第十二話 狂気の始まり




アキトが目を覚ましたのは、今回もナデシコの展望室だった。

『おはようございます。アキトさん』

アキトが身を起こすのと同時にルリが通信を繋げる。

「おはよう、ルリちゃん。状況は?」

頭を振ってから問いかけると、ルリが少し困った顔になる。

『それは・・・取りあえず、艦長を起こしてください』

「? ああ・・・」

ルリが話しを逸らすのを疑問に思いながら、左隣りで寝ているユリカを揺さぶる。

「おい、ユリカ、起きろ! 起きろって!!」

しかし、ユリカは寝返りをうち、運悪く肘がアキトのわき腹に勢い良く突き刺さる。

「がっ!?」

「う〜ん。アキト〜・・・」

油断していたので衝撃がモロに臓器に伝わり、アキトはその場で蹲り、ユリカは寝言を言いながら眠り続ける。

(長屋時代にもこんな事があったような・・・!)

『・・・大丈夫ですか? アキトさん・・・?』

ルリの問いかけにアキトは手だけで応えると、呼吸を整えなんとか回復する。

「でも、どうやって起こそうか? こうなったユリカは、ちょっとやそっとじゃ起きないし・・・」

アキトの問いかけにルリはため息ををついてから告げる。

『・・・仕方がありません。今回は余裕が無いので、艦内全部にこれを流して艦長を含めた全員を起こします。アキトさん、耳を塞いでください』

アキトは不思議に思いながら耳を塞ぎ、ルリも耳を塞ぐとオモイカネに告げる。

『オモイカネ、強制目覚ましアラームを。モードは『死者の目覚め』

その瞬間、ナデシコ全体にフライパンをお玉で叩いた音が最大音量で流れる。

「うわーーーーー!!!」

耳を塞いでいたアキトがその音の大きさ、喧しさに声を上げる。

「きゃ〜!! なんなの〜!?」

「何、この音・・・・うるさい」

ユリカとアキトの右隣りで寝ていたイネスが声を上げて起きる。

2人が起きたのを確認すると、ルリは放送を止めてユリカに報告する。

『艦長、ナデシコが通常空間に出ました。現在、ナデシコ艦外では戦闘の真っ最中です・・・ちなみに、これが現場です』

ルリがモニターを見せると、バッタがアップで接近してきた。

「ほえ〜!! グラビティブラスト広域放射!! 直後にフィールドを張って後退!!」

『了解』

バッタのアップを見て、取り乱しながら指示をだすユリカにルリは応えるが、アキトとイネスが一緒に声を上げた。

「ちょっと待った!!」

「艦長、周囲の状況を確認しないで・・・!」

しかし時既に遅く、グラビティブラストが発射された。




「ナデシコから重力波反応!! これは・・・!? グラビティブラストです!!」

サイの報告にマリューとナタルは目を剥いて驚いた。

「この乱戦の中で撃とうというの!?」

「全機、および先遣艦隊に回避行動を取る様に伝えろ!!」

「駄目です! 間に合いません!! こちらも射線に入っています!!」

ノイマンの慌てた報告を聞いた瞬間、マリューとナタルは一斉に同じ指示を出した。

『取り舵、回避―――!!』




チューリップから出現したナデシコが、グラビティブラストを放とうとしているのはアムロ達も気付いていた。

「この状況で主砲を放つというのか!? 全機、巻き込まれるなよ!!」

アムロが全周波数で注意を促した瞬間、ナデシコからグラビティブラストが放たれた。

注意を促されていたロンド・ベル隊とキラ達、カチーナ達は何とか回避できたが、フィールドを張ってなかったカトンボや
バッタ、運悪く射線上にいたジンU達、そして回避運動が間に合わなかった先遣隊の艦隊の一部が巻き込まれる。

先遣隊の方は当たり所が良かったのか、カトンボの様に撃沈はしなかったが操艦不能に陥ってしまった。




なんとかグラビティブラストを回避すると、マリューは先遣艦隊の方を見る。

残っていた艦隊も回避に成功するが、隊列が乱れた所をカトンボやザフト艦に集中砲火をされ次々と沈み、また損傷を負っていく。

旗艦のアマリリスもカトンボの砲撃を受けて、機関部が火を噴いた。

それを目の当たりにしたフレイの顔から血の気が引いていく。

「くっ、ナデシコの艦長は何を考えているんだ!? 通信回線を開け!!」

いらついた顔でナタルが指示を出し、ナデシコに通信が繋がると、

「こちらは地球連邦軍艦、アークエンジェルだ! ナデシコ!! 一体何を考えている!?」




「ルリちゃん・・・」

『すみません。あのままだと連邦の方が少し旗色が悪かったので・・・』

アキトの呆然とした声に、ルリが少し反省して応える。

ルリが最初に状況を確認した時は、先遣艦隊の逃げ道が突破口が出来ておらず、長くは持たないだろうと思った。

そこで、少し手荒になるが突破口を開いてあげようと思いユリカの指示に応えたのだが、隊列が乱れた所をクルーゼに狙われ、
結局、被害が大きくなってしまった。

『艦長、巻き込まれた艦隊司令から苦情の通信が、アークエンジェルという戦艦から通信が入ってます』

「ええええええっ!? なんでーーー!?」

ユリカが驚くが、ルリは無情にもアークエンジェルからの通信を開く。

『こちらは地球連邦軍艦、アークエンジェルだ! ナデシコ!! 一体何を考えている!?』

ナタルの怒声がユリカに突き刺さる。

「何って言われても、何がなんだか・・・」

『貴女が艦長か!? 艦長が状況を掴んで無くて如何する!!』

戸惑うユリカにナタルは更に追撃をかけ、それを聞きながらルリがアキトに話しかけた。

『アキトさん。艦長が苦情を引き受けている内に出撃してください。リョーコさん達、万丈さん達は既に格納庫に向かいました』

「わかった。イネスさん、適当な所で間に入ってあげてください」

ユリカの方を見て言うと、イネスは頷きアキトを見送る。

「あれ、アキト行っちゃうの? って、何で私たち展望室に・・・?」

『聞いているのか!? 今、展望室といったな? 艦長がこんな状況で何故ブリッジにいない!?』

「ふぇ〜〜〜ん!! ごめんなさ〜〜〜い」

(さて、どの辺りで止めればいいかしらね?)

