< 時の流れに >

 

 

 

 

 

第十八話.水の音は「私」の音

 

初日、旅立ち・・・

 

 

 

 

 

 

 それは・・・予想されていたイベントだった。

 だけど、これは予想外だよぉ〜

 

「じゃあ、『ブローディア』は置いて行くんだ?」

 

「ああ、あそこまで宣言されればね。」

 

 アキト兄が苦笑をしながら、レイナ姉と話をしている。

 あたしは不貞腐れて姿を見せない。

 ・・・ブロスも『ブローディア』のメモリーの端の方で、いじけている。

 

『・・・何だよ〜

 僕はいじけてなんてないぞ〜、ディア。』

 

『何言ってるのよ、思いっきりいじけてるじゃない!!』

 

『『ぶ〜〜〜!!』』

 

 あたし達はお互いにそっぽを向いた。

 事の始まりは、ルリ姉を迎えにピースランドの使者が来た時だった。

 

 

 

 

 ナデシコは地球に戻ってからも、相変わらずの活躍だった。

 それはもう、あたし達とアキト兄が全制約を外せば、連合軍にさえ楽勝だからね。

 ・・・あ、これは秘密だったっけ。

 

 まあ、そんな些細な事はどうでもいいや。

 

 つまり、あたし達とアキト兄、それとその他のパイロットさん達。

 止めはルリ姉、ラピ姉が操るナデシコA!!

 もう連勝街道まっしぐらだもんね!!

 

 あ、ハリ兄の事また忘れてた。

 

 まあ・・・でも、それがいけなかったんだよね〜

 まさか、あんな事態になるなんて思わなかった。

 もうちょっと、手加減すれば良かったかな?

 

 

 

 ボゥ・・・

 

「ルリ姉、例のお客さんが来るよ〜」

 

「・・・ディア、貴方がどうして私に来客を知らせるのですか?」

 

 ルリ姉が不思議そうに、ホログラムのあたしに質問をする。

 

 このホログラムの機能は、ウリバタケさんが作ってくれたんだ。

 何でも、趣味で作ったらしいけど・・・

 

 まあ、あたしに実害は今のところ無いからいいか。

 

「うん、暇だからオモイカネ兄から、システムの一部を任せてもらったの。」

 

「・・・それでオモイカネは、今何をしてるのですか?」

 

「ガイさんとラピ姉と一緒に、何かのアニメを見てる。」

 

 あたしは、あまり興味が無いから外で遊んでるんだけどね。

 ブロスは見てみたい、って駄々をこねてたっけ?

 今は『ブローディア』のメンテナンスを、ウリバタケさんとしてるから無理だろうけど。

 

 あたしは退屈だから逃げてきたの。

 

「後でお仕置きですね、オモイカネ。」

 

「・・・」

 

 この状態のルリ姉に逆らうほど、あたしは無謀じゃない。

 運が無かったね、オモイカネ兄。

 

「まあ、今はそれより例の来客ですね。

 ・・・まあ、別に着飾る必要は無いですし。

 ディア、アキトさんにだけ連絡を伝えておいて下さい。」

 

「ん、了解。」

 

 今、アキト兄がサラ姉とアリサ姉と、一緒に居る事は・・・

 黙っている方が賢明だよね?

 

「ディア・・・他に何か用事でもあるんですか?」

 

「え!! ううん、何も無いよ!!

 じゃ、あたしはアキト兄の所に行って来るね!!」

 

 ボゥ・・・

 

 そして、あたしはその場から逃げ出した。

 あたしが来客を知らせに行った時の、アキト兄の状態は黙っておく。

 ちょ〜〜〜〜っと、情けなかったからね。

 でも・・・どうして、女の人にはあんなに弱いのかな?

 男性相手には無敵のくせにね?

