「どうした?! この程度の走り込みでもう限界か!!」

「そ、そんな事言われてもぉ〜!」


 ゼンガーは吼えていた。
 それも夕日にでも敵に対してでもなく、ランニングシャツ姿の四人の少女達に。
 モルゲンレーテ試験場地上部は、機密保持の問題上さほど大規模な施設がある訳でもない。
 精々倉庫が点在しているだけで広々とした空間が存在しており、ランニングを行うには絶好の場所であった。
 ……が、M1のテストパイロットであるジュリ達は、そんな事を考えた事も無かったが。


「高性能機のポテンシャルをフルに発揮するには、パイロットも高性能でなければならぬ。諸君らの技術力は認めるが、それだけではダメだ。健全な心と身体により培われる、“武”がなければ“文”を極める事も敵わぬだろう」

「そう言いますけど、M1の操縦はそんなに力いりませんし、大体のことはOSが……」

「アンタ達とことん鈍いわね……」


 足を震えさせ、立つ事も出来ずにいる三人とは対照的に、フレイは息を切らしながらも立っていた。
 無理でも見栄でもなく、普通に。


「今以上に自分の身体の扱いが上手くなれば、それだけMSの扱いも上手くなるに決まってるでしょ? 同じ人型なんだから尚更」

「「「あ……」」」


 昼間の外出から心機一転。
 昼食後フレイはずっと、三人に付き合ってゼンガーの鍛錬を受けていたのだ。
 アークエンジェルがオーブを発つまでそう時間は無い。
 僅かな時間を休息だけで潰す事を良しとしなかったのだ……二人共。
 


「がんばってー!」


 ちなみにフェンスの向こう側ではエルとイルイが手を振っている。
 見ているだけでも楽しいようだ……と言うより、ゼンガーのメニューが多岐に渡っているため、単調な作業というものが殆ど無い事も理由の一つだった。
 ただ、イルイは時おり相槌を打ちつつ、ただ笑ってその様子を眺めていたが……ふと視線を逸らし後を見た。


「……っはあ……はあ……」

「?! 君は?!」


 呼吸を乱しながらフェンスに寄りかかった、青髪の少女の姿をゼンガーも見ていた。
 すぐさまフェンスに寄ると、格子越しにその手を支えてやる。


「どうした、何が……!」

「だ、誰かが……わたし達を……」


 そう言われ、ゼンガーはすくっと立ち上がった。
 視線を感じたのだ。それも、今まで何度も受けてきた慣れたものだ。
 ……涼しげな夕暮れが、たった一人の人影により余計に赤く感じてきた。






「矢張り居たか。随分と骨を折ったぞ?」

「……このような場所にまで、熱心な事だ」

「ああ……私が見定めたのだ。逃しはしない」


 ゼンガーは素早く背後に視線を走らせる。
 一番近い少女めいた一人はともかく、後ろから互いを支えながら来る少年らは戦力外と判断した。
 既に全身打撲の跡があり、戦闘能力は喪失している。
 ……きっと連れの男達と、“もう一人の少女”がやったのだろう。


「……お、おいおい……こんな目に遭ったってのに、何おっさんとロマンスやって……」

「?! 馬鹿、あの男は……!!」

「……イザーク?」


 もう一人、聞き慣れた声を聞きゼンガーはいよいよ気を引き締める。
 気付かれた事は間違いない……しかしこの後どうするかで大きく対応が変わるだろ。
 取り合えず自らの立ち位置を変えるべく、ゼンガーは跳ぶ為に地を踏みしめた。
 フェンスの向こう側にはイルイ達がいる……巻き込む訳にはいかなかった。


