<スレイヤーズ西遊記>




第八話 坊主、第三のお供を得る(中編)


第一章.高老荘にて

あらすじ

 ・・・言えばいいんだろ言えば。
 何やら奇妙な通行人の儲け話にのって化け物退治を引き受けた一行。
 この先の邸宅にて待ちうける化け物とは!!
 リナとガウリイは無事にお嬢様を助ける事が出来るのか?
 そして物影で微笑む謎の人物とは?
 次回!! スレイヤーズ西遊記 第9話をお楽しみに!!

「・・・終わっちゃったな。」
「・・・終わっちゃったね。」
(・・・終わっちゃったよ。)

「・・・帰るか。」×3

 待ってくれガウリイ!! リナ!! ザン馬!!
 俺が悪かった!! ほんの軽い冗談だよ!!
 頼むから話しを進めてくれ〜〜〜〜〜!!(・・・自業自得だ馬鹿者が)



 ・・・取り敢えず話しは今から始まります(汗)
 使用人Aの先導に従ってガウリイ達は高老荘へと入っていきました。
「そういえば貴方の名前は何て言うの?」
 リナが使用人Aに名前を聞きます・・・ナイスな質問だリナちゃん。
「私の名前ですか?
 私の名前はシヨウ=ニンエと言います。」
 ・・・おい。
「・・・」
「・・・シヨウニンエー?」
「発音が違いますよお坊様、シヨウ=ニンエです。」
 もう一度リナ達にニンエが自分の名前を教える・・・あの作者・・・
「ち、ちなみに兄弟とかいるのか?」
 ガウリイが話題を替え様と他の質問をする。
「ええ、双子の弟がいます。
 ニンビとニンシという名前なんですけどね。」
「・・・使用人Bと使用人Cね。」
「・・・だな。」
「だから発音が違いますよ〜〜〜」
 などと訳の解らぬ会話をしながらも、一行は目的地に辿り付いたのだった。

「・・・おいニンエ。」
 恰幅の良いちょっと太り気味の男性がニンエを呼びます。
「何ですか御主人様?」
 おお、これが御主人か・・・以外にまともそうだな。
「お前は確か徳の高いお坊様を探しにいったんだよな?」
「ええ、そうですが・・・何か?」
 御主人は無言で食堂に向けて首を振る。
「ちょっと着いて来い。」
「はあ?」
 そしてニンエが食堂で見た物は!!
「・・・もう在庫が無いんです堪忍して下さいよ〜〜〜(泣)」
 屋敷の料理人に泣き付かれるガウリイとリナ・・・
 そして山の様な、と言う比喩が馬鹿らしい程の空き皿の山だった。
「・・・これであの化け物退治を失敗したら・・・解ってるな?」
 そう言いながらも、自分の首に親指を当て横に切る仕草をする御主人。
 ・・・結構陰険やねアンタ。
 そしてその場に硬直しているニンエを残し、ガウリイ達に歩み寄る御主人。
「こんばんわお坊様・・・我が家の娘を助けていただける・・・」
「ちょっとガウリイ!! その野菜コロッケあたしが楽しみに取っといたの!!」
「なにを〜〜!! リナこそ俺の精進揚げを食ちまったくせに!!」
 無駄だよ御主人・・・本能に忠実な人達だからさ。
「実は娘は三年前からある化け物に狙われておりまし・・・」
「ああああああああ!! その饅頭はデザートにと楽しみにしておいたヤツ!!」
「ふふん!! 隙を見せたリナが悪いんだぞ♪」
 なあガウリイとリナ、一応雇い主だぞ?
 話し位聞いてやれよ・・・
「・・・報酬を減らしていいですかな(ボソッ)」
「それは大変でしたね・・・心中お察しします。」
「三年も前から一人の女性を狙うなんて・・・そんな陰険な奴許せ無いわね!!」
 ・・・聞いてたのか? 一応。
 ・・・やるな御主人。
「それにしてもお若いお坊様ですな?
 こちらの少年は弟子ですかな?」
 ・・・無言でテーブルの料理を持って御主人から遠ざかるガウリイ。
「どうされまし・・・ゴワッ!!」
「その話題は聞き飽きたわよ!!」
 リナの一撃を受け食堂の出口へと吹き飛ぶ御主人。
「おお〜〜〜これなら〜〜〜安心して〜〜〜任せられます〜〜〜ね〜〜〜フギャ!!」
 くうぅぅ!!・・・あんた親の鏡だよ御主人!!
 俺は尊敬するぜ!!
 その時、壁に埋まった御主人の様子を見ながらニンエが何か呟く。
「・・・御主人様そこまでして秘密を守ろうと・・・あ!!!」
「いらん事は言わんでよいわ!!」
 復活早いのな・・・御主人(汗)どうでもいい事かもしれんが首の角度がナイスだぜ(笑)
「ほわぁぁぁぁぁ!! 見えてはいけない角度が見える!!」
「ご、御主人様!! せめてボーナスを出してから成仏して下さい!!」
「まだ死んどらんわい!! この道楽使用人が!!」
 ・・・あんたも一発キャラのくせに良い味だしてるぜ御主人(笑)



