「Ag! ミスタAg! どこにいる!」

 某国の、とある施設内。色の褪せたブロンドを刈り上げた神経質そうな男ーーー白衣を着ているところがいかにも研究員らしかったーーーが、足音を響かせながら歩き回っている。

「ミスタAg! いるのだろう!」

 一つのドアの前で立ち止まると、激しくそれを叩く。暫くすると、音もなくドアが開いた。
 
 中から出てきたのは長髪のアッシュブロンドと、一瞬女性かと思うほどに整ったーーーだがやはり、すぐに男性だと判る顔。上半身裸で億劫そうに髪をかきあげる仕草は怒り心頭のこの男でさえ一瞬見とれるほどだった。奥からは別の寝息。どうせまた別の女なのだろう。

 一瞬そう思うが、すぐに目の前の男を睨みつける。

「……どういうことだ。ミスタAg、説明して貰おうか」
「何のことを言っているのかな?」

 誤魔化しているのか、単に身に覚えがないのか、ミスタAgと言われた青年は、気だるそうにその視線を研究員に向けたーーーもしかすると、身に覚えがありすぎるだけなのかも知れない。

「Plan1501ー2を何処の誰とも知らない奴に売り飛ばしたのはAgだと聞いたが」
「Plan1501−2? ……ああ、あれか」

 ようやく合点がいったとばかりに薄く笑う。

「君、あんな物にいつまでも拘ってるけど、あれはもう、次はないはずだったんだよ? むしろーーー」
「違う! あれは……」
「あれは?」

 睨みつける。が、がらりと変わった雰囲気の優男を前に研究員は悔しげに言葉を飲み込んだ。

「……まあ、<アラストル>も一機つけてるし、そこそこは楽しませてくれると思うよ」

 口元を歪めただけの笑い。

「ねぇ。レナード……」

 奥から目覚めたばかりなのか、甘えたようなーーーやはり女性のーーー声がした。ミスタAgは、ああ、と応えて戻ろうとする。

「待て、話はまだ……!」

 続けようと手を伸ばす研究員を一瞥すると、ミスタAgーーーレナード・テスタロッサは言った。

「ああ、どうでもいいことなんだけど、何処の誰、じゃなく名前位はきちんと覚えてあげた方がいいよ? 確か……<A21>とか言ってたっけ」

 本人もまったく興味のない様子で告げるとドアを閉める。後には、残されたーーーレナードには名前すら呼ばれなかったーーー研究員が、怒りに顔を真っ赤にさせて立っていた。





   <さまようゲスト・オブ・フューチャー>

     第6話





「……あふ」

 朝の7時すぎ。
 欠伸をかみ殺してマオが身を起こす。ベッドの上にはテッサとかなめが仲良く、男達はーーーもちろん病床にあった宗介もーーー床の上に雑魚寝していた。ちなみに、マオはアキトの布団を使っていた。

「……ん」

 猫を思わせるしなやかな身体を伸ばし、小さく声を洩らす。男性であれば誰もが目を奪われるような仕草だったがーーーあいにく、それを見ている男はいなかった。

「シャワーでも浴びてこよ……」

 ぼそりと呟き、首を鳴らすと立ち上がる。ベッドに行き、かなめとテッサに毛布をかけ直してやると二人は、ん……と小さく身じろぎして、再び寝息をたてはじめた。

 今度は宗介に近寄る。額に手を当てて看ると、熱は完全にひいていた。昨日の看病は無駄ではなかったようだ。

「……ま、実際看病したのは私とアキトだったけど」

 昨日のことを思い出し、苦笑する。
 かなめもテッサも甲斐甲斐しく世話をしようとはするのだが、途中からお互いに睨みあってしまった為に、ほとんどをマオとアキトでやっていたのだ。
 その時の少女達の様子を思い出し、小さく笑いながらマオはバスルームへと入る。

 わずかな静寂。が、それもすぐに破られた。

「……油断大敵、火がボーボー……」

 クルツである。好色的な目つきをし、SRTの能力を駆使してーーーテッサが起きていればさぞ嘆いただろうーーー物音一つたてず、忍び寄る。

「覗きは漢の浪漫ですってね……」

 口ずさむように呟きながら脱衣所に入り、浴室の戸をそっと開けた。

「…………おほっ」

 湯気が邪魔をしているものの、その向こうにあるマオの肢体は十分になまめかしい。ベッドに眠っている少女たちとは違い、大人の身体である。その魅力は、クルツが簡単に鼻の下を伸ばせる程だった。

