< 時の流れに >

 

 

 

 

 

第十七話.それは「遅すぎた再会」

其之弐 月、にて・・・

 

 

 

 

 

 

 ついに、この日がきましたね・・・

 私は逸る心を必死で抑えながら、あの人の部屋に向かいます。

 

 自分の部屋を出る前に、玄関に備え付けてある鏡が目に入り・・・

 

 そうそう、服装のチェックをしておかないと駄目ですね!!

 今日の私は何時もの軍服とか、動きやすいジーパンではなく。

 薄い青色のワンピースを着ています。

 胸元には以前、西欧方面軍にいたときにあの人に買ってもらった、シルバーのネックレス。

 何時もポニーテールにしている髪は、今日は解いて後ろに流しています。

 

 それにしても、スカート系統の服を着るのは本当に久しぶりですね。

 でも・・・あの人が、このネックレスの事を覚えてますかね?

 ふふふ、多分覚えてはいなでしょうね。

 そういう・・・人ですから。

 

 鏡に映った、胸元のネックレスを手に取り、そんな事を考えていましたが・・・

 ここで、ある事に気が付きました。

 駄目です・・・このネックレスは置いていきましょう。

 

 いえ、今日と言う日には相応しくありません。

 私は、もう少しで馬鹿な事をする所でした。

 

「・・・怒ってるかな、メティちゃん?」

 

  チャラ・・

 

 忘れる事の出来ない少女の名前を呟き。

 私は宝石箱にネックレスを入れます。

 これは、私達が街でデートをした時の思い出の品。

 それを身に着けて、今日のデートをするのは無理です。

 あの人が、思い出す事が解っているから・・・

 

 ・・・何時か、このネックレスを着けてあの人の隣に立ちたいですね。

 

 そして、私はハイヒールを履くと自室から出て行きました。

 

 

 

 

 

 しかし、普段とは全然違う服装には、何だか恥ずかしいものがありますね。

 でも、今日は特別な日ですから・・・そう、任務の為です。

 

 私がそんな事を考えながら、目的の部屋に向けて歩いていると。

 

「お、今日は随分とお洒落じゃないか、アリサちゃん。」

 

「あら、ナオさん。

 ・・・もう、怪我は大丈夫なのですか?」

 

 私は廊下でナオさんと出会いました。

 でも、ナオさんは少し前まで右腕を吊っていた筈ですが?

 

 私が目線でその事を尋ねると・・・

 

「ああ、もう殆ど大丈夫だよ。

 流石、イネスさんの作った薬だな。

 恐ろしい程に、良く効くよ・・・ただ、な。」

 

 ポン、ポン・・・

 

 右腕を左手で軽く叩きながら、そう呟くナオさん。

 

「ただ・・・何です?」

 

 私がそう聞き返すと・・・

 ちょっと青い顔をして、ナオさんが答えます。

 

「・・・どう考えても、臨床試験その他はしてないだろう?

 薬ビンのラベルは手書きだったしな。

 それに、イネスさんが薬剤師の免許を持ってると思うか?」

 

「・・・忘れた方がいいですよ、その事は。」

 

 私は、イネスさんの本性を知ってるだけに・・・

 ナオさんの疑問に応える事に、かなり躊躇いました。

 

「そ、そうかな?

 ・・・やっぱりそうだよな。

 まあ、怪我が治っただけでも恩の字だよな。」

 

 しきりに自分にそう言い聞かせている、ナオさんを残して・・・

 私はその場を去りました。

 

 ・・・後遺症が出なければいいですけど。

 

 

 

 

 

 そして、ついに目的地に辿り付きました。

 私は自分に気合を入れ、目の前の呼び出しボタンを押します。

 

 

 ピン、ポ〜〜ン!!

 

 

「は〜〜い。」

 

 あの人の声が聞こえました。

 

 シュン!!

