テンカワアキトの女難体験記J

 

 

 

馬の耳に念仏

 

 

この話は1人の男の、女心を解さない軽率な行動が起こした女難体験のお話・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

ある部屋の前で1人の女性が深呼吸をしている。金色の頭髪をした乙女の名はサラ。どうも緊張しているようだ。

 

「落ち着いてサラ。このドック入りが最後のチャンス、ここで皆を出し抜いてアキトをデートに誘わないと

 群雄割拠状態(笑)が続いたままになっちゃうわ。

 大丈夫、きっとアキトなら喜んでOKしてくれるはずよ!!」

 

ぶつぶつとしかも大声で独り言を言いながら彼女はもう一度深呼吸をする。

もちろん目の前の部屋はアキトの部屋だ。

彼女は勇気を振り絞ってチャイム(ここではチャイムある設定)を押した。

 

 

ピンポ〜〜〜〜〜ン

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・返事がないわね(汗)。」

 

アキトが出てくる気配がないことに不安感を募らせた彼女はもう一度チャイムを押した。

 

 

ピンポ〜〜〜〜〜ン

 

 

やっぱり反応がない。

 

「ど、どうしてアキトがでてこないのよ!!(汗)。」

 

彼女はむきになって立て続けにチャイムを連呼した。

 

 

ピンポ〜〜ン ピンポ〜〜ン ピンポ〜〜ン ピンポ・・・・ガー(ドアの開く音)

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・サラちゃん(怒)」

 

アキトが出てきた。その顔を見るだけで明らかに不機嫌なのが分かる。

だが恋する乙女には盲目でしかなかった。

 

「アキト、どうして一回で出てくれなかったの?。もしかして私を避けてるわけじゃないわよね(涙)。」

 

泣きそうな顔で訴えるサラだが、アキトはぶっきらぼうにこの言葉で返した。

 

「サラちゃん、・・・・・・・・・

 ナデシコの時計で今、午前の2時なんだけど(怒)。」

 

「あら、そうだったかしら。とにかくおじゃまするわね。」

 

彼女は不機嫌なアキトの手を取って強引に部屋に入った。そして畳に腰を下ろすとおもむろに口を開いた。

 

「というわけでアキト、明日のドック入りで休暇になるでしょ。だからね、私とデートしましょう?。」

 

「な、何がというわけなんだい・・・・・・・・・・・・・・・ぐ〜、ぐ〜。」

 

「ね、西欧では二人だけってできなかったじゃない、だからさ、映画とかショッピングとか・・・・・・・聞いてる?(怒)」

 

サラはジト目でアキトを見たがアキトはうつらうつらしていて反応が無い。彼女は彼の肩を揺さ振った。

 

「ちゃんと聞いて!!、ね、明日デートしましょ。

 そうね、ドック入りは明日の10時だから誰にも邪魔されないようすぐ展望台で。ね、約束よ。」

 

「わ、わかった、わかったから肩ゆすんないで・・・・・・・・・・・・・ぐ〜、ぐ〜。」

 

早く寝かせて欲しいのかはっきりしないままアキトは承諾をした。

 

「じゃあ明日の10時に展望台で。お休みアキト(はぁと)、チュッ!!、きゃ、やっちゃったわ!!(はぁと)」

 

寝ているアキトの頬にキスをしてサラは上機嫌に出ていった。

 

「・・・・・・・・・何時にどこだって?・・・・・・・・・・・まあいいかぁ・・・・・・・ぐ〜、ぐ〜。」

 

そういうなりラピスが寝ている布団の中に潜り込んでしまった。

そして完全に眠りに入ろうとしたその時、またチャイムが鳴った。

 

 

ピンポ〜〜ン

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

ピンポ〜〜ン

 

「・・・・・・・・・・(うるさいなぁ)」

 

 

ピンポ〜〜ン、ピンポ〜〜ン、ピンポ〜〜ン、ピンポ〜〜ン

 

 

「・・・・・・・・・・(いい加減にしろよ!、サラちゃんどういうつもりだ)」

 

けだるそうに布団からはいでてドアを開けた。そこには銀髪の美少女アリサがいた。

 

「どうして一回で出てくれなかったんです?、もしかして私を避けてるわけじゃないですよね(涙)。」

 

「(さっき誰かが同じセリフを言ってたような?)。

 アリサちゃん、今午前2時だって分かってる?(怒)

 

 

「ごめんなさい、わかってませんでした。ところで明日の休暇のことなんですけど・・・・・・・・・・・。」

 

