そうなっても予備として指輪は身に付けておくことを勧めるがな」
「父さんの杖…」
 エヴァが言い終わると、ネギは腕を組んで考え始めた。
 何も喋らないが、エヴァにはネギが何を考えているのかおおよその見当はついた。おそらく、父から貰った杖をどう戦いに組み込んで行くかを考えているのだ。
 己の戦いを見極め、結果として杖が必要なパーツになるのではなく、最初から杖を組み込む事を前提に考える。まだ、己の戦いが出来上がっていない未熟なネギならではの発想ではあるが、それは決して不可能な話でもない。
 実際、指輪型魔法発動体もそれなりの物だが、件の杖も『千の呪文の男』が使っていただけあって、なかなかの業物である。あれだけの杖ならば、それを使う事を前提に戦いを組み立てていくのも、選択肢の一つであろう。
 それに、父に傾倒するネギは、その杖を使うためならばやる気も倍増となるに違いない。要は本人のやる気次第だ。
 元よりエヴァも、手取り足取り戦い方を一から十まで懇切丁寧に教えてやるつもりは毛頭無い。ならば、ネギなりに考えてどう言う答えを導き出すか、それを見るのも一興。エヴァは戦って、戦って、戦いまくるのみである。今のネギに最も必要なのは実戦経験なのだから。
「ぼーや、何時まで休んでいるつもりだ?」
「い、いえ! もう大丈夫です!」
 元気良く返事をしたネギは、格闘技の構えを取る。
 エヴァから見れば拙いものであるが、それはどことなく豪徳寺のそれに近い。
「杖はいいのか、ぼーや?」
「今は…まだ。まずはッ!」
 その言葉と同時にネギは詠唱を開始。『魔法の射手』光の矢を三矢発動させて自分の周囲に漂わせる。
 ほぅ…と、エヴァは感嘆の声を漏らした。いきなり白兵戦を繰り広げながら魔法の詠唱など出来るはずがない。それはネギも理解しているのだろう。
 だから、まずは発動させた『魔法の射手』を維持したまま戦う事から始めるのだ。
 これが出来るようになれば、戦いながら魔法を詠唱出来るように、それも出来るようになれば、杖を持った戦い方を身に付けていく。彼なりに完成形を思い浮かべて、それを目指すための順序を考えている。
「ククク…だが、私はそう簡単に踏み台になってはやらんぞ」
「分かって、いますッ!!」
 言うやいなや、ネギは力強く戦いの火蓋を切る一歩を踏み出した。
 先程の戦いは防戦一方であったため、今度は自分から攻めて攻めて攻めまくる。
 その動きは、エヴァから見れば未熟も良いところだが、これも修行の一環。エヴァは苦笑交じりに、しばしネギの攻撃に付き合ってやるのだった。

「周りに浮かべているのは飾りか? ホラッ!」
「うひゃっ!?」
 時折、あまりの不甲斐無さに我慢が出来なくなって、強烈な反撃を炸裂させながら。



「ム、上は再開したみたいアル」
 その頃、砂浜では再開した爆音に古菲が気付いて、屋上を見上げていた。
 古菲は現在、彼女自身の修行は一旦休憩し、アスナと愛衣の実験を見学中である。
 アスナと愛衣が向き合って立ち、愛衣の右斜め後、少し砂が盛り上がった所には高音と千鶴が居て、その面倒を見るために横島が。アスナの背後には彼女を中心に弧を描くようにして、古菲達が見学していた。アスナの丁度真後ろには、いざと言う時に彼女を受け止めるために古菲が陣取り、他の面々は背後と言うよりも横と言った方が正確だろう。アスナから見て右側に風香、史伽、桜子の三人が。左側に夏美、千雨の二人が居る。
「あ、あの、まだ続けるんですか?」
「まだまだよ、愛衣ちゃん!」
 これまで実験を行った結果、確かにアスナには魔法無効化能力がある事が分かった。
 アーティファクト『オソウジダイスキ(ファウォル・プールガンディ)』を手にした愛衣の放つ『魔法の射手、火の一矢(サギタ・マギカ、セリエス・イグニス)』を無効化させる事が出来たのだ。
 当初はアスナもアーティファクト『ハマノツルギ』を出して、それで受け止めていたのだが、何度か試している内にアスナ自身に魔法無効化能力があるのなら素手でも受け止められるのではないかと古菲が思い付いた。なるほどその通りだと早速試してみたところ、アスナはものの見事に火の矢を掌で受け止め、そして霧散させてしまう。勿論、火傷するどころか熱さも感じていない。
「ねぇ、他にも魔法はあるんでしょ?」
「え、ええ、勿論ありますけど」
「それならお願い。どこまで防げるか、確かめておきたいの」
「………」
 そう言ってアスナは「お願いっ!」と手を合わせるが、愛衣は即答する事が出来ない。
 確かにその気持ちは分かるのだが、もし防げない魔法を使って怪我をさせてしまったらどうするのか。アスナの事も心配だが、愛衣自身も怖い。
 振り返って背後に立つ横島に助けを求めてみると、足元にひしっと千鶴が抱き着いている横島は、その頭を撫でながら「愛衣ちゃん、何か怪我しない魔法を使ってみて」とゴーサイン。
 ちなみに、千鶴が抱きついている反対側の足には、高音が恥ずかしそうにズボンを掴んでいる。その姿を見て愛衣は思わず頬を緩めてしまうが、すぐに気を取り直して何の魔法を使うべきか考え始める。
「相手を傷付けない…そうだ!」
 そして愛衣は、攻撃魔法でなくても良いと横島が言ってくれたので、相手を傷付けるのではなく無力化する魔法を使ってみる事にした。

