女性と少年3

 

 

「へえ〜、ここが、、、」

「うん、家の喫茶店です。今日は、、、お母さん居ないので休みですけど」

店内のカウンターに座るは女性、そしてカウンターの中では、少年が何かを作っていた

「そっか〜、ちょっと、、、残念かな?」

「え、、、」

「だって、会った事ないから、、、あなたのお母さんに」

そう、彼女が言うと、顔を真っ赤にする少年。

そしてそれを微笑みながら見つめる女性。

「今度、、、紹介しますよ、、、きちんと、、、」

「え!?」

しかし、赤くなりながらも真面目に言った少年の言葉に、少年よりも赤くなる女性。

そのままうつむき、照れている。

「はい、、、コーヒーです」

「あ、、、ありがとう」

差し出されたコーヒーを受け取る手までも、赤くなっている。

静寂につつまれる店内

その静けさに耐えられなくなったのか、彼女は立ち上がると

カウンターの中に入っていった。

「どうしたんですか?」

「お腹すいたでしょ?何か作ってあげる」

「え、、でも、、、」

「ほら良いから、座ってて!」

店内に響く料理の音

「でも、、、昨日は大変でしたね、、、」

「そうね、、、いきなり『お見合い』だもの、、、困っちゃうわ、家の親にも」

「だけど、、、ちょっと心配しましたよ、、、僕」

「え?」

「本当に、、、あの人と、、、」

「大丈夫よ、彼とはただの『同僚』だから!」

それを聞いたら、彼は涙を流すだろう、、、

「、、、良かった、、、」

「それを言うなら、私だって心配なんだから、、、」

「なにがですか?」

「だって、、、いつもあの子と一緒でしょ?だから、、

いつあの子のこと好きになるか、、、心配で、、、」

弱々しく言う彼女。

「大丈夫ですよ、僕もあの子とは、『友達』なだけですから」

「良かった、、、はい!出来上がり!!」

そう言って彼にチャーハンを差し出す

「うわ〜〜、おいしそう!頂きます!!」

「はい、どうぞ」

一口、口にすると彼はとても驚いた顔をした

「ど、、、どうかした?」

心配そうに見つめる女性。だが、、、

「おいしい!!すごくおいしいです!!!」

おいしさのあまり感激していたようだ。

その後、勢い良く食べ始める少年。

「良かった〜〜、何か失敗したかと思っちゃった」

そしてそれを嬉しそうに見つめる女性。

「なんだか、私もお腹すいてきちゃった」

「あ、それなら食べます?」

そう言って自分の持っているスプーンにチャーハンを取ると、

顔を赤くしながらも、彼女の口元に持っていく。

「う、、、うん、、、」

彼女も顔を赤くしながらも、そのままスプーンを口にする。

その後、お互いに顔を赤く染めて見つめあう二人。

そして二人の距離はゼロとなり、重なる。

夕日の差し込む、人気の無い喫茶店での出来事だった。

 

 

 

店の外では、、、

「ああああああ、、、、、」

「う〜〜ん、うちの子よりずいぶんと大人びてると思ったら、、、やるねえ〜〜」

「あああああああ、、、、、」

「まさか、、年上の女性とね〜〜」

「ああああああああ、、、、、」

「こりゃ、初孫、、抱けるのも時間の問題かね?」

「ああ〜〜〜、なんで、、、」

「ほら落ち着いて、ね?」

「まだ、あなたには早いわよ〜〜〜〜〜!!!」

「だめだ、こりゃ、、、」

となりの元レディースの奥さんと、一緒に店内の光景を見ていた

一人のショートカットの女性が錯乱していた。