< 時の流れに >

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まあ・・・思ったより簡単にOKを貰ったからね。

 何かあるな、とは思っていたわよ。

 でも、それは酷いんじゃないですか、アキトさん?

 

「もう直ぐ、月に到着するよメグミちゃん。」

 

「はい、解りました。」

 

 私はアキトさんに、そう返事をしながら・・・アキトさんの膝を見詰める。

 いや、膝の上を見詰める。

 

「ラピス、しっかり捕まっているんだぞ?」

 

 

 コクン・・・

 

 

 出会った時から、元気一杯だったラピスちゃんが・・・

 今は何かに怯える様に、身体を震わせ。

 アキトさんの側から離れようとしない。

 今も、シャトルの運転をするアキトさんの膝の上で座り込んでいる。

 

 ・・・まあ、あのラピスちゃんの表情を見れば、何も言えないわよね。

 

「でも、どうしてアキトさんが急いで月に先行する必要が、あるんですか?」

 

 私の何気ない質問に・・・

 

「・・・月のネルガルのプラントには、軍に秘密でナデシコシリーズ四番艦シャクヤクが建造中なんだ。

 木星蜥蜴の狙いは、そのシャクヤクの破壊なんだよ。」

 

 アキトさんは意外な返事で応えた。

 

 それは、初めて聞く事実だった。

 でも、ナデシコが月に到着すれば、当然ネルガルのドックに入るはず。

 遅かれ早かれ、その事実はクルー全員が知る事なんだろう。

 

「俺も初めて聞いたぞ〜〜〜〜」

 

 そして、アキトさんの説明は続く。

 

「次の襲撃も有り得ると思うんだ。

 でも、月のプラントには戦える人がいない。

 それに俺のエステバリスはエンジンを盗まれたしね。

 ・・・今はそのエンジンの代わりを、ナデシコから運んでいるんだ。」

 

「何〜〜〜〜〜!! それは本当かテンカワ!!

 だからコレを返せと言ってきたんだな!!」

 

 詳しくその話を聞くと。

 ウリバタケさんの研究用に、テストタイプの小型相転移エンジンを渡していたらしいの。

 仕様は同じなので、それを返して貰い今は月に向かっている。

 月に着いてから、そのエンジンの取り付けに微調整・・・いろいろと手間が掛かるらしい。

 それが、アキトさんが急いでナデシコを出発した訳。

 

 ・・・まあ、ラピスはアキトさんの服を掴んで離さないし。

 私は・・・強引にアキトさんの乗ったひなぎくに、乗り込んだのだった。

 

「俺の話を聞け〜〜〜〜〜〜!!」

 

 もう一人、騒がしい人が乗ってるけどね。

 

 多分、あの艦長とアキトさんを見て、少し焦ったのかな?

 でも、アキトさんにその事を聞く勇気は無い。

 アキトさんが、艦長を選ぶ事が怖いだけじゃないの・・・

 もっと深い何か。

 

 そう、私はアキトさんの心の傷を恐れている。

 

 まだ、私も弱いね・・・

 

 自嘲気味に笑う私・・・

 そんな私を、ラピスちゃんはアキトさんの膝の上から見詰めていた。

 

「俺を無視するな〜〜〜〜〜(ガゴッ!!)」

 

「もう!! 煩いですよ、ウリバタケさん!!」

 

 

 

 

 

 

 ゴォォォォォォォォ!!

 

 順調にひなぎくは進み。

 とうとう月のネルガルドックに私達は到着した。

 

 そして、ひなぎくを降りた私達を出迎えたのは、意外な人物だった。

 

 ちなみに、ウリバタケさんはひなぎくの中でお休み中。

 ・・・近頃、手加減が出来ないのはどうしてだろう?

 

「や、お疲れテンカワ君。」

 

「それ程疲れてませんよ、アカツキさん。」

 

 何と、そこにはスーツ姿のアカツキさんがいたのだ。

 ・・・ナデシコで見掛けないと思ってたら、月にいたのね。

 

「まあ、他人行儀は止めにしないか、テンカワ君?