「それじゃ、行きますよ」
「どんと来なさい!」
 アスナは手を突き出して待ち構え、愛衣も相手を傷つけるような魔法ではないため、安心して詠唱を始める。

『メイプル・ネイプル・アラモード…』

 彼女自身の始動キーと共に始まる詠唱。ネギやエヴァと違って愛衣は火の精霊を扱うため、それは同じように聞こえて、どこか微妙に異なっている。
 そして詠唱が完了し、愛衣はその魔法を解き放った。

『全体・武装解除(アド・スンマム・エクサルマティオー)っ!』
「え゛?」

 放たれたのはアスナにとってあまり良い思い出の無い魔法。
 突き出した掌に何かしらの感覚はあるのだが、それを無視するようにアスナの衣服が全て吹き飛ばされてしまう。
「えっ?」
「きゃーっ!」
「私らもかよっ!?」
 それだけでなく、アスナの近くで見学していた古菲達全員の衣服まで吹き飛ばされて、一糸纏わぬ姿になってしまった。
「おおぉーっ!!」
 突然目の前で繰り広げられた絶景に、当然横島は色めき立った。
 もっとよく見るべく、横島が身を乗り出そうとしたその時―――

「横島さん、見ちゃダメー!」

―――愛衣の脇を駆け抜けたアスナが横島に跳び掛かった。
 前から飛び掛かったアスナは自分がどのような姿になっているかなど気にも留めずに、横島の背に足を回し、腕は頭に回して、全身で横島の頭に覆い被さるようにしてしがみ付く。
 目隠しするためとは言え、相当大胆な事をしている。アスナ自身慌てて頭が回っておらず気付いていないのかも知れない。
「ぬおっ、見えな…いや、見えてる!? いや、近過ぎて見えんがこれはこれでーっ!?」
 アスナの身体で視界を防がれてよろめく横島はそのまま前のめりに倒れてしまう。
 横島はすぐさま起き上がろうとするが、頭はアスナにしがみ付かれたままで、更に面白がった千鶴と、その千鶴に促された高音が両腕にしがみ付いてしまったため、起き上がる事が出来なくなってしまう。
「って、横島さん顔動かさないでーっ!」
 起き上がる必要が無かったのかも知れないが、それはそれである。


 その後、砂浜の上には魔法を使った愛衣と、土偶羅に注意されていたのに、魔法無効化能力を知り浮かれて、すっかりそれを忘れていたアスナが、反省のために正座をさせられていた。皆を、しかも男が居る前で脱がせてしまったのだから当然であろう。二人揃って頭にたんこぶを作っている。
 ちなみに、皆が服を着るまでの間は、アスナが頑張って目隠しをし続けていた。
 皆が服を着直して、夏美がもう大丈夫と肩を叩いた時になって、アスナはようやく自分が何をしているか気付いたらしい。今は耳まで真っ赤にしておとなしく、皆に言われるままに正座してしゅんとなっている。
 当の彼女が着替える時は、目隠しをアスナに代わって千鶴と高音が小さな手で担当してくれていたのだが、当の横島はアスナの全身を使ったフェイスハガーのおかげで、ものの見事に窒息し気を失っていたので、実は目隠しも必要なかったのかも知れない。

「要するに、神楽坂自身以外が対象の魔法は防ぐ事が出来ないと」
「はい、そう言う事だと思います」
 千雨の問いに愛衣が涙目のままで答える。実は愛衣も、これなら防げないのではないかと考えて、あの魔法を使ったのだ。効果範囲については失念してしまっていたが。
「あと、広範囲を攻撃された時に、仲間まで助けられるわけじゃないみたいアル」
「そうみたいだねー」
 ちなみに、愛衣の説明によると『全体・武装解除』の魔法は、ネギやエヴァの使う『武装解除』を広範囲に放つもので、服程度であれば吹き飛ばすだけでなく、消し飛ばす事もできるそうだ。今回の場合は、まずアスナが突き出した掌に接触したため、魔法の効果が弱まっていたのではないかと愛衣は推察する。
 アスナがあの時手応えを感じたのは気のせいなのではない。魔法無効化能力は防ぎ切れなかったとは言え、一定の効果を上げていたのだ。