 

 

 

 

 

『PEACE LAND』

 

 ・・・そんなネオンが輝く、けばけばしい飛行船。

 それがルリ姉の客が乗ってきた、ピースランド平和派遣大使船だったりした。

 

 初め、この船を発見したあたしとブロスは、問答無用で『フェザー』を撃ち込もうとした。

 だって・・・射的の的みたいなんだもん。

 アキト兄が寸前で止めたから、止めたけどね。

 

 で、未練を残しつつその船を監視していると。

 大使が乗った小型船が、ナデシコに向けて飛んできた。

 

 ・・・何とな〜く、それを撃ち落としたかったけど、アキト兄の顔が怖いので止めた。

 むう、暇・・・・

 ブロスと一緒に、パイロットの人達の練習に乱入しようかな?

 この前の練習では、結構歯ごたえがあったしな〜

 

 そう思い立ったあたしは、ブロスを連れてシミュレーターに乱入した。

 だって、どうせ大使の人が来た理由は教えてもらってるし。

 あたし達とアキト兄を切り離せる存在なんて、有り得ないからね!!

 

 

 

 が、その考えは甘かったの・・・

 

 

 

 

 

「ピース・・・」

 

「平和だからピースか〜」

 

「・・・そのままですよ、艦長。」

 

「ピースランドは、スイスランドと並ぶ永世中立国でして。」

 

 ・・・

 ・・・

 ・・・

 

「ルリちゃん、ピース銀行に口座なんて持ってるの?」

 

「私、口座なんて持ってませんよ。」

 

「いずれにしろ、銀行を怒らせると怖い。

 この世の中、金庫と銀行で動いてます。

 ・・・丁重にお迎え下さい。」

 

「・・・じゃ、激怒状態のアキトと、激怒状態のピース銀行じゃどっちが怖い?」

 

「究極の選択ですね、それ。」

 

「・・・艦長、私に何か恨みでも?」

 

「・・・め、目が怖いよ、プロスさん(涙)」

 

 

 

 あたしが確認したのはココまで。

 それ以降は、オモイカネ兄に任せて。

 あたしは、ブロスと一緒にガイさんを苛めてたの。

 

 ・・・タフなんだよね、この人。

 

 

 

 

 

『ぬぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!

 ガァァァイ!! スウゥゥゥゥゥパァァァァァァァ!! アッパッァァァァァァァ!!』

 

 

「遅いよ〜、ガイさん♪

 『フェザー』展開・・・守護陣形 『嵐』!!」

 

 ガイさんが突撃をしながら放った渾身の一撃を、『ブローディア』を中心に舞う『フェザー』が弾く。

 

   バシィィィィィ!! 

 

 そして、そのまま『フェザー』の嵐に押し流され、左に吹き飛ばされるガイさんの『ガンガー』

 

『くっそぉぉぉ!!

 絶対に反則だぞ、そのバリアー!!』

 

 でも、そこはアキト兄が鍛えたパイロット。

 瞬時に体制を整えて、あたしに文句を言う。

 

 結構やるじゃない、ちょっと意外。

 それと、バリアーじゃなくて『フェザー』なんだけど・・・

 

『だったら、他の人と連携すればいいじゃない。

 その為のフォーメーション練習でしょ?』

 

 実際、ガイさんの後ろでは暇そうにリョーコ姉達が浮かんでる。

 あたしが不思議に思って、そう質問すると・・・

 

 

『男と男のタイマンに、加勢など頼めるか!!』

 

 

『ガイさん・・・あたし、女の子。』

 

『あ、そうだったっけ?』

 

 良い・・・度胸だわ、ガイさん。

 

『・・・ブロス、一時あたしに全権を譲ってね。』

 

『まあ、いいけどね〜

 再起不能まで追い込んだら駄目だよ〜』

 

『メモリーのに、覚えておくわ!!

 『フェザー』・・・攻撃陣形 『流星』!!

 並びに、『フェザー・ソード』を形成!!」

 

  ギュワァァァァァ!!

 

 ガイさんに向けて、『フェザー』が幾多の流星と化して襲い掛かり。

 『ブローディア』の持つDFSに、『フェザー・ソード』が形成される。

 

 ・・・ふふふ、手加減しないわよ。

 

 そして、その『フェザー』の流星から必死に逃げ回りながら、ガイさんが通信をしてくる。

 へ〜、まだ通信をする余裕があるんだ?