 ーーーだが、その為に背後に対する意識が疎かになっていたのはーーーまあ、仕方がないのかも知れない。

 何にせよ、テッサとかなめが殺気も露わに見下ろしているその前で、クルツは必死になってマオを覗いていた。





 かなめとマオがクルツをどつき回す音でアキトと宗介は目を覚ました。アキトはすぐに朝食の準備に入り、宗介は自分の体調を確認する。

「ソースケ、もう大丈夫?」

 立ち上がると、殴るのを止めてかなめが心配そうに訊ねた。

「問題ない」

 小さく微笑むと、頭を下げる。

「君には迷惑をかけた。感謝する」
「や、そんな……元々私のせいだし……」

 かなめが顔を赤らめて視線を外すと、不機嫌顔のテッサがこちらを見ていた。

「……じゃ、テッサにも言ったら? あの子も頑張ってたんだし」

 ポンと肩に手を置く。了解、と頷く宗介をみて、かなめは足取りも軽く台所へ向かった。

「おはよ、アキトくん」
「あ、おはよう、カナメちゃん」

 お玉を片手に微笑むアキト。かなめはそれを見て意外そうに声をもらす。

「何? 俺が料理してるのって変?」
「いや、似合いすぎてびっくり……」

 ほけっとした顔のまま答えるかなめを見て小さく笑う。
かなめは少しだけ頬をふくらませるが、それ以上は何も言わずに隣に立った。

「手伝おっか。私みたいのでもいないよかはマシよ?」
「気持ちだけ。もう大体終わってるからね」

 アキトの言葉に目を丸くする。確かに、テーブルにはすでに料理が出来上がってる。でも、アキト自身台所に立ってからまだ5分も経っていないはずなのに・・・?

 そんなかなめの心の内を知ってか知らずか、アキトはにこやかに続ける。

「皆が寝てからね、朝の分作ってたんだ。あとはあたためるだけ」

 よく見ると、全てのものが簡単に温め直せば美味しく食べられるものばかりである。

「な、何でも出来るのね、アキトくんって……」

 感心したというよりもむしろ呆れた口調でかなめが呟く。自分が普段から包丁を握っているだけに、これら料理の栄養のバランスや手間のかかり様など、どれもが一朝一夕で出来るものではないことが分かったのだ。

 二人で温め直し、テーブルに持っていくと、全員がおおっ……と唸った。朝食ーーーしかも宗介のアパートでの食事に、ここまで豪勢なものが出てくるとはーーー宗介自身ーーー思ってもいなかった。

「これ、さっき作ったの……?」

 信じられない、といった面持ちでマオが先程のかなめと同じ問いをする。アキトが笑って首を振ると、不意にマオはアキトを正面から見つめた。

「アキト……」

 真剣な声。アキトがが首を傾げると、


「結婚しよっっ」

 思わず全員が吹き出したーーーテッサだけは料理を喉に詰まらせたらしく、目を白黒させていたが。

「マ、マオさん、朝から冗談は止めてくださいよ」

 真っ赤になってアキトが首を振ると

「このウブさも私好みかも……」

 薄く笑って顔を近づける。アキトは耳まで真っ赤にさせた挙げ句、椅子ごとひっくり返った。

「フフッ。冗談半分で言ってるんだから気にしないでよ」

 その様子を見てマオは愉しそうに笑うが、かなめとテッサは "むしろ半分本気なの・・・?" と顔を見合わせている。


「で、今日何かすんのかよ?」

 機嫌が悪いのは女性陣にズタボロにされたからだけではないのだろう。かたん、と音を立てて茶碗を置くと、ムスッとした声でクルツが言った。アキトは慌ててそれに話を合わせる。

「そ、そうそう。テッサちゃんも休み貰ってるんでしょ?
 折角だから皆で遊びに行こうよ」
「……サガラさん、今日はもう大丈夫ですか?」

 暫く考えていたテッサは顔をあげると、控えめに宗介に訊ねた。

「は、任務に支障はないかと」
「……じゃ、じゃあ二人で映画を見に行きませんかっ?」

 勢い込んで言う。テッサにとっては恥ずかしかったのか、顔を赤らめながらの精一杯の誘いだったのだが。

「いいわね、じゃあ行きましょうか、皆で」

 当然、それに反射的に答えたのは宗介ではなく、かなめだ。
 昨日の落ち込んだ様子が全く見えないことに内心頬を緩めながら、それを微塵も見せずにテッサはジト目で睨む。

「女の嫉妬は見苦しいですよ、カナメさん?」
「その台詞、そっくりお返ししますよ、艦長さん……?」

 当人であるーーーその当人がそれだと全く気づいていないのが、この闘いを不毛の極地たらしめているのだがーーー宗介を放って微笑みあう二人。それに対しアキト達は何故か逃げ腰で、

