<スレイヤーズ西遊記>

 

 

 

第四十八話 

 

ガウリイの過去 その12

 

あらすじ

 

 前の回の判定は、なかなか微妙だったな。

 

(そうですね。 前半が軽いノリで、後半はシリアス調・・・

 姑息な手段は得意ですからね、あの作者は。)

 

 相変わらず・・・喧嘩を売ってるな、ニンエ(苦笑)

 

(そうですか? まあ、あまり堪えて無いと思いますよ?)

 

 どうして、そう思うんだよ?

 

(だって、仕事先の愚痴に比べればこれくらいの事など。)

 

 あの作者・・・お前に愚痴を言ってるのか?

 

(ええ、それはもう長々と。

 酒に逃げられない男ですからね、自然と愚痴が多くなるんですよ。)

 

 不憫・・・なのかどうかは解らんが。

 まあ、いいだろう更新さえしてれば(笑)

 

 では、スレイヤーズ西遊記 第四十八話 今から始まります!!

 

「生活観の溢れる会話だな。」

「作者、かなり追い詰められてるみたいね(苦笑)」

「まあ、普段はチャランポランな人ですからね。」 

「真剣な悩みには、慣れていない言う事か?」

「・・・出番が欲しいです。」

 

 

 

 

 

第一章.集結

 

 

 某屋敷の一室に、4人の男女が集まっている。

 今更説明する必要も無いと思うので、あえて説明はしない(苦笑)

 

「で、本当に魔界の関係者だったの、ゼル?」

 

「ああ、まず間違い無いだろう。

 額には魔界との繋がりを示す、契約の魔印があったからな。」

 

 リナの確認の声に・・・

 憎々しげに、そう呟くゼルガディス。

 

「そう・・・でも、懲りない奴等よね。

 あれだけ、姉ちゃんにコンテンパにされたってのに。」

 

「そうですね。

 でも、あの時の事は思い出したくないですぅ・・・」

 

「同感だ。」

 

 何を思い出したのか・・・

 三人の顔が一斉に曇る。

 

「結構楽しんでたじゃない、アメリアはさ。」

 

「そんな事・・・無いです。」

 

「・・・俺は、二度とあんな格好をするのは御免だ。」

 

 三人の間だけに会話が成立した為。

 当然、一人の人物が余り・・・

 その人物はイジケていた。

 

「・・・何だよ、皆してお互いに昔を懐かしみやがってさ。

 ふん、どうせ俺は一般市民だよ。

 天上界の事なんて一つも解らないさ。」

 

 暗い表情でそう呟き。

 テーブルの上で愚痴をこぼしている。

 

「・・・鬱陶しいはね〜、この男は。」

 

「よっぽど、リナさんに無視された事が効いてるんですね。」

 

「みたいだな。」

 

 先程の話に決着が付いたのか、テーブルの端で暗くなってるガウリイを全員が見つけた。

 その部分だけ、明るい室内が暗く淀んでいる。

 

「はあ、まあ魔界と天上界の戦争の話は、また今度してあげるわ。

 ・・・どうせ、直ぐに忘れると思うけどね。」

 

「ほ、本当か、リナ?」

 

 やっと、リナに相手をして貰い、嬉しげに変事を返すガウリイだった。

 

「だから、また今度、ね。

 今は、ガウリイが今回の事件の首謀者として心当たりのある、人物の話を聞きたいわね。」

 

「・・・話さないと、駄目か?」

 

 嫌そうな顔で、リナに確認をするガウリイ。

 

「話すの。」

 

 一言で切って捨てられるガウリイだった。

 

「往生際の悪い男だな。」

 

「ですね・・・」

 

 無責任にそんな事を言う、傍観者組だった。

 

「はあ・・・じゃあ、まずは俺とその男の関係から話すぞ。」

 

「了解、ちゃんと隠さずに全部話すのよ。

 あんただけの問題じゃ、無くなったんだから。」 

 

 

 

 

 