 

『お、おい、ちょっと待て!!

 何だよ、その問答無用の攻撃態勢は!!』

 

『諦めようよ、ガイさん。

 ディアがこうなったら、アキト兄以外には止められないね〜

 あ、ルリ姉とラピ姉でも、ギリギリ可能かな?』

 

『おい、ブロス!!

 なら、せめて『ガイア』を貸せ!!』

 

『僕も自分から進んで、痛い目に会いたく無いからね〜

 多分、使える技でも最高威力のヤツでくると思うよ、ディアならさ〜

 だから、『ガイア』を装着するだけ無駄だね〜』

 

 そのブロスの台詞が終ると同時に、あたしの技が解き放たれた!!

 

『いっけ〜〜〜〜〜〜!!

 秘剣 桜花竜舞!!

 

   ギュワッ!!

 

 流星と化していた『フェザー』が、ガイさんを中心にして旋回を始める!!

 そして、流星は檻と化した。

 

『ん、な!!』

 

 これはアキト兄の必殺技の一つ!!

 実戦ではアキト兄以外は、絶対に使えないけど・・・

 このバーチャル空間なら、あたしにも使用は可能!!

 

『で、出られね〜〜〜〜〜!!』

 

 慌てて、『フェザー』の檻に体当たりをするガイさん。

 ふん、無駄ですよ〜だ。

 

 さて、これが止めの・・・

 

『結構・・・揺れるよ、ガイさん!!』

 

          ドシュ!!

 

     ギュラララララララララ・・・

 

 

『あんぎゃぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!』

 

 

 『フェザー・ソード』で、ガイさんを包む『フェザー』の結界を貫き・・・

 内部にDFSのエネルギーを上乗せした『フェザー』を打ち込む!!

 結界内では、ガイさんのエステが見事なまでに切り裂かれている!!

 新型エステのディストーション・フィールドなんて紙と同じだからね!!

 

 それに、フルバーストを使っても、結果は同じだし♪

 

 そして・・・これが止め!!

 

『・・・終!!』

 

             ドドドドドドドド!!

 

 既にズタボロのガイさんのエステに、周囲を旋回していた『フェザー』が止めを刺す!!

 全方向から飛来する『フェザー』が、完膚なきまでにガイさんのエステを切り刻む!!

 対機動兵器の秘剣では、最高クラスの技だもん!!

 回避不能、防御不能よ!!

 

 

 そして・・・ガイさんのエステは、この電脳空間から消滅した。

 

 

『ふっ・・・愚かな人だったわ。』

 

『・・・やり過ぎだよ、ディア〜

 多分、コクピットはミキサー状態で済まなかったと思うよ?』

 

 ガイさんへのお仕置きが終って、満足しているあたしにブロスが話し掛けてくる。

 だって、そのミキサー状態が目的で秘剣を使ったんだもん!!

 しかも、ウリバタケさんが振動装置のリミッターを外してるからね。

 下手したら、骨折くらいしてるかな?

 

 ・・・アキト兄に聞いた、あのガイさんなら三日で復活するでしょ。

 

『いいのよ、ガイさんがあたしに失礼な事を言ったのが悪いの!!』

 

『でも、秘剣を使ってまで・・・

 アキト兄に、また怒られるよ?』

 

 う、それは・・・やっぱ、嫌だ。

 

『ブロス〜〜〜〜〜〜!!

 お願い、アキト兄には黙ってて!!』

 

 あたしがブロスに懇願をすると・・・

 

『じゃ、当分は僕が『ブローディア』を動かすね〜

 リョーコ姉達の相手は僕がするからさ〜』

 

『むう・・・仕方が無いわね。』

 

 で、あたしは当分暇になった訳・・・

 意識の片隅では、ブロスが楽しそうにリョーコ姉達と戦ってるのを感知していた。

 

 まあ、ガイさんが気絶してイネス母・・・姉さんに、遊ばれていたから良しとするかな。

 

 

 

 

 

「済まん、ディア、ブロス・・・

 今回は大人しく、ナデシコで留守番をしていてくれ。」

 

「ぶう!!」

 

『ぶう〜!!』

 

 あたしとブロスが、アキト兄の台詞に異議を申し立てる。

 

「何でよぉ〜、あたし達と『ブローディア』が、どうしてアキト兄から離れないといけないの?」

 

「いや、ピースランドの大使がだな・・・

 オモイカネ、録画してたアレを見せてやってくれ。」

 

 自分で説得するより、原因を見せた方が早いと判断したのか・・・

 アキト兄はオモイカネ兄に手で合図をした。

 

 ピッ!!

