<スレイヤーズ西遊記>





第二十話 ニンジン果って何?(完結編その弐)



第一章.やってきた好敵手


あらすじ


 ・・・とうとう二十話、か。
 早かったんだか遅かったのか(ハア・・・)
 しかも何時の間にか俺まで巻き込まれてるし・・・

 何処で人生の選択を間違えたんだろ?

(・・・何を真面目に悩んでるんです?)

 ・・・お前との付き合いも結構長いな。

(ええ、不本意ながら。)

 ・・・最近、はっきりと意見を言うなニンエ(怒)

(そりゃあ、ナレーターより人気がありますから私は。)

 くっ!!

(でも、貴方にも凄い活躍の舞台が待ってるらしいですよ。)

 ほ、本当か?

(はい、ですからお仕事頑張って下さいね。)

 おう!! 任せておけ!! ・・・ってこれじゃ、あらすじになってないぞ(汗)

(・・・それじゃ、私はこれで。)

 お、おいニンエ!!
 と、取り敢えず スレイヤーズ西遊記 第二十話今から始まります!!

「なあ、リナの帰りが遅いな?」
「ん? ちょっとフィリアと一緒に調教してるから。」
「何をでしょう?」
「それは聞くな。」
(・・・グツグツ) 煮立ってる(爆)





 リナが飛び出してから二時間が経過した・・・

「ふう、取り敢えず寺院に向かっておくか。」

 ・・・単に待ちくたびれただけだろお前。

「・・・暇なんだんよ。」

「異論は無い。」

「まあ暇ですよね〜。」

 君等も暇を持て余してる訳ね・・・

「と、言う訳で場所を移動しましょう!!」

 何処にだよ?

「勿論、ザン馬さんのスープがある場所です!!」

 ・・・結構過激なのねアメリア(汗)
 後ろの二人は顔が引きつってるぞ(笑)
 一応助ける気はあるんだよな?

 ・・・ところでN’は何処に消えた?





 移動を開始してから一時間程たった頃・・・
 ガウリイ達の行く手に一人の小柄な人物が現れた。

「・・・爺さん、どうしてここに?」

 そう、その人物はあの寺院の僧正だった。

「いや、なに大した事では無いんですがね。
 可愛い弟子達が一人の男性に負けた、と聞いてやって来たんですよ。」

 好々爺の表情でガウリイの問いに答える僧正(御年 二百七十才)
 ここまで一人で来るあたり健康体らしい(笑)

「そいつらはこの先に寝転がってる。
 手当てをするなり、運ぶなり好きにしろ。」

 そう言って僧正の横をゼルガディスが通り抜け様とした時・・・

「止まれゼル!!」

 ガウリイの制止の声が山間に響き・・・

「何だ、ガウリドゴッ!!!


 返事も返す暇すら無く、僧正の一撃で沈黙するゼルガディス!!
 そして静かにその場に崩れ落ちる・・・

「ゼ、ゼルガディスさん!!」

 ゼルガディスに駆け寄ろうとするアメリアを、ガウリイが必死に引き止める。

「大丈夫だアメリア!! ゼルは生きてる!!」

 そのガウリイの言葉を聞いて僧正の表情が変わる。

「ほう・・・私の一撃を見切りましたか。
 やはり貴方が私の弟子達を倒した男性ですね。」

 そう言ってガウリイを睨みながら、にやりと不気味に笑ってみせる僧正。
 そこには最早好々爺の顔をした人物はいなかった。

「やってくれたな、爺さん。」

 ガウリイも僧正の変化を敏感に察し、僧正を睨む視線を強くする。

「お互い様でしょうが。」

 言葉使いは丁寧だがお互いに闘気が高まりつつあった・・・

 二人の間に火花が散る!!
 そして現状について行けずにうろたえるアメリア!!
 ・・・どうでもいい事かもしれないが弱過ぎるぞゼル(笑)
 そして決闘の火蓋は切って落された・・・





第二章.訳有り


「ふん!!」


 ガウリイの先制攻撃!!
 軽い足運びで素早く僧正との間合いを詰める!!
 そして背丈の低い僧正に向かって鋭い下段蹴りを放つ!!

