< 時の流れに >

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 正直に言うと・・・かなりヤバイです、今の状況は。

 相転移エンジンは出力が現在50%ダウンしてます。

 ウリバタケさんに聞くと、修理に一週間はかかるそうです。

 その間にナナフシが破壊出来なければ・・・

 合計14発のマイクロブラックホール弾を打ち込まれます。

 ・・・まず沈みますね、ナデシコは。

 

 

 

「敵、戦車隊の増援が来ます。」

 

「え〜〜〜〜〜!! まだ来るの?」

 

「はい、それはもう雲霞の如く。」

 

 作戦ウィンドウには敵戦車の分布図が表示されています。

 敵は赤色の点。

 ナデシコは青色の点です。

 ・・・ナデシコのディストーション・フィールドを囲って赤い面が出来てます。

 つまり。

 

「見事に囲まれましたな。」

 

「どうする艦長?

 ナデシコの周囲3Kmは、全て敵戦車隊に囲まれたぞ。」

 

 ゴートさんに聞かれて考え込むユリカさん。

 策は・・・あります。

 私もユリカさんも使いたく無い策ですが・・・

 

「そうよ!! こんな時こそテンカワ アキトを使うのよ!!

 テンカワなら一人でもナナフシを破壊出来るわよ!!」

 

 ・・・こんな時だけ頭を使わないで下さい、キノコのくせに。

 

「でも、それは・・・」

 

「それは、何かしら艦長?

 貴方は作戦の成功を第一に考えるべきでしょう。」

 

 一応、正論を言いますねキノコさん。

 

「そんな!! アキトさん一人であの巨大な砲台を破壊するなんて・・・

 出来るわけ無いじゃないですか!!」

 

 

 プシュ・・・

 

 

「俺なら・・・出来るよ、メグミちゃん。」

 

 アキトさん達パイロットがブリッジに入ってきました。

 メグミさんの発言を聞かれたんですね。

 

「アキト!!」

 

「アキトさん!!」

 

「テンカワ・・・それは本当か?」

 

 ゴートさんが確認をします。 

 ええ、アキトさんには出来ます・・・でもそれには・・・

 

「ええ、俺一人でもナナフシの破壊は可能です。

 でも、ナナフシに到着するまでに肝心のエネルギーが持ちません。」

 

「・・・やはりそうか。」

 

 そうです、空戦フレームは他のフレームよりエネルギーの消費が激しいのです。

 例えナナフシに辿り付けても、破壊するのはアキトさんでも困難でしょう。

 

 そこでまた全員が考え込む。

 本当に八方塞がりですね・・・

 いえ、アキトさんは諦めていませんね。

 何か他に考えがあるのでしょうか? 

 

「差し出がましいですが・・・一つ策があります。」

 

「何だ? 言ってみろテンカワ。」

 

「こんな策なのですが・・・」

 

 

 

 

 採用されちゃいました。

 テンカワさんの策。

 

 

 

 

 

 

「で、どうしてパートナーが俺になるんだよ?」

 

「嬉しいくせにリョーコ!!」

 

「そうそう、顔がにやけてるよ。」

 

「バ、バッキャロー!! そんな事あるもんか!!」

 

「頑張りなよリョーコ。

 少なくとも、一晩一緒に過ごすんだからね。」

 

「そうね・・・最後までいっちゃいなさい。」

 

「さ、最後までって!!

 てめ〜イズミ!! 何を言いやがる!!」

 

 

 

 

 そう、アキトさんの考えた策。

 アキトさんと、もう一人が砲戦フレームでナナフシに向かって突入・・・

 到着寸前に、砲戦フレームの補助バッテリーをアキトさんに供給・・・

 その後、アキトさんが一人でナナフシを撃破。

 残りのパイロットはナデシコを敵戦車隊から防御。

 

 悪くない策です・・・

 アキトさんも余力を残してナナフシを破壊出来ます。

 でも・・・

 

「ナデシコから陸戦フレームと砲戦フレームの二機で、脱出可能なのか?」

 

 ゴートさんが全員を代表して質問します。

 そう、ナデシコの周りは、敵戦車隊に3Kmに渡って包囲をされています。

 空戦フレームでなければ、とてもじゃ無いですが脱出は不可能です。

 

「もしかしてアキト君、グラビティ・ブラストを頼りにしてる?