 一応年齢も近い事なんだしね。

 それに君は、一応社外秘だけど・・・だしね。」

 

「・・・それもそうだな、アカツキ。」

 

 アカツキさんの提案を、アキトさんは簡単に承諾した。

 仲・・・悪いわけではないんだ。

 

「それと、頼まれていた例の捜索だけど・・・」

 

 私の方を伺うアカツキさん。

 むっ!! 隠し事の気配!!

 

「私には聞かせられない事なんですか?

 ・・・ラピスちゃんは、アキトさんから離れないのに。」

 

 アキトさんの足に抱きついてる、ラピスちゃんを指差す。

 それを見て苦笑をするアカツキさん。

 

「あちゃ〜・・・どうする?」

 

「まあ、隠しても仕方が無い事だしな。

 ・・・それに、大体の事情は皆知ってるさ。」

 

 お互いに苦笑をして話しているけど・・・

 目だけは、笑っていなかった。

 

「簡潔に言おう。

 例の三人の死体が見付かった。

 小型相転移エンジンは・・・誰かに持ち出された後だった。」

 

「そう・・・か。」

 

 顔を顰めるアキトさん。

 どうやら犯人に心当たりがあったみたい。

 

「それと・・・僕に黙ってあんなモノを作らないで欲しいな。

 もう他には隠してないんだろうね?」

 

「何だ、あの機体を見たのか?

 大丈夫だ、アレが最後だ。」

 

 何の話をしてるんだろう?

 でもアカツキさんの顔が引き攣ってる・・・

 また、アキトさんが何かしたのかな?

 

「・・・悔しいけど僕には絶対操れないね、アレは。」

 

「俺の専用機だからな、商品化は諦めた方がいいぞ。」

 

「有り難い御意見で・・・

 そうそう、作業員が君のエステバリスが無人だった、と騒いでいたよ。

 これからアレをする時は、もう少し気を付けた方がいいね。」

 

 悪戯っぽく笑いながら、アキトさんにそう忠告をするアカツキさん。

 う〜ん、会話が繋がって無いと思うけど?

 ・・・何だか疎外感を感じちゃうな。

 

「そうだな・・・今回は時間との戦いだったからな、仕方が無かったんだ。

 次からは気を配る事にするさ。」

 

「ま、君が一番理解していると思うけどね。

 作業員を黙らせるの苦労した、僕からのちょっとした仕返しさ。

 後、小型相転移エンジンの取り付けは、ウリバタケさんがいれば一時間もあれば終わるから。

 ・・・って、ウリバタケさんは?」

 

 そう言って周りを見渡すアカツキさん。

 ははは、この時の私の笑顔は引き攣っていたと思う。

 

 5分後・・・無事にウリバタケさんが合流する。

 ちょ〜〜〜〜っと、目が怒ってたけど。

 アキトさんの背後に隠れる事で、その視線から私は逃れた。

 

 ・・・ちょっとした悪戯だったのに。

 近頃のウリバタケさんはノリが悪いな。

 

「さて、それじゃ作業を開始しますか?」

 

「おう、解った。

 それに新型があるんだって? それも楽しみだぜ!!」

 

 そう言い残して、アカツキさんとウリバタケさんは・・・

 運んできた小型相転移エンジンと一緒に、何処かに消えた。 

 

 

「さてと・・・作業が終わるまで、二時間位かかるんだって。

 メグミちゃんはどうするの?」

 

「アキトさんはどうされるんですか?」

 

 私の目的はアキトさんとのデートなのに・・・

 ちょっと、ラピスちゃんの視線が痛いけどね。

 

「俺かい?

 そうだな〜、月でお世話になった人に挨拶だけでもしておくかな。」

 

「じゃ、私も付き合っていいですか?」

 

「別にいいよ・・・イテッ!!