 

 そして、私の目の前でその扉が開き・・・

 

「あ、アリサちゃん・・・随分早いんだね?」

 

 微笑みながら、アキトさんは現れました。

 

「え、そうですか?」

 

 気が急いていて、時間を見間違えたのでしょうか?

 私は自分の腕時計(コミニュケはデザイン上、今日は不可です)を見ると・・・

 

「予定の時間より、20分も早いよ。」

 

「・・・それくらい、誤差修正範囲内ですよ。」

 

 私はこれからの事を考えると、夜も満足に寝れなかったんですから。

 ちなみに、ナデシコが月に到着してから二日が経っています。

 木星蜥蜴・・・木連の人達の攻撃で、月面シティに直接の被害は無かったのですが。

 いろいろと取り調べがあった為、出掛ける日が遅れたのです。

 

 でも、私としてはその待つ時間すらも、凄く楽しかったですけどね。

 

「ははは、そうかもね。

 じゃあ、俺の方の準備をするからさ、部屋で待っててよ。 

 それと、似合ってるよその服装。」

 

 

 へ、部屋でですか?

 嬉しいですけど、まだそれは時間が早いのに・・・

 それに服装を誉められるなんて!!

 ・・・確実にパワーアップをされてますね、アキトさん。

 嬉しいですが、複雑です。

 でも、部屋に招かれるという事は・・・

 

「・・・何をしてるの、アリサ?」

 

「いや、でも、そんな・・・あら、ラピスちゃん?

 どうしてアキトさんの部屋に、ラピスちゃんが?」

 

「・・・私、アキトと同室なんだけど。」

 

 ・・・そう言えば、そうでしたね。

 

 

 

 

 

 

 羨ましげな視線を背中に受けながら、私達はアキトさんの部屋を出ます。

 

「アキト〜〜、早く帰って来てね〜〜〜〜」

 

「ああ、解ったよラピス。

 ラピスもちゃんと、ルリちゃんの言う事を聞くんだぞ。」

 

 ・・・そう言う訳にはいきませんよ、アキトさん。

 少なくとも、夕食まではご一緒して貰います!!

 

 

 

「さて、何処に行こうか?」

 

「アキトさんは何処に行かれたいんですか?」

 

 アキトさんのその質問に、逆に私が尋ね返します。

 私の要望としては、アキトさんにリードをして欲しいのですが。

 

「そうだな・・・

 考えてみたら、俺が自発的に遊びに行く事なんて、ここ最近なかったよな。」

 

 何かを思い出すような目をする、アキトさん。

 

 また、そんな目をされるんですね。

 ・・・何時も、その目の先は何を見てられるのですか?

 私には、想像も出来ない事なのでしょうか。

 

「じゃあ、映画なんてどうかな?

 俺も最近の映画なんて、見に行った事がなかったからさ。」

 

 そう言って、私の意見を聞くアキトさん。

 私が反対するわけ無いじゃないですか。

 

「いいですね、私も映画館なんて久しぶりです。」

 

「よし、コミニュケで上映中の映画情報を見てから、行こうか。」

 

「はい!!」

 

 そして、始めの行き先は映画館となりました。

 

 

 

 

 

 

『こちら『三つ編』・・・ターゲットは『家』を出て、Bコースを選択。』

 

 ピー、ガッ!!

 

「こちら『家』本部、了解。

 引き続き監視を続行。

 なお、ターゲットAは半径10m以内の人間の存在を、無意識に感知する。

 決して10m以内に入らない事。」

 

 ピー、ガッ!!