半泣きになって謝るユリカを見ながら、イネスはのんびりと考えた。




ナデシコから出撃してきた機体を見て、アムロ達、ロンド・ベル隊は驚いた。

「あれは、ダイターン3にダイモス・・・? という事は、万丈と一矢か!?」

「その通り、お久しぶりですね。アムロ大尉っと、少佐になったんでしたっけね」

アムロの問いかけに万丈は答える。

そして、カミーユが懐かしい共感を感じ、ヒュッケバインMK-Uの方を見る。

「あのヒュッケバインMK-Uから感じる感覚は・・・ひょっとして!?」

「久しぶりだな、カミーユ」

「やっぱり、ユウか!! お前もナデシコに乗っていたのか!?」

ユウキの返事にカミーユは驚く。

「さて、つもる話は後にして・・・僕と一矢、ユウがチューリップを破壊する。何機か手を貸してくれないか?」

「了解した。ウラキ少尉とキース少尉、それにエクセレン少尉は万丈達とチューリップの破壊に向かってくれ」

『了解!』「おまかせあれ〜♪」

コウとキース、エクセレンが応えると各機は散開し攻撃を再開していった。




北斗や優華隊はナデシコが放ったグラビティブラストを回避し、ロンド・ベル隊の機体とは少し離れた所で状況を把握していた。

「あれが奴の言っていた戦艦と部隊か・・・」

北斗は夜天光のコックピットの中で、ナデシコと出撃した機体を見て呟く。

「奴の言っていた機体はどれだ・・・? 確か、ピンクの塗装がされていたと言ってたが・・・零夜、見つけたか?」

黄色と白の塗装がされた六連に乗っている零夜に北斗が問いかける。

「え〜っと、同じ系列の機体は4機出てるけど、ピンクのだけは出てきて無いよ」

「北斗殿、1人の敵に固執するのは・・・」

緑と白の六連から万葉が異を唱える。

「確かに、白鳥少佐の方に援護とか向かった方が良いと思うんですが・・・」

薄い青色の六連の京子が頷きながら提案する。

「少佐になにかあったら、私達、千沙に殺されます」

黒と白の塗装がされている六連から、飛厘の本音が聞こえてくる。

その言葉に赤と白の塗装がされた六連と、真っ白の塗装がされた六連に乗る三姫と百華が頷き同意する。

「ふん、奴も優人部隊の端くれだ。特機の1機ぐらい押さえられんでどうする?」

「北ちゃ〜ん・・・それはロンド・ベル隊には当てはまらないよ・・・」

北斗の言葉に零夜がつっこむ。

実際、白鳥の操るダイテツジンはマジンガーZに押され気味で、ボソンジャンプを駆使して回避に専念していた。

「それに、北斗殿の目的のパイロットは男性の方でしたよね? あまり固執しすぎると、後で舞歌様に遊ばれると思うのですが・・・?」

「確かに、言えるたい・・・舞歌様、ここ最近面白いネタが無いと言っとたね」

万葉と三姫が言うと、北斗の頭に悪魔の笑みを浮かべた舞歌の顔が浮かんだ。

『戦場で殿方を追い求めるなんて・・・北斗にも春が来たのね・・・! くぅ〜、お姉さんは嬉しいわ〜!! 零夜、今夜は宴会よ!!』

(舞歌なら言いかねん・・・!!)

額に汗を浮かべてその光景を想像する北斗。

「・・・判った。ただ、オレはアイツが、テンカワ・アキトが出て来たらそいつとしか戦わないぞ」

「と、言うよりも・・・北斗殿で無いと適わないと思います・・・」

京子が言うと同時に、全機が散開しロンド・ベル隊とリョーコ達を迎え撃つ。




「あの機体は・・・!? 火星で戦った奴と同系機か!! 雪辱戦だ、お前ら気合を入れろ!!」

リョーコはガイ達に呼びかけ、接近してくる優華隊にライフルを放った。

優華隊は散開し、リョーコ達のエステやΖガンダム、アルトアイゼンに攻撃を仕掛けていく。

万葉は刀を抜き放ち、ガイのエステに斬りかかる。

「さっきは、あの角付きに止められたが、この斬撃を貴様が受けられるか!!」

先程、キョウスケに受け止められた事を思い出しながら叫ぶ。

「!? 火星の奴よりも早い!?」

ガイは驚きながらイミディエットナイフを抜き放ち、斬撃を受け止めるが、機体のパワーの差で腕が後ろに弾かれる。

「受け止めた!? さっきの奴といい、実力者が揃っているな・・・だが、これで終わりだ!!」

万葉はそのまま返す刀でガイのエステを断とうとするが、

「ちぃ! ウリバタケの旦那、早速で悪いが使わせてもらうぜ!! ハイパーモード、ON!!

間一髪でリミッターを解除し、斬りかかって来る万葉に体当たりをし機体を弾き飛ばした。

「くっ、こいつ! 急に動きが・・・!?」

いきなり動きの変わったガイのエステに万葉は驚いた。

「・・・なんてGだ・・・! 通常の全開を40%超えただけで、これだけ負担がかかるのか・・・!?」

ガイは機体を加速させた瞬間、僅か一瞬だが意識を失ってしまった。

機体同士がぶつかった衝撃ですぐに回復が出来たが、全速戦闘は今の自分では無理な事はすぐに判った。

「今のオレじゃあ130%の出力が限界か・・・一気にケリをつけるしかないか!!」

ガイは叫ぶと、今の所3振りしかないイミディエットソードを抜き放ち構える。

「私相手と同じ刀で勝負を着ける気か・・・!? 面白い、受けて立ってやる!!」

万葉が叫ぶのと同時に、2機が一斉に接近し互いに刀を振るった。

「いくぜ!! ゲキガンソード、飛天の太刀!!」

「断ち切る・・・!!」




百華は六連の機動性を生かして、ヒット・アンド・ウェイを繰り返してアルトを攻撃していた。しかし・・・

「なんて頑丈な機体なの!? 並の機体ならとっくに落ちているのに!!」

ハンドガンでは決定的なダメージをアルトに与えられていない事に驚いていた。

キョウスケは3連マシンキャノンを撃ち返すが、元々射撃が得意では無いので命中させられなかった。

「くっ、どの道マシンキャノン位で落せるものではないか・・・・!」

「キョウスケ〜・・・手伝ってあげようか〜?」

エクセレンがからかい半分で言って来るが、

「必要ない。それに、お前は万丈さん達と一緒にチューリップの破壊をするんだろう・・・こっちに手を貸せる余裕があるのか?」

「あら? 貸してあげるわよ? トイチで♪」

「元金がないだろう」

その時、百華はアルトの注意力が少し低くなったのを感じた。

(ハンドガンじゃ歯が立たない・・・今なら接近して確実に仕留められる・・・!)

機体を加速させ、アルトに接近しながら装備されている短刀を抜く。

「もらった・・・!」

死角から全速でアルトに接近し、コックピットに短刀を突き刺そうとするが、アルトが直前で機体を後ろに退き回避する。

「・・・賭けは俺の勝ちのようだな」

「なっ!? かわした!? 読まれてたの!?」

ギリギリのタイミングでアルトが短刀をかわした事に百華は驚く。

このままでは埒が明かないと判断したキョウスケは、エクセレンとの会話に気を取られているふりをして百華が接近する様に誘ったのだ。

いくら隙を見せたとしても、正面から突っ込んでくるとは考えず死角から来ると踏んだが、確たる確証も無くまた
タイミングの問題、相手のスピードがキョウスケの予想内かという問題もあったので、かなり分の悪い賭けではあった。