 どうしたんだラピス? 急に手を抓るなんて?」

 

「・・・アキトの馬鹿」

 

 小声でそう言って、ラピスちゃんはアキトさんからソッポを向いた。

 でも、服を掴んでいる手を放すつもりは無いみたい。

 

 ラピスちゃん、少しは元気が出て来たかな?

 

 

 

 

 

 それは・・・意外な出来事だった。

 いや、アキトさんの周りでは常にこんな事が起こっているのだろうか?

 もしそうならば・・・私は悲しい運命を感じずにはいられない。

 

 

 私はテンカワさんの右腕を独占していて、ご機嫌だった。

 ラピスちゃんも左手に縋り付いていたし。

 そしてアキトさんは自身は歩き難いはずだけど、笑いながら私たちに両腕を貸してくれた。

 そんな優しいアキトさんが・・・私は好き。

 

 優柔不断で浮気者だけどね。

 

 他の人が見れば笑われる様な格好で(ナデシコの女性クルーなら嫉妬の炎を出してるわ)

 私達が廊下を歩いている時。

 その女の子は現れた。

 

「テンカワ・・・アキトさんですか?」

 

「え、そうだけど君は?」

 

 小柄な体型の普通の女の子・・・

 食堂に向かう私達に話し掛けてきたのは、そんな子だった。

 

 ただ、雰囲気が普通とは・・・違う?

 

「そうですか・・・貴方のせいで。」

 

「・・・俺のせい、で?

 何だい?」

 

 アキトさんの身体に力が漲る。

 そして、自然な動作で私の掴まっていた右腕を外し。

 私とラピスちゃんを背後に隠す。

 

「テツヤ・・・この名前、覚えてられます?」

 

「!!」

 

 アキトさんの雰囲気が一変した!!

 この雰囲気は、敵に容赦が無い状態のアキトさんと同じだ!!

 

 でも、私には相手は普通の女の子にしか見えない?

 アキトさんはこの女の子に、何を感じたの?

 

「そうですか、覚えてられるんですね。

 ・・・私、テツヤの妹です。」

 

「君が!! じゃあ、アイツの言っていた腹違いの妹とは・・・」

 

 アキトさんが驚愕の声を上げる。

 一体、この女の子の言うテツヤって人・・・誰なの?

 

「私が兄の仇討ちに来たと、思ってます?」

 

「いや、そんな顔をしていないな君は・・・

 復讐者の顔はそんな一途な顔をしない。

 運命を神を・・・周りの全てを憎む表情しか出来ないはずだ。

 でも、君は・・・」

 

 アキトさんのその声に反応して、ラピスちゃんがアキトさんの背にしがみ付く。

 私も、そのアキトさんの声に不吉なモノを感じた。

 

「へ〜、まるで経験者の様なお言葉ですね。

 じゃ、私が実の兄に受けた仕打ちとかも聞かれましたか?」

 

「・・・大体は、ね。」

 

 言い難そうに、女の子の質問に応えるアキトさん。

 

「それじゃ、解るでしょ?

 私の生きる目的がなんだったのか?」

 

 正面から見ると、女の子は暗い瞳をしていた。

 ううん、この子・・・怖い。

 どうして、そこまで実の兄を憎むの?

 私には想像も出来ない・・・

 

「復讐を糧に生き長らえた、か・・・皮肉な現実だな。

 強い感情は人に凄い力を与えるものだ。

 それが恋や恋慕・・・果ては憎しみまでも、な。

 そして、君のその復讐の対象を俺が殺した。」

 

 え!! アキトさん、今何て言ったの!!

 聞き間違い・・・だよね?

 

「そうです、私の生きる目的は消えた・・・今後、私は何を目標に生きればいいんですか?