「じゃ、じゃあ三人で行って来なよ。俺は東京のいろんな所見て回りたいしっ」
「私も一緒に行くわっ。折角休み貰ったんだしねっっ」
「おお、それじゃ俺が案内してやるぜっ」

 口々にいう。実際にそうなってしまうと、かなめとテッサの間に入る仲裁役がいなくなってしまうーーー宗介はすでに頭数に入っていなかったーーーのだが、

(まだ死にたくないし……と言うか……ソースケ一人の犠牲ですむんならそれでいいや……)

 と言う、仮にも上司と警護対象に対する想いとは思えないことをあっさりとーーーある意味では、とてもせっぱ詰まった事をーーー思い、宗介を人身御供に差し出したのだった……。

 その結果、

「そ、それなら、私達は東京見物」
「私とサガラさんは映画を見に」「私とソースケは映画館ね」
「……三人で行けばいいじゃない」
「……俺の意志は……いや、何でもない……」

 アキト、マオ、クルツ組は東京の街を歩き、宗介、かなめ、テッサ組が映画を見に行くことになったのだった……。





「アラタ」

 轟音の中で、アラタと呼ばれた少年は作業を中断して下を見た。

「あとどの位かかりそうか?」

 訊ねてきたのはアラタよりも頭一つは大きい男。190センチは軽くありそうだ。

「大丈夫、ケイスケ」
「返事になっていないぞ」

 スピーカーを使っての会話。30メートル以上は下にいる相棒の顔も疲れて見える。無理もない。ほとんど徹夜で最終調整をしていたのだから。

「……すぐに終わる」

 何度目かの返答。決まりきった答えにツジ・ケイスケは頭を振る。

「まったく、夜中にコーヒーが買いたいっつって何処まで行くかと思えば……。あれがなけりゃ、今頃はとっくに始まってたんだぞ?」

 恨みがましく言ってくる。が、それが本音ではないことはすでに分かっていたし、実際、ケイスケもそう思ってはいなかった。

 時間など、どうでもいいのだーーーコレを動かすことさえ出来れば。

「もうすぐだ……もう、すぐ……」

 アラタは再びウィンドウとAIの指示に集中した。





 この時代の感想は……正直、あんまり変わんないな、ってことだった。

「……人、この時代から多かったんだ……」

 シンジュクの交差点で信号待ちをしていた時に思わずそう言うと、マオさんはまあ、ね、と苦笑した。

「ああ、忘れてたけどアキト、未来がどうのこうのってカナメに言っちゃ駄目よ」

 マオさんの言葉に当然、と頷く。

「ま、言ったところで信じてくれるとは思わないけど」
「んー、そうじゃなくて」

 笑いながら言うと、マオさんは首を振った。

「あんたが時代を越えて来たのを知ってるのは小数なの。あの場にいたソースケとコイツと私、あとはテッサとマデューカス中佐とカリーニン少佐とボーダ提督、それにクルーゾー位なもん。あとの皆には誤魔化してあるのよ」
「でも、ディアとブロスが言うと思いますけど」
「それも、聞かれたら試作機だって言うように言ってあるから」

 気楽な調子でマオさんは言うけど……いまいち信用が置けないんだよな……。

「で、次何処行く?」

 会話に割り込んで、クルツが言ってきた。周りには、いつのまにか俺達を注目している人たちが増えてきている。
マオさんもクルツもレベルが高いから、注目されるのもまあ当然のことだろう。

「どこに行っても二人が一緒なら、目立つのに変わりはないんだけどね」
「それに自分が含まれていないと思えるのが不思議だわ……」

 俺が言うと、マオさんは何故か半眼で呻いた。

「て言うか、クルツが案内するとこって只のナンパスポットじゃない」

 さらにぼやくと、クルツはさっと視線を逸らした。
 図星か……。

 俺も一緒になってクルツを睨むと、慌ててクルツは手を振った。

「じゃ、じゃあさ、あそこ行こう、あそこ」
「あそこ?」

 マオさんが眉をひそめる。

「ほら、姐さん死にかけたじゃねえか」
「げ、あそこか……」

 クルツの言葉にマオさんは露骨に顔をしかめる。
 死にかけた? マオさんが?