アキトの文句には耳も貸さず彼女は勝手に彼の部屋へ上がり込んだ。

そしてお約束どおり姉サラと同じセリフ言った。

 

「アキトさん、私と明日デートしてくださいませんか?。

 明日から休暇ですし、その、西欧方面ではふたりっきりでってなかったわけで。

 ね、いいですわよね?(はぁと)」

 

「ええっと、誰かが同じセリフ・・・・・・・・・・・・・・ぐ〜、ぐ〜。」

 

「でもへたにお互いの部屋の前で待ち合わせるとどんな邪魔が入るかわからないじゃないですか。

 だ・か・ら、10時に展望台の上でってことでどうですか?、・・・・・・・・・・聞いてます?(怒)」

 

「・・・・・・・・・・・・・え、なんだって?。」

 

アリサはムッとしてアキトの肩を揺さ振った。

 

「ちゃんと聞いててください!!。」

 

「あーーー、だから肩を揺すらないでってさっき言ったじゃん!!」

 

急に怒り出したアキトにアリサはびっくりした。

それにしてもアキトはいつ自分に肩を揺さ振るなと言ったのか、姉のサラに対して言ったことなど知る葦も無い。

 

「と・に・か・く、明日の10時に展望台ですよ!!、アキトさん(はぁと)」

 

「わ、わかったから、何度も言わなくても・・・・・・・・・・・・・ぐ〜、ぐ〜。」

 

アキトはサラとの会話をごっちゃにしたまままたしても曖昧に承諾をしてしまった。

 

「絶対来てくださいね、ってもう!、すぐ寝ちゃうんですから。でもそこがアキトさんのい・い・所(はぁと)、

 それじゃあ・・・・・・・・・・チュッ!、きゃっ、やっちゃいました!!(はぁと)」。

 

こうして姉と全く同じ方法でアキトの頬にキスをするとアリサは上機嫌で出ていった。

 

「・・・・・・・・・アリサちゃんなんか言ったのか?、あ、いや、サラちゃんだったか・・・・・・・・・・まあいいか。」

 

こうして彼は再び布団の中に潜り込んで今度こそ深い眠りについた。

彼女達の話をよく聞かなかったことが、女難への道に進んでしまう事になるとも知らず

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ラピスよく起きなかったな。

 

「私眠りが深いんだよ〜、むにゃ、むにゃ。」

 

深すぎない?・・・・・・・(BY作者)

 

 

 

 

 

 

 

翌日10時、ナデシコは補給のためドック入りしていた。そして展望台にはサラがいた。

デートのためにおめかし(死語?)している。

 

「ちょっと早く来ちゃったかしら。こっちから誘ったんだから早めに来ないとね(はぁと)」

 

ワインレッドのワンピースに金色のピアスを付け、ピンクの口紅をしている。

この姿でナデシコを歩けばかなりの男性クルーが声をかけるだろう。

 

「そろそろ10時ね、アキト早くこ・・・・・・・・・・・・・・む!?、人の気配!。」

 

彼女は展望台の入り口から顔だけ出して除いた。すると向こうから人が歩いてくる。

その距離約10メートル(すげーなおい!!、この距離でわかるのか)。

向こうもサラに気づいたのか小走りしてきた。

 

「(よおし、思いっきり抱き着き作戦よ!!)。・・・・・・・・・・・・・・・・・ア・キ・ト!!(はぁと)」

 

がばっ!!

 

サラはやってきた人物に思い切り抱き着いた。

 

「時間どおり来てくれたのね。アキトの暖かみをちょっとだけ堪能・・・・・・・・・・細身すぎない?、やせたアキト?、

 あれ?、あなたは・・・・・・・・・・・・・・アリサ!?」

 

「姉さん、姉妹でこういうことしてると誤解されそうなんで離れてもらえます(怒)。」

 

アリサもまたえらくおめかししていた。

アラン模様のさわやかなライトグリーンのセーターに薄いベージュのスカート、

長めの靴下を履き、これもまた男性クルーの目を引く事間違いなしである。

 

「あ、あなた何しに展望台に?」

 

「そういう姉さんこそ?。」

 

「「私はアキト(さん)と待ち合わせるためにここへ・・・・・・・・・・・・・え?」」

 

はもった2人の声が無人の展望台にこだました。

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから私はアキトとここで待ち合わせたって言ってるじゃない!!」

 

サラがアリサに向かって吠えている。

 

