人気の無い夜の公園。赤い宝石を持ち、奇妙としか言いようのない格好をした見た目10歳くらいの少年は、見た目化け物としか言いようの無い生き物と戦っていた。
「護りの盾よ、その守護の力を用い我を災いから防ぎたまえ。」
「グオオオオオオオ」
ガキイイイイイイイイイイイイイイイイイン
普通ならば10歳の少年が化け物と戦うことなど無謀であり戦いなど成立しようはずがない。だが、少年は普通ではなかった。少年は異世界からきた『魔導師』であり転移魔法や補助魔法においては大人顔負けの実力を誇るほどなのだ。
しかし
「変えなる響き光となれ、許されざる者を封印の輪にジュエルシード封印!!!!」
キュイイイイン

 バカアアアアアアン

「ガアアアアアアアアアアアアア」
「ハアハア、逃がしちゃった・・おいかけ・・・・・なくっちゃ・・・・」
少年の得意とする転移魔法は次元世界を航行する移動魔法であり、補助魔法はペアとなるオフェンスを有利な状況にするサポート魔法であった。そのため本来なら優秀であるはずの少年は自分の持ち味を生かせず化け物に十分なダメージを与えることができなかったために封印失敗という結果となった。本来なら得意の魔法が戦いに向いてなかったとしても、追撃し次のチャンスをモノにするということも有り得たかもしれない。だが、無くしてしまった化け物の本体となっている『ロストロギア』を探すために、各地を転々とし体力を消耗してまった少年は追撃どころか意識を保てる状態ではなかった。

ドサ


(ハアハア、誰か僕の声を聞いて。力を貸して・・・・魔法の力を・・・)
そのため、奇妙な格好をし赤い宝石を持った少年は誰か力を貸してくれる人に出会えることを祈りながら気を失った。



魔法少女リリカルなのは (再構成)

<高町家>
ピピピピピピピ、ガサゴソ、ピっ
シーン     ガバ
「ふああああ、なんか変な夢みちゃった」
高橋ナノハ10歳はマブタが閉じるか閉じていないかギリギリの状態で起床した。
「う〜ん、朝か〜〜制服に着替えて・・・歯をみがかないと・・・ハアアア」
眠いためかノロノロした動きで自身の制服に着替え。ひどく緩慢な動きで階段を下り洗面台へと向かう。
ジャアアアアア   シャカシャカ  ゴロゴロゴロ ペッ 
冷たい水での洗面と歯磨きのダブル攻撃は睡眠と覚醒の狭間をさまよっていたナノハの意思を覚醒状態へと大きく傾けさせた。
やっと目が覚めて朝の身支度が終わったナノハは家族の手伝いをしにいくためにリビングへと向かった。
「おはよう。お父さん、お母さん」
「おはよう、ナノハ。今朝は一人でおきられたんだね。」
新聞を読み、朝のコーヒーをたしなんでいるのはナノハの父 高町シロウ 一家の大黒柱にして駅前の喫茶翠屋の店長。ちなみに『喫茶翠屋』とはケーキやシュークリーム、自家製コーヒーが自慢の店で、学校帰りの女子高生や主婦達の間で人気のお店である。
「おはようナノハ。キョウヤ達が道場で稽古していると思うから呼んで着てくれない。」
台所で朝御飯に勤しんでいるのはナノハの母 高町モモコ 料理が上手で喫茶翠屋ではケーキやシュークリームなどの製作担当をしている。
「は〜い」
ナノハはいったん家から出て道場の方へ足を進める。なぜ一般の家庭に道場などあるのかと思うかもしれないが高町家はもともと由緒ある武術の一族であり、家の離れに専用の道場を設けられていた。
兄キョウヤと姉ミユキはこの道場で毎朝武術の稽古をしており、ナノハが早起きしたときはこの二人に朝ごはんを伝えに行く事が多い。ナノハが道場の扉を開けるといつもどおりの光景が流れていた。
最初は逆手に持った左の小太刀。相手に向かって突進しながら上段からの切り降ろし、下からのすくい上げ、流れるような連続攻撃を行い敵の余裕を失くしていく。
その間に順手に持った右は相手の急所に狙いを定め必殺の機会をうかかう。
ここで、いきなりの急加速。敵と交差する形で相手と距離を取る。
ただ、これは体勢の立て直しの意味ではなく戦いの終わりの意味。
必殺の機会をうかがっていた右手は交差する瞬間死神の鎌のごとく相手の頚動脈に切れ目を入れている。
仮想の対戦相手としてイメージしたものは姉ミユキの中では死を迎・・・
「お兄ちゃん、お姉ちゃん朝ご飯できたよ。」
春先、ポカポカする気候の中道場にナノハの声が響き
「じゃあ、ミユキ今朝はここまでにしよう。」
「そうね、残りは学校に帰ってからにしようか」
兄キョウヤと姉ミユキは朝の稽古の終わりにする。
「いくよ、お姉ちゃん。」
ナノハからタオルを投げわたされたミユキは自身の汗を拭きながら、稽古に使った竹刀を片付け、三人はそろって道場をあとにしリビングに向かった。リビングでは既に朝ごはんがテーブルに並んでおり食欲をそそる匂いを発しており、食べ物達はその使命を果たすのを今か今かと待ち望んでいる。
「よし、みんな揃ったところで朝ごはんにしよう。こんな美味しい朝ごはんを食べれるんだからお母さんに感謝するんだぞ」
「もう。士郎さんたら♪」
父シロウと母モモコもう大学生にもなる子供を持ちながら、結婚したのは昨日ですと言わんばかりにイチャつき
「ミユキ。リボンが曲がってるぞ」
「えっ?本当だ。」
兄キョウヤと姉ミユキの二人は年も近いため世間一般的に仲良く朝ごはんを食べる。
ただナノハは新婚二人に無理に割ってはいる事もできず、自分とは年の離れた兄姉達の間にも入ることもできない。そのため、けっして愛されていないという訳ではないのに家のなかでは微妙に浮いているという位置ずけになっていた。