 

『・・・だから、口では説得は不可能だって言ったのに。』

 

「ああ、解った解った。

 俺の読みが甘かったよ。」

 

 通信ウィンドウで現れたオモイカネ兄に、アキト兄が苦笑をしながら返事をする。

 ・・・じゃあ、何?

 もしかして、オモイカネ兄もあたし達のなの?

 これは、もし納得出来ない理由ならクーデターでも起こしてやるんだ!!

 

『・・・何だか、ディアの目が攻撃色だね。』

 

 と、オモイカネ兄。

 

「ああ、多分・・・危険な事を、考えているんだろうな。」

 

 と、頬に汗を掻きながらアキト兄。 

 

 ・・・失礼ね。

 正当な理由が無ければ、あたしは怒りませんよ〜、だ!!

 

 

 

 

 

 それで、オモイカネ兄が見せてくれた録画映像には・・・

 

「では、ルリ姫・・・一度は、国王様にお会いになられるのですね?」

 

「はい、私も話したい事がありますし・・・

 少し、立ち寄りたい場所も有りますから。」

 

「では、当日に迎えを・・・」

 

「あ、それには及びません。

 私には、史上最強のナイトが付いてますから(ポッ)」

 

「・・・テンカワ アキト殿、ですかな?」

 

「はい、そうです。」

 

「もし、あのテンカワ殿が来られるのなら・・・

 機動兵器での入国は、拒否させて頂きます。」

 

「!!

 何故ですか?」

 

「我が国は永世中立国でございます。

 当然の事ながら、自国を守る最低限の戦略兵器は保持しておりますが。

 他国の軍ほどには、整備は整っておりません。

 そこに、機動兵器単体でありながら、片手間に国を滅ぼせる兵器を招けるでしょうか?

 ましてや、その兵器の専属パイロットと一緒になど。

 ・・・私達もテンカワ殿の活躍は、良く知っております。

 ですからこそ、あの超常の戦闘能力を恐れるのです。

 それに、隣国との間に余計な軋轢を起こしたくは有りません。」

 

「・・・ごもっともな意見ですね。

 解りました、アキトさんには私から伝えておきます。」

 

「お願い致します。

 では、我等が国で再会出来る事を、楽しみにしております、姫。」

 

「はい・・・」

 

 これが、オモイカネ兄の見せてくれた録画内容だった。

 

 ・・・何よ、これじゃあ、あたし達って無差別殺戮兵器みたいじゃない!!

 そりゃあ、ちょ〜っとアキト兄とあたし達が本気をだせば、国の一つや二つ消滅させれるわよ。

 でも、そんな事にならない様に、あたし達がアキト兄のストッパーをしてるんじゃない!!

 

 良い覚悟だわ、ピースランド。

 あたしとブロスだけでも、『ブローディア』を使って国を滅ぼせるんだから!!

 

「なあ、火に油を注いでないか?」

 

『うん、僕もそんな気がしてきたよ・・・』

 

「お兄ちゃん達!!」

 

「『な、何かな?』」

 

「あたしが直接ピースランドに乗り込んで、話を付けてくるわ!!」

 

『・・・脅す、の間違いじゃないの?』

 

「何か言った? ブロス?(ギロリ)」

 

 あたしは、突然会話に混じってきたブロスを睨みつける。

 

「それとも、アンタはここに残りたいの?」

 

『そりゃあ、僕もアキト兄達と一緒に行きたいよ。

 でもさ、今回のピースランドでのアキト兄とルリ姉の仕事は何だい?

