がんばれ乙女達!

局面42 「歌姫出陣」

 

 

「、、、落ち着いた?」

「はい、、、」

『パイロット』の心配そうな声に、優しく微笑みながら答える『歌姫』

父を失ってから今まで、人前で悲しむそぶりを見せず、自らの責務を果たしてきた彼女。

彼女の肩にかかる重責、、、

それは大きく、、、重いもの。

かつての、婚約者の前や、、、

仲間として、ついて来てくれた同胞達の前では、その肩にかかるモノの為、悲しみは、、、見せない。

見せてはいけない、と言う事を知っているから。

乗り越えて、、、掴まなくてはならない未来の為。

だが、、、

彼女は、、、しばしの間、立場を忘れ、悲しみを振り返る。

優しい人の前で、、、

そして『パイロット』も、彼女を受け入れる。

かつて、、、自分が癒して貰った時のように、優しく、、、優しく、、、

彼女の悲しみを、包み込むように、、、

「そろそろ、、、行きます、、、」

「うん、、、」

名残惜しそうに、しばし抱き合っていたが、その想いに流されず、彼女は彼から離れた。

白いシーツが、流れるように彼女から落ち、その素肌をあらわにする。

「無理は、、、しちゃだめだよ?」

『パイロット』も、彼女に続きベッドから起き上がり、漂っている自分の服に袖を通す。

その間、まだ心配なのか『歌姫』の方に、意識を向けたままで。

「はい、、、護ってくださいね?」

「ああ、護るよ」

着替え終わった二人は、口づけを交わす。

二人の想いを、重ね合わせる、キス。

それは、、、二人の想いを重ねる、聖なる儀式。

 

 

「それと、、、あまり増やさないでくださいね?」

「、、、え゛(汗)」

「私が正妻で、大事にしてくださるなら、お妾さんも、、、2〜3人なら許可しますわ。

だって、、、あなたは優しいから、、、きっと断れないでしょうから」

「や、、、約束するよ(大汗)」

「はい、お願いしますわね♪」

そう言うと、心からの笑みを浮かべ、『パイロット』に微笑む『歌姫』

、、、もう一つの戦いは、、、圧倒的有利に終わったようだ(汗)