兄はつらいよ3

 

 

「さ〜てと、そろそろ寝ようかな」

夜も11時を過ぎた頃、航は勉強をやめ、寝るために机を離れ

ベッドに向かった。

しかし、寝巻きに着替えベッドに入ろうとした時、彼は違和感を感じた。

「あれ???、、、!!!」

「兄チャマ、早く一緒に寝ましょう!」

「兄君様、寝床を暖めておきました。さあ、どうぞこちらへ」

こんもりと盛り上がった掛け布団の下には、四葉と春歌が下着姿でもぐりこんでいた。

そして二人の真ん中にある、空白地帯に手招きして誘っていた。

「あ、、、あの、、、なにやっているの、、、かな?」

「そのようなこと、私の口からは恥ずかしくて言えませんわ。ポッ!」

「さあ、兄チャマ!四葉たちと一緒に寝るのデス!そして、『一心同体少女隊』になるのデス」

その言葉を聞き、冷や汗をながす航。

少しずつ、後ずさりしながら、無駄とは思いつつも説得を始める。

「いや、、さすがにそれはまずいでしょ、、、その年齢的にさ、、、」

「そ、そんな!ひどいデス兄チャマ!!」

「私たちは唯、兄君様と一緒に寝たいだけですのに!!」

その言葉を聞いた途端、泣き崩れる二人。

多少、芝居がかっているが、、、

「そ、その気持ちは嬉しいけどさ、ねえ、、、、、、?!!!」

その時四葉の手から、ひらりと落ちる一枚の写真。

航はそれを拾うと、突然驚愕の表情を浮かべた。

それもそのはず、その写真には、咲耶と鈴凛が彼を襲っている所が写っていたのだ。

「あ、、、あの、、、これは、、、」

「ああ〜〜〜、悲しいデス。兄チャマが、、、」

「私たちにはできないと仰るなんて、、、」

「あの〜〜〜、、、」

「きっと、私たちの事が、お嫌いなのですね。兄君様に嫌われるくらいなら、

いっそここで、自害を!!」

「四葉もショックデス。ショックのあまり、この写真をみんなに見せてしまうかも知れないデス」

わざとらしく言う二人。

しかも四葉にいたっては脅迫しているし、、、

その様子にさすがに観念したのか、涙を浮かべながらも、二人の間に航は入っていった。

「、、、痛くしないでね、、、」

「勿論デス!」

「兄君様、私は嬉しいです!たっぷりご奉仕させていただきますわ!!」

あっと言う間に、二人に身包みはがされて押し倒される航。

立場が逆だろ、お前ら。

こうして、新しい年の夜はふけていく。

 

『アキオへ

僕は、、、僕は、、、僕はーーーー!!!』