激闘!超人大戦!

第一話

ここは神奈川の女子寮ひなた荘・・今日もいつもの怒声が響く。

「だから覗くなって言ってるでしょうが!」

「ぶべほらっ!」

凄まじい打撃音と共に男が空を飛ぶ・・・

男の名はテンカワ=アキト、かつて世界を救いし漆黒の戦神・・

しかし今は女子寮の管理人兼浪人として偽名(浦島アキト)を使い東京大学を目指している。

その男は今勉強するでもなんでもなく風呂を覗いた事(たぶん事故だが)の裁きを受け空中を吹っ飛んでいた。

「・・・・だんだん、なるちゃんのパンチの威力がシャレにならないレベルになってるな・・」

妙に悟りきった言葉を吐き、玄関前に着地する・・・建物一つ超えて人一人吹っ飛ばすパンチ力はすでに人間越えてるような気がするが。

「う〜ん、いつか昂氣全開でも防げなくなるかもな・・・」

何か末恐ろしいセリフを笑顔ではくアキト、しかしその笑みが突然凍りついた。

「何かが・・来る」

直後、玄関前に黒いロ−ブを羽織い顔を隠した三人の男があらわれた。



「!」

部屋で座禅を組んでいた寮生の一人、青山素子が突然目を見開く。

「なんだ・・このひなた荘に近づいている邪気は!」

そう叫ぶや否や脇においてあった愛刀『止水』を持って玄関へと駆け出す。

「素子?そんなに慌ててどないしたん?」

館内を全力疾走する素子を見て、同じく寮生の紺野みつねが声をかけたが、

「キツネさん!何か危険なものが近づいています!外に出ないでください!しのぶやスウ、なる先輩にもお願いします!」

そう言い残しスピードを緩めず玄関へと走り去ってしまった。

「なんや、いきなり・・・でもあの様子、ただ事じゃないで・・」

後に残されたキツネは訳がわからないながらもスウを探しに出る。

素子が玄関に立つと寮生の前原しのぶが震えながら外を見つめていた、

「どうした!なにがあった!」

素子が声をかけるとしのぶが震えながら、

「せ、せんぱいが・・・・なんか怖い人に・・・」

玄関前広場で対峙する三人とアキトを指差した。



いきなり目の前に出てきた三人の人間・・明らかに異様なオーラを放っている、

邪悪な者・・・まさにそう呼ぶにふさわしいオーラだ。

「貴様がアキトか?」

男の一人が口を開いた。

「・・・そうだと言ったら?」

はやる気を抑えながらもアキトが返す。

「俺達と一緒に来て貰おう。」

男が威圧的な口調でお決まりのセリフをはく。

「・・・・・・いやだといったら?」

あたりが一瞬即発の空気に包まれ・・・

「無理にでも来て貰う!」

喋っていた男が着ていたロ−ブを脱ぎ襲い掛かってきた!

中から現れたのは、口には鋭い牙、緑色の肌、背ビレ・・・まさに半魚人と言える生物・・・

「なんだと!」

アキトの動揺の隙を付き半魚人が低い体勢でタックルを仕掛ける、

しかしアキトは体を捻りタックルを避け、ボディにニーを打ち込む。

「ぐおっ!」

半魚人が苦悶の声を上げる、その隙を突き、腕を捕らえ、関節を取り捻り上げた。

「がああああぁぁぁ・・・」

半魚人の苦悶の声が響く、どうやらパワーやスピードは確かに高いが人体構造は人間に近しいらしい。

「貴様ら一体何者だ!人間じゃあないな!」

アキトが半魚人の腕を決めながら控える二人のローブ男に問いかける。

男の一人が口を開いた。

「人間等と一緒にするな、わらわ達は人を超えし者・・超人・・・そしてその中でも残虐非道と呼ばれし・・」

言葉を一度止めた後、男がローブを脱ぎさる。

「悪魔超人よ!」

新たに出てきた男はまるでエジプト古代王朝の王の様な格好をしていた、しかしその体は高貴さ以上に何かどす黒いオーラを放っている。

「超人だと・・?」

アキトの注意が聞き慣れない言葉を放つエジプト男へと向かう、

その隙を突き、半魚人が腕を取るアキトの方へ顔を向けた。

「浦島!」

素子の叫び声の直後、

「ウオーターマグナム!!」

半魚人はアキトに向けて、凄まじい勢いの水流を口から放った!

