ある少年少女の夢

 

 

「虎太郎ちゃん、、、」

「鈴原、、、」

「だ、、、ダメ、、、そんなとこ、さわったら、、、あっ!」

「いいだろ、鈴原、、、」

「そ、、、そんな、、、虎太郎ちゃん、、、まだ、、わたし、、、」

「鈴原!!」

「あっっっっ!虎太郎ちゃ〜〜〜ん!!」

「鈴原!鈴原!!鈴原!!」

「「ああ〜〜〜〜!!!」」

 

 

「な、、、なんやったんやろ、、、今の夢、、、」

カーテンの隙間からこぼれる朝日。

その光を浴びながら、ベッドの上で先ほどの夢のことを考えるみさき

「私と、、虎太郎ちゃんが、、、あんなこと!!」(ポン!)

思い出して顔をユデダコのように真っ赤になる。

「あわわわわ!そ、そうや、シャワー浴びてこよ!!ヒカルも行こ!!!」

あわてて、着替えとヒカルを抱きしめると、頭を冷やす為に部屋を出ていった。

 

 

グオ〜〜ン、グオ〜〜ン、グオ〜〜ン

「はあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

朝早くから脱衣所に響く、洗濯機の音とため息。

「まさか、、、あんな夢を見るなんてな、、、はあ〜〜〜

今日、鈴原とまともに会話できるかな、俺、、、

しかも、、、」

そう呟くと、洗濯機の方を見る。

「うわわわわわわ!思い出しちゃダメだ!!忘れるんだ!!!」

顔を赤くして、喚きだす。

「何してるの、虎太郎?」

「へ、、、?!わぁ!!は、、、鳩子!!!お、、、お前いつからそこに!!!」

「ふ〜〜ん、そう言うことか、、、」

「そ、、、そのだな!こ、、これはだな!!」

アタフタと言い訳をする虎太郎と洗濯機を交互に見る鳩子。

「虎太郎のエッチ。みさきに言っちゃおうっと」

「ああっ!待ってくれ鳩子!!頼むから言わないでくれ!!!」

必死に懇願する虎太郎。

そしてその言葉を聞いて、怪しく目を光らせる鳩子。

「そうだ、鈴鹿に付けたい部品があるんだけどな〜」

「、、、分かりました、買わせていただきます、、、」

わざとらしく言う鳩子に、涙を浮かべながら虎太郎は言った。

「ありがとう、虎太郎。それじゃ、みさきには黙っていてあげるね」

「はい、、、お願いします、、、」

こうして密約は結ばれた。

虎太郎の財布を犠牲にして、、、

 

 

だが、鳩子はあくまで、みさきには喋らないと言ったが、

珠代に喋らないとは言っていなかった。

そのため後日、珠代にからかわれ、技をかけられて気を失っていた。

南無阿弥陀仏、、、