「よい、そのままで」


 だが相手は冷笑を浮かべ、唐突にくるりと向きを変えた。
 呆気に取られるゼンガーにフレイが駆け寄る……事の重大さに気付いたのだ。


「少佐、あの女……」

「……よく見ているがいい」


 同時に相手も……その銀髪に夕日を塗しながら口を開く。


「……その瞳に焼き付けて置け」


 ゆっくりと振り向いた相手と、ゼンガーが……互いを瞳で貫いた。
 


「「あれが我らの敵だ」」


 極めて近く、そして限りなく遠い邂逅……。
 これに巻き込まれた人間は、誰もが言葉を無くしていた。






「……敵? 敵ですって?」

「へえ……ククルの奴、連合に知り合いが居た……訳無いだろう」


 おどけてみせるディアッカだったが、その実表情はかつて無い程真剣だ。
 一人状況が飲み込めないニコルも、只ならぬ空気に冷たい汗を流している。


「お前もつくづく鈍い奴だ……俺達の敵といえば、一人しか居ないだろう?」

「……!!」


 その言葉を聞いて、弾かれた様に腰に手を伸ばすニコルを、素早くイザークの腕が掴んだ。
 


「やめろ。ここは戦場じゃない」

「敵が居るのが戦場でしょう?!」

「言うなれば敵地のど真ん中。孤立無援、絶体絶命……さっきみたいに半殺し程度じゃ終わらないぜ、絶対」


 時より苦悶の表情を浮かべるディアッカを見て、ニコルも手に力を込めるのを止めた。
 


「そうだ……それでいい。大体、あいつを鉛玉如きで止められはしないさ」


 しかし動きぐらい止める事が出来るのでは……と、視線を動かすニコル。
 だが、その動きを肩に乗せられた柔らかな手が制する。


「……怖い事を考えるな、ニコル。お前らしくも無い」

「ククル……ですが!」

「我らがそれ程弱いと思うのか? 自信を持つのだな……勝つさ、次こそ」


 彼女の満足気な笑みと共に、その場を離れていく一同。
 だから、背後から浴びせられた、イルイの憎々しげな視線に気付く筈が無かった。 





「あんなに一杯あるんだから一機ぐらい……ううん、駄目。的にもならない」


 モルゲンレーテ格納庫で、フレイは一人考え込んでいた。
 先程ククルの姿を見てからずっとこうなのだ。
 見えない赤い糸で繋がれたようなゼンガーとのやり取りは、フレイに多大なプレッシャーを与えていた。
 乙女として等ではない……その糸が鉄の匂いのする、生臭いもので染め上げられている事に、彼女も気付いたのだ。
 たった一人の筈なのに、百の敵に銃口を向けられたかのような緊張は、今でも寒気がする。
 ゼンガーに鍛えられ、“強くなった”と勢い付いている三人とは対照的に、すっかり自信を喪失していた。
 


「何よ、あんなの……」


 格どころか次元の違いを見せ付けられた。
 ゼンガーに付いて行けば、きっと誰よりも強くなり、コーディネーターを思うがままに潰せると信じていた。
 だが上には上が居た……ゼンガーに匹敵する威圧感に加え、“ゼンガーの敵”である以上コーディネーターである事は間違いない。
 実力は圧倒的……自分が只浮かれ上がっていた事は大きなショックだった。
 確実に、前に進んでいたものとばかり思っていたのに……。


「相手は……強大ですの」


 声の主は、先程の青髪の少女だった。
 先程は慌てていたのか実に弱々しい印象があったが、年齢にそぐわぬ成熟した目と、決意に満ちた表情がマイナス要素全てを取り払っている。
 フレイも出来る事なら真似てみたいと思うほど、その姿は頼もしい。


「でも逃げていたら何時までも同じですの……いえ、先に仕留められますの」

「そんな……っ」


 それが決して不可能ではないと思っている自分に、フレイは戦慄した。
 いつの間にかゼンガーの実力を、盲信的には信じなくなっている事に。


「“貴女”さえいなければ……そう思っても無駄。でも大切な人を目の前で奪われるのは嫌。だったら戦って守るしか無いですの」

「戦う……でも、私そんなに強くは……」

「想いを込めて、全力でぶつかれば無問題ですの。きっと何もかもが応えてくれる」


 何の根拠も無い……といえばそうではない。
 事実今までそうだったのだ。
 一途な想いが……凶悪なまでの専心ぶりが……立ち塞がる全てを薙ぎ払い、蹴散らしてきたのだ。
 


「そうよね……ここまで来たんだもの……勝つまでは、降りれないわ……」


 だが、何をもって勝ちとするのか……フレイにも段々解らなくなりつつあった。
 ゼンガーの全てを自らのものとするのか。
 それとも自らの力を持ってコーディネーターを撲滅するのか。
 ……正直、どれもしっくり来ない。
 他に何かあるのでは無いかと、フレイは思い始めていた……。  