 兄を殺す事だけを考えて、私はネルガルの諜報部に入った。

 普通の女の子だった私には、気が狂う様な世界だったわ・・・

 でも、既に私の心は狂ってるって気付いたんです。

 実の兄から暴行を受けたんだって、知った時から。

 両親を殺したのが、父が何時も後悔して懺悔をしていた兄だと聞かされた時からね。」

 

 低く笑い声を上げながら・・・女の子は楽しそうに話をする。

 

 ・・・何て世界なのよ、それは。

 まるで、生きながらにして・・・

 

「そ、そんな世界に、何故アキトさんが関係あるのよ!!」

 

「あら、知らないの貴方?

 その人はたった二人で、クリムゾン諜報部の精鋭部隊「真紅の牙」を壊滅させたのよ。」

 

 初めて聞く事実だった。

 私がアキトさんの事を、全て知ってるわけじゃないけど。

 それでも・・・ショックだった。

 

「裏の世界でも凄く有名なのよ、彼。

 出来る限り、何処の諜報部も手は出したくない位にね。

 それはそうよね、単機の力で木星蜥蜴の艦隊を壊滅させるし。

 個人の力でも組織の一つを潰せるんだからね〜」

 

「何が狙いだ。」

 

 声自体は、普通の音量だった・・・しかし、その一言に込められた苛烈な意思が、私達の自由を奪う。

 

「・・・私、今度転職したのよ。

 手土産をクリムゾンに贈って、ね。」

 

「・・・貴様!!」

 

 アキトさんのその声を聞いて、楽しげに笑う。

 

「馬鹿な子達よね、自分の器も理解出来ないくせにさ。

 あの、『漆黒の戦神』に喧嘩を売るなんてね。

 ちょっと、耳元で囁いて上げたら簡単に動いてくれたわ。

 ま、成功報酬がアレじゃ、今ごろ後悔してるかもね・・・」

 

 何の話をしてるんだろう?

 でも、絶対に聞いて面白い話じゃない。

 それは、目の前で憎悪に目を光らせながら、アキトさんに話し掛けている彼女を見れば解る。

 

 まるで、獲物をいたぶる猫みたいだ。

 

 どうして・・・そこまでアキトさんを憎むの?

 アキトさんが本気になれば、自分自身が危ない事くらい解ってるんでしょう?

 

「・・・それは、自分自身の事を言ってるのか?」

 

「・・・そうね、私も馬鹿な事をしてるわ。

 でも・・・貴方なら理解出来るんでしょう?

 不思議よね、お互い初対面のはずなのに・・・何故か、貴方を私は理解できる。

 だから考えてみてよ?

 長年追い求めつづけていた敵が、横から他人に奪われた心境をね。」

 

 

 一瞬

 

 

 そう一瞬だけ、彼女の瞳に正気が見えた。

 凄く、悲しそうな表情を作ったから。

 

 それは・・・何処かで見た事のある瞳で・・・

 

「憎み続けないと駄目なのよ。

 この憎悪があるから・・・私は私でいられる。

 復讐が終われば、何か別の道が見えるかもと思ってた。

 でも、それも・・・」

 

「君が求めたのはアイツの死じゃない、謝罪だ。

 諜報部に入ったのなら、調べたんだろう・・・アイツが変わった真実を。」

 

 

「黙れ!!

 貴方に何が解るのよ!!

 私の心は私が一番知っているわ!!」

 

 

 危ういバランスを取っている様に・・・

 目の前の女の子の感情は、表情はコロコロと変わった。

 

 それは、私に操り人形を連想させる。

 操っているモノは・・・狂気。

 

「それくらいにしておきなさい、チハヤ。

 もう顔見せはお終いよ。」

 

 突然、横合いから女性の声がかかる。

 その女性は長い金髪に長身で、顔にはサングラスをしていた。

 

「・・・貴様、まさか。」

 

「ナオに聞いたのかしら?

 でも、一応自己紹介をしておくわね・・・私の名前はライザよ。」

 

 

 その女性の微笑みに・・・私の背筋は凍りついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・黙っていて欲しい、か。」

 

 私の視線の先では、食堂の主とその妻。

 そして、多分その娘だと思える女の子と、アキトさんが談笑をしている。

 

 ライザという女性が現れた、あの後・・・

 

 

「今後も宜しくね、テンカワ アキトさん。」

 

「・・・何を考えている。」

 

 アキトさんの問いに、冷笑で応えるライザ。

 ・・・この人は、絶対に敵だわ!!

