第二話




今日も二人・・・宗介とかなめは学校への道のりを歩いていた。


「う〜ん」


「どうしたの?」


「う〜ん」


「・・・」


「う〜ん」


「ガシッ!!」


「お〜い、ソースケく〜ん、起きてますか〜?」


痺れを切らしたかなめが宗介の耳をつかみ、

低く・・・それでいて怒りのこもった声で話しかける。


「う!?いや・・・そのだなぁ・・・」


「なによ、はっきりしなさいってば」


半ば強制的に問いかけるかなめに、

さすがの宗介も観念しざるを得なかった。


「実は・・・!!!」


「なっ!?」


「ダン!! ダン!! ダン!!」


毎度の如く、突然かなめは地面に押さえつけられ、

後ろに向って三発の銃弾を発砲する宗介。


「・・・気のせいか?たしかに殺気を感じたのだが・・・」


静寂・・・・・


「あるわ・・・」


「え?」


「殺気なら此処にあるわよ!!!」


かなめの右フックを腹に喰らい、よろめく宗介。


「そん・・な・・・」


宗介は、先ほど感じた殺気は、かなめだったのか!?・・・

などと、倒れながら考えていた。


倒れこんでしまった宗介を他所に、

かなめは振り向きもせず歩き出した。


まったく、宗介の奴いつもこうなんだから、

こっちの身にもなって欲しいわよ。

それにしても何か言おうとしてたけど・・・

まっ、いっか。



教室に一人の男が入って来た。


「やっ、ソースケ、遅かったわね」


むすっ、とした宗介を尻目に明るく話しかける。


「はは、さっきはゴメンネ、でももとはと言えばあんたが・・・」


「いや・・・違う・・・そのだな・・・」


「ほえ?」


情けない声を出しながら、宗介の少し真剣な口調に

かなめも黙って聞き入る。


「実は先ほどテロリストと思われるっ!!・・・」


「はいはい、あんたの話を少しでも真剣に聞こうとした

私が馬鹿だったわ。」


そう言うと、打ちのめされた宗介など見向きもせず、

さっさと自分の席に戻っていく。


「かなめ、話を聞いてくれ。」


懲りずにかなめに喰らい付く宗介。


「あ〜もう、あんたの独創的かつ現実離れした

超的外れな話なんてうんざりよ。」


さんざんな言葉を浴びせられ、落胆の色は隠せなかったが、

それで終わる宗介では無かった。


「違うんだ、テロリストと思われる者から手紙が届いたんだが。」


「あ〜それで?」


「書いてある内容なんだが・・・」


「今更なに詰まってるのよ、ほら、言っちゃいなさいよ。」


かなめに後押しされ、カバンの中からその手紙と思われる物をとりだし、

読み上げ始める。


「やっほ〜、カナちゃん久しぶり、元気してたぁ〜?

こっちじゃ正直、カナちゃんが居なくなってみんな寂しがってるけど、

別に会えなくなった訳じゃないし、何時でも遊びに来ていいからね。

一人で大変だと思うけどたまには連絡ちょうだいね。

リサより」


「リサちゃん!?」


「知ってるのか?」


知ってるもなにもリサちゃんはかなめが日本に来る前・・・

アメリカに居たころの親友だった。


「なんであんたがこの手紙を持ってるの訳?

第一、これの何処がテロリストからの手紙なのよ。」


かなめは、ほとんど強奪に近い形で手紙をつかみ取る。


「いや、きっと暗号か何かだと思って、

手紙を開ける時も慎重を期してだな、

どれだけ時間をかけたか・・・」


かなめはため息を吐きながらあて先を確かめる。

確かにそこには宗介の住所が書かれていた。

しかし、これは書き間違いだと安易に予想は付いた。

かなめと宗介は同じ団地で同じ階、隣り合う棟に住んでいるのだから

住所の差も微々たる物なのだ。


「まったく、あの娘、相変わらずそそっかしいんだから。」


「テロリストじゃ無いのか?」


「だからテロリストでも何でも無いってば、

これは私の友達からの手紙よ。」


かなめが喋り終わる間も無く、

宗介の顔はみるみる青ざめ、汗だくになっていく。


「しまった・・・」


「え?」


「テロリストだと思って、もう手を打ってしまった。」


「手を打った?・・・」



アメリカ


「ねえ、母さん、日本のかなちゃんから手紙がきたよ。」


「あら本当、よかったわね、さっそく開けてみたら?」




「超薄型軽量でな、殺傷力はイマイチだが

相手をびびらせるには持って来いだ。」



しばしの沈黙が二人を襲う。


「・・・馬鹿ソースケ!!いっぺん死んで来い!!!」


かなめの真空とび膝蹴りが・・・・・炸裂した。




あとがき


ども、konkeです。

今回の話は・・・

ちょっと無理がある所がちらほらと・・・

まあ、かなめの爆発振りを書ければ満足。(笑)


感想とか、送ってくれると大感激なので、

遠慮なく送ってください。


では、読んでくれた方に感謝感謝。


2002/02/22
konke

 

 

代理人の感想

まぁ、話の矛盾なんてどうでもいい事ですね。

この真空飛び膝蹴りに比べれば(笑)。