第二章.過去の思い出 その1

 

 

「俺は・・・この屋敷の持ち主。

 つまり、先代の将軍の所に養子にきていたんだ。」

 

「養子? あんた本当の親は?」

 

「さあ? まあ俺が覚えていないだけかもな。

 シルと出逢う前からの記憶を、俺は持ってないからな。

 ・・・取り合えず、今はその事は関係無いから話を進めるぞ。」

 

「どうぞ。」

 

「で、だ。

 実は将軍にはもう一人養子がいてな・・・当時、シルの親衛隊の隊長をしていた男だ。」

 

「・・・ふ〜ん。」

 

「腕も立つが、頭も良い男だったよ。

 俺も、先輩として色々と面倒を見てもらった。

 ・・・当時は、シルの婿候補だったな。」

 

「・・・何だか雲行きが怪しいですぅ。」

 

「黙って聞いてろ。」

 

「・・・ですぅ。」

 

「まあ、俺も剣の腕を見込まれて親衛隊に入ったんだがな。

 シルとその男、そして俺・・・結構仲が良かったんだぜ。

 三人で出掛けたりもしたな・・・

 だけどそれが、男の気に食わなかったらしい・・・」

 

「・・・自分が特別じゃないと、気が済まないタイプなのね。」

 

「ああ。

 シルにとって、俺と自分が同価値だったのが許せなかったらしい。

 そして、俺は剣術の大会で、その男を負かしてしまった。」

 

「・・・そのタイプの男には、最悪なパターンだな。」

 

「そうだ、それ以降男の態度は急変した。

 俺に対する憎悪を、隠そうとしなくなった・・・

 そして・・・ある日シルの部屋に忍び込み・・・」

 

「・・・ど、どうなったんですかぁ?」

 

「シルの父親・・・当時の国王に見付かってな。

 その場で国王を殺害し、隣国に逃げた。」

 

「じゃ、もしかして隣国の大戦の切っ掛けは!!」

 

「まず間違い無く、あの男が裏で工作をしたんだろうな。

 その頃には、裏の世界でも有名になっていたからな。」

 

「・・・個人の嫉妬心で戦争を起こす、か。

 確かに優秀な男だったみたいだな。」

 

「ああ、そうだ。」

 

「その分、プライドも馬鹿みたいに高いわけね。

 そして、自分から栄光を奪ったガウリイを許せない、と。」

 

「それは解っていた。

 俺とあの男の確執から始まった戦争だと。

 だから俺は最後の戦場で、あの男と一騎打ちをして・・・

 確かに首を刎ねた。」

 

「・・・」

 

「それを・・・現世に迷い出て、なおかつまたシルを襲うとは。

 何処までも因果な男だ。

 しかし、それも俺の存在が無ければ、起こる事が無かった戦争かもしれん。

 俺の存在のせいで、あの男の人生と、シルの人生は狂い・・・

 また、大戦などと言う忌まわしい戦争が起こった。」

 

「そう考えたから・・・自分は英雄じゃない。

 そう決め付けて、この国から逃げ出したのね?」

 

「そう・・・かもしれないな。

 だが、今度は最後までケリをつけてやる。

 あの男も、二度と迷い出てこらない様に、きっちりと地獄に送ってやる!!」

 

 

 

 

 

 

「・・・やはり、キーはガウリイだったな。」

 

「怨恨からの戦争・・・そして怨嗟を、魔界につけ込まれたみたいね。」

 

「一番、厄介なパターンですよぉ。」

 

「それでも・・・ガウリイを守るのが、あたし達の仕事よ。」

 

「だな・・・」

 

「ですねぇ」

 

 

 

 

第四十八話         END
							 	 	第四十九話に続く
あとがき

「こんちわ、ニンエです。

 なんだか・・・ダークに走ってますね。

 作者の精神状態が実に反映される作品ですね(笑)

 このままだと大変です。

 作者には少し、脅迫をしておきますね。

 では、次回をお待ちくださいね!!」

 

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