第二章.意外な敵

「それで化け物の格好とかは解りますか?」
 食事も終了し、やっと真面目に化け物退治に乗り出す御一行。
 食堂で明日の作戦を考えている・・・筈・・・なのだが?
「まあどんな化け物が来ても、あたしに適う訳ないけどね♪」
「おお、心強いなリナ!!
 ・・・でも化け物と一緒に屋敷も俺も吹き飛ばすなよ。」 
 なかなか察しが良くなったなガウリイ。
 もう完璧にリナの行動を理解してるじゃん。
「それでは化け物の特徴を・・・」
 こうしてニンエとリナとガウリイの話し合いは夜遅くまで続いたのだった。

 結果発表〜〜〜〜〜〜!!

 作戦一!! 化け物のが襲撃してきたら問答無用でぶっ飛ばす!!
 考査・・・ 屋敷ごと吹き飛ぶ可能性大なので却下!!

 作戦ニ!! お嬢様の身代わりに女装したガウリイをさらわせる!!
 考査・・・ 誰が女装なんかするか!! の一言で却下!!

 作戦三!! お嬢様の身代わりに女装したニンエをさらわせる!!
 考査・・・ そこまで仕事に命を賭けてません!! の一言で却下!! 
 
 作戦四!! お嬢様の身代わりに御主人を・・・

「・・・ちょっと待ちなさいよあんた達。」
「何だよリナ?」
 怒りのオーラを発するリナに返事を返せたのはガウリイだけだった。
「どうして身代わり作戦にあたしの名前が出ないのよ!!」
「いや〜、リナを危ない目には会わせられないよ。」
 その横で必死にニンエも頷いている。
「・・・本気で言ってるのガウリイ?」
「ええ、間違っても色気が足りないとかの理由じゃありません!!」
 そっとニンエの側から離れるガウリイ・・・
「・・・あたしの色気はあの御主人の女装にも劣るんか〜〜〜〜〜〜い!!!」
 ドゴォォォォォォォンンン!!!
「明日は早いですからね〜〜〜早くお休み下さい〜〜〜では〜〜〜〜〜・・・・」
 ボッチャ〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!
 遠くの池に水柱が立つのが観測できた・・・
 やっぱりいい根性してるぜニンエ、こうなる事位解ってるだろうにな(笑)
 言わずにおけないのがギャグキャラの宿命だよな(笑)
 
 急に静かになった食堂でリナが呟く・・・
「あたしってそんなに色気が無いの?
 ・・・どうなのよガウリイ!!」
「・・・俺は真剣に言ってるんだけどな。
 いくらリナが強いからと言っても、他の女性の身代わりなんかして欲しく無いしな。」
「本当? 本当にそう思ってくれてるのガウリイ?」
「ああ、当たり前だろうが・・・」
 リナが目を潤ませつつ・・・
 ガウリイが真剣な眼差しで・・・
 お互いにの距離を縮める二人・・・
 そして・・・
(すんません・・・俺何処で寝たらいいんでしょうか?)
 そして二人の目の前にザン馬が首を突っ込む。
 ・・・さよならザン馬(笑)
「・・・ザ・ン・馬〜〜〜〜〜〜〜!!!」
(へ? へ? な、何をそんな激怒MAX状態なんですかリナさん!!)
 あまりの怒りのために瞳が本当に燃えているリナを見て硬直するザン馬!!
「ザン馬・・・今日は俺も庇ってやらんからな。」
 そしてそんなザン馬に背を向け食堂から出て行くガウリイ・・・庇った事ってあったか?
(ちょ、ちょっと!! ガウリイの旦那!! リナさんを止め・・・うぎゃ〜〜〜〜〜!!)
「夜空の星になってこ〜〜〜〜〜〜〜いぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
 リナの如意棒でのフルスイングを脇腹に受け夜空の星になるザン馬。
 ・・・まあ星座にはなれんだろうなザン馬のキャラだったら(笑)
「本当に間が悪過ぎるのよあの駄馬は!!」
 ・・・リナちゃん一応ザン馬って竜・・・いえ駄馬ですね、はい(汗)
 そうしてナレータにガンを飛ばしながらリナも食堂を去って行きました。