<学校>
「この前みんなに調べてもらったようにこの町には色々なお仕事がありしたね。
そこで働く人たちの様子や工夫を実際に見て聞いて大変勉強に立ったと思います。このように色々な場所で色々な仕事があります。今から将来何になるのかを考えてみるのもいいかと思います。では、少し早いかもしれませんが委員長さん」
「はい。起立 礼」
「「「「ありがとうございました」」」」」
午前中の授業は全て終わりを向かえ昼ご飯の時間になった。ナノハの通っている私立清祥台小学校には給食がないため生徒たちは必然的に各自お弁当を用意してきている。特に決まった場所で食べる必要性もないため
「ねえねえ、ナノハ。今日は早く終わったし屋上でご飯食べない?」
「OKアリサちゃん。スズカちゃんも屋上でいい?」
「うん、屋上はお日様の光があたってポカポカして気持ちよさそうだよね〜」
「じゃあ、早く行かないと屋上のベンチ無くなっちゃうし。急ごう!!」
と、友達同士で思い思いの場所で昼食を食べたりする。


授業が早く終わったおかげで人気スポットである屋上のベンチで昼食を食べるナノハは好物のタコさんウインナーをほうばりながら
「ふう、将来か〜アリサちゃんやスズカちゃんはもうだいたい決めているんだよね?」
さっきの授業の内容について考えさせられていた。
「そうね〜家はお父さんもお母さんも会社経営だからいっぱい勉強して後を継がないと程度だけどね」
アリサ・バニング ナノハとは一年生のころからの友達。家はお金持ちでヨーロッパ建築の豪邸に住んでいたりする。犬好きで強気な少女
「私は機械系がすきだから工学系で専門職に就けたらいいかな〜って思っているの・・・・」
月村スズカ  同じくナノハとは一年生のころからの友達でアリサを含めた三人でよく行動する。家はお金持ち。猫好きで控えめな少女
「そうか凄いね〜けっこう決まっているんだね」
「でも、ナノハだって家の喫茶店の二代目になるんじゃないの?」
たしかに、ナノハの家は喫茶店でナノハが喫茶店を継げないなんて話は無い。
「う〜ん それも将来の選択肢の一つでもあるんだけど、やりたいことが何かあるような気がするんだよね。けどそれが何なのかがはっきりしないんだ〜。私ってとりえも特技も特にないし」
しかし、ナノハにとっては喫茶店を継ぐという選択肢は魅力的な将来とは思えなかった。
喫茶店の仕事が嫌いとかそういうのではないのだが、一生を貫き通してしたいモノというものでもなかったからだ。
「馬鹿チン!!!自分からそんなこと言わないの!!!」
「そうだよ、ナノハちゃん。ナノハちゃんにしか出来ないこともあるよ〜」
「だいたいアンタ理数の成績は私よりいいじゃないの。どの口がそんなことほざく!!」
アリサは自分を安くみつもる親友に対して悲しみ+理数の負けた悔しさから、言葉で抗議すると同時にナノハのバックに回りこみ、
「いひゃひゃひゃ、いたいひょ、あふぃかちゃん」
物理的な抗議。またの名を『悪い口には制裁を』という名のホッペひっぱりを実行していた。