「どういうつもりだ、ゼンガー……!」


 ボズゴロフ級へと戻ったイザークらは、アークエンジェルの出港を待って待ち伏せをしていた。
 アラスカへ向かうならば北へ向かなければならない為、そこへ網を張っておけば間違いなく引っかかる。
 問題はこの確証をどう部隊全体に説明するかだった。
 ……母艦の艦長であるモンローらは現在、建前上はククルの指揮系統に置かれているが、態度は鷹揚だ。
 自分の息子、もしくは娘程も年が離れている事が一番の原因だろう。今回の判断に関してもかなり当惑していたが、ここでもククルが非凡な一面を見せてくれた。


『私は仕留め損ねた獲物は忘れん……』


 その一言を聞いただけで、モンローを始め全クルーの四分の一が納得してしまったのだ。
 ……現在では、緒戦の無茶が祟り多くの初期志願兵が後方送りを余儀なくされている為、地上全体での認知度は格段に落ちてはいる。
 だがこうして一声上げただけで、かつての戦友を納得させるだけの力はある。後は彼らから上手くは無いにせよ、残りのクルーに説明させていったのだ。
 ……勝算が有ろうと無かろうと、常に“戦略的”勝利を勝ち得てきた彼女だからこそ出来た事だ。
 認知度は高いが、“エリート”と言う評価しか得ていないイザークらではこうはならない。
 それが歯痒い事は確かだったが、それだけの評価に見合う実績を上げているのだ。
 悔しければ、それを自力で超えるしかない。


「あんな場所で、態々自分の正体を認める真似をするなんて……何考えているのかねえ? 自分を追い詰めて」

「追い詰める……そうか、そういう考え方も出来るな」
 


 ディアッカの釈然としない様子を見て、顎に手を添えてイザークは呟くと、表情を一層険しくしていく。


「奴は自ら逃げ道を断ったのか」

「はい?」

「大天使と伍式を捨てれば、奴らはオーブに留まり続ける事だって出来た筈」


 つまりは亡命である。
 奇しくも、ウズミ前首長も当初は乗員だけを助け、いっそアークエンジェルを伍式ごと沈めてしまったほうが良いのではと悩んでいた。
  


「だがそれをしなかった……と言うよりあの男がそんな真似をする訳が無い……後方への意識を無くし、前へ向かう事に全てを賭ける。ある意味今まで通りだな」 
 
「単純だねぇ。解り易いよ」

「だがその単純な相手を前に、俺達は一度でも勝てたか?」


 それを言われると苦しい所だった。
 


「数では上だ。質も劣っては居ない……だが勝(まさ)ってはいないし、例え勝っていたとしても俺は確証を持てない。果たして生き残れるかどうか……」

「大丈夫大丈夫。焦りさえしなければ、今度も何とかなるって」


 それが目下最大の不安だった。
 イザークはククルから様々な長所を盗んできたお陰で、冷静沈着かつ卓抜した判断能力を得つつあった。
 但しその中には……“死に急ぐ”スタンスは含まれては居ないのだ。  
 
   






 死に急ぐ。
 それはククルの最大の強みであり、不安要素であった。
 彼女は自らの無力さを呪い、そして自らをも呪った。
 その呪縛から開放される為に最も確実なのは……死。
 だが無意味な死は彼女の理性が拒む。
 ならば一人でも多くの敵から故郷を守り、誰にも知られる事無く現世から離れよう……そう誓った。
 ところがその願いとは裏腹に、彼女は多くに知られ、何時までたっても開放される兆しは無い。
 彼女に無意味な死すら与えられない程、敵は弱い。
 そしてそれ以上に……他者の無意味な死が多過ぎた。
 それを彼女は許せないでいた。“戦略的”勝利とは、自らを犠牲にしてでも同胞の“無意味な死”を、認めようとしなかった故の結果だ。
 己の存在が消え行く理由も解らないと言うのは、地獄に勝る苦痛であると彼女は知っている……そうして消えていった243721人を実際に、その場で見たからこそ。


