<スレイヤーズ西遊記>

 

 

 

第五十二話 

 

ガウリイの過去 その16

 

あらすじ

 

 近頃は職場の都合上、季節感がマヒしている作者です。

 そのうち、夏風邪でくたばるかもしれませんね。

                              By 作者

 

(・・・なんですかコレは?)

 

 あ〜ん?

 なんでも暑中見舞いのつもりらしいぞ。

 

(こんなの暑中見舞いといいませんよ・・・ 

 それに時期的に言えば、残暑見舞いでしょうが。

 本当に日本人ですか? あの作者?)

 

 まあ国籍は日本だよな。

 でも、時たま怪しい言葉を喋ってるよな。

 

(関西弁と標準語と九州弁のブレンドされたやつですか?)

 

 ああ、小説で書いてた言葉がそのまま乗り移ったらしい。

 

(・・・結構、単純な頭なんですね。)

 

 なんだ知らなかったのか?

 さて、それではスレイヤーズ西遊記 第五十二話 今から始まります!!

 

「夏・・・真っ盛りか。」

「どうせ、部屋で寝てるだけのくせにね。」

「ああ、真実を暴露したら駄目ですよ!!」

「いいんだよ、どうせプラオベートも仕事も同じ様な状況なんだからな。」

 

 

 

「キキキ!!」(ただいま!!)

「・・・もう少し、出番を待ってて下さいね(ニコリ)」

「キキキ〜〜〜〜!!(泣)」(ちょ、ちょっと待て!!!)

 

 ゴスッ!!

 

 

 

 

第一章、露払い

 

 

「と、言うわけで。

 死ぬ気でガウリイを見つけてきなさい。」

 

「キキキィ!!」

 

 リナの台詞に、滂沱の涙を流しながら首を激しく振るザザビ。

 彼が呪文で撃墜され、気が付いた時には既にアメリアに捕獲されていた。

 

「じゃあ、アメリア・・・イチ、ニ、サンでいくわよ。」

 

 リナの合図に、アメリアが頷く。

 その手元ではザザビが更に嫌々と、首を激しく振っていた。

 

「はい!! リナさん!!」

 

「イチ!!」 「ニ!!」

 

「「サン!!」」

 

      ドゴォォォォォォォォ!!

 

 アメリアが手前に放り投げたザザビを。

 リナの如意棒がフルスイングで捉える。

 

「キィィィィィィ・・・」

 

    ・・・キラーン!!

 

 悲鳴とも、泣き声とも聞こえるような声を残して、ザザビは星になった。

 

「さて、落ちて来るのは5分後かしら?」

 

「そうですね、それ位だと思います。」

 

 ・・・気絶をしていたら、ガウリイを捜すのは無理だと気が付かない二人だった。

 そして、5分12秒後。

 ザザビ、帰還。

 

  ・・・キィィィィィンンンンン!!

 

                   ドゴン!!

 

「やっほ〜、ザザビさ〜ん。

 生きてられますかぁ?」

 

「キィ・・・」

 

 息も絶え絶えな状態で、アメリアに返事を返すザザビ。

 ・・・タフな奴だ。

 

「え、ええ! それは本当なんですか?」

 

 ザザビの話を聞いていたアメリアが、突然大声で驚く。

 その声を聞いて、リナがアメリアに向かって歩いてくる。

 その腕には、既に二回目の打ち上げの準備をした如意棒が握られている。

 

「どうしたのよ、アメリア?

 ガウリイが見付かったの?」

 

「いえ、ガウリイさんじゃないですけど・・・

 この街から3km程離れた地点に、魔族らしき集団がいるそうです。」

 

 そのアメリアの言葉を聞いて、眉を顰めるリナ。

 そして、ニヤリ・・・と不敵に笑とザザビに向かってこう言った。 

 

「そこに案内しなさいよ、ザザビ。

 そいつらがガウリイの情報を持ってるわ。」

 

「キィ」

 

 ザザビには、リナに逆らう気力は無い様だった。

 

 

 

 

 

第二章、結末までの秒読み

 

 

 二人の戦いは、一方的なものになりつつあった。

 ガウリイは何故か防御に徹し。

 ソードは容赦無くそのガウリイを攻め立てていた・・・

 

「・・・どうした、何故反撃をせん!!」

 

「アンタが・・・そこまで狂ってしまったのも、やはり俺のせいなのか?」

 

「ちっ!! 何時までも腑抜けた事を言う!!」

 

 ザシュッ!! 