 今の相転移エンジンじゃあ、とてもじゃ無いけど発射出来ないわよ。」

 

 ミナトさんがそう言ってグラビィティ・ブラストの使用不可を伝えます。

 そうですね、今はナデシコを守るディストーション・フィールドの維持で手一杯です。

 

「ねえ、アキト・・・本当に陸戦フレームと砲戦フレームの二機で、脱出可能なの?」

 

 ユリカさんも半信半疑でアキトさんに聞いています。

 

「大丈夫だよユリカ。

 ・・・ま、結果は見てからのお楽しみ、と言う事にしておきな。」

 

 そう言って私に目配せをするアキトさん。

 これは・・・トレーニングルームで練習されてた技を使う気ですね、アキトさん。

 ならば、口で何を言っても誰も信じてくれないでしょう。

 あの数々の技の威力を知っているのは、私とオモイカネだけですから。

 その結果を見て、信じて貰いましょうねアキトさん。

 

 でも、誰がアキトさんとナナフシに行くんだろ?

 

 

 

 

 

「どうしてリョーコちゃんがアキトのパートナーなの!!」

 

「そうですよ!! これは何かの陰謀です!!」

 

 ・・・実はその通りなんですよメグミさん。

 今回は某組織に出し抜かれました・・・私。

 

 

 

 

 

 それはアキトさん達の出撃30分前・・・

 私もオモイカネの録画映像を見て気が付いたのですが・・・もう手遅れでした。

 

「おい、会長!!

 これはどういう事だ!!」

 

「ああ、作戦部長・・・何、作戦BをS-4に実行するのさ。」

 

「作戦Bだと?

 すると、T(テンカワ)とS-4(リョーコ)をくっつける作戦だな。」

 

「ああ、S-1(艦長)S-2(ルリちゃん)S-3(メグミちゃん)は今持ち場を動けない。

 S-5(イネスさん)はヤマダ君相手の実験に夢中だ。

 S-6(エリナ)は、今は相転移エンジンの修理現場に付きっきりだし。

 S-7達(ホウメイガールズ)は作戦に関与する事は不可能だからね。」

 

「そうか・・・俺としては作戦Zが好みなんだが。」

 

「幾らなんでもTを相転移エンジンに放り込んで抹殺、なんて過激すぎるよ・・・

 それにS-2の監視の眼を誤魔化すのは、事実上不可能に近い。」

 

「なるほど・・・でも、あのS-4がそう簡単に動くのか?」

 

「ああ、そこらへんはさり気無く同僚の二人に煽らせてある。

 細工は上々さ。」

 

「さすが会長!! 手抜かりは無いようだな!!」

 

「ふっ、勿論さ!!

 これでT君も年貢の納め時だね。」

 

 

「「はっはっはっはっ!!」」

 

 

 

 そして某組織の某会長の手引きで・・・リョーコさんがアキトさんのパートナーに選ばれました。

 この人選を私達が知ったのは・・・

 アキトさんとリョーコさんのエステバリスが、ナデシコから出撃した時でした。

 私が慌ててオモイカネに頼んで、船内の録画を調べた結果。

 この人物達の陰謀だと判明しました。

 

 

 

 

・・・この借りは絶対に返しますからね(怒)

 

 

 

 

 今回の作戦上・・・確実に二人は一泊を共にします。

 しかもリョーコさんはヒカルさん達に煽られています。

 ・・・非常に危ない状況です。

 勿論、アキトさんを信用してはいますが。

 

 

 

 

・・・でも、状況に流される事も多い人でしたね。

 

 

 

 

 

 

「出来れば替わって欲しいな・・・」

 

