<スレイヤーズ西遊記>




第二話 坊主、変わった馬を手に入れる


第一章.不良娘との邂逅

 彼の目の前には炎を纏った少女がいた。
 綺麗だ・・・彼の第一印象はそれだけだった。
 そう彼は彼女の炎の瞳に魅了されてしまったのだ。
 彼女が間違いなく彼の目の前で、あの山を吹き飛ばした人物だと知りながらも・・・
 その彼女から彼に声がかかる。
「ねえ? 貴方が天竺に経典を取りに行く坊さんなの?」
「ああ・・・そうだが。」
「じゃあ、あたしも連れて行って。」
「はあ? それはまたどうしてだ・・・一体どういうつもりだ?」
「・・・その旅に付き合わないと、あたしの命は無くなるのよ。」
 いきなり穏やかじゃない話しになる。
「それなら別段文句はないが、どうしてまた命が危ないんだ?」
 彼女は遠い目をして言った。
「・・・一般人には解らない事だわ。
 あの人に会えば一瞬で人間なんて消し飛ぶもの・・・」
 ・・・おい、それは何者だ?
 魔王か? それとも異世界の○○○スターとか?(まあルナだからな(笑))
「な、何だかしらんが困ってるなら助けてやるよ。」
 基本的にお人好しな彼でした。
 そして彼は自分の運命を選択したのだった・・・
「で、お前さん名前は何て言うんだ。
 俺の名前はガウリイ=ガブリエフ、ガウリイと呼んでくれよ。
 法名は一応、三蔵法師って言うんだ。」
「あたしの名前は・・・リナよ。」
「それだけか?」
「そうよ!!」
 ガウリイの言葉に過剰に反応するリナ。
 彼女は自分の過去を、何故かガウリイに知られたく無かったのです。
 そう・・・あの斉天大聖を名乗っていた頃の不良娘の自分を・・・(笑)
 しかしリナは何故そう思ったのか、自分でもよく解っていません。
 そして自分の気持ちを後々思い知らされるのでした。
「まあそれならいいや。
 これから宜しくなリナ。」
 無邪気な笑顔でリナに微笑むガウリイ。(どうでもいいけど、山を吹き飛ばした本人なんだぞ)
「・・・宜しくねガウリイ。」
 リナも顔を赤らめながら答えを返す。
 そうです!! 斉天大聖リナ!!
 彼女は齢816才にして初恋を経験しているのです!!(316実年齢+500封印年数)
 ・・・遅すぎる様な気もしますが。
 彼女は殆ど不老不死!!(つまりこれから先の成長も無し)
 お子様体型のまま永遠の時を過ごすのです!!(爆笑)
 ですからいまさら初恋をしようが、結婚をしようが・・・(ゴス!!)
「・・・うるさいわよ!! そこ!!」(・・・沈黙するナレーション)
「なあリナ? 誰と喋ってるんだ?」
「・・・秘密よ。」
 ここはガウリイの良い所、あまりリナの態度を気にしないで先を進めます。(ナレーション復活)
「ふ〜ん、まあいいけどな。
 それじゃあ出発するぞ。」
「ええ、解ったわ。(ちっ復活が早いぞナレーター!!)」
 こうしてリナをお供に加え、ガウリイの旅は再開されたのでした。
 それはもう・・・いろんな意味で大変な者を拾ったなガウリイ。
「うるさいって言ってるでしょうが!!」
「誰に叫んでるんだリナ?」
 ちなみにガウリイ君は手紙に書いてあった仲間の内容を忘れています(笑)