 ・・・どう考えても、僕達と『ブローディア』は不向きだよ。』

 

 むう・・・生意気な意見を言うわね、ブロスの分際で。

 

 でも、確かに今回の仕事に機動戦は無さそうだし・・・

 と言うか、権謀術数なんだよね〜

 あたし、あんな陰険な戦い大っ嫌い!!

 

 ・・・だったら、下手に相手を刺激するのは・・・駄目だよね?

 はあ、ブロスに言い包められるなんて。

 あたしも修行が足りないな・・・

 

「・・・解った、お留守番をする。」

 

「そうか、俺が不在なのは6日程の予定だ。

 それまで我慢していてくれ。」

 

「うん。」

 

 かくして、あたし達の居残りは決定・・・

 ストレスの発散に、ガイさんが叩きのめされる日々は続いたわけだった。 

 

 

 

 

 

 で、冒頭のアキト兄達の出発当日になるんだけど・・・

 

 ここでピースランドに向かう、ナデシコのメンバーを紹介。

 まず、ルリ姉・・・当たり前だよね。

 それで、アキト兄・・・これも、当たり前か。

 それと、例の交渉役のエリナ姉・・・まあ、仕事が仕事だしね。

 ついでに、近頃ナデシコに完璧に溶け込んでたサブロウタさん・・・一応、敵なんでしょ、この人? 

 で、何故かお目付け役をユリカ姉から頼まれた、シュン小父さん。

 

 意外なのは、ジュンさんとゴート小父さん・・・本当に何故?

 この人選には、クルー全員が首を傾げてた。

 

 いや、私も理由は解んないけどさ・・・

 

 何でもプロス小父さんと、シュン小父さんの推薦らしいの。

 それと、実は別働隊もいるのよね。

 

「じゃあ、まずは西欧方面軍の司令所に向かうから。」

 

 アキト兄がひなぎくに乗り込みながら、後ろにいるサラ姉に話し掛ける。

 

「はい、解りました。」

 

 アキト兄の後ろに付いて歩きながら、嬉しそうに返事をするサラ姉。

 そしてアキト兄の隣で、ちょっと拗ねた表情をしているルリ姉。

 

 で、その二人を睨んでるラピ姉達・・・

 

 ・・・まあ、ラピ姉は絶対にナデシコから出れないからね。

 いざという時、アキト兄をナデシコに呼ぶ切り札なんだし。

 補足をすると、当日・・・今日まで関係者以外は、アキト兄がピースランドに行く事は秘密だった。

 何でも余計な混乱を防ぐ為だって。

 

 ・・・帰って来て、そんな言い訳が通じると思ってるの? アキト兄?

 

「じゃ、俺も行って来るから♪」

 

 

「二度と帰ってくるな!!」 × 男性陣

 

 

 軽い言葉で、クルーに挨拶をしたナオ兄・・・

 しかし、皆(特に男性クルー達)の反応は冷たかった。

 

 だって・・・ねえ・・・

 

「はははは、まあそう怒るなよ。

 ちゃんと、お土産は買ってくるからさ♪」

 

 

「良い度胸だ、テメ〜!!!!」  × 男性陣

 

 

 数多くの殺意の視線に晒されながら・・・凄い上機嫌で、ひなぎくに乗り込むナオ兄。

 実は久しぶりに、恋人と再会するらしいんだけど・・・

 

 その事が男性クルーにバレて、一時期監禁されたらしいわ。

 まあ、アキト兄が見つけ出したけど。

 でも、監禁されてる間もナオ兄の微笑みは消えなかったらしい。

 監禁を実行した、某組織の作戦部長に聞いたから確かね。

 

 ・・・まあ、名目はサラ姉の護衛なんだけどね。

 あの状態で役に立つのかしら?

 

 そんな不安を抱えつつ、ひなぎくはナデシコから旅立った。

 ・・・あたし達を残して。

 

 ・・・でも、やっぱり納得できないんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第十八話 初日その2へ続く

 

 

 

 

ナデシコのページに戻る