「そんな、事いう口はこうだ、コウダ!!」
「あふぃかちゃん、いひゃい。うにゃにゃにゃ」
こうして、10歳の少女にしてはシリアスすぎた昼食も日常の和やかな時間として過ぎていくのだった。






<公園>
時計の針は進み登下校の時間。ナノハ達は家には帰らず一緒に塾へと直行するルートを通っていた。
「あ〜こっちこっち。ここの道を通ると塾への近道なんだ」
アリサは公園の薄暗い道を親友二人に紹介し。
「そうなんだ。へ〜」
スズカは自分の住んでいる町にこんな抜け道があったことに感心し。
ナノハは
(なんだろ。何かが、心の中がザワつく)
自分の中で何かがナノハ自身に訴えている感覚におちいっていた。
「ちょっと道が悪いけど行こ」
ナノハが思考している間にもアリサとスズカはどんどん進んでいく。
(夕べの変な夢夢に出た道そっくり?まさかね・・・・)
キイイイイイイイイイイイイイイイイイイン





[助けて]





「えっ?」
「変な声だしちゃってどうしたのナノハ?」
いきなり親友が変な声を出したことに逆に驚くアリサ。
「今、なにか聞こえたような?」
「なにか?」
「声みたないなのが聞こえたような気がすんだけど」
ナノハのトッピな物言いに耳を澄まし公園の中の音に集中するも
「声?スズカは聞こえた?」
「私には特に何も聞こえなかったけど・・・・」
アリサとスズカには公園にある当たり前の木の揺れる音や風の音くらいしか聞こえず



キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン




[助けて]





ナノハ一人だけが当たり前でない声を聞こえていた。
(聞こえた。あっちの方角からたしかに声が聞こえた。)
「あっ ちょっとナノハ」
「どうしちゃったのナノハちゃん」
急に走り出したナノハの後を追ってアリサとスズカも同じ方向に走る。
(聞こえる。どんどん声がハッキリと強く聞こえてくる)
ナノハは自身の鼓膜にではなく、自身の中へ中へと強く呼びかける声の元に突き進んでいく。
今から出会うであろう当たり前とは異なる非日常を恐れるわけでもなく。むしろ、その非日常といわれるものこそが自分にとっての当たり前と
頭ではなく心で理解して進んでいく。
「ハアハア、ナノハ〜まってよ」
「フウフウ、何がどうしちゃったのナノハちゃん」
今のナノハは友人二人の呼び声にも応じていられない。今はこの声をもっと強く、もっと鮮明に聞くために集中しているから。
ナノハは周りに慎重に目線を配りながら進んでいく。
そこに倒れているであろう誰かを探すため。そこで出会う何かを探すため。
そして、
「この子、フェレット?」
ナノハは出会った。
赤い宝石を首にたずさえ、自身に助けを求める存在に出会った。
平凡な小学三年生だった高町ナノハが非日常と言われる魔法の世界と出会った。
これが高町ナノハと魔法との出会い。魔法の世界に足を踏み入れた最初の一歩。
ロストロギアといわれる古代遺産を巡る冒険の第一頁となった瞬間だった。