「あそこって……」

 悪いとは思いながら、とりあえず聞いてみる。

「……お台場よ」

 案の定、マオさんはぶすっとした顔で答えた。





 東京湾沖、マイナス500メートルのところに<トゥアハー・デ・ダナン>はいた。主人の帰りを待ち望むかのように、潜望鏡を陸へと向けている。

「全く、最近の艦長は気が緩むにも程がある!」

 鼻息も荒く毒づいたのは、帽子を目深に被った神経質そうな男だ。階級は中佐。TTDでは副艦長をしている。

「やはりサガラ軍曹はあの時に軍法会議にかけておくべきだった。そして有無を言わさずに……」

 ぶつぶつと、何やら暴走気味のマデューカスを見て、ソナーは内心またか……と呆れる。緊急時には頼りになる人だが、普段の彼は全くもってーーー例えるならば教頭先生のようなーーー説教じみた人だった。
 特にサガラ軍曹には厳しい。本人以外の全員がその理由を知ってはいたが、教えるのもそれは悔しくてならない。
 
 そんな訳で、今日も小言を聞くのかとうんざりしていたソナーだったが、正面スクリーンを見て、僅かに表情を変えた。

「中佐、少し気になることが」
「もったいつけるな。さっさと言え」
「いえ、その……」

 なぜか言いよどむ。マデューカスはいらいらとして帽子をかぶり直した。

「なんだ、言ってみろと言っているだろうが」
「それが……見失いました、艦長」
「なにぃぃぃっっっ!!??」

 今更、何故大佐のいきなりの行動にこうも上手く監視が出来るのかなどという疑問は誰も口にせず、只々耳なりがするほどの大声が発令所に響きわたった。





 映画館に着いた三人はまずーーー何を見るかでもめた。
『いろんな意味でアブない刑事〜昼下がりは劣情系〜』を見たいとかなめが言い張り、
『アルジャーノンの花束は1350円』をテッサが見たがり、
『自爆戦隊テロレンジャー<最期の一発>(同時上映仮免ライダー プロジェクト路駐)』のポスターを宗介が未練がましく見ていた。

 いつまでたっても結論が出そうにないので、一番待たずにすむものを見ようと決めた三人が結局見たものは、『愛〜哀の果てに〜』というラブロマンスものだった……。

 宗介を間に挟んで映画を見るかなめとテッサ。映画が始まる前、テッサが小用だと言って何かを握り締めて何処かに消えーーーさらに帰ってきた時に「マデューカスさん、非道いです」だのと呟いていたが、その他は特に問題が起こるでもなく、話が展開していく。

 内容は、殺し屋とそのターゲットの恋という、まあありがちなものであった。

『あなたが……殺すのよ、私を』

 ヒロインの少女が詰めよる。最近人気が出てきた、年の割に大きな胸が売りだというアイドルだ。

『分かっている……!』

 殺し屋は銃を向けるが、引き金を引くことが出来ない。こちらは男らしさと爽やかさが自慢の俳優だった。

(解らん……。何故ターゲットは自分を殺せ等と言うのだ? 自殺願望でもあるのか? ならば何故冒頭ではあれほど必死になって逃げたのだろう? 解らんと言えば、殺し屋の方もだ。あの実力で、世界屈指の殺し屋だと? クルツの方がはっきりと上だぞ。……やはり、謎だ)

 宗介は頭の上に?マークをつけながらも、静にしていろとの命令を忠実に守って大人しく座っていた。

 隣をそっと盗み見る。どちらの女性も真剣そうに見ていた。宗介はそっとため息をつくと、目の前の難解な映像の解明に乗り出した。

『……やはり、出来ない』

 殺し屋が銃を下ろす。弱々しく首を振ると、悲しげな笑みを浮かべた。

『……ミッチー……』

 感きわまった声でヒロインが涙ぐむ。

(この子、乳がでかいだけでよくここまで売れたわよねぇ。演技も下手だし、まだ私の方が上手く演れると思うんだけど。そしたら、相手はソースケで……。やだ、私ったら何変なこと考えてるのよ。……でも、私も17だし、あいつが……)

