三人寄れば・・・  その2

 

 

「おっちゃ〜〜ん!もう一杯ね〜〜!」

「ちょっと、未成年なんだから、よしなさいよ」

すでにジョッキ三杯を空け、その上まだ飲むシェリス。

先ほどから水守が止めているが、そんな事お構いなく、はしゃいでいる。

「もう、、、どうしたの?」

「だって〜〜〜、私にもやっと『男運』が回って来たみたいなんだもん!」

「『男運』??」

「そう!第一部ではさ、劉鳳にいっ〜〜〜しょう懸命、アピールしてたのにさ、

ぜっ〜〜んぜん、相手にされないしさ、かなみちゃんやあんたは、けなげさで人気あるし、

私なんか、お色気担当なのに、放送局の都合で中途半端でさ、

『こいつ、いてもあんま意味無いんじゃないか』って、視聴者に思われたりしてさ。

マンガ版なんか、かなみちゃんはカズマとラブラブになってるのに、あたしはパンチラのみよ!!

唯一の見せ場が巻末の書き下ろしイラストだけなのよ!!!

それに第二部が始まってからも、あんたはあすかとか、クーガーとか、ちょっとはかっこ良いのと一緒にいて、

かなみちゃんはさ、相変わらずけなげに、カズマ待ってるし、おまけに記憶喪失の劉鳳と仲良くなってるし、、、

それに比べて、あたしなんて瓜核よ!う・り・ざ・ね!!

そりゃアイツは性格は良い奴だけどさ、スタイルがあれだもん!」

「はははは、、、(大丈夫かしら、この子。ストレスがたまってたのね、かわいそうに、、、)」

シェリスの愚痴を聞かされ、愛想笑いを浮かべる水守。

頬を伝わる汗が彼女の心情を物語っている。

「で〜〜〜も!やっと劉鳳も私の心に気付いてくれたんだもの!!おまけに二人で生活よ!!!

まあ、今回はかなみちゃんの登場のタイミングがちょっと早かったけど、これで一気に二人の間は進展よ!」

そう言い切ると、新しく来たジョッキを勢い良く開け、またおやじに追加するシェリス。

「あはははは、やっぱり相当溜まってたのね、、、(まあ、私ももうすぐ会えるし。その時まで夢を見させてあげましょう)

そう言えば、かなみちゃんは?かな、、、み、、、ちゃ、、、ん(汗)」

ふと会話に入ってこないかなみを心配して、彼女の方を見る水守。

しかしその瞬間、彼女は己の目を疑う光景を目撃した。それは、、、

「うふふふ、カズくんが生きている。カズくんに会える。カ〜ズくん!カ〜ズくん!カ〜〜〜ズくん!!」

目の前に空になったピッチャーを5つ置き、両手で中身の入っているピッチャーを持ってはしゃいでいる、

頬を赤くした、かなみであった。

「ちょ、、、ちょっと、かなみちゃん!ダメよ貴方は飲んじゃ!!まだ子供なんだから」

「そんなこと言って、水守さんだって飲んでるじゃないですか〜〜」

「え、そ、、、それは、、、」

かなみからピッチャーを取り上げようとした水守の手元にある空になった『大吟醸 能力者殺し』の一升瓶を指差すかなみ。

「もう、今日はそんな年齢の事は忘れて、飲みましょうよ!水守さん!!カズくんとももうすぐ会えるし!!」

「そうね、、、私も劉鳳にもうすぐ会えるし!おじさ〜〜ん、もう一本持ってきて!!」

「私ももう一個!!」

「あたしにもね〜〜〜!!」

すでに酔っ払って正常な判断を下せなくなった三人による宴は、その後見せの酒を飲み干すまで続いた。

ちなみに、請求書はなぜかジグマールの所に来ていたと言う。

7桁の数字の書かれた請求書が・・・