「この距離でクレイモア・・・かわせるか・・・!?」

短刀をかわした直後、キョウスケはク近距離でレイモアを放った。

「間に合って・・・!!」

百華は急いで回避行動をとるが、全てのベアリング弾はかわせずに、機体の左側に数多く被弾してしまった。




「ガンダム・・・どれ程の力か見させてもらうわ!!」

京子がΖガンダムに向かってライフルを放つが、回避様にビームライフルを撃ち返される。

「ちょっ、嘘でしょ!? こっちが撃ったのと同時に、いえ、撃つ直前に回避行動を取れるなんて!!」

ビームライフルを紙一重でかわしながら、信じられないという表情になる。

ニュータイプのエースパイロットと普通のエースパイロットとの差はここにある。

普通は相手が撃った直後に回避行動を取り、エースパイロットは撃つタイミングと狙いを読んで回避行動を取る。

しかし、アムロやカミーユ達の様な優れたニュータイプでありながら、エースパイロットである者は、相手が撃つ直前に回避運動を取るのだ。

ニュータイプ能力を持たずに、アムロ達と互角以上に戦った者達は、回避されたもう一歩先を読んで攻撃をしていたが、
それを実行するには、かなりの経験と技量、ニュータイプと戦った事のある経験が必要であり、京子や優華隊には技量以外のものが欠けていた。

京子は1発でも当てようとライフルを連射するが、カミーユは回避しながらビームライフルを撃ち返す。

「きゃっ!!」

ビームライフルが右脚に直撃し破壊され、六連はバランスを崩した。

その隙を逃さずにΖガンダムが止めのビームライフルを放った。

「いっけぇー!!」

「回避が間に合わない・・・! なら、障壁最大出力・・・持って!!」

とっさの判断で、全てのエネルギーをフィールドに回す。

フィールドの出力が勝り、ビームライフルが弾かれる。

「!? ディストーションフィールドか!! 小型であそこまでの出力が出せるものなのか!?」

カミーユは驚き、目の前の六連を注視するが、当の六連は行動不能に陥っていた。

「くっ、相転移炉に無理をかけすぎたわ・・・!! バーニアにも感なし・・・! このままじゃあ・・・」

京子が焦りと撃墜されるかもしれない恐怖を感じた時、リョーコ達の相手をしていた3機の内1機がΖガンダムの背後に撃って来た。

カミーユはその場から離れ回避をし、その隙に零夜が京子の六連を回収する。

「京子さん、大丈夫ですか!?」

「助かったわ零夜。相転炉に負担を掛け過ぎたみたいなの、動きが取れないわ」

「なら、零夜。京子と一緒に下がっていろ・・・テンカワ・アキトが来るまでは、オレが相手をしている」

北斗は通信に割り込みそれだけ告げると、機体を加速させてΖガンダムに殴りかかって行った。

接近してくる夜天光にカミーユは気付いたが、機体の速度と感じる気配に驚いた。

「動きが速い!? それに、この気配はなんだ!?」

「カミーユ、気をつけろ!! そいつの動きはシャアに匹敵する!!」

中破したリ・ガズィで攻撃してくるジンUを落しながら、アムロが注意を促す。

「クワトロ大尉に!? このっ!!」

その言葉に驚きながらも、カミーユはビームライフルを放つが回避され接近を許してしまう。

「遅い!!」

北斗は距離を取ろうとするΖガンダムに蹴りを放ち、ビームライフルを弾き落とした。

「くっ!! ならっ!」

近距離でグレネードランチャーを放ち、夜天光の動きが一瞬緩んだ隙にビームサーベルを抜き放った。

「この距離で炸裂させるか、いい判断だ!!」

カミーユの行動を嬉しそうに評価すると、そのまま右の拳を放った。

「そう、簡単に!!」

回避しながらビームサーベルを振るうが、後ろに下がられ回避される。

下がりながら北斗はハンドガンを放つが、カミーユは回避しながらグレネードランチャーを撃ち返した。

「ほぉ・・・目的はテンカワ・アキトだけだったんだがな・・・こいつといい、さっき戦った青い機体のパイロットといい、腕の良い奴等が集まっているな」

グレネードランチャーを回避し、北斗はΖガンダム見て、そして先程まで戦っていたリ・ガズィを思い出すと楽しそうに笑みを浮かべた。

その時、ナデシコからピンクのエステバリスが飛び出して来るのを北斗は見つけた。

「来たか、テンカワ・アキト・・・!!」




「あれは、夜天光・・・!? 北辰か!?」

夜天光を見つけて、アキトはライフルを撃ちながら接近していく。

「奴が言っていた貴様の力・・・確かめさせてもらうぞ!!」

北斗はライフルをかわしながらハンドガンを撃ち返し、アキトへと接近させていく。

「!? あの動き、北辰じゃない・・・!?」

驚きながらアキトがハンドガンを回避するが、それを読んでいた北斗がエステに肉迫する。

「速い!?」

「オレを失望させるなよ・・・!!」

北斗はコックピットを狙って右のブローを放つが、アキトはとっさにライフルを盾にし何とか防ぐと一度距離を取った。

(どういう事だ・・・あの動き、北辰の実力を軽く凌駕している・・・俺達の世界の木連では奴以上の使い手はいなかった筈だが・・・)

ひしゃげたライフルを投げ捨て、アキトはイミディエットソードを抜き放ち、リミッターを解除し夜天光へと斬りかかる。

「!? 速度が上がった!?」

いきなりのスピードアップに北斗は驚き、振り払われるイミディエットソードを後ろに引いてかわすと、
ガイの弾き飛ばされたナイフを見つけ手に取り、それで二の太刀を受け止めた。

「受け止めた!?」

驚いたアキトは一度離れようとするが、その機を北斗が逃さず攻撃を仕掛けてきた。

次々と放たれるナイフと拳、蹴りをイミディエットソードで弾き、かわし、受け流す。

最後の突きを紙一重でかわし、そのまま夜天光に密着すると、肩当ての要領で夜天光を吹き飛ばした。

「ちぃ! エステのパワーじゃあ、この程度か!!」

少し装甲がへこんだだけの夜天光を見て、アキトが毒つく。

もし、機体がブラックサレナ級のパワーを持っていたなら、完璧にコックピット部分を圧壊していた程の手ごたえだったからだ。

『やるじゃないか、テンカワ・アキト・・・』

「!?」

その時夜天光から通信が入り、アキトは相手が自分の名前を知っている事に驚く。

『多少は驚いているようだな。少し自己紹介をしようか? 俺の名前は北斗・・・北辰の愚息よ』

「なんだと・・・!? 奴に息子がいたのか!?」

『ふん。息子を持っている様な顔ではない事は、いや、人間では無い事はオレも認めるがな。だが、オレはここに存在する・・・
貴様と戦う為にな!!

