<真実への路>

 

 

第一部 第四話「再会」

 

(1)

 

 

 

 今・・・あたし達の船はある港街に入港しようとしている。
 長い航海だった、と思う。
 物思いにばかり耽っていたけど。
 同行している二人も始終無口だった。
 その事が更にあたしの苛立ちをつのらせた・・・

 

 でも、この航海をする事でガウリイに近づける。
 そう思う事であたしは自分の苛立ちを我慢していた。

 

「リナ、とうとう着いたわね。」

 

 船の甲板から港街を眺めるあたしの後ろから。
 アメリアが声を掛けて来た。

 

 あたしは後ろを振り向き、アメリアの顔を見詰める。

 

 強い潮風があたし達の髪をなびかせる・・・
 ゆっくりと・・・だが確実に視界にある港街は大きくなってい。
 後少しで新大陸にあたし達は到着する。

 

「そうね、アメリア・・・
 でもあのガウリイが王子様ですって?
 ・・・未だに信じられないわね。」

 

 おどけた仕草でアメリアに言葉を返すあたし・・・
 そのあたしの顔を心配そうに見詰めるアメリア。
 解ってる、ただあたしは空元気で騒いでるだけ・・・
 あの時フィルさんからガウリイの事情を聞いた。

 

 

 

「じゃ、じゃあガウリイは自分の国を立て直す為に?」

 

「そうじゃ・・・ガウリイ殿はその話と・・・
 後は政治的な話なのでな。
 リナ殿にもそう簡単に話せないんじゃ。」

 

 しかし、あたしはもうフィルさんの話を聞いていなかった。
 ガウリイが・・・王子様?
 そんな話・・・

 

「ルーク殿はガウリイ殿の幼馴染で配下の者らしい。
 そしてゼルガディス殿は・・・
 何やらガウリイ殿に請われて、付いて行ってるらしいのう。」

 

「ルーク・・・貴方は一体?」

 

「ゼルガディスさん・・・」

 

 あたし達は三人が三人共に、大きな衝撃を受けていた。
 やっと辿り付いた真実は、あたし達の想像を超えるものだった・・・

 

 そして・・・

 

 

 

「本気なのリナ?」

 

 旅の用意をしているあたしに、アメリアが声を掛けてくる。
 あたしは腰にブラスト・ソードを括りながら応えを返す。

 

「ここで諦めたら絶対に後悔するわ。
 あたしが満足出来る説明を、本人からしてもらわないとね。」

 

 翌日。
 フィルさんの教えてくれた事実から・・・
 取り敢えず、あたしは立ち直っていた。

 

 相変らずガウリイの真意は解らなかったが。
 少なくとも、あの夜の事が嘘だとは思えない。
 ・・・いや、思いたくない。
 その事実を確認しなければ、あたしは先に進めない。
 だから決めた。
 ガウリイを追って新大陸に行く事を。

 

「・・・で、貴方はどうするの?」

 

「私もはっきりと聞きたい事が、ありますから・・・
 御一緒します。」

 

 あたしの部屋の入り口にいたミリーナも、あたしと同意見のようだ。
 ・・・しかし、ルークにそんな価値があるのかしら?

 

「はあ〜・・・止めても無駄でしょうね。
 じゃあ、私の護衛役をしてくれます?」

 

 突然、アメリアが意外な発言をする。

 

「・・・何で?」

 

「親善大使ですよ、ガウリイさんの国とセイルーンが国交を結ぶらしいんです。
 それがガウリイさんが父さんに提案した、内容らしいですけど・・・ね。」

 

 勿論、あたしもアメリアもミリーナも・・・
 ガウリイとフィルさんの会談が、それだけでは無い事に気付いていた。
 それだけの話しなら、あたし達と別れる意味が解らない。
 何か他に理由がある筈なのだ。

 

「新大陸への船はセイルーンが責任を持って用意します。
 ・・・ですが、新大陸ではセイルーンの威光は通じません。
 そして不足の事態の為に、リナとミリーナさんが私には必要です。」

 

 今までは魔族の結界の為に、この大陸は他の大陸から孤立した状況だった。
 しかし、あたしと仲間達の活躍によって結界は弱まり。
 今では新大陸との間に、少ない数だが連絡船が通う様になっていた。
 ・・・かなり危険な船旅ではあるが。

 

「でも、どういやってガウリイさんはこの大陸に来たんでしょうね?」

 

 ミリーナがあたしにそんな質問をする。

 

「それこそ謎だわ・・・三年前にガウリイがどうやってこの大陸に来たのかわね。
 ルークは確実に結界が弱まってから、この大陸に来たみたいだけどね。」

 

 そして、あたし達の間に沈黙が落ちる。

 

 何か・・・巨大なモノが背後で動いている。
 それは確実に、ガウリイを中心にして起こっている。

 

 ・・・なのに、あたしはこんな離れた土地にいる。

 

「アメリア、受けるわよその依頼。」

 

「では、護衛料は友人価格にしておきますね♪」

 

「あ、あんた王族のくせにやる事がセコイわよ!!」

 

「あ〜ら、これもリナの教育の賜物ね♪」

 

「あ〜〜〜〜〜〜〜もう!! こいつは〜〜〜〜〜〜〜!!」

 

 

 

「アメリア王女、もう直ぐ港に到着します・・・礼服の御用意を。」

 

 向こうの大陸での事に思いを馳せるあたし達に・・・
 アメリア付きの侍女の一人が声を掛けてきた。

 

「解りました。
 ・・・リナ、じゃあ後でね。」

 

「ええ。」

 

 そして・・・
 あたし達を乗せた船は、ガウリイのいる大陸に辿り付いた。

 

 

 

(2)に続く

 

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