第二章.リナ墓穴を掘る

 そうして二人の旅が始まった。
 始めリナはガウリイを連れて、空を飛ぶつもりだったのだが・・・
「なんだか契約事項にさ、空を飛んで来ちゃ駄目って書いてあるんだよ。」
「・・・契約事項? 何よそれ、そんな事あたしは聞いて無いわよ!!」
 そらそうだ、リナが無理矢理付いて来たみたいなもんだし。
「まあ仕方ないだろ?
 契約を守らない場合には、全ての約束を破棄する・・・とまで書いてあるんだし。」
「う〜〜〜ん、確かに姉ちゃんの許しを貰う為の旅だもんね〜
 それが破棄になったら、あたしには地獄しか生存する場所が残らないわ。」
 さらりと凄い事を言うリナだった・・・
「・・・まあ先を急ごう。」
 ・・・リナの姉ちゃんって何者だ? と思いつつも先を進む。
 そして契約事項の書かれた手紙を旅行カバンにしまう。
 その時リナはガウリイの旅行カバンの中に、綺麗な黄金細工の髪飾りを見付けました。
「・・・ねえガウリイそれ何?」
「ああ、これかこれはな・・・」
 髪飾りを取り出しリナに説明しようとすると・・・
「いっただき!!」
 ・・・問答無用でガウリイの手から髪飾りを強奪し、自分の頭に装着するリナ。
「ねえねえ似合うガウリイ?」
 自分が仕出かした過ちに気付かず、はしゃぐリナだった・・・
「・・・まあ、似合ってるからいいが。」
 実際に栗色の髪と白い肌に浮き出た髪飾りは、リナに良く似合っていた。
 ・・・そう似合ってはいた・・・まるであつらえたかの様に・・・
「それにその髪飾りの製作者は釈迦如来らしいからな。
 きっとご利益があるぞ。」
 ピキッ!!!
 動きを凍らせ・・・首を軋ませながらガウリイの方を向くリナ。
「・・・メイド バイ 釈迦如来?」
「うんそう。」
 凍り付いたリナを不思議そうに見ながらガウリイが頷く。(まさに知らぬが仏(爆笑))
「・・・終わった。
 やっぱり外れないよコレ〜〜〜〜」
 懸命に髪飾りを外そうとするリナだが、張り付いた様に髪飾りは外れなかった。
 涙を目に溜めながらも一生懸命髪飾りを外そうとするリナ。
 それを見て可愛いなコイツとほのぼのとするガウリイ。(でもそんな彼女は816才♪)
 しかし・・・リナの理不尽な怒りは身近な者に向けられるのであった。
 そう身近な者・・・つまりガウリイ!! って彼一人しかいないしな連れ・・・当たり前か。
「・・・ガウリイ!! どうして先にその事を言わないのよ!!」
「って言ってもな〜、リナが説明する前に俺から取り上げたんだしさ〜」
「うるさいわね!! あんたが悪いの!! あたしがそう決めたのよ!!」
 最早無茶苦茶である。
 そうリナにとってルナ関連グッズなど・・・死神に呪われた品に等しいのであった。
 その激昂状態のリナがガウリイに挑みかかる!!
 何処からともなく如意棒を取り出しガウリイに振り下ろす!!(隠し場所は、ひ・み・つ(笑))
 ちなみに如意棒の重さは一万三千五百斤!!(一斤は600グラムっス)
 すなわち・・・(計算中)・・・ちーん!!
 ・・・8.1tですね。(うん、リナちゃん力持ち!!)
 さすがに身の危険を感じたガウリイがある言葉を呟く。
「姉ちゃんに言い付けるぞ。」
「ぐはっ!!」
 突然の頭痛に襲われ地面に倒れ付すリナ・・・
 どうやらかなりの激痛らしい・・・そのままリナは意識を失うのであった。
「・・・ちょっとラッキー、どうしようかな♪」
 ・・・お前坊主だろガウリイ。
 まさか不埒な事はせんよな。(でもガウリイだもんな・・・)
「ふっ・・・俺は出家する前は遊び人だったんだぜ。」
 ・・・じゃあ何で坊主になったんだお前?
「そりゃあ、食いっぱぐれる事が無いのと税が安からに決まってるだろうが。」
 お前は宗教法人を目当てに出家したのか!!
 ・・・そんな知恵がよくあったな、ちょっと感心したぞ。
「まあ、ある人の入れ知恵でな・・・まあ今はリナだな。」
 ある人? 誰だそれは・・・
 まあ話しが進まないからここまでとしよう。(近頃人物との会話を楽しみだしたナレーター)
 そうして気絶したリナを抱きかかえ、旅を再開するガウリイだった。
 そういえば・・・徳が高い筈なんだよなコイツ・・・
 ・・・元遊び人なのにか? まっ所詮フィリ・・・(ゴン!!!)
 (沈黙・・・・・)



