悲しき『復讐者』5

 

 

銃口から少女を庇うように立つ復讐者

そして、彼の背に、しがみつく少女

「ん?」

その様子から何かを感じ取った金髪兄ちゃん

「お前、、、」

「なんだ、、、」

「ヤったな?」

「んな!なにをいきなり!!」

「あ〜〜!ヤったんだな!!」

いきなり彼を指差し、からかいの笑みを浮かべる金髪兄ちゃん

「や〜〜い、や〜〜い」

「こ、、、この!」

「なあコイツ、やさしくしてくれたか?」

むきになる復讐者をほっといて、少女に質問する

「ん〜〜んとね、痛くないように『ギュッ』と抱きしめてくれたの」

「「「おお〜〜!」」」

「それでね、ちょっとだけ痛かったけど、

私の事を思ってくれてるのが分かったから我慢したの」

うっとりとした表情で話し出す少女

 

「お、、おい(汗)」

「こ、、、こんな少女が、、、」

「ううう、なんと言うことだ」

あせる復讐者に、嘆く兵士。

 

「それで?」

「うん、『良いのか』って聞いたから、『あなたとなら』って言ったの。

そしたらね、手をしっかりと握ってくれたの」

 

「きっさま〜〜!」

ガチャ!

「こんな少女に!!」

トリガーに手をかける兵士

 

「お、、おい、もうやめろ!」

「うれしかった〜〜!」

彼の止める言葉なぞ、耳にも入らずに、のろける少女

「お前、、、とうとう本物の犯罪者になったのか、、、で、どうだった?何回くらいヤったんだ?」

「ゴカイだ〜〜〜!」

大声をあげて叫ぶ復讐者。

だがその叫びは届かなかった。

「なに〜〜〜!五回だと!!」

「何という事だ!いたいけな少女に、そんなに欲望をぶつけるなんて!!」

「これで、決まりだな!」

「「はい!」」

「「「わ〜い、ロリコンだ〜!変態だ〜!犯罪者だ〜!」」」

復讐者を指差し、大声で言う金髪兄ちゃんと兵士。

「ちがうんだ〜〜!俺はまだ何もしていない!!」

「良いよ、あなたとなら」

わめく復讐者、その横で頬を赤く染め、カレにしなだれかかる少女

「「「わ〜い、わ〜い、ロ〜リ〜コ〜ン」」」

二人を囲みながらはやし立てる兵士に金髪兄ちゃん

『復讐者』、、、

自らの復讐を終えても、彼にはもう、普通の生活は送れない。

そんな、、、悲しき存在

たとえ本人が認めなくとも、、、