「さすが・・・良い蹴りですね。」

 そう言いつつ、ガウリイの蹴りを軽く後ろに飛んでかわす僧正。
 その場から一息で、蹴りの後で体勢の整わないガウリイに間合いを詰め・・・
 ドガッ!!
「くっ!! ・・・寸勁、だと!!」

 殆ど二人の間に間合いは無かった、だが僧正の一撃に吹き飛ばされるガウリイ!!
 しかし、僧正の方も驚嘆の言葉を出す。

「ほう!! 私の寸勁の一撃を、自分で飛んで衝撃を逃がしましたか。
 ・・・これは弟子達では確かに適うはずありませんな。」

 少しふら付きながらも立ちあがるガウリイ・・・
 直接的な打撃は例の袈裟で軽減されたが。
 気での攻撃で内臓にダメージを受けたらしい。
 まあ、それぐらいの威力じゃないとゼルは倒せないよな(笑)

「御老体こそ・・・その年で寸勁を扱うとは、ね。」

 そう言いつつもガウリイの顔は嬉しそうに微笑む。
 心底楽しいのだ・・・強者と戦える事が!!

 ・・・お前達二人とも坊主やめろよ。
 絶対似合わないってよ・・・

「では、今度はこちらから・・・」

「その挑戦!! 受けて立ちますよ御老体!!」

 そして二人は激闘に身を任せた・・・

「・・・どうして坊主なんかしてるんですか・・・お二人とも。」

 アメリアの空しい質問は空に消えていった。


 

「はっ!!」


 ガウリイの中段回し蹴りを、その場でしゃがみながらかわす僧正。

「・・・2、3年前ですか。
 ここよりかなり西方の国に一人の英雄がいました。」

「・・・」

 僧正がガウリイの軸足の皿を狙って蹴りを繰り出す。
 その蹴りを足を引き上げて脛でガードするガウリイ。

「その国にとっては・・・彼は国の滅亡を救った英雄でした。」

「・・・ふん!!」

 ガードをした状態で一瞬お互いに動きが止まり。
 僧正とガウリイの視線がぶつかり合う。
 そしてガウリイが足を引き戻しつつ体を替え、裏拳を放つ!!

「おっと!!
 ・・・しかし、敵国にとって彼は突然現れた・・・」

「何が言いたい!!」

 ガウリイの気質が変わる・・・
 闘気から殺気へと・・・

「ガ、ガウリイさん?」

 その殺気に当てられ驚いた顔をするアメリア。
 今だガウリイの変貌が信じられないのだ。

「本性を現したか!!」

「うるさい!!」

 ブンッ!!!

 ガウリイが僧正のお株を奪うような凄まじい寸勁を放つ!!

「くっ!!」

 完璧な防御をするものの、その勢いを殺し切れず吹き飛び僧正!!

おあああああああああ!!!

 既にガウリイは殺気を通り越した狂気を放っていた!!
 倒れて体勢の整っていない僧正に、止めの一撃を加え様とする!!

「それ以上は駄目ですガウリイさん!!」

 アメリアの悲痛な叫びを無視してガウリイは上空に跳躍し・・・
 高い位置からの体重の乗った蹴りを繰り出し・・・
 そして僧正の身体にその一撃が・・・

 ドガッ!!!!!!

「ガ、ガウリイさん?」

 ヒュ〜〜〜〜〜〜〜ンンンン!!!!!!!

「・・・何やってるのよガウリイ。」

 そうホームランボールと化してガウリイは場外に消えて行った・・・
 勿論、リナちゃんの如意棒の一撃で(笑)

「さて・・・ゼルは倒れてるし。
 このお爺ちゃんは気絶してるし。
 ガウリイは空に向かって飛んで行っちゃったし。」

 ・・・ガウリイは君のせいだろ。

「そこ、うるさい!!
 さあ説明して貰いましょうかアメリア♪」

「でも、あたしにも何が何だか解りませんよ〜〜〜(泣)」

 ご意見ごもっともです、アメリアちゃん(笑)





第三章.取り敢えず旅立ち


「で、フィリアがニンジン果の木を元に戻してくれた訳よ。」

「そうなのか〜、あのフィリアがね。」

 ・・・何時の間に帰って来たんだよガウリイ(汗)

「ん? 俺か?
 N’が誘導してくれたから一直線に帰って来れたぞ。」

 ・・・本当に裏方だなN’(汗)