第三章.そして登場

 キラン!!
 ヒュ〜〜〜〜〜〜〜ンンン・・・・バシャァァァァァァァンンン!!!!
 庭の池に黒い物体が落ちて来る。
 そしてその隣には・・・
「おやおや、今度はお坊様の馬ですか? 生きてられますかね?」
 いや・・・あんたが生きてるだけでも凄いぞニンエ(笑)
「いえいえ、私も今さっきまで三途の川を半分渡ってましたよ。ハハハハ」
 ・・・朗らかに笑いながら凄い事言うなお前(汗)
 じゃあなんで今は無傷なんだよ?
「だって章が変わったじゃないですか。
 それなら端役は完全復活ですよ。」
 あの作者!! あのいい加減な設定まだ使ってるのか?
「・・・その設定が無ければ私2回は死んでるんですけど。」
(俺も多分落ちて来る前に燃え尽きてるぞ・・・)
 おおザン馬!! 星になりそこねて帰ってきただけあって復活が早いな!!
(・・・本当にな、流石に大気圏脱出と再突入の時は燃え尽きると思ったよ。)
 ・・・燃え尽きてるって(笑)お前大気圏突入ってどれくらいの温度か知ってるか?
(あまり聞きたくない・・・俺はもう寝る!!)
「そうですね、このまま池にいても風邪をひくだけですね。」
 そうし端役(ザン馬って端役か?)達は哀愁を背で表現しながら去っていった・・・

 そして次の日・・・

「紹介します・・・この方がお嬢様です。」
 ニンエが一人の若い女性を食堂に連れてきました。
 見目も麗しくかなりの美人です。
 豪華な服をさり気なく着こなし、高そうな扇子で口元を隠しています。
「成る程・・・化け物もさらいたくなるわね、こんな美人なんじゃあ。」
 そして隣のガウリイにちょっと不安げに視線を送ると・・・
「???????」
 何やらしきりに首を傾げているガウリイ。
 そのガウリイにお嬢様から声がかかります。
「貴方が私を助けてくれるお坊様ですか?
 嬉しいですわ貴方の様な方に助けて頂けるなんて・・・」
 少し顔を赤く染めながらお嬢様がガウリイに熱い視線を送ります。
「な、何を勘違いしてるのよ!!
 貴方を化け物から助けるのはあたしよ!!」
 そうです、結局身代わり作戦リナちゃんバージョンが採用されたのです。
 ・・・と言うより他に作戦を思い付かなかっただけ(笑)
「いいわねニンエ!! そのお嬢様を物置にでも放りこんどいてよ!!」
 ・・・過分に私情が含まれて無いかその隠れ場所(笑)
「そこが一番安全なの!!」
「じゃあ化け物は貴方にお任せします。
 ではそちらのお坊様は私の側にいて下さるのですね?」
 お嬢様の切り返しに一瞬言葉を詰まらせるリナ。
 こればかりはガウリイの判断に任せるしかなかった。
「・・・いや、それはニンエに任せる。
 俺はリナのサポート(やり過ぎない様監視する事)に付く。」
「ええええええええ!!!!!!!!」
 ・・・何故お前が悲鳴を上げるニンエ?
「・・・やっぱりな(ボソッ)」
 頭をかきながら呟くガウリイ。
 何を確信したんだガウリイ?
「ガウリイさんもしかして・・・」
「ああ、俺の目は誤魔化す事は出来ん。」
「ははああああああ・・・解りました私がお嬢様の隠れ場所の見張りをします。」
「あら残念ね・・・お前は一緒に隠れてくれないのニンエ?」
 色っぽい声でニンエにお願いをするお嬢様、しかし・・・
「お断りします。」
 即答を返すニンエ・・・
「???????」
 何やら盛大に溜息をつくニンエと渋い顔をしているガウリイ・・・
 それを不思議そうに見ているリナ・・・
 そしてちょっと残念そうな顔をしているお嬢様・・・
 ・・・何なんだろうなこの団体は(笑)
 緊張感って物がないよな緊張感がさ。

 そして馬小屋では・・・
「おいあの黒い馬なんで帽子なんて被ってるんだ?」
「知らないよ・・・何でもお屋敷に来られてる徳の高いお坊様の馬なんだって。」
「ふ〜〜ん・・・偉い人の考える事はわかんないな。」
「そうだね。」
 二人の馬の世話係の少年の話しを聞きながら・・・
(次話は絶対ここから動かん!!)
 と、心に誓う帽子を被った黒い馬でした(笑)

 

 

第八話         END
									第九話に続く

あとがき

・・・とうとうこの話しでもアメリア登場せず!!

ご期待されていた方済みません(汗)

次話では必ず出ます!!(と言うか出ないと話しが終わらない(笑))

こりゃ十話までにゼルがパーティーに参加するのは無理だな。

予定では八話で参加してる筈なのに・・・

まあ面白いからいいか(楽天的な作者です)

さて頑張って次話を書くかな・・・

では、また来週。

 

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