 

『了解。』

 

「・・・副提督、ナデシコは何時から、スパイの本部になったのですかな?」

 

「まあ、本職にくらべて目的は穏やかな事だし。

 大目にみましょう。

 それに今、中止命令をしたら・・・五体満足で、ブリッジを出れませんよ。」

 

「・・・はぁ、そうですな。」

 

「しかし・・・手際がいいな。

 何時、何処で訓練をしてるんだ?」

 

 

「それは秘密です。」(ブリッジの女性)但し、ハルカ ミナトは除く

 

 

「・・・あ、そう。」

(まあ・・・見ていて面白いし。

 頑張れ、アキト。)

 

 

 

 

 

 

 映画館・・・考えてみると、男性と二人だけで来た事はありませんね。

 お父さんはこの場合、異性に当てはまりませんし。

 

「えっと・・・ここだな。」

 

「あ、着いたのですか?」

 

 アキトさんのその言葉に、私は物思いを止めます。

 駄目ですね、どうも緊張が解けません。

 

 そして、私達は映画館に入ります。

 見る映画は私の希望により、ラブ・ロマンス物・・・ではなく、アクション映画。

 これは、アキトさんの趣味に合わせたものです。

 

 ・・・どう考えても、恋愛物のストーリーはアキトさんには不向きでしょうし。

 また、その映画を参考にされても困りますし。

 

 それに今日は、アキトさんの慰安が目的なのですからね。

 映画が始まる寸前に、アキトさんが私に話し掛けてきました。

 

「でも、アリサちゃんに外出に誘われるなんて、思ってもなかったな。

 サラちゃんとか、リョーコちゃん達と出掛けるものだと思ってたけど。」

 

「皆さん、それぞれに用事があったみたいですよ。

 案外、他の男性とデートかもしれま・・・」

 

 

 ピシッ!!

 

 

 はっ!! 殺気!!

 

「あれ? どうしたの?」

 

「い、いえ、ちょっと悪寒が・・・」

 

「大丈夫かい?」

 

「はい、もう大丈夫です!!

 あ、映画が始まりますよ!!」

 

 

 ビィー!!

 

 

 そして、映画が始まり・・・

 私はアキトさんの追及を逃れたのでした。

 

 ・・・何処から見張っているのでしょうか?

 アキトさんの技量を考慮すると、半径10m以内には近づかないはずです。

 では、遠距離からの監視?

 あの二人が敵にいる以上、監視の目を誤魔化す事は不可能に近いですね。

 まだ地球なら、カメラの存在しない場所もありますが。

 全てがコンピュータによって制御されている、この月面シティではそんな場所は存在しません。

 それに・・・以前の話を本気にするなら、軍の監視衛星さえハッキング可能とか。

 

 ・・・どう考えても、監視の目から逃れる事は不可能ですか。

 

 私はその現実を認め、小さな溜息をつきました。

 

 

 

 

 

『こちら『裏方』・・・一部、不適切な言動があったが。

 現在は大人しく現状を保持。』

 

 ピー、ガッ!!

 

「こちら『家』本部、了解。

 制裁は、このミッションが無事に終ってから行う。

 なお、映画館の暗闇対策の暗視メガネの着用を忘れない様に。」

 

 ピー、ガッ!!

 

『了解』

 

 

「アキトの監視をするか・・・彼女達の実力、考えたら凄いよな。」

 

「そうですね、ネルガルの諜報部なんて、直ぐにまかれてしまいますからね。」

 

「とことん研究をしてるんだな、アキトの能力を(汗)」

 

「でしょうな(汗)」

 

 

 

「ふっ・・・」(ブリッジの女性)ハルカ ミナト、自室にて物思いに耽る

 

 

 

 

 

 それからは・・・普段から考えらないほど、穏やかに時間が過ぎ。

 映画が終った後、私達は喫茶店にいました。

 

「う〜ん、誰かに見られている様な気がするな?」

 

「え、そうですか?」

 

 しきりに周囲を気にするアキトさん。

 私は逆に、常に監視の目を感じてましたが・・・

 でもあれは・・・監視と言うより、嫉妬の目ですね。

 

 しかし・・・誰かが失敗をして、アキトさんの感知範囲に引っ掛かりましたね。

 こんな初歩的なミスをするのは・・・『五花』の人ですかね?