 メグミさんが隣で呟いています・・・

 私も同感です。

 艦長も上で頷いてます。

 

 ・・・ジュンさんが後ろで泣いてますけど。

 

「・・・何だか出し抜かれた気分だわ。」

 

 エリナさん・・・さり気無く争奪戦に混じってますね。

 今後はエリナさんも要チェック、です。

 

 

 

『やあ、艦長。

 先程僕が選んだリョーコ君が・・・済みません、見てれば解るよね・・・じゃ。』

 

 

 ギッン!! × 4

 

 

 私達の視線を受けてアカツキさんは退場・・・

 今のブリッジに通信を入れてくるとは、良い度胸ですアカツキさん。

 勿論、ユリカさん達は既に今回の陰謀の黒幕を予想済みです。

 私が例の録画を見せましたし。

 ・・・お二人にはお仕置きフルコースですね。

 

 

 

 そして、アキトさんの攻撃が始まりました。

 ナデシコの周囲3Kmを包囲する敵戦車隊・・・

 いくら旧時代の兵器でも、この数では十分に脅威です。

 

 まず、アキトさんはD・F・Sをエステバリスの頭上に掲げ・・・

 

「おい、テンカワ!! アイツ等こっちに気が付いたぞ!!」

 

 コクピットのアキトさんは静かに眼を瞑っています。

 そしてD・F・Sから白い刃が現れます・・・

 

「何!! テンカワの奴はD・F・S一本であの包囲網を脱出するつもりなのか!!」

 

 ゴートさんが私の後ろで騒いでます。

 

「そんな!! アキト、絶対に無理だよ!!

 もしアキトが脱出する事が出来ても・・・リョーコちゃんが続かないよ!!」

 

「それにまだディストーション・フィールドの中ですよ!! アキトさん!!」

 

 アキトさんもそんな事は百も承知ですよ、ユリカさん、メグミさん。

 

「大丈夫です。

 ナデシコのディストーション・フィールドなんて、アキトさんの前には意味がありませんから。」

 

「どう言う意味だ? ホシノ ルリ?」

 

「・・・論より証拠ですゴートさん。

 始まりますよ。」

 

 私達の目の前で・・・アキトさんが次ぎの動作に移行しました。

 

「バーストモード・スタート。」

 

 

 フィィィィィィィィィィンンンンンン!!!

 

 

 真紅のディストーション・フィールドが、アキトさんのエステバリスを包み込みます。

 

「くっ!! 本気かテンカワ!!

 ・・・ウリバタケ整備長!! アカツキ達を至急出撃準備!!」

 

 急いでウリバタケさんを呼び出すゴートさん。

 しかし、通信ウィンドウに出たウリバタケさんは・・・

 

 ピッ!!

 

『・・・まあ待てよゴートさん。

 少なくとも、テンカワの奴は冷静だぜ。

 何か考えがあるんだろうよ。

 それにもし、前回と同じ様な事をするなら・・・俺はテンカワを許さねえ。』

 

 ウリバタケさんの言葉にブリッジに静寂が落ちます。

 それ程に・・・ウリバタケさんの目は本気でした。

 

『・・・恐いですねウリバタケさん。

 大丈夫ですよ約束は守ります。』

 

『おう!! 忘れてなかったらそれでいいんだよ!!

 さて、お手並み拝見するぜテンカワ!!』

 

『ええ、特等席でどうぞ!!』

 

 そして、アキトさんの掲げる白い刃が真紅に染まり・・・

 

「あれ? 何だか今回は刃の部分が短いわね?」

 

 ミナトさんは気付きましたか・・・

 そうですかアキトさん、あの技を使われるのですね。

 

 ピッ!!

 

『短いなんてもんじゃないわよ!!』

 

 突然通信ウィンドウで割り込んで来るイネスさん・・・

 相変らず何処にでも登場しますね。

 

『あれだけの量のディストーション・フィールドが発生してるのに!!

