牙持つ乙女

04

 

 

「あの人、、、誰?」

そうつぶやき、去りゆく背中を目を細めて見つめるマーガレット。

「ねえ、エリノア、、、」

「はい。なんでしょうか?」

「また変な電波、受信したのかしら?」

「そうかも知れません。住みませんが、荷物を持っていてもらえますか?」

「ええ、いいわよ」

その背後でヴァネッサとエリノアが、言葉を交わす。

そして荷物をヴァネッサへと渡し、、、準備をする。

「らら?、、、、、、誰が駒鳥 殺したの? それは(スパーーーン!!)、、、痛い、、、、、、」

空を見詰めてつぶやき始めたマーガレットの頭部に、どこからか取り出したエリノアのハリセンが炸裂する。

「お嬢様」

「らら?」

「それは同じ『電波系キャラ』ですが、『作品』が違います」

「そうなの?」

「はい、そうです」

いつも通りのやり取りを路上で行なう二人。

「でもね、、、」

「なんでしょうか?」

だが、今日は少し違った。

「痛くしないでね?」

後ろで手を組み、かわいらしく言うマーガレット。

その瞬間、エリノアは、、、

「お嬢様」

「なに?(スパーーーーン!スパーーーーン!!)」

電光石火のごとく、彼女の頭部にハリセンの連打をあたえる。

「、、、ううっ、痛いよ、エリノア」

「お嬢様が、ボケ倒すからです」

頭を抑え、涙目てしゃがみこむマーガレットに、いつもの口調で言い放つ。

「そうなの?」

「そうです」

「、、、分かった、、、、、、」

「う〜〜ん、やっぱり日に一回は、この芸を見ないとね」

その光景を、ほのぼのと眺めるヴァネッサ。

いや、芸ではないだろう、、、、、、