第三章.坊主と馬

 気絶したリナを抱えガウリイは近くの川辺に降り立った。
 リナの頭に濡れた布を当て気が付くのを待つ・・・
 ふと、川を見ると・・・
「おい・・・そこの変な帽子を被った竜。
 何でお前は川の中から俺達を観察してるんだ?」
 ガウリイ・・・そんな怪しい奴に気軽に声をかけるなよ。
「お前はもしかして、天竺に経典を取りに行く坊主か?」
 竜が首を掲げて威圧感を与えながらガウリイに詰め寄る。
 しかしその頭の帽子が、その竜を滑稽な奴に見せます。
 そして・・・
「・・・あんた、ザングルスでしょ。
 こんな所で何やってるのよ?」
 この時・・・ザングルスの頭の中に自分の一生が走馬灯の様に走った!! らしい。
 この場にいる筈が無い人物・・・災厄の源の声が聞こえたのだ!!
「リ、リナさん・・・ですか?
 何故こんな所においでなんですかね?」
 いきなりの竜の低姿勢にガウリイが呆れてリナを見る。
「リナ・・・お前って有名なんだな。
 この竜の奴完璧に尻込みしてるぞ。」
 そう言いながら気が付いたリナの頭を撫でるガウリイ。
 その光景を見てザングルスはガウリイの死を確信した・・・
「・・・別に好きで有名になったんじゃないわよ。
 ただ姉ちゃんに反抗してたら有名になったのよ。」
 不貞腐れながらガウリイに答えるリナを見て・・・ザングルスは思った。
 この人に絶対付いて行こう・・・
 そこには明るい未来が俺を待っている筈だ!!
 あの斉天大聖リナを手篭め(爆)にした人間だぜ!!
 待ってろよマルチナ!!(←ちなみに奥さんの名前(笑)しかも新婚(爆笑))
 俺は必ずお前の元に帰るからな!!
 彼の目には、緑色の縦巻きロールをした髪を持つ雌竜の姿が映っていた。
 その雌竜は自分に微笑んだ気がした。
 ・・・などと一人盛り上がるザングルスであった。
 ほんとに後悔はしないんだなザングルス?
 止めた方がいいと思うぞ・・・
「お願いですお師匠様!! 俺を旅の共として同行させて下さい!!」
 いきなりの低姿勢の竜に驚くガウリイ。
「連れてけって言われてもな〜
 その巨体をどうして連れて行けるんだ?」
「それなら心配無用です!! はっ!!」
 どろん!!(・・・古風な奴だ・・・あっ古代中国だったなここ)
 煙が晴れた後には帽子を被った白馬がいました。
「・・・その帽子に何か重要な意味があるのか?」
「全然」
「・・・じゃあ取れよ目立ちまくりじゃないか、それ。」
「俺のポリシーっす!! これだけは譲れないっす!!」
「じゃあ姉ちゃんの前でも?」
 リナの絶妙の突っ込みに・・・
「取ります・・・」
「軽いポリシーだな、おい。」
 さすがに泣き出した白馬を見て、ガウリイはいじめをやめた。
 ・・・しかし、いまだにリナは白馬をからかっているが。
「リナ、もうそろそろ許してやれよ。
 ・・・さもないと。」
 ガウリイの静かな声に過剰に反応するリナ・・・よほど堪えたらしい、あの一撃は。
「解ったわよ!! だからそのおしおきだけは止めて!!」
「解ればいいんだよ、俺としてもリナをこんな物で傷つけたくないからな。」
 そう言いながら微笑むガウリイを見て、また顔を赤くするリナであった。
 それを見ていろんな意味で、新たにガウリイを見直すザングルスだった。
 そうしてガウリイとリナの一行に、新たに面白い白馬が加わったのだった。



第二話			END

                                                                   第三話

後書き・・・

まあ取り敢えず第二話です。

かなり短いですね・・・すみません。

でも毎週一話ずつこの分量でアップするつもりです。

楽しみにしていて下さい。(これを読まれている有り難いお方様・・・)

ちなみに今回はギャグが少ないです。

・・・やはりザングルスでは役者不足か。

早くゼルアメを合流させないと・・・と思うBenでした。

出来れば感想をメールか掲示板に下さい。

頑張って続きを面白くします。

最後に素敵なCGを描いて下さった、まりえさん有難うございました!!

 

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