 前回のチューリップをクリムゾンのバリアと一緒に切り裂いた時でさえ、200m程の刃だったのよ。

 それなのに、どうしてDFSの作る刃がたったの10m程だと思う?

 信じられない事に、あの長さの刃の中に圧縮されてるのよ!!

 空間歪曲バリア・・・つまりディストーション・フィールドをあそこまで圧縮すると・・・』

 

 全員が珍しく慌てているイネスさんを見て驚いています。

 そして全員が黙っているなか・・・

 

「圧縮する事によって・・・ナナフシと同じ。

 マイクロ・ブラックホールが生成されます。」

 

『・・・その通りよルリルリ。

 あなた、アキト君が何をしようとしてるか知ってたわね?』

 

「ええ、知ってました。

 多分説明しても、誰も信じてくれないと思いましたから。」

 

 まあ、エステバリス一機であのナナフシと同じ事をする。

 と、アキトさんが言っても誰も信じてくれないでしょうから。

 

『なら・・・アキト君はアレを完全に制御出来るのね。』

 

 流石のイネスさんも呆れた顔をしています。

 

「ええ、出来ますアキトさんの必殺技ですから。」

 

 微笑みながら誇らしげに話す私を見て・・・

 ブリッジ全員が呆れた表情をしました。

 

「・・・もう、私アキト君の事で驚くのが馬鹿らしくなっちゃった。」

 

「そうですね・・・桁外れ。

 じゃ、済まないレベルの人ですねアキトさんは。」

 

 ミナトさんとメグミさんがそう感想を漏らしています。

 

「アキトは・・・私の王子様だもん!! きっと私の為には何だって出来るのよ!!」

 

 ある意味・・・それは正しいですユリカさん。

 ・・・悔しいですけど。

 

「ユリカ・・・だからって常識外れ過ぎるよテンカワは・・・」

 

「むう・・・始まりますな。」

 

 アキトさんの機体を覆う真紅のディストーション・フィールドは全てDFSに吸い込まれました。

 そして・・・真紅の刃が、漆黒に染まります。

 

「ああ、そうだな。

 ミスターどうする?

 暴走すればナデシコは消滅するぞ。」

 

「ま、今更何処にも逃げられませんな。

 テンカワ君を信じましょう。」

 

 

 

『咆えろ!! 我が内なる竜よ!!

 秘剣!! 咆竜斬!!!

 

 

 アキトさんが気合の声と共に・・・

 頭上に掲げた10m程の、漆黒の刃を振り下ろします・・・

 

 

 ギュォォォォォォォォォンンンンンン!!!!

 

 

 DFSから解き放たれた漆黒の竜が咆え・・・

 一瞬にして、内側からナデシコのディストーション・フィールドを食い破ります・・・

 

 

 ドギャギャギャギャァァァァァァァァァァァァァ・・・

 

 

 そして、一直線に地面を深く抉りながら飛び・・・

 

 

 ドゴッォォォォォォォォ!!!

 

 

             バゴォォォォォォォンンンンン・・・

 

 

        ズズゥゥゥゥゥンンンン!!

 

 

 直線上にいた数千の戦車を破壊し・・・

 最後に山を中心から半分以上削り取り・・・

 私達の視界から消えていきました。

 

 漆黒の竜が通った跡には、破壊された戦車の残骸すら無く・・・

 ただ、巨大な力が通り過ぎた形跡のみを残していました。

 

 

 

 

 

 

「・・・・」

 

「敵戦車隊、約3割が消滅。

 ナデシコのディストーション・フィールド回復。

 ・・・リョーコ機のバーストモード・スタートを確認しました。」

 

 耳に痛い程の静寂の中。 

 私は一人で仕事を続けています。

 もう、私は既に一度トレーニングルームで見た光景です。

 ・・・でも、実際に現実で見ると迫力が違いますね。

 それにこの威力・・・

 アキトさんが忌避する理由がよく解ります。

 