 何にせよ、先程の騒動のおかげで魔法無効化能力の現段階における限界は分かった。
 あくまで、無効化できるのはアスナ自身のみ。今は身に付けている物すら魔法を防ぐ事は出来ない。
 ただし、『ハマノツルギ』だけは別である。現に先程のアスナも、衣服が吹き飛ばされてもそれだけはしっかりとその手に握っていた。今は持っていないが、それは横島に跳びつくために、自ら手放したのだ。
 『ハマノツルギ』は神通棍が使えないアスナでも霊力を込めた攻撃が可能な武器だ。その辺りも関係しているのかも知れない。

「ねぇねぇ、ハタとかないかにゃー?」
「…何やってんの、あんた達は」
 桜子の声に振り向いてみると、そこには横たわった横島の首から下が砂に埋められていた。所謂砂蒸し風呂状態だ。その上には、風香、史伽の手によって砂の城が建築中である。
 更にその脇には夏美が赤面して立っていた。何故かその手には横島の衣服、どうやら砂に埋めるために桜子達の手で横島を脱がせて下着姿にしてしまったようだ。
 色々と間違っているが、魔法で脱がされた意趣返しなのであろう。

「横島師父も目を覚ましそうにないし、今日の修行はもう終わりアルな」
「………そうね、なんかドッと疲れたわ」
 そう言いつつ、アスナは大きな溜め息をつく。
 それを聞いて千雨は「それはこっちの台詞だ」とツっこんだ。ただし、心の中だけで。



つづく


あとがき
 表と裏の魔法使い、及び魔法界、魔法学会に関する設定。
 アスナの魔法無効化能力(マジックキャンセル)に関する設定。
 魔法発動体と、その扱い方に関する設定。
 これらは原作の描写に独自の解釈を組み合わせた『黒い手』シリーズ、及び『見習GSアスナ』独自の設定です。
 特に、魔法無効化能力については、アスナがGSを目指している事を踏まえて設定しております。ご了承ください。
 更に詳しい事に関しては作中でおいおい説明していきます。

 また、愛衣の使った『全体・武装解除(アド・スンマム・エクサルマティオー)』については、原作と効果が異なりますが、これは意図的にやっております。

 ・ネギやエヴァの『武装解除』は、本来身に着けている物を全て吹き飛ばす魔法。
 ・ネギがキス・ターミネーターになった時、アスナは『武装解除』で衣服の一部分だけ吹き飛ばされた。
 ・愛衣の『全体・武装解除』の時、最前列で防御したアスナには効果がなかった。
 ・しかし、後ろの木乃香達は服だけ吹き飛ばされて下着だけ残った。
 ・また、この時吹き飛ばされた服は消えずに残っていた。
 ・アスナが乗ると、空飛ぶ箒の調子が悪くなる。

 これらの事から、アスナの魔法無効化能力は問答無用で魔法の効果をゼロにするのではなく、効果を軽減して結果としてゼロにする能力だと解釈し、本来の『全体・武装解除』は、ネギやエヴァの武装解除と同じように身に着けている物は全て吹き飛ばし、服程度なら消し飛ばす魔法であるとして書いております。







感想代理人プロフィール

戻る





代理人の感想
あ、初号機。w>両手で障壁引きちぎり
暴走初号機はどっちかっつとリョウメンスクナのほうなんですが、猛々しさではこちらも負けてないというか。
そうでなくても子供を怖がらせて楽しんでるあたり、つくづくSですよね、エヴァさま。

そして今回はアスナの見せ場がありました。
ええもう、文字通りの意味で(爆)。>「見せ」場
本人にとっては大変不本意でしょうけれども、それすらない人間と比べればまだマシなのかもしれません。
釘男とか釘男とか釘男とか、美砂とか美砂とか美砂とか、いいんちょとかいいんちょとかいいんちょとか。
・・・・ん? 誰か忘れてるような?


>時には失態を演じてバラバラにされ、幾度となく修理、改修、改良を加えられた末
「伝説の勇者ダ・ガーン」にいたなあ、そんな奴。w
確か名前は学者ロボ。
最初の幹部レッドロンのサポートロボ・・・の筈だったのが本当の事を言っては蹴り倒され、負けた腹いせにビームサーベルで唐竹割りにされ(翌週、しっかりとツギハギになった)、次の週には横に真っ二つにされ(同じくツギハギ(ry)、最後にシステムミスで基地を吹き飛ばし処刑宣告を受けると言う、ロボットアニメ史上でも指折りの不遇な敵幹部でした(笑)。
結局処刑前にダ・ガーンにやられて吹っ飛び、次の週から新ボディで復活したはいいものの、やっぱりレッドロンの腹いせに蹴たぐられるわ、ビームサーベルで切られるわと扱いが全然変わってなかったのが涙を誘いましたねぇ。
土偶羅にくらべるとルシオラ達から突き上げを食らわなかっただけまだマシなのかもしれませんが。嗚呼中間管理職(爆)



※この感想フォームは感想掲示板への直通投稿フォームです。メールフォームではありませんのでご注意下さい。

おなまえ
Eメール
作者名
作品名(話数)
コメント
URL