「うわっ!?」

至近距離での思わぬ攻撃を喰らい、アキトは吹き飛ばされその勢いで壁へと叩きつけられる。

「ケケー!」

半魚人が一旦距離をとり仲間の元へ戻った。

「油断するなと言っただろうがアトランティス。」

エジプト男が半魚人・・・アトランティスに声をかける、

「すまねえ、カーメン。」

アトランティスがエジプト男・・ミスター=カーメンに礼を述べる、様子からしてこの二人は同じ地位にいるようだ。

「勘違いするな我らの目的は奴を倒す事ではない、捕らえる事だ。隙を作れ、正義感が強い男・・・

玄関の女共と温泉にいる女、二手に分かれて襲え。いくら強くとも一人だ、限界があり・・ボロが出る。」

一人残る黒ローブの男が命令口調で二人に告げる、この男は二人より高い地位にいるらしい。

「流石は騎士の一人・・面白い事を考えますな。」

「まさに残虐非道だぜ!」

非戦闘員を巻き込む作戦を平気で考え、それを賛美する・・・まさしくアキトの目の前にいる三人は悪魔だった。

「そうはさせるか!」

アキトが三人に向かって突撃する。

「ケケー!そう熱くなるな!ウオーターミスト!」

次の瞬間、アトランティスの体から細かい霧が吹き出しアキトを包み込んだ。



「先輩!」

「浦島!!」

玄関で見守っていたしのぶと素子がアキトを包んだ霧を遠目で見ていると・・

誰かがこちらへ向かい駆け足で走って来た、しかし霧のせいで誰だかわからない。

「先輩でしょうか・・?」

しのぶが不安げに素子に聞くが、

「・・・・・・・!違う!」

何かを察知した素子が玄関から駆け出した。

「カカカ・・・良い勘をしているな・・」

霧を抜け出し玄関に向かっていたのはカーメンだった。

「くっ・・・おのれ!妖怪が!」

素子が止水を抜き切りかかるが、

「カカカ・・・貴様は後回しだ!くらえミイラパッケージ!」

跳躍し素子の居合いをかわしたカーメンが、懐から取り出した大きな布をしのぶに向かい放った。

「えっ・・・きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

布がしのぶを包み込みその姿を隠す!

「しのぶ!」

「カカカ・・なかなかかわいらしい女性だ。後で念入りに水分を吸い取り・・・」

カーメンが懐からストローを取り出し、

「ミイラにしてくれるわ!」

恐ろしいセリフを言い放つ。

「貴様!」

素子の目が本気になる。

「ふっ・・・サムライのミイラも我がコレクションに入れるか!」

またも懐から布を取り出したカーメンが素子へも布を投げつけるが、

「斬空閃!」

素子の剣から放たれた衝撃波が布を切り裂き、その勢いでカーメンに襲い掛かった!

「何だと!」

衝撃波を喰らい、袈裟状の傷がカーメンへと刻み込まれる。

「ぬお!貴様・・・わらわの高貴な体に・・ゆるさん・・許さんぞ!!」

カーメンが怒りと共に素子へと襲い掛かる。

「ふん、傷ごときがなんだ!それだけで済ますつもりは毛頭無い!斬岩剣一の太刀!」

ドガァァァァァァ!

爆音が周りに響き、死闘のゴングが鳴り響いた。



「なんじゃありゃー!」

上で見ていたキツネが人知を超えた戦いに驚愕するが

「おお!素子やれやれー!」

脇で見ていた寮生の一人、カオラ=スゥは普通に素子を応援していた。

「やれやれーやなくて・・・ん?あれは・・・・」

キツネが霧の中から飛び出したアトランティスに気付く。アトランティスはそのままひなた荘の裏手に回る。

「アイツ何処にいくきや?」

「さっき温泉とか何とか行ってなかったかー?」

スゥが先程のローブ男のセリフに気付いた。

「温泉!?そういえばあそこまだ探してなかったな・・」

先程、素子から頼まれたことずてを伝えるためにスゥとしのぶ、成瀬川の三人を探していたキツネは、

スゥを三階で見つけたところで先程の人知を超えた戦いを目撃したのだ。

「そういや、なるやんさっき温泉にいたでー」

スゥのセリフを聞くやいなや

「やばー!」

キツネは温泉に向かって走り出す、

「キツネ元気やなー・・・さてと、どうやらウチの新兵器の出番が来たよーやな!」

スゥも直後、どこかへ向かい走り出した。



霧が晴れると、三超人の姿はなく、アキトだけがその場に残された。

「それで隠れたつもりか!」

足元の小石を木の上にいた黒ローブの男へ投げつける。

パシィ!

黒ローブの男は、高速で飛来した小石を事なげもなくキャッチした。

「くくく・・・俺なんかにかまっている暇があるのか?」

黒ローブの男の視線が素子とカーメンの方へ移る。

素手対刀・・・一進一退の攻防が繰り広げられていた。

「素子ちゃん!」

アキトが素子の援護に向かおうとするが、

「来るな!浦島!」

素子が自らそれを止めた。素子が言葉を続ける、

「半魚人の方が温泉に向かった!ここは任せて・・・」

刀で蹴りを弾き距離をとる。

「行って来い!」

(温泉・・だと!)

先程、成瀬川は温泉に入っていた・・・

次の瞬間、弾ける様な勢いでアキトは走り出した。

「くくく・・まさか本当に無視されるとは思わなかったな・・まあいい、俺は戦いを愉しむとしよう・・」

樹上の男はそう言い残し姿を消した・・・





〜続く〜





後書き

やっちまいました・・・キン肉マンとのクロスオーバー物。

三軍神の続きを書かずにこんなものを・・・と言うかこれナデシコか?

とりあえず今回出た超人のデーターを・・


アトランティス

水中戦を得意とする悪魔超人、水を自在に操る。不忍池水上マッチではロビンマスクを溺死させた。
しかしキン肉マンとの対戦でキン肉バスターにより敗北する。

必殺技   アトランティスドライバー   水芸!セントヘレズ大噴火


ミスターカーメン

古代エジプト出身の悪魔超人、数々の超能力的な技もつかえる。
ミイラパッケージは布で相手を包み体液を吸出しミイラにするという結構グロい技。
ピラミッドデスマッチではブロッケンJRを後一歩まで追い詰めるが、突如乱入してきた謎の救世主に敗北する。

必殺技   ミイラパッケージ

まあこんなとこですね。あと一人の黒ローブの男は・・・次回あたりにでも。

次回いつだかわかりませんがね、何しろ軽く酔ってる時じゃあないと書けないので。

それではまた。

 

 

代理人の感想

あぁ〜心にぃ〜愛がなぁ〜け〜れば〜スーパーヒーローじゃ〜ないのさ〜♪

 

って、悪魔って何かと思えばその悪魔かいっ!(爆)

確かにサタン出てくるし悪魔の勢力ですし格闘ものではありますが(苦笑)

 

 

時にカーメンってオカマ口調でしたっけ?(爆)