 

 

 

 

 

「馬鹿!! どうしてここで10m以内に入っちゃうのよ!!」

 

「ふぇ〜〜〜ん!! 御免なさ〜〜〜い!!」

 

「ちょっとサユリ、今はそんな事を言ってる場合じゃないわよ!!」

 

「そうよ、ちゃんとアリサさんを監視しておかないと駄目よ!!」

 

「アキトさんは私達が守る!!」

 

 

 

 

 

 ・・・何だか勘に障るモノがありますね。

 何処かで悪口を言われているのでしょうか?

 

「どうしたんだい、そんなに怖い顔をしてさ?」

 

「あ、何でもないです。」

 

 いけない、いけない・・・今は、アキトさんとのデートを楽しまないと。

 

 私達は他愛の無い会話をします。

 その会話の間中、アキトさんは普通の男の子でした。

 私も普通の女の子に戻っていました。

 ・・・そう、普通の二人。

 

 目の前の人が、連合宇宙軍と木連の恐れる人物だと・・・

 一目見ただけでは、解らないでしょうね。

 今は穏やかな表情で笑ってられますし。

 でも、現実は過酷です・・・今日が終れば、またあの世界にアキトさんは帰っていく。

 それが、自分自身の願いでもあるから。

 

 でも、今日一日くらいは・・・それを忘れても、いいのではないですか?

 今日までの戦闘を、全力で駆け抜けてこられたのですから・・・

 

 ですから、この一言を聞きたかった。

 

「楽しいですか・・・アキトさん?」

 

「ああ、久しぶりにリラックスしてるよ。」

 

 その微笑・・・忘れません。

 

 

 

 

 

『こちら『赤い獅子』、ターゲットAの周辺に不審人物を発見。

 指示を頼む。』

 

 ピー、ガッ!!

 

「こちら『家』本部、了解。

 捕獲が可能な場合、捕獲後に『科学者』の元に移送。

 手に余ると判断した場合・・・

 悲しい事だけど、アキトに助けを求めて。」

 

 ピー、ガッ!!

 

『・・・了解。』

 

「・・・誰なんでしょうね?」

 

「大丈夫ですよ、サラさん。

 これが不審人物の正体です。」

 

「え、もう相手の正体が解ったの、ルリちゃん?」

 

「はい、艦長。

 体型と行動パターンから予測すると、この人物の正体はこの人です。」

 

 ピッ!!

 

「「「・・・ウリバタケさん。」」」

 

「・・・彼の冥福を祈るしか、方法は無いんだろうな。」

 

「・・・そうですね。」

 

 

 

 

 それから後は・・・

 ちょっと化粧直しに席を立った隙に、他の女性にアキトさんがナンパされたり。

 ・・・私を見て、スゴスゴと引き下がって行きましたが。

 公園では、お決まりの不良に絡まれている女の子を助けて、名前を聞かれたり。

 ・・・私が用意していた偽名で潜り抜けました。

 街を歩いていると、見知らぬ少女が勢い良く衝突し、アキトさんがその子を倒れない様に抱きとめたり。

 ・・・素早く、私が引き離して注意をしました。

 アキトさんが拾った落し物が女性の財布だったり。

 ・・・私の名義で交番に届出書を書きました。

 

 ・・・姉さん達、ちゃんとガードをしているのでしょうか?

 

 

 

 

『こちら『三つ編』!!

 ポイント K−13−72にて女子高生の集団を発見!!』

 

 ピー、ガッ!!

 

『こちら『裏方』!!

 現在 ポイント W−29−37に待機中。

 だが、道に迷っている美人の親子を発見!!』

 

 ピー、ガッ!!

 

『こちら『五花』!!

 ポイント D−04−32に集合後。

 『漆黒の戦神』の特集を持つ、女性の団体を発見!!』

 

 ピー、ガッ!!

 

『こちら『赤い獅子』!!

 ポイント Q−30−42周辺に、某組織の構成員を大量に発見!!』

 

 ピー、ガッ!!

 

「・・・全部、断固阻止してください!!