「だがお前は……」


 だから真の強者に出会った時、彼女は歓喜に震えた。
 今度こそ自分を、“殺してくれる”敵が来たと。
 ……しかしそれも、束の間の感情だった。
 その刃は自分だけではなく、彼に立ち塞がる全ての障害に向けられるのだ。
 意味も何も無い、只ひたすら深い死を与えていくその姿は、彼女に久しく忘れていた感情を呼び起こした。
 恐怖。
 自らの存在すら大切にしなかった彼女では、理解出来なかった原始の理性。
 それが復活した事で、彼女は自らを護る事を考えるようになった。
 真剣かつ全力で相対せねば、満足の行く死は得られないから。
 ……そして自らを省みる事を思い出し、彼女は、他者に対する憂慮も思い出していったのだ。


「ククル!」


 背後からの声に、ククルは思考の海から意識を引き上げる。
 振り返ったとき、彼女の顔に僅かばかりの笑みが浮かんでいたのは、果たして自分に対してか、それとも目の前の大切な仲間の為か。


「補給、終わったんですね?」

「ああ」

「あっちの方で、飛魚が跳ねていたんですよ! 信じられます?」


 ニコルは地球の脅威に驚き、感嘆しているがククルは違う。
 余りに大きく、敵わない相手の腕の内に居る……それが常に緊張を呼ぶ。
 その地から自ら離れる事は出来ない。離れるのではなく、力付くで振り切る事しか叶わない。
 何時何をもたらしてくれるか解らない。恵みも破滅も、全てがアトランダム(無差別)。
 だが嫌いではなかった。自らを試されているかのようで。
 この枷を払える物なら払ってみろと、常に生きとし生ける者全てに挑戦しているかのようだった。
 全ての都合が良いプラントとは、比べる事も出来ない。
 ここが敵を育んだ土壌であり……かつて、先んじて大地を振り払った、先祖達の故郷なのだ。
 


「不安……なんですか?」

「ん?」

「大丈夫ですよ! 僕はククルを信じています!」



 ニコルの純粋な信頼は、ククルも素直に嬉しかった。
 出来る事ならその期待に答えたかったが……。
 彼は優し過ぎるのだ。だから自分が傷つく事があっても、他人への干渉を躊躇わない。
 仲間達の仲を取り持ち、対人関係に気を配る事が出来ると言うのはある意味珍しく、希少な資質だ。
 ……しかしそれは時として危機を呼ぶだろう。
 しかもその“時として”は、すぐ訪れる。


「……ニコル。お前に言っておきたい事がある」

「はい?」

「もう私に構うな」


 柔らかな表情が凍りついた。





「次がゼンガーを倒す最後の機会だ。私は奴の、アラスカへの到達を許しはしない」


 ククルは必要以上に潤み出したニコルの目から、決して逸れようとしない。


「イザークらには通達したが、お前にはまだだった……次の作戦開始直後から、お前はイザークの指示に従え。私は独断行動を取る」

「そ……それでどうする気ですか?!」


 解りきっている筈の質問をニコルが返す。
 言わずには居られないのだと、ククルは心境を察する。


「他に構っている余裕は、無い。大天使の始末はお前達に託すぞ……私は剣を押さえつけておく。そしてあわよくば、共に冥府へ引きずり込んでや……」


「ふざけないで下さい!!!」


 遠慮なしのニコルの批難が、ククルの胸を衝いた。 


「折角纏まった部隊をバラバラにして、自分は刺し違えるつもりですか?! あんな男の為に!!」


「……それだけの価値はある。私の命と引き換えに、奴を倒す事が出来れば一体どれほどの同胞が救われるか」


「貴女と等価値の人間なんて、何処にも存在しません!! それに僕にとっては……」
 


 唐突な言葉にククルは目を見開く。
 だがやがて、諦めた様な表情で首を横に振った。


「よせ……一番大事なのは自身の命だ」

「だったら! だったらククルも……!!」

「私はかつて死に損なった魂の残りカスでしかない。悲しんでくれる家族も最早無い……今を生き、未来あるお前達とは少し違うのだ」


 悲しい笑顔を浮かべると、ククルはポケットからある物を取り出した。
 それはかつて、ニコルの演奏会で身につけていた鏡だった。
 


「……私の命、お前達の為に燃やさせてはくれないだろうか?」


 その微笑が余りに美しく……極めて強い意志で成っていたからか。
 ニコルは、差し出された鏡を震えながら受け取ってしまった。





〈注水、開始します。注水、開始します……〉


 オーブの地下ドックでは警報が鳴り響き、アークエンジェルを一気に水の中へと浮かばせる。
 


「いよいよ、ですね」

「ああ。苦労をかけたな」


 総員が発進準備の為右往左往している中、デッキにはゼンガーと、そしてキラがいた。
 但しキラはここで別れる。モルゲンレーテの制服に身を包んだ彼には、既にテストパイロットとしての仕事が待っていた。強力な傭兵も後日到着し、M1の実戦評価を下してもらう事になっている。
 これがキラの決断の一環……彼女がこの国を護るならば、自らもその力となる事が。
 