「それでザン馬は?」

「・・・ここだ。」

 ちょっと不機嫌なゼル君。
 ま、ただの人間・・・しかも高齢(?)な老人に一撃で倒されたら情けないよな。

「ほっとけ!!」

「あの〜ゼルガディスさん?
 これって・・・鋳型の箱じゃあ・・・」

 そう、ゼルが指差した物・・・
 それは巨大な鋳型の箱だった(爆笑)
 注(鋳型・・・溶けた鉄や、銅などを冷ましてきまった型にする為の箱)

「うむ・・・後30分たったら開けてもOKだ、と。
 ・・・フィリアが嬉しそうに言っていたな。」

 ・・・その鋳型の箱に溶けたザン馬を入れたのか?
 最早人権(?)も何もあったもんじゃないな・・
 しかし、本当に液体○属じゃないんだろうなザン馬って(汗)

「で、コレ本当にザン馬なの?」

「う〜む・・・10%位は異物が混じってるとらしい。
 純粋にザン馬という人物(?)は・・・もう地上に存在しないな。」

 さらっと凄い事言ってるよ君、ゼル(汗)
 そうか・・・純粋なザン馬はもういないのか。
 ・・・じゃあ今のザン馬って何者?

 
 
 ・・・そして30分経過。



「・・・ゼル、あんたが開けなさいよ。」

「ど、どうして俺が!!」

「俺にはコレを壊すのは無理だぞ。」

 本当かガウリイ?
 何だかお前には出来そうな気が俺にはするぞ(笑)

「・・・私も遠慮します〜(汗)」




 そうして、更に一時間経過(笑)




「よし!! このまま放置する事に賛成する人手を挙げて!!」

 リナの提案に・・・

 バッ!! × 4人

「民主的な決定によりこの箱は、この場に放置する事に決定しました!!」

 全員で賛成(笑)

 ぱちぱちぱち!!! × 3人

「さあ!! 先を急ぐぞリナ!!」

「そうね!! 何だか凄く無駄な時間を過ごした気分よねガウリイ!!」

「さあさあ、無駄口を叩かずにさっさっと先に進むぞ!!」

「そうですねゼルガディスさん!!」

 ・・・本当にこのままでいいのか?

(いいわけ・・・あるか〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!!!!)

 ドッゴッッッッッンンンンン!!!!

「なっ!!」 × 4人

 そう・・・彼は自力で帰って来た。
 真っ白な身体と・・・
 優美なフォルム・・・
 そして気高い魂を秘めた金の瞳・・・
 その頭にのるサイズのあった帽子(爆笑)

 ・・・お前・・・帽子は身体の一部なのか?


 その姿はそう!!


「・・・猫?」 × 4人

「ニャ!! ニャ〜〜〜〜〜〜〜ン!!」(って!! 何故俺が猫になるんだ!!!)

「そうか・・・鋳型の型が猫だったとは(汗)」

 フィリアにちゃんと確認しろよゼル(笑)
 しかし・・・今度は白猫かザン馬、じゃなくてザン猫だな(爆笑)
 ・・・けど、お前の身体には質量保存の法則は通用しないんだな・・・ザン猫。
 
「ウニャニャ!!」(・・・し、信じられん事をするなあの女!!)

「でも個人的にはこっちの方が好感度が高いですぅ!!」

 ザン猫を抱かかえてご満喫のアメリア。
 ちょっと頬がひきつってるのはゼルガディス(笑)
 ・・・まあ、あの姿でも妻のある男だからな。

「・・・フィリア、あんたって(汗)」

「・・・本当に気の毒になってきたな。」

 そして一同は・・・
 結局、ザン猫だろうとザン馬だろうと役に立たないのは変わりない!!
 と、言う意見に落ち付き。
 旅を再開するのであった・・・

 追伸・・・
 
 ニンジン果の実は全員で美味しくいただきました!! By リナ

 

 

 

 

第二十話         END
									第二十一話に続く

あとがき

「終ったと思ったら・・・

 猫・・・ですか?

 何を考えてるのでしょうね作者は?

 ・・・そう言えば 「コタツってサイコー!!!」 なんて電話で言ってました。

 ・・・コタツから猫を連想したんでしょうか?

 もう、私には作者の思考は読めませんよ・・・

 ふう・・・それでは次回、リナが素直になった日でお会いしましょう!!」

 

??? 「俺のかってだろうが・・・ほっとけよニンエ。(ボソ)」

 

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