「アキトさんと展望台で待ち合わせたのは私です!!。姉さんのは何かの間違いでしょう!!」

 

アリサも負けじと姉に向かって吠えた。

 

「私は昨日の夜アキトに約束したのよ!!。」

 

「じゃあなんでアキトさん来ないんですか!!、もう10時とっくに過ぎてるじゃない!!」

 

「それはあなただって同じでしょ!!」

 

不毛な言い争いをしている2人だがアリサがあることに気づいた。

 

「姉さん、アキトさんに約束したのって昨日の何時ごろですか?。」

 

「え、確か午前2時ごろだったかしら。あなたは?」

 

「2時ちょっと回ってから。そう言えばアキトさん妙なこと言ってましたわ。

 何度も肩ゆするなって・・・・・

 もしかして姉さん・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

「え、ええ。聞いてないみたいだったから肩揺すったけど・・・・・・・・・・・・・

 もしかしてあなた、わたしの後に?」

 

「多分そうだと思います。ということはアキトさん・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

 

「「二股!!(怒)」」

 

彼女達はとっさにコミュニケで通信を取ろうとしたが反応が無い。

 

「アキトでないわ。」

 

「こっちもだめです。もしかして二股かけたことを悩んでいるのかしら。アキトさんってすぐに抱え込みますから。」

 

2人はアキトがすぐ悩むことを知っている。

二股かけたのは許せないが(彼女達が一方的に約束しただけなんだが)

責任を感じて出てこないと思ったのか2人は機嫌がよくなった。

 

「しょ、しょーが無い人ね。じゃあ今回だけは特別に3人で行く?」

 

「そうですね。今回だけですからね(はぁと)。」

 

サラとアリサは展望台から出てアキトの部屋まで行こうとした時、ルリと会った。酷く機嫌が悪そうだった。

 

「・・・・・・・・・・・・お2人ともお綺麗な格好ですね。お出かけですか(怒)。」

 

「え、ええ(まずい所で会っちゃいました)。ルリちゃん機嫌悪いみたいですけど・・・・・・・・。」

 

「別に悪くないです。ラピスに先こされてアキトさんとデートしてるからって別に怒ってません。

 私を誘ってくれなかったアキトさんに、後でお仕置きしようなんて思ってません(怒)。」

 

「「えっ!?・・・・・・・・・・・・・・・・・ア、アキト(さん)絶対許さない!!(怒)」」

 

 

 

 

 

 

「へっくしょん!!」

 

とある喫茶店でアキトがくしゃみをした。

 

「あ〜、なんだ?、もしかしてまだ風邪が治ってないとか(前回参照)。」

 

彼の横ではラピスがチョコパフェをおいしそうにほおばっている。

ラピスにせがまれてデートをしているのだ。

 

「おいしいか、ラピス。」

 

「うん、アキトのもおいしいけどこっちのもおいしい(はぁと)」

 

「そっか。それにしてもな〜んか忘れてる気がするんだよな。」

 

アキトはずっとそればかり言っていた。ラピスはちょっとムッとしている。

 

「アキトそればっかり!、私とのデートに集中してよ(怒)」

 

「はは、ごめんごめん。そうだなせっかくのデートなんだから・・・・・・・・・・デート・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・デート?・・・・・・・・・・・・あーーーーーーーーーーーーー!?」

 

そういうなり彼はラピスを置いて全速力で走り出した。

 

「ア、アキトどこ行くの!?、わたしお金もってないよ!!。道もわかんないし!!。」

 

ラピスの言葉など届いていようはずがない。彼はただひたすらナデシコに走っていた。

 

「そうだよ!、デートだよ。確か昨日の真夜中にサラちゃんと約束してたんだ。10時にって、

 もう11時じゃないか!!。それだけじゃない、その後アリサちゃんが来てた気がする。やばい

 やばいやばいやばいやばい!!。」

 

そしてナデシコにつくや展望台まで更に猛ダッシュ。そして・・・・・・・・・・・・・

 

「はあはあはあはあはあ。い、いない。そうだよな。いるわけないよな・・・・・・ん?」

 

後ろで強烈な殺気を醸し出しているのに身震いしながらアキトは振り向いた。

そこには般若面したサラとアリサがいた。

 

「あら、アキトどこか行ってたのかしら(怒)」

 

「ラピスちゃんとデートなんてことないですよね(怒)」

 

「(あたりまえだけど怒ってるよ)。2人とも・・・・・・・・・