 それもアキトさんだけじゃない、ナデシコクルー全員の!!

 

「別に、そう力まなくてもいいじゃない。

 今日は顔見せよ、顔・見・せ。

 貴方の担当はこのチハヤに一任してるのよ。

 もっとも、貴方が本気を出さなくても、簡単に倒される様な戦闘能力しかないけどね。」

 

「その子が・・・本当にアイツの妹だと、俺が信じなければどうする?」

 

「あら、ネルガルの人に聞けば簡単に確認出来るでしょ?」

 

 それっきり、アキトさんは沈黙してしまった。

 

「貴方の弱点ですものね〜、絶対に貴方はチハヤを殺せない。

 そして、そこの可愛い彼女の前でも、ね。」

 

 高々と笑うライザに・・・

 私と、ラピスちゃんの身体に震えが走る。

 目の前のライザが怖いんじゃない!!

   

 これは・・・この衝撃は・・・!!

 

「本当に・・・俺がその子を殺せないと思うのか?」

 

「!!」

 

 

 ブワッ!!

 

 

 風を感じた。

 この完全に空調の効いた廊下に、風など吹くはずは無いのに。

 

 苛烈な意思を含んだ、その風の源は・・・静かに佇んでいた。

 その身に纏う気は正に・・・

 

 そして、その風に打たれたライザとチハヤは・・・完全に動きを止め。

 顔は青白くなり、呼吸も激しくなっている。

 今にもその場に膝を付きそうな雰囲気だった。

 

「どうした、答えてみろ?」

 

「くっ!!

 ・・・この施設を、私とチハヤが時間内に無事に出なければ。

 仲間が仕掛けた爆弾で、ココを爆破する様に命令してるのよ!!」

 

 それが本当か嘘か解らない。

 ただ、アキトさんの視線はライザから離れなかった。

 

「・・・ふっ、なら引き下がってやるか。」

 

「・・・私は絶対に貴方を後悔させてやる!!

 あの人を殺した貴方を!!」

 

 そう言い捨てて、ライザはその場を立ち去る。

 

「・・・私の生きる道は、貴方を憎む事だけです。」

 

「馬鹿な事を・・・とは、言わない。

 ただ、少し周りを見廻す余裕を作れればいい。

 運命なんて都合の良い事は言わん。

 ・・・その感情を抑える事が出来るのは、それを超える感情だけだ。」

 

 その言葉を最後に、チハヤと呼ばれた女の子も去った。

 後には、苦い表情をしたアキトさんと私達だけが残っていた。

 

 

 

 

 

 その後は、無言のまま食堂に到着した。

 ・・・会話をする余裕は私には無かった。

 アキトさんが私に一言だけ。

 

「出来れば・・・まだ、皆にこの事は黙っていてくれないかな?」

 

 何時もの困った顔で、私に頼んでいた。

 

 ・・・こんな秘密は、共有したくなかったな。

 でも、私は本当にアキトさんの上辺しか見てなかった。

 まだまだ、私にはアキトさんの本当の姿は見えない。

 

 

 それでも・・・

 

 

 何時か・・・

 

 

 私は・・・

 

 

 アキトさんを受け止める事が出来る、女性になってみせる。

 誰にも負けない様な。

 

 

 それは、私の今後の絶対の目標となった。

 

 

 

 

 

 そんな事を考えているうちに・・・

 

 私は何時の間にか、食堂のテーブルで眠ってしまった。

 

 眠ってしまった私を、アキトさんが休憩施設に運んでくれたと聞いて。

 凄く後悔したけどね。

 

 ・・・チャンスだったのに。

 

 

 

 

 そして、ナデシコが月のネルガルドックに到着をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第十六話 その4へ続く

 

 

 

 

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