 

 鋭く繰り出された剣先が、ガウリイの左腕を浅く切り裂く。

 

「くっ!!」

 

 左腕に走った痛みに、顔を顰めるガウリイ・・・

 そんなガウリイを見て、ソードは満足そうに笑い言葉を紡ぐ。

 

「確かに、俺はお前に敗れ魔族の手下にまで身を堕とした。

 ・・・だが、それもお前という男を超えるため!!

 昔の俺ではどう足掻いても、お前には勝てないと悟った!!

 だからこそ、この方法しかなかった!!」

 

 ソードの額にある契約の印が禍々しく輝く・・・

 ソードの負の感情を喰らい、その力を増しているのだ。

 

「そんな事は無い!!

 あんたの方が・・・ソード兄さんの方が俺よりシルに相応しかった!!」

 

「・・・相変わらず、鈍い男だな。

 変わらないな、お前だけは羨ましい程に。

 だからこそ、俺はお前を・・・倒す!!」

 

         ザン!!

                          ザシュ!!

 

 更に苛烈さを増した斬撃が、ガウリイに襲い掛かる!!

 先程までの攻撃が、まだ手抜きであったのかと錯覚するほどの勢いだった!!

 ガウリイはその攻撃を前に、体中に傷を負いながらも辛うじて回避をする。

 

「手加減をして今の俺を倒せると思うなよ、ガウリイ!!

 勿論説得も無用だ!!

 お前が死ねば、郊外に配置している俺の軍隊が街を襲撃する!!

 それを止めたければ、俺を倒してみろ!!」

 

「アンタは!! どうしてそこまでして!!」

 

     ゴワッ!!

 

 避けられないソードの一撃を、ガウリイが何時の間にか手にした杖で受け止める!!

 

「ほう、いい武器を持ってるじゃないか。

 ・・・俺を殺すには十分な霊格を備えてるな。」

 

「何故・・・そこまで俺に拘る。」

 

 鍔競り合いの状態から、ガウリイがソードに問う。

 

「意地・・・か、それは俺にも解らん。

 だが、お前の存在が俺とシルの関係を壊した。

 それだけは、確かだ。」

 

 一瞬、倒れているシルフィールに視線を向け遠い目をするソード。

 

「なあ、何故お前はあの時この森にいたんだ?

 どうしてシルの前に現れた?

 ・・・どうして、俺の安らぎの場を奪ったんだ?」

 

「くっ!!」

 

 ソードの視線に耐えかねた様に、ガウリイが身体を反転させソードの攻撃を弾く!!

 そして剣を持つ手を狙って、光竜杖を繰り出す!!

 しかし、ソードはその攻撃を予想していたのか、素早く動きその攻撃を避ける。

 

「駄目だ、駄目だ駄目だ!!

 そんな手加減された攻撃では、今の俺は倒せんぞ!!」

 

  ドンッ!!

 

「がっ!!」

 

 ソードの手から生み出された衝撃波を正面からくらい、吹き飛ぶガウリイ!!

 地面に倒れたガウリイを見下ろし、ソードが呟く。

 

「つまらないぞ、ガウリイ・・・

 昔のお前はもっと強かったよ、俺が恐怖を覚えるほどにな。

 それとも本気になれないのか?

 ・・・なら、お前が本気になれるように、あの時親父を殺した様に。

 ・・・シルを殺してやる。」

 

「なっ!! 止めろソード兄さん!!」

 

 ソードの台詞に、急いでシルフィールの倒れている方に向かうとするガウリイ。

 そして・・・

 

「・・・あばよ、シル。」

 

 ソードがそう呟いた。

 

  ドゴォォォォォォォォォォォ!!

 

 

 

 

 

 

 

第五十二話         END
							 	 	第五十三話に続く
あとがき

「いや〜遅れてすみませんです(汗)

 作者の馬鹿が旅行やら、会社の付き合いやらで遊び呆けてまして。

 しかも、何をとち狂ったのか今度は二輪の免許を取るそうです。

 ・・・運動神経なんて無いくせに。

 まあ、それなりに頑張って更新をすると言ってましたので。

 皆さん、出来れば変わらぬお付き合いをお願いしますね。

 では、次のお話をお待ちください。」

 

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