あとがき
魔法少女リリカルなのは再構成を書き始めた旅人です。
ネットでいろんなSSを読んでみて一度は自分でつくりたいとい気持ちからまだ誰も手をつけていないであろうナノハを作ってみました。
自分的には「ここでカッコいい雰囲気をだしたい」、「悩む気持ちを表現したい」という思いや考えなどがたくさんあったのですが、それをしようとすると文章が笑うというか逆に盛り下がるような形になってしまい、文章を書くことの難しさを実感させられました。
どこが悪くてどうしたら良いのかなどのアドバイスを貰えるとうれしく思います(細かく教えてもらえると嬉しいです)



 

感想代理人プロフィール

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代理人の感想

ああーっと。

いきなりキツイことを言うようですが、TVアニメを上手く小説に落としこめていませんね。

TVアニメでは絵に加えてセリフの口調や響きでキャラクターの心情を伝えますし、セリフそのものに簡易的な状況説明としての機能を持たせることもありますが、小説ではセリフはそのままセリフとしての意義しかありません。

また、地の文と言う極めて有効な状況説明方法があるためにセリフの簡易的な状況説明としての意義も殆どありません。

TVアニメと小説では、セリフの書き方、使い方が違うんです。

つまりTVアニメのセリフをそのまま小説のセリフとして遣うと、小説としては違和感が出ることが多いんですね。

たとえばこの部分。

 

>「この前みんなに調べてもらったようにこの町には色々なお仕事がありしたね。
>そこで働く人たちの様子や工夫を実際に見て聞いて大変勉強に立ったと思います。このように色々な場所で色々な仕事があります。今から将来何になるのかを考えてみるのもいいかと思います。では、少し早いかもしれませんが委員長さん」
>「はい。起立 礼」
>「「「「ありがとうございました」」」」」

 

長いです。

地の文で「先生がやや早めに授業を切り上げ、委員長の号令に従って生徒が礼をする」だけでいいのにこんな長いセリフを喋らせる必要性はありません。

重要なセリフでもありませんし、掛け合いを楽しめるようなそれでもありません。

こうしたセリフは可能な限り地の文に置き換えたほうが小説として読みやすいかと思われます。

 

次に、文章に修飾がやたらに多く、しかも説明調なのが気になります。たとえば・・・

 

>そのため本来なら優秀であるはずの少年は自分の持ち味を生かせず化け物に十分なダメージを与えることができなかったために封印失敗という結果となった。

 

少年が優秀であることはひとつ前の文章で明記されているのでここでわざわざ繰り返す必要はありません。省略してしまっても構わない情報です。

文章の意味は「生かせず」と「化け物」の間で切れているのでここは読点「、」を入れなくてはなりません。

「化け物に十分なダメージを与えることが出来なかったため」も必要ありません。別に入れても構わないのですが、この文の主意は「少年が(自分の持ち味を活かせず)化け物の封印に失敗した」という点なのでいれてバランスが悪くなるようなら入れなくてもいいのです。つーか入れるな。

逆に「持ち味を活かせず」はいれなくてはならない文章です。何故ならここ以外入れる場所がないorここに入れるのが一番スッキリするから。

 

要は文章を書くことに慣れてないので、1つの文章にどれだけの修飾を施し、読みやすくバランスを取るかという感覚がまだわかってらっしゃらないんだと思います。

ごく単純な対応策としては、

 

1.隆慶一郎か司馬遼太郎の小説を10冊くらい買ってくる

2.それぞれを3回くらい読み返す

3.文体をそのままパクって書く(核爆)

 

と、言うのがよろしいかと。

バトルものであるわけですから、どっちかというと隆慶一郎のほうが向いているかな?(爆)

初心者なんですから自分の文体なぞに拘らず、素直に上手い人の真似をしましょう。

誰だって最初は模倣から始めるんです。

 

3つめ。

擬音の使用はなるべく控えたほうがよろしいかと。

 

4つめ。

なんで登場人物の名前がカタカナなんでしょうか?

 

5つめ。

場面の転換を見せるなら<高町家>とかは一行離しておきましょう。