「いえ。僕も……只一つの事を決めるのに、こんなにも時間が掛かってしまって……」

「迷う事は良い。決断すべき時に間に合うならばな……だが、これで安心した」


 ゼンガーの言葉に隠された、微妙な意味合いにキラが反応した。


「あの、それはどう言う……」

「……再び生きて、このオーブの地を踏むかどうか解らぬ」

「……!!」


 何か言おうとするキラに、ゼンガーは瞑目する。


「言うな。今の俺は軍人……遺憾だがオーブ一国の為に尽くす訳にはいかない」

「だったら……」

「今ある使命を蹴って、別の理想に阿(おもね)る様では……真の意味でこの国の力になどは」


 何処か名残惜しい様子であったが、それを振り切るような決意が現われていた。
 それを前にして、もうキラは何も言う事は無い。
 ……言うのではなく、只想いを果たすだけ。それが彼に出来る事だから。


「少佐ぁーっ!」


 タラップを駆け上って来た人影が、唐突にゼンガーの胸に飛び込んできた。
 不意の襲来にもうろたえる事無く、しっかりとした足取りでオーブの軍服姿の少女を支えるゼンガー。


「死なないでくれよ、少佐!」


「カガリ……」


 抱擁と言うには些か乱暴すぎるカガリに対し、ゼンガーはポンと背中を叩いてやった。


「案ずるな。俺ももう案じはしない……ソフィアが愛したこの国と、人々を、君達が護ってくれる事を信じているからな」


 カガリの突拍子も無い行動に、監視ブース内ではアスハ前代表とキラの両親がおたついている……が、キラが反対側へと目をやると、そこにはエリカに連れられて手を振る二人の幼女と、男が一人居た。





 キラとカガリがアークエンジェルから退去すると、メインエンジンが点火した。
 前方のハッチが重々しく開き、海面が広がる中、ギリアムは作業タラップ上から見守っていた。


「行ってらっしゃーい!」


 無邪気にエルが手を振るのを見て、ギリアムは心を痛める。
 ひょっとしたらこれが、この船の最後の航海となるかもしれないのだ。正確な事は、“予知”する事は出来なかった。
 


「不退転。その流儀は全く変わってはいないか……私にはそれを止める事は出来ない」


 いつの間にかギリアムは一人だった。
 只でさえこのドックは極秘施設。用が済んだらエル達には速やかに退去して貰わなければ、幾らエリカとて庇い切れないのだ。
 今はその配慮が有り難かった。彼女らには、知られて欲しくない事が多過ぎる。


「だから私は心配はしない。例え私が“絶望”を見ても、簡単にそれを切り開いていくだろうからな……何故ならお前は、いやお前達は……」

 


武神装攻ゼンダム其七 希望(エルピス)

 













「そして……」


 ギリアムは弄んでいた仮面を見つめると、おもむろに顔に近づけた。

 

 

 

代理人の感想

 

・・・・・WHAT?

 

 

>連れの男たちともう一人の少女が〜〜

イルムガルトにキョウスケにラトゥーニ、でしたか?

確かにタイマンじゃあの3人が敵うわけないわなぁ。

それはともかく何故アルフィミィはゼンガーの太刀なんぞ背負っていたのか・・・・。

 

で、やっぱ妙な取り合わせだと思うんですが如何に。>スパロボ4人組

 

 

>鏡

ニコル、死亡確定フラグッ!(核爆)

 

いや、憎めないヤツだからゼンガーに真っ二つにされたりして「絶対死んだなコイツ」って状況になっても

案外最終回のEDではククルと一緒になって地球に移住して子供まで作ってたりするかもしれませんが!

つーかそうであって欲しい(切実)。