 かなめはヒロインを自分に、殺し屋を宗介に投影してはそれを否定し、俳優達の欠点を見つけてはそれ位なら自分が演った方が、そして相手は……という行為を延々と繰り返していた。

 ちらりと何気ない振りをして横を見る。隣では宗介がむっつりとした顔のまま、それでも黙って映画を見ている。
かなめはこれでソースケが少しは世間の常識を知ってくれればな、と思っていた。

(全てが終わって、サガラさんと私はオーストラリアに家を買って、お金はあるからいつも二人で釣りをしたり、読書をしたり、泳いだり。『テッサ、来い』『ソウスケ……』なんて二人でもつれあったりしてっっ)

 テッサに至っては最早ストーリーとまったく関係の無い世界で、二人幸せな未来を築いていた……。

 三人が三様の楽しみ方をしていたが、かなめとテッサはふと、あることに気がついた。

 ここは映画館。
 これはラブロマンスもの。おりしもストーリーはクライマックス。
 そして隣には気になる男の子。
 となると、

((……手を繋ごう!))

 二人同時に考えた。
 かなめもテッサも、元から頭になかった映画など、とうに見えなくなっていた。そっと手を伸ばし、宗介の手の上に自分の手を重ね合わせる。

((……やった!))

 かなめは極めて無表情を装いながらそれでも、テッサは素直に顔を真っ赤にさせて喜びに浸っていたが、やはり、人の欲望には底がないものである。

((……腕、組める、かも))

 そうすれば私の想いーーーついでに(じつはこっちがメインなのだが)魅力にもーーー気づいてくれるかも知れないし。
 乙女特有の(身勝手な)考え方で、ふたりはそろそろと腕へ手を回してゆく。そして、

((……やっちゃった))

 相手の肩に頭をあずければ、恋人一組出来上がり。
 二人はーーーお互いのことなど完全に忘れーーー幸せ一杯だった。

 一方両方から腕を組まれた宗介は、

(何故、俺は拘束されなければいけないのだ? もしやこの映画はウィスパードに関する重要な暗号があり、それを見た俺に対する制裁が始まるのか……!?)

 と、彼なりにその状況を楽しんでいた……。


 ーーー爆音が響いたのは、次の瞬間だった。




   続く










 後書きじみた座談会

 拓斗「年末ですねぇ」

 マオ「うん、まあそれはいいんだけど、遅いんじゃない?」

 クルツ「しかも短いしな」

 拓斗「う……じつは、書き直しまして」

 クルツ「ほお」

 拓斗「インパクトもやってるし」

 クルツ「それが本音か」

 マオ「てか、あんた大丈夫なの? 試験」

 拓斗「いいんですよ…………もう」

 クルツ「死んでるな」

 マオ「そうね」

 拓斗「何とでも言って下さい」

 マオ「駄目人間」

 クルツ「人生の落伍者」

 拓斗「しくしくしく……」





   後書き

 え〜、何とか出来ましたが。なんか自分でも予想のつかない事態へといきました、主にマデューカスさんが。プチストーカーです、いきなり(笑)。悪気はないんです、娘を案じる余りの行為なんです、赦してやってください……って何言ってるんでしょうかね(苦笑)。

 え〜、次回こそ、バトります。ええ、何かこんなこと言っていつも違ってるんですが、次こそは。…これでなんにもなかったらハラキリもんだな(苦笑)。

 では、お礼を。

 代理人様、暮れも押し迫って送るような者ですが、どうかこれからも広い心で見てやって下さい。
 感想をくださる皆様、ありがとうございます。今回短めですみません。その代わりに後書きを長くして←駄目だって。
 Kとの会話。

「あのさあ、これ」

なんです?

「あんた、これラブコメにするんだよね?」

もお、それでいいですよ…。

「バトルやめれば?」

 そこまで言いますか!? 私にActionのラブコメ担当を狙えと!?

「いやそんな力ないだろ」

 ……ざっくり切られたので、すっぱり諦めました(笑)。
私はやはり私なりに、はしにも棒にもかからないものでいきます。

 最後に、ここまで読んで下さった皆様に感謝の意を込めて。


 では、次回も駄文にお付き合いを……。

 

 

代理人の個人的な感想

いや、そこまで自虐的にならなくても(苦笑)。

 

しかし、A21?

時間軸としてはベヒモス事件の後なんでしょうから、残党がまだ残っていたと言うことになりますね。

言われてみればあの物言い、A21の連中の物でしたよね〜。

いや、うっかりしてた。