 そして、バーストモード特有の真紅のディストーション・フィールドを張り。

 リョーコさんの砲戦フレームは、アキトさんの作った道を全力で走り出しました。

 アキトさんはその後ろを走っています。

 バーストモードのリョーコさんが敵の攻撃を引き受け。

 暫く戦えないアキトさんは、大人しく付いて行ってるみたいです。

 無事に作戦が成功する事をお祈りしますよ・・・アキトさん。

 

 

 

 

 

・・・ついでに・・・雰囲気に流されては駄目ですからね。

 

 

 

 

 

「え? リョーコちゃんもバーストモードが出来るの?」

 

「ええ、普通に戦う分にも、実に有利な機能ですから。

 ヒカルさんもイズミさんも、アカツキさんのエステバリスも出来ますよ艦長。」

 

 攻守共に非常に有効なシステムですからね、バーストモードは。

 ソフトを開発した本人としては、出来れば有効に活用して欲しいです。

 

 ピッ!!

 

 ・・・出ましたね。

 

『そうね・・・バーストモードはDFSの付属システム、と言うわけではないから。

 いえ、本来ならバーストモードはこう使うべきね。

 短時間とは言え、格段に戦闘能力をアップする事が出来るわ。

 ・・・しかし、本当にあのマイクロブラックホールを制御してみせるなんて・・・

 ナナフシ程の威力は無いと思うけど。

 確かに、ルリルリの言う通りね。

 アキト君の前ではナデシコのディストーション・フィールドなんて、意味が無いわね。

 でも・・・ますますアキト君に興味が湧いて来るわね。』

 

 

 ビシッ・・・

 

 

「・・・イネスさん、失礼ですが御歳は?」

 

『・・・本当に失礼ね、艦長。』

 

 通信ウィンドウ越しに睨み会う艦長とイネスさん。

 ・・・これは、いよいよ本格化してきましたね、争奪戦が。

 

「私や艦長やリョーコさんは、アキトさんと適齢ですから。」

 

 ・・・私はその中に入れて貰えないんですか? メグミさん?

 ちなみに、メグミさんの台詞を聞いてイネスさんの額に青筋が・・・

 

「何を馬鹿な事を言ってるのよ!!

 さっさと業務に付きなさいアンタ達!!」

 

「・・・そう言うエリナさんだって。

 就任当時は、私にアキト君の事をしつこく聞いて来たわよね?」

 

「ぐっ!!」

 

 ミナトさんの一言を聞いて・・・

 

 

 ギンッ!!!!! 

 

 

 複数の視線がエリナさんに集中します・・・

 今後は皆さんもエリナさんを敵とみなすでしょう。

 私は既にチェックを入れてますから・・・

 

「どういう・・・おつもりですかエリナさん?」

 

「私も聞きたいです。」

 

「あ、私もそこらへんに興味あるな〜」

 

「私も知りたいですね。」

 

 私達の集中攻撃を受けて怯むエリナさん。

 

「ど、どうだっていいでしょ!! 企業秘密です!!」

 

 ・・・どこが企業秘密になるんですか?

 

「その割に・・・顔が赤いわよエリナさん。」

 

「え!! 嘘!!」

 

 ミナトさんの一言に露骨に動揺するエリナさん・・・  

 

「・・・やっぱり」(女性陣全員)

 

「!!」

 

 なんて馬鹿な事をブリッジでやってる間に・・・

 アキトさん達の姿は森に消えてしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

「しかし・・・テンカワ アキト。

 謎の多過ぎる男だな。

 いや、危険過ぎる男だ。」

 

「しかも、ゴートさん以上の戦闘のプロですか?

 これは・・・偶然にナデシコに乗ったとは考えられませんな・・・」

 

「・・・だが、テンカワがいなければ今迄のナデシコの勝利は無かった。」

 

「ええ、そうですねそこが不思議なのですよ。

 一体彼の目的は何です?

 まあ・・・今回も彼に期待しましょう。

 少なくとも今は、敵対行動を取られてませんからね。」

 

 

 タイムリミットは・・・後、8時間30分です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第十一話 その3に続く

 

 

 

 

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