禁断のロザリオ ツヴァイ

メイド8

 

 

「エイジさま、つれて帰ってくれるよね、、、」

「、、、(ジト)」

エイジの後姿を、涙を浮かべた瞳で見送りながらつぶやくブリギッタ。

そして、、、

「、、、(汗)」

「、、、、、、(ジトー)」

背後から、無言でプレッシャーを与えるセシル。

「えと、、、(滝汗)」

「、、、、、、、、、(ジトーー)」

「な、なにかな?」

「、、、、、、、、、、、、(ジトーーー)」

「うっ、、、」

「エイジさまに、、、ナデナデしてもらった、、、(ジトーーーー)」

そう、一言だけ言うと、羨ましそうにブリギッタを見つめる。

「う゛、、、ほ、ほら!ヘルメット渡せたから、いいじゃん!!なんか『新妻』って感じだったよ!!!」

「、、、本当?」

「うん!本当だよ!!『新婚夫婦の、朝の出来事』って感じ!私なんか、子供がおねだりしてるようなもんだもん!」

「、、、(ポッ)」

セシルから浴びせられる視線に、恐怖心を抱いたブリギッタは、どうにか彼女の機嫌を取ろうとし、ごまかしを始める。

それは功を奏し、セシルは頬を赤らめ照れて身をくねらせるのだった。

だが、、、

「そんな、、、リィルさまを差し置いて『新妻』だなんて、、、」

「、、、ぇ、、、」

「私はメイド。日陰の女。だから、、、そんな事、、、、、、でも、、、、、、、、、」

「、、、、、、」

「ううん、、、そう私はエイジさまの、お傍にいられれば、それだけでいいのだから、、、

そんな分不相応なこと考えては、、、、、、(ドスッ!ボカッ!ボキッ!)」

「、、、、、、、、、」

妄想が暴走しだし、手がつけられなくなる。

そして、城の扉へと拳が振るわれ、破片が飛び散るさまを見てブリギッタの顔が青くなっていく。

「(今後から、エイジさまをからかう時は、気をつけよう)」

そう、、、心に固く誓うブリギッタであった。

自分が、、、粉々になった扉と同じ運命を辿りたくないから、、、

 

 

背後からサンドマンに抱きしめられ、安堵の笑みを浮かべるアヤカ。

彼が立ち直ってくれた事。彼が立ち上がってくれた事。

そう思い、、、

「そうだな。孫の顔も見ていないしな」

「、、、は?」

こめなかった。

唖然とした顔のアヤカを置き去りにしてサンドマンの言葉は続く。

「せっかく、可愛い娘に将来を誓う相手が見つかったのだ。その後に続く孫達の顔を見るまで、、、

孫達の将来の為にも、ここで私が逃げるわけにはいかないからな」

「、、、」

憑き物でも取れたかのように、抱きしめたままさわやかに言うサンドマン。

アヤカの震えにも、気付かずに、、、

「セシルも私にとっては、実の子供みたいなものだ。あの子とエイジの子供も、楽しみだしな」

「、、、って言うか、三人を止めんかーーーーーーーーーーーーーー!!!」

「ぐはっ!」

心からの叫びと一緒に、拳を背後へと力いっぱい打ち込む。

「あんたのせいで、、、あんたのせいで!エイジが『ロ○コン』で『ペ○』な犯罪者になったのよ!!」

その場に崩れ落ちるサンドマンへ、追い討ちのヤ○ザキックをかます。

「そりゃ、ちっちゃな頃から悪ガキで、15で不良と呼ばれるような目つきしているし(ゲシッゲシッ)」

「グッ!ま、まてアヤカ、、、」

「ナイフみたいに尖っては、触るもの全部傷つけるような感じだったけど、、、」

サンドマンの声に蹴るのをやめると、その場に泣き崩れるアヤカ。

「『分かってくれ』とは言わなかったわよ、あの子は!!でもね『そんなに俺が悪いのかよ』って、

いつも目でいっている子だったのよ」

「、、、アヤカ、、、、、、」

「だから私は、あの子のギザギザに傷ついた心へと、子守唄を歌うように接していたのに、、、

それなのに、、、それなのに、、、、、、」

「、、、、、、」

「普通の犯罪者だったら、まだ更生させられたけど、、、なんで、、、なんでよりによって性犯罪者になっちゃうのよ!」

涙を浮かべたままの瞳でサンドマンを見つめるアヤカ。

だが、、、サンドマンの口から出た言葉は、、、

「だが、アヤカ。幸せそうなエイジ達に『別れろ』などと言えるのか」

「う゛、、、」

ある意味、彼女への止めとなるような言葉だった。

「ここは彼らの幸せを、優しく見守るのが『肉親としての使命』だと思うがな」

「サンドマン、、、」

真剣な顔で、正論を言うサンドマンを見つめるアヤカ。

「さあ、涙を拭いて戻ってくれないか?。私は着替えてから行く」

「、、、、、、分かったわ」

微笑みながら、ハンカチと仮面をアヤカに渡す。

それを受け取ると、アヤカは普段の顔へと戻っていく。

とりあえず、、、心に溜まった膿は出し切ったようだ。

エイジ、、、

あまり心配かけさせるなよ。