 某組織の人達の実行リーダーは、今は私達が捕獲してます。

 多分、某組織の会長自らがその周辺にいるはずです。

 その人だけを集中して探索。

 発見後、即時殲滅!!」

 

 ピー、ガッ!!

 

『『『『了解!!』』』』

 

「・・・何だか戦闘時より、采配の手際が見事な気がするな。」

 

「・・・これが、艦長の真の実力なんですよ。」

 

「時間の問題だろうな、が殲滅されるのも。」

 

「・・・まあ、自業自得ですし。」

 

 

 

 

 

 あら? 監視者の気配が消えている?

 

 私は周囲を見渡して、今まで感じていた気配を探します。

 ・・・やはり、誰もいませんね。

 

 今、私達はデパートに来ています。

 アキトさんが、ラピスちゃんのお土産を買う為です。

 

「でも、ラピスも今日が当直だったなんて・・・ついて無かったな。」

 

「そうですね。」

 

 その事を納得させるのに、凄く大変でしたけど・・・

 今頃、ホウメイさんの所で愚痴を言ってるでしょうね。

 

 ・・・ホウメイさん、御免なさい。

 

「・・・何だか思い出すな、アリサちゃんと買い物をしてると。」

 

「!!」

 

 そのアキトさんの一言により、私の気持ちは一瞬にして冷めました。

 

「アキトさん・・・」

 

「御免、馬鹿な事を言っちゃったね。

 でも、あの事を忘れるなんて出来ないよ・・・」

 

 では・・・では、私達はアキトさんにとって、あの忌まわしい過去を思い出す象徴なのですか?

 もしそうなら・・・

 私も、姉さんも、レイナも、アキトさんの隣に立つ事なんて出来ない・・・

 

「・・・」

 

 私の胸に、悲しみが広がる・・・

 

「アリサちゃんには感謝をしてるよ。

 俺とあの子の事を知っている、数少ない人だからね。

 俺と一緒に、あの子の事を思い出してくれる。

 ・・・忘れるなんて馬鹿な事さ。

 いや、忘れちゃいけない、二度と繰り返さない為にもね。

 それに、あんな事を話せる人を増やすつもりもない。

 迷惑なだけかもしれないけど、アリサちゃん達がナデシコに来てくれて、俺は嬉しいよ。」

 

 嬉しい・・・言葉でした。

 私の・・・私達の存在が嬉しいと・・・

 初めてアキトさんから、そんな言葉を貰えました。

 

 ずるいですね、そんな顔でそんな事を言われたら、諦める事なんて出来ないじゃないですか。

 

「さて、ラピスのお土産はこれでいいかな。」

 

 アキトさんの手には薄緑色の髪飾りが。

 そうですね、似合うでしょうねラピスちゃんには。

 

「きっと、似合うと思いますよ。」

 

「そうかな?」

 

 そう言いながら微笑む、アキトさん。

 この人は・・・あの悲しみを乗り越え、繰り返さない様に頑張っています。

 強いけど、悲しい人なんですよね。

 

「・・・えい♪」

 

「ア、アリサちゃん!!」

 

「別に腕を組むくらい、いいですよね?

 それとも、私と腕を組むのは嫌ですか。」

 

 ハイヒールを履いた私より、ちょっと高い位置にあるアキトさんの顔を睨みます。

 

「う〜ん、別に良いけどね。」

 

 頬を掻きながら、アキトさんはそう言ってくれました。

 

「じゃ、問題無し、です。」

 

 今日はいいですよね。

 帰ったら、多分皆さんに怒られると思いますが・・・

 自分の気持ちに、素直に行動をとりたい時もあります。

 だって、この人は自分が他人に、不幸しか与えないと思ってる。

 そんな事は間違いだと、言いたいから・・・

 

「私や姉さんは、アキトさんと出会えて幸せですよ。」

 

「・・・有難う。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第十七話 その4へ続く

 

 

 

 

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