北斗は吼えながら急加速をしてアキトに肉迫する。

「くっ!」

とっさにイミディエットソードを振り払うが、ナイフで受け止められそこを支点にして回し蹴りを放ってくる。

アキトは機体を引かせて支点を失くし、北斗の体勢を崩させる。

「くらえっ!!」

そこを見逃さずに、夜天光の頭に蹴りを叩き込むがモノアイが損傷する程度の被害しか出なかった。

『・・・やはり、な。お前の技量はオレと同等だが・・・肝心の機体がお前の力を生かしきれていない』

エステの右脚が当たったままの状態で、北斗が告げる。

『今の攻撃、そして先の肩当て・・・機体が互角ならば共に決定打になる程のものだ・・・だが、その機体では決定打どころか、
損傷を与える事すら難しいのが現状だ。その刀に注意していればどうという事は無い・・・このままではオレに勝てんぞ、アキト?』

北斗が自分と同じ事を考えていた事に驚くが、不意にラピスがスーパーロボットの話をしながら言っていた言葉を思い出し、口元を吊り上げた。

「北斗・・・この地球圏にはこんな名言があるらしいな・・・?」

「名言・・・だと?」

「ああ・・・それはな、機体の性能差が戦力の決定的な差ではないという事だ!!」

アキトは吼え、再び夜天光へと斬りかかっていった。

北斗もアキトに向かっていこうとするが、横からビームライフルを撃たれ、咄嗟に回避行動を取る。

「なんだ・・・!?」

飛んできた方を見ると、Ζガンダムが回収したライフルを構えていた。

「くそっ、完全に不意を突いたと思ったのに・・・!」

カミーユは今の一撃が回避された事に歯噛みする。

『さっきの機体か・・・!? いいだろう。奴の腕でも、あの機体では面白味が欠けると思っていた所だ。アキト、ハンデだ! 2対1で来い!!』

「2対1で、だと・・・? 俺以外では・・・!」

アキトはΖガンダムの方を見て無理だと言う様に呟くが、その考えはカミーユの動きを見て一瞬にして覆された。

Ζガンダムを狙って北斗はハンドガンを放つが、カミーユは上半身を捻って紙一重で回避しながらビームライフルを撃ち返した。

「ほお!」

驚き半分、感心半分の声を上げながら北斗は回避をするが、回避先を予測したかの様に2射目が飛んで来る。

「なに!? オレの動きを読んでいるのか!?」

「かわされた!? 確かに、クワトロ大尉に匹敵する動きだ・・・」

ビームライフルが左脚をかすめ、驚愕の表情で北斗はΖガンダムを見る。

アキトも北斗と同じ表情でΖガンダムを注視していた。

(なんだ、あの動きは・・・!? ブラック・サレナを操っている時の俺と同じかそれ以上の動きだったぞ・・・!?)

アキトの心中を察したのか、ルリが極秘回線で通信を開いてきた。

『アキトさん、あの機体はロンド・ベル隊所属の機体で、パイロットは恐らくニュータイプです』

「!? ニュータイプだって!? あれが・・・!!」

アキトはルリから教えてもらったニュータイプの事を思い出し驚く。

『ええ。前にも教えましたが、ロンド・ベル隊には多数のスーパーロボットの他に大勢のニュータイプが所属しています。
あの機体の動きのデータからすると、乗っているのはカミーユ・ビタン。彼はロンド・ベル隊のエースの一角を担うニュータイプの1人です』

「ニュータイプの1人・・・!? という事は他にもニュータイプがいるんだよね? その人達も彼と同等の動きが出来るのか?」

ルリは首を振りながら返す。

「いえ。あれだけの動きが出来るのニュータイプはそう多くありません。有名な所でアムロ・レイ、ハマーン・カーン、ジュドー・アーシタ
前の大戦でロンド・ベル隊に敗れた、シャア・アズナブルぐらいです』

その報告を聞いて、アキトは軽く息を吐き、

「ありがとう、おかげで目が覚めたよ」

『えっ・・・?』

その言葉にルリは驚き聞き返す。

「北辰をこの機体で倒せたから、少し俺は自惚れてたよ・・・自分よりも強い奴がいる訳が無いってね」

アキトはそう告げると、機体を加速させ再び北斗へと斬りかかる。

「あれだけの性能差で、まだやる気なのか!?」

「前衛は俺に任せて、ビームライフルで援護を頼む!!」

驚くカミーユに短く言い、イミディエットソードを袈裟懸けに斬りだした。

北斗はナイフで受け止め、膝蹴りを出そうとするが動きが止まった所をカミーユに狙撃され一旦距離を取るが、
そこにアキトが更に踏み込んでくる。

迎撃の為に北斗はナイフで突いて来るが、アキトは咄嗟にイミディエットソードの柄で下からナイフを弾き上げた。

「しまったっ!!」

「貰ったぞ、北斗!!」

アキトはイミディエットソードを振り下ろすが、北斗はイミディエットソードを持っている右肘を狙って蹴りを放った。

イミディエットソードが夜天光に届くギリギリの所で、エステの右肘が破壊されそのまま何所かに飛んでいってしまった。

しかし、ナイフを左腕に装備させ、そのまま夜天光の右肘の関節部に突き刺した。

『くっ、これを狙っていたのか!?』

「いや、さっきの一撃でお前を断つ筈だったさ。まさか、右肘を破壊されるとは思わなかったがなっ!」

北斗に応えてからナイフで腕を引き裂き、アキトは一旦距離を取った。




突然のナデシコの出現に、キラとアスランは驚き戦闘を中断していたが、先に正気に戻ったのはアスランだった。

アスランはビームライフルを放つが、それは当たる事はなく、ストライクの側面をかすめただけだった。

(!? キラを連れて行くというのに、俺は何をやってるんだ!!)

今の一撃は、ストライクの頭部を狙ったものであり、頭部を破壊され行動不能にしたストライクごと
キラを母艦に連れて行くのがアスランの狙いだったのだが、キラに向かって銃を撃つ事を身体が無意識で拒否したのだ。

その一撃でキラも正気に戻ると、慌てて回避行動をとり、イージスから距離を取った。

「アスラン・・・!」

キラが悲しそうに言うのと同時に、互いにビームライフルを放つがそれは当たる事無く、両機の側面を通りすぎる。

「・・・しかたがない。キラ、多少手荒になるが、我慢してくれ!!」

自分に言い聞かせる様に叫ぶと、ビームサーベルを抜き放ちストライクに斬りかかる。

キラはとっさにシールドで受け止め、その間にビームサーベルを抜き放つ。

振り下ろされるビームサーベルを一旦引いて回避し、アスランは腕を目掛けてビームサーベルを振るう。

「しまった!!」

キラはとっさに腕を引こうとするが間に合わず、手首から先をビームサーベルごと斬りおとされてしまう。

シールドを捨て、残った腕にビームサーベルを持たせようとした時、目の前にビームサーベルを突き付けられた。

「・・・アス・・・ラン・・・?」

信じられないという驚愕の表情で、モニターに映ったイージスを注視するキラ。

『・・・キラ、聞こえるか? 手荒になってすまない。 だが、これ以上戦闘は続けられないだろう・・・武装解除して俺と一緒に来るんだ』

「でも、アスラン!!」

『何故お前が戦う必要がある!? あの艦には今、ロンド・ベル隊がいるんだろう!? 軍人でも無いお前がなんで戦うんだ!?』

「それは・・・!」

アスランの問いかけにキラは言葉に詰まり、先程のフレイの言葉を思い出してしまう。

『コーディネーターのくせになれなれしくしないで!!』

あの言葉はラクスだけでなく、同じコーディネーターであるキラをも否定するものだ。

なんで自分を否定する者の為に戦っているのか・・・?

不意にキラの頭にそんな考えが浮かんでくるが、頭を振り振り払う。

『・・・武装解除をしないのなら、機体を行動不能にして無理にでも連れて行く・・・! すまない!!』

アスランは謝りながら腕を引き、ビームサーベルを突き出した。




「万丈さん、作戦はどうしますか?」

「チューリップは異常なまでに頑丈だからね。MSや並のPTの火力じゃあ通用しないんだ」

「と、いう事は?」

コウの質問に万丈が答え、キースが先を促すと、

「わかった!! 万丈さん達を囮にして、MSとPTの総攻撃ね♪」

「・・・囮と攻撃役が逆じゃないか?」

「いやん」

エクセレンのボケにユウキが静かに突っ込む。

「逆だから、ウラキ少尉達がチューリップの注意を引いている内に、俺と万丈さんが接近して攻撃を叩き込む・・・ですね」

万丈は一矢の言葉に頷き、続ける。

「そうだ。それまではよろしく頼むよ、みんな」

万丈が指示を出すと、コウ達はチューリップの触手の射程内へと入り攻撃を仕掛けていく。

触手をかわしながら、コウはロングライフルを放つがチューリップの表面を傷つける事しか出来なかった。

「本当に頑丈だな・・・!」

「まあね〜、火星駐留艦隊の総攻撃を受けても、破壊できたのが1つだけっていう代物だし」

エクセレンも言いながらオクスタンランチャーEモードを発射する。

しかし、結果は同じで表面が傷ついただけであり、損傷らしい損傷を受けてはいない。

『待たせたね、これから仕掛ける。ウリバタケさん、Gインパクトキャノンを!』

「わかった! ユウ、受け取れ!!」

射出されたGインパクトキャノンを受け取ろうとするが、させじとチューリップが攻撃を仕掛けてくる。

「おっと、そうはさせないわよ!」

ヴァイスリッターが前に飛び出すと、プラズマソードを振るい触手を全て焼き切った。

「すまない!!」

礼を言いながらGインパクトキャノンを受け取ると、

「Gインパクトキャノン、シュート!!」

放たれたGインパクトキャノンが、チューリップの表面を大きく削りすかさず同じ所に、

「フリーザーストーム!! ファイヤーブリザード!!」

一矢が超低温と超高温の連続したエネルギーを放ち、

「烈風、正拳突きーーーっ!!」

続けて正拳突きを叩き込むと、止めとばかしに万丈がダイターンを構えさせる。

「続けて行くぞ!! 日輪の力を借りて、今必殺の・・・サン・アタック!!」

膨大なエネルギーは、正拳突きが叩き込まれた所と全く同じ場所に炸裂し全体にヒビが入ると、

「ダイターン! クラーーーッシュ!!」

止めの一撃がチューリップを貫き、ヒビが入った所から爆発が起こり四散した。

「これ以上増援が来る事はありませんね」

一矢の言葉に万丈は頷くと、エクセレン達に通信を送る。

「そうだね。じゃあ、このまま戦艦とバッタ達を片付けるとしようか」

全機が散開しようとした時、全通信チャンネルでアークエンジェルから通信が入った。




時間は少し戻り、ナタルがユリカに苦情を言っているとブリットからの通信が入った。

「ラミアス艦長、今のナデシコの攻撃で突破口が出来ました! 先遣隊に離脱する様に伝えてください!!」

「えっ・・・!?」

マリューがブリットに促されて見ると、確かに進路を塞いでいたカトンボが全て破壊されており、その宙域をブリットが単機で防衛していた。

「本当だわ・・・先遣隊に通信を繋いで!!」

マリューが指示を出すのとほぼ同時に、先遣隊から通信が入りモニターにコープマンが映った。

『アークエンジェル、援護を感謝する! これより損傷の少ない艦を優先させて離脱させる。 貴艦もその艦と共に離脱しろ!!』

「ちょっと待ってください。損傷の激しい艦から離脱させなければ・・・!」

ユリカへの苦情を止め、ナタルが意見を言う。

『損傷が激しい艦は既に戦闘不能に陥っており、足手まといにしかならない! ならば、損傷の少ない艦の盾にしかならない。
いいか、これは命令だ! 離脱可能な艦と共にこの宙域を離脱しろ!!』

「しかし・・・!」

尚も反論しようとしたマリューの声は背後から上がった声に遮られた。

「パパ・・・・・・!」

コープマンの後ろに見えたアルスターの姿を、父の生きている姿を目にしたフレイが安堵に目を潤ませる。

しかし、アルスターは娘の姿に気付かず取り乱してコープマンに怒鳴っていた。

『バカな!! ここでアークエンジェルに、ロンド・ベル隊に退かれたらこっちはどうなる!? これぐらいの敵、ロンド・ベル隊と
こちらの戦力を合わせれば、軽く倒せるだろう!?』

『それは、この部隊がまともに機能していればの話です!! この艦隊の構成は半数以上が新兵も同然で、しかも蜥蜴の艦隊には
こちらの主砲、及び機動兵器の攻撃が殆ど通用しないんです。いいですか、事務次官殿!? 今の我々は戦力としてではなく、
ロンド・ベル隊の足かせにしかなっていないんですよ!! 誰か、事務次官を脱出ポットにお連れしろ!!
我が艦はこのまま脱出艦の盾になる! アークエンジェルは離脱するんだ、いいな!?』

コープマンはマリューに向かって命じ、一方的に通信を切った。

「パパ・・・・・パパぁっ・・・・・・・!」

「フレイ! さ、行こう! ここに居ちゃだめだ!」

尚も叫び続けるフレイを引きずる様にして、サイがブリッジから連れ出した。

通路に出た途端、フレイがかすれた声で尋ねる。

「・・・・ラは・・・・・?」

「えっ・・・・?」

聞き返すサイにフレイは顔を上げ、見開いた目で彼を見つめて叫んだ。

「キラは? あの子は何やってるのよ!? ロンド・ベル隊も一緒なのに・・・・!!」

「がんばって戦ってるよ。でも・・・向こうにもイージスがいるし、ロンド・ベル隊は蜥蜴の新型を抑えながら戦ってるんだ」

「でも、大丈夫って言ったのよ!?」

フレイは金切り声で叫ぶ。

「僕達も行くから、大丈夫だって・・・!!」

涙を浮かべるフレイの肩を抱きながら、サイはとにかく居住ブロックへ連れ戻そうとした。

なにか気休めの言葉くらい掛けたかったが、何も思いつかず黙っていた。

(ここで気休めを言っても何にもならない・・・! キラぐらいじゃなくてもいい、俺にも戦う力があれば・・・!!)

サイは自分の無力さに歯噛みしながらフレイを連れて歩く、その時、通路の向こうから歌声が聞こえて来た。

「あの子が、歌っているのか・・・?」

サイがポツリと呟くと、フレイは何かを思いついた様な目をして急に駆け出した。

「あっ、フレイ!?」

慌ててサイが呼び止めるが、フレイは聞かずに歌声が聞こえてくる部屋へと入る。

「あら?」

前触れもなく入ってくるフレイに気付き、ラクスは歌を止めキョトンと振り向く。

「何か御用ですか?」

「・・・あなた、プラント最高議長の娘よね・・・?」

睨んで問いかけるフレイの質問に、ラクスはあっさりと頷き答える。

「ええ。そうですわ」

「ちょっと来なさい!!」

有無を言わせずにラクスの腕を掴むと、そのまま部屋から走り出る。

「ちょっ、フレイ・・・!?」

部屋を出た所でサイが呼び止めるが、無視してそのまま走り抜ける。

「まあ、そんなに急いで何処に行くのですの?」

のんびりと問いかけるラクスに苛立ちを覚えながら、フレイは短く告げた。

「ブリッジよ!!」




ナデシコがグラビティブラストを放った光景を見て、クルーゼは苦笑いを浮かべた。

「突然出てきて、あの状況でグラビティブラストを放つとは・・・色々な意味で恐ろしい艦長だな?」

「・・・敵、味方問わずに厄介な艦という訳ですな」

アデスもナデシコが取った行動に呆れて返す。

「だが、今の一撃であの艦隊に逃げ道が出来た事には変わりは無い。2艦に離脱する艦を狙うように指示しろ。
こちらは足つきと壁役を狙う」




離脱しようとする艦が、遠距離から放たれたザフト艦による一撃に破壊される。

「離脱しようとする艦を!? くそっ、『奴』の指示か!?」

リムの攻撃をかわしながら、指示したのがフラガが毒つく。

「ふざけやがって!!」

カチーナが息巻きザフト艦の方へ向かおうとするが、

「よせっ! 戦闘機1機でMSを振り切って戦艦を落せると思ってんのか!!」

「なんだよ! エンデミュオンの鷹がヤケに弱気じゃねぇか!?」

「しょうがないだろう!? この状況で戦闘機1機で落せると思う奴はいないだろうが!!」

フラガが怒鳴りながらガンバレルを展開し、リムに攻撃を仕掛ける。

しかし、リムはなんとか回避しビームライフルを撃ち返してくる。

「アスラン、まだなの!? こっちも長くは持たないわよ!?」

リムはアスランからの連絡が来ない事に焦り、エルガイムが放ったパワーランチャーを回避する。

「くそが!! オイ、そこのデカブツ!! お前が戦艦の盾になんな!!」

カチーナは脱出口を防衛しているブリットに無茶な注文をする。

「出来れば、やってますよ!!」

ブリットはジンUのビームサーベルをソニックトンファーで受け止めながら返す。

脱出口が出来てからグルンガスト改の方にバッタだけでなく、ジンUも攻撃を仕掛けてきているので、
ブリット1人では流石に艦の方まで手が回らないのが現状だった。

その問答の間にまた1隻の戦艦が撃墜される。

「ちぃ、いくらなんでも数が違いすぎる・・・!」

フラガは今だ残っている敵機を見て呟いた。

(このまま戦っても敵の殲滅はできるが、その前に先遣艦隊が全滅しちまう・・・!)

フラガが内心焦っている目の前で、また1隻の戦艦が撃沈された。




「くっ・・・艦を前進させて! 離脱する艦を援護します!!」

離脱しようとする艦が次々と破壊されるのを見ていられず、マリューは無茶としか言えない指示を出すが、

「駄目です! これ以上前に出たら、今度はこちらに攻撃が集中されます!!」

ナタルが直ぐに異を唱え、マリューを抑える。

「しかし・・・!」

マリューはそれでも食い下がろうとするが、現状はナタルの意見が正しかった。

ストライクはイージスを抑えるのが、否、イージスに抑えられていて援護に迎える状況ではない。

頼みの綱のロンド・ベル隊も、蜥蜴の新型機と多数のバッタ、ジンU等の相手で手一杯だ。

それに、離脱する艦隊を狙っているザフト艦はかなり離れた距離にいるのだ。

この状況で、何機かが戦線を突破して、艦を直接攻撃するのは不可能な事は誰の目にも明らかだった。

マリューが悩んでいる最中に、また艦が撃沈され離脱する筈だった艦は全て落とされ、残っているのは旗艦アマリリスだけになった。

その時、ブリッジの扉が再度開き、そちらを見たトールが驚きパネルに手を置きながら立ち上がった。

その拍子で全チャンネルの送信がオンになったのだが、その事に誰も気付かなかった。

「お邪魔しますね」

ラクスが驚くトールに一声掛けるが、トールはフレイの表情に驚き返事も出来なかった。

ラクスを引っ張りながら入って来たフレイの顔は蒼白で、目だけが異様にギラギラしている。

「この子を・・・殺すわ・・・!」

『なっ!?』

ブリッジの全員がその言葉に、フレイの行動に驚き声を上げる。

「パパの船を撃ったら、プラント評議会議長の娘を殺すって・・・! あいつらに言って!!」




その通信はロンド・ベル隊だけでなく、ヴェサリウス、ナデシコ、そして北斗達にも流されていたが、少し遅かった。



通信が入る直前、最後の1隻となったアマリリスに向かってヴェサリウスが主砲を放とうとしていた。

その瞬間、全チャンネルでいきなり通信が飛び込んできた。

『お邪魔しますね』

「この声は・・・ラクス様?」

その声にアデスがポツリと呟く。

『この子を・・・殺すわ・・・!』

「!?」

アデスだけでなく、ブリッジにいるクルーゼ以外の全員がその言葉に衝撃を覚える。

『パパの船を撃ったら、プラント評議会議長の娘を殺すって・・・! あいつらに言って!!』

「!? いかん!! 主砲、発射中止!!」

続けて飛び込んで来た言葉にアデスは驚き、指示を出すが砲手が悲痛の叫びを上げる。

「無理です!! 間に合いません!!」

無情にも主砲は放たれ、ビームはアマリリスに吸い込まれる様に直撃し、爆発した。




「いやーーーーーっ!!」

爆発したアマリリスを見て、フレイが悲鳴を上げる。

「・・・脱出ポットは・・・・?」

「・・・残念ですが・・・・」

ナタルの問いかけに士官が苦い顔で首を振る。

フレイは力を失ってフラフラと宙を漂い、ちょうどブリッジに戻ってきたサイに抱きとめられる。

サイは状況を聞こうと、トールを見るが、彼が苦い顔で首を振るのを見てすぐに察した。

ラクスはその彼等を気の毒そうに見ていた。

『どういう事だ、ラミアス艦長!?』

突然飛び込んで来たアムロの声にマリュー達は正気に戻る。

『なぜ、ラクスを人質の様に扱う、いや、利用する!?』

アムロの怒りをあらわにした声に、マリューだけでなくナタルもすくみ上がる。

しかし、ナタルはなんとか状況を掴み聞き返した。

「アムロ少佐、何故ブリッジでの会話が・・・?」

『全通信チャンネルで、ブリッジの会話が筒抜けになってる!!』

その言葉を聞き、ミリアリアがトールの手元のパネルを見て声を上げる。

「トール! ブリッジのマイクと全通信チャンネルの送信がオンになってる!!」

「げっ、マジ!?」

トールは確認し、慌ててマイクと通信をオフにする。

アムロはそのまま全機に指示を出した。

『総員、撤退だ!! これ以後の戦闘行為を禁止する!!』

「しかし、アムロ少佐。それでは背後から撃たれる事に・・・」

『反論は許さん!! この状況で俺達が攻撃したら、それはティターンズや地下勢力の連中と同じになってしまう。
生き残っている先遣隊からの部隊はアークエンジェルに着艦しろ! 万丈、ナデシコも一緒に撤退させるんだ』

ナタルの言葉を却下し、続けて万丈達やカチーナ達に指示を出した。




一通りの通信を聞いて、クルーゼは何とも言えない表情で、

「偶発的な事が双方にとって厄介な事態になってしまったな」

アークエンジェルがラクスを助けたのも偶然、あちらのブリッジの会話が全チャンネルで流れた事も偶然だ。

「あちらにロンド・ベル隊がいる以上、人質の様な行為はさせないと思うが・・・」

「しかし、隊長・・・あの戦艦に乗っている者が全てロンド・ベル隊のクルーでは・・・」

クルーゼの言葉にアデスが返す。

もし、この放送がアークエンジェルからではなく、ラー・カイラムからだったならばアデスはここまでは心配しない。

ブライト艦長がこんな事を許す筈が無いと信じており、1人の軍人として、ブライトに共感を覚えており、敬意も払っているからだ。

しかし、あの艦に乗っている者は全てがロンド・ベル隊という訳ではない。

もし、ブルーコスモスやティターンズの息がかかっていた者がいれば、ラクスの身に危険が及ぶからだ。

クルーゼはアデスの言葉に答えるかのように手を振り、

「ああ。だが、万が一という事もある。全軍攻撃中止だ」




「人質・・・ですって・・・!?」

通信を聞いて、リムは殺意を湧き上がらせるが、なんとか冷静に考えるだけの理性は残す。

(今の通信からして、ラクスが足つきにいるのは事実ね・・・しかも、人質にしようというのは総意ではなく、一部の人間の暴走・・・ってとこかしら?)

そこまで考えると、ちょうどヴェサリウスからの撤退命令が入る。

(艦全部の総意ではなく、一部の人間の暴走ならロンド・ベル隊が、アムロ・レイ達がなんとかしてくれる・・・か。でも)

リムは思考を止め、目の前にいるメビウス・ゼロとエルガイムを見る。

「この2機があっさり退かせてくれるかしらね・・・?」



アークエンジェルからの通信、そしてアムロからの命令を聞いてフラガは苦々しい息を吐く。

「・・・あの嬢ちゃんの暴走とはいえ、格好悪いな・・・」

「誤解とはいえこのまま戦闘をすれば、ポセイダルの様な連中と同じになってしまいますから・・・」

ダバがフラガに返すと、今だこちらを警戒しているリムのジンUを見て通信を送る。

「退いてください! もう、こちらに戦う意思はありません!!」

それでも、リムがこちらに疑わしい気配を放っている事を感じたフラガが苛立ちながら叫ぶ。

「いいから退け!! これ以上は戦えんだろうが!! お互いに!!」

「・・・良かった。ロンド・ベル隊以外にも人格者がいる様ね。これなら少しは安心できるわ」

リムはフラガの言葉を聞いて、少し安心するとそのままヴェサリウスへ帰艦していった。




通信を聞いたアスランは驚き、ビームサーベルがストライクの頭部を貫くギリギリの所で止めた。

キラもあまりの通信の内容に呆然とする。

(フレイ・・・君はそこまでやるのか・・・・!?)

コーディネーターを嫌っているとはいえ、こんな手段にまで出る彼女が信じられなかった。

『卑怯な・・・!』

アスランが呻くように叫ぶ。

『通信を聞いた限りだと、一部の人間の暴走の様だが、こんな奴を守る為に戦うのがお前の正義なのか!?』

キラは一言も言い返せない。

人質をとったフレイもキラが守りたい人の1人なのだから・・・

イージスはビームサーベルをしまい、帰艦するジンU達の方を向く。

『彼女は取り返す―――必ずな!!』

アスランは最後に激しい口調で吐き捨てると、キラの前から飛び立っていった。




「人質か・・・オレに関係の無い事だが、無視すると舞歌が後々困るだろうしな・・・」

通信を聞いた北斗がポツリと呟き、そのままアキトに話しかける。

『興が冷めたな。アキト、続きはまた今度だ。それまで機体のハンデをなくしておけ!!』

北斗はそれだけ告げると、アキト達の前から去っていくが、

『北ちゃん! そっちじゃなくて、まず白鳥少佐と合流しないと!!』

零夜に呼び止められ、急に止まると方向転換し零夜と合流してから去っていく。

ちょうどそこに万丈から通信が入る。

「テンカワ君、撤退だ。ナデシコはアークエンジェルとこの宙域を離れる事になった」

「―――万丈さん」

アキトは万丈に今の事を問いかけようとするが、察した万丈が全てを言い終える前に答える。

「一つ言っておくが、ロンド・ベル隊は、こんな手段は使わないさ。この手の脅迫は、人間がすべき事じゃない恥知らずの行動の一つであるし、
僕達ロンド・ベル隊は、何度もこの手を使ってくる連中と戦っているからね。取られた時の怒りが凄まじい事も知っている。
通信を聞いた限りだと、何かのトラブルでこうなった様だからね・・・だから今は、アムロ少佐達を、僕の仲間達を信じてくれないか?」

「・・・・・・解りました」

(万丈さんがここまで言うんだ、信じるしかないか・・・)

アキトは胸中で呟き、ナデシコに戻ろうとした時、両脚を失くしたガイの機体を見つけた。

「ガイ!? 大丈夫か!?」

「アキトか! 悪い、ナデシコまで引っ張ってくれないか?」

ガイはどうにか自力でナデシコに戻ろうとしていた様だが、リミッターを外した状態での長時間の戦闘の為、単独で動けない状況にあった。

「かなり手酷くやられたな?」

その言葉にガイはアキトの機体を見ながら返す。

「それはお前もだろうが。それに、こっちは脚はやられたが、相手の腕は落としてやったぜ?」

ガイはあの時の互いの最後の一撃を思い出した。



万葉とガイの攻防は互角であった。

互いの放つ斬撃を刃で受け止め、流し、かわしながら相手の隙を探る。

「こいつ・・・出来る!!」

万葉は自分の動きにここまでついて来れるガイに驚いていた。

接近戦で自分を凌駕する北辰、北斗、互角に戦えるのは三姫ぐらいだと自負していたからだ。

「ロンド・ベル以外でこれ程の腕の者がいるとはな・・・」

万葉は呟き、刀を構えなおす。

一方、ガイはここまで戦いが長引いている事を少し焦っていた。

「ハイパーモードで戦ってどれ位経った・・・? そろそろ決めないと機体がヤバイか・・・?」

機体がそろそろ限界になる事を感じており、次辺りで勝負を着けないと負けると判断していた。

(だが、力量はほぼ互角か・・・機体のパワー等はあっちが上・・・機動性も俺が全速を出せないからあっちが上ってとこか)

アキトの様に全速を出せれば機動性は何とか互角にはなるだろう。

だが、今の自分が全速を出せば直ぐに意識を失ってしまう事は判っている。

そこまで考えると、ガイの頭には一つの方法しか浮かばなかった。

(カウンター勝負か・・・かわそうと思わず、食らって完璧に斬られる前に・・・斬る!!)

ガイは機体を加速させ、真正面から突っ込む。

「来るか!?」

万葉は刀を腰溜めに構え、迎え撃つ。

ガイが間合いに入った瞬間、万葉は機体の腰辺りを狙って刀を一閃させた。

「今だっ!!」

その瞬間、ガイが機体を急に上昇させる。

しかし、刀を避けきれず両脚の太ももに直撃する。

「私の刀を避けきれると思ったかっ!!」

「元々、避けきれると思ってない! 肉を切らせて・・・骨を断つ、ってな!!」

ガイはそのまま機体の重心を前に傾かせながら、前進させようとバーニアを全開にして全速まで引き上げる。

(全速を出せば意識を失うが・・・これしかない!!)

前進を止めていた歯止めといえる、刀を受け止めていた両脚がなくなった瞬間、
ガイの機体がイミディエットソードを構えたまま水車の様に回転する。

「なんだ!?」

「くらえ!! ゲキガンソード、水車の太刀!!」

驚く万葉にガイが回転しながら突っ込んで行き、六連の右肩から斬りおとされた。

何とか意識を失わずにいられたガイは、すぐさまバーニアの出力を落し、何とか回転を止めるが目がブラックアウトを起こし、
相手を見つける事が出来ない。

「・・・う、やったのか・・・?」

「こんな手を使うとはな・・・」

万葉は感心した風にガイを見た時、全チャンネルで通信が入って来た。

その直後、九十九から撤退指示が出され万葉はその場を後にした。



今になってガイは、不意に思い出した。

(そういえば、あの時、接触回線で女の声が聞こえた様な気がしたな・・・?)

あの時はそんな事を疑問に思う余裕は無く、幻聴かも知れぬ聞こえた声に言い返したが。

その時、アキトとガイのコミニュケにリョーコ達から通信が入った。

『テンカワ、悪いがこっちも回収を頼む!』

『今日は、宇宙の、星となる〜』

『イズミ〜、今はそれ洒落になってないよ・・・』

『アキト、彼女達の方は俺が行く。幸い、カトンボやバッタも攻撃を中止してるからな』

ユウキがアキトに告げ、リョーコ達の回収に向かっていった。

(北斗が全機に攻撃中止の信号を送ってくれたのか・・・?)

同じ戦場に九十九がいる事を知らなかったアキトはそう思った。




一方、九十九と合流した北斗達はチューリップが破壊され、帰る手段がなくなっていた。

「まさか、跳躍門が落とされるとは・・・」

チューリップの残骸を見て、九十九が呆然と呟く。

「しかし、どうするんだ白鳥? このまま通常航行で木連まで帰るのか?」

「北ちゃん・・・それだとかなり時間がかかるよ?」

「それ以前に、何人かの機体が持たんばい・・・」

三姫が零夜にツッコミながら全機を見渡す。

唯一損傷が無いのは零夜だが、それ以外の機体は必ず何処かしらの損傷を受けていた。

一番酷いのはマジンガーZと1対1で戦っていた白鳥のテツジンで、両腕が失く、機体全体にヒビが入っており、
両脚は高熱で溶かされた様な損傷を負っていた。

次に酷いのは百華で左半分が散弾銃で撃たれた様に穴だらけになっていた。

もし、アムロの撤退命令が少しでも遅れていたらアルトアイゼンに止めのステークを叩き込まれていただろう。

リョーコ達と戦っていた三姫達も、あちこちの装甲が破壊されており、内部の電子系が見えていた。

殆どの機体が早急に修理が必要な状況だ。

「・・・無人戦艦には我々の機体を収容で来る間取りはありませんし・・・プラントに行ければ、近くに跳躍門があるのですが」

「白鳥少佐、ヴェサリウスのラウ・ル・クルーゼ隊長から通信が入ってます」

呟く白鳥に、京子が告げ回線を回す。

『白鳥少佐、お困りの様ですね? ヴェサリウスに収容する用意がありますが・・・?』

「いいんですか? そちらは任務の最中なのでは?」

『構いませんよ。木連と我等ザフトは同盟を結んでますし、それに今回の任務で白鳥少佐達の意見を聞きたいですし』

そこまで言われて断る理由も無く、白鳥はその誘いを受ける事にした。

「すいません。お言葉に甘えます」

白鳥は礼を言って通信を切ると、全機にヴェサリウスに向かう事を告げる。

「零夜、すまんが少し眠る」

「えっ!? 北ちゃん!?」

行く先が決まってアキトとの戦闘の疲れが出たのか、北斗は零夜に短く告げる。

「京子の機体のついでに、コイツも引っ張っていってくれ・・・」

最後にそれだけ告げると、通信を切る北斗。

(・・・枝織ちゃん、ザフトの人に迷惑をかけなきゃいいんだけど・・・無理よね)

ヴェサリウス内で枝織が起こす可能性のある騒動を思い浮かべ、零夜は何とも言えないため息をついた。




第十三話に続く



あとがき

作:スパロボのキャラ達が時ナデの連中に食われ気味でしたね・・・次回もそうならない様に精進せねば・・・(汗)
ニュータイプについての事ですが、あの説明文は、以前に立ち読みしたクロスボーンガンダムの外伝に載っていたものを引用したものです。
手元に資料がある訳ではなく、自分の記憶頼りなので、間違えていたらすいません。
今回はSEEDの原作をかなり変えた展開が多くありました。まずは、アスラン。原作ではこの時期に本気でキラと戦わないんですが、
キラを連れ戻す為に本気で戦わせて勝たせてみました。気合の入った人間と入ってない人間。実力がほぼ同じならば気合の入った方が
勝つのは当然の事だと思うので。
そして、ラクス人質の経緯ですが、アムロ達、ロンド・ベル隊のメンバーやアキトの目の前で原作の様にナタルが堂々と脅迫すと、
アークエンジェルがアムロやアキト達に落とされかねないので、トールがたまたまやらかしたミスと汚れ役のフレイを仕掛けてみました。



イネス先生のなぜなにスパロボ

イ:えーっと、今回は火星編の機体も混ぜてやるのね? って作者、火星編の機体はヒュッケバインMK-Uしかいないじゃない!!

『αの主人公の使ったMK-Uは破壊されたはずじゃ・・・?』

イ:はい、その通り。あの機体はスペックがほぼ互角の量産型のMK-Uをリン社長の指示で改造、強化され、αの主人公用MK-Uと
同じ性能にさせて、T-LINKシステムやGインパクトキャノンに対応させたのよ。動力も変わっているけどね。
αの時同様に彼の脳波パターンが登録されているから、彼以外は乗れないわ。

『優華隊の使っている機体って?』

イ:一応、六連だけど、正式には六連改と思ってくれても結構よ。火星での六連は相転移エンジンは積んでなかったんだけど、
彼女達のは積んであるわ。夜天光ほど出力は高く無いけどね。あの機体は神皇シリーズの試作も兼ねている機体で
試行錯誤の実験機だと思って頂戴。だから全機に搭載されている武器がバラバラなのよ。ちなみに、火星の六連の性能を100とすると
彼女達の六連は125ぐらいになるかしらね。

 

 

管理人の感想

コワレ1号さんからの投稿です。

いや〜、素直に面白いと思いましたよ。

カミーユやアムロも、パイロットとしての腕では北斗に負けていない所とかが良いですね。

問題は機体の性能差なのですが(苦笑)

今後、アキトや北斗が専用機に乗り換えると・・・アムロにはHiーνがあるとして、カミーユは厳しいかも?

それとも「ウェイブライダー突撃」でも使うのかな?(笑)

原作の通りの自己中ぶりを発揮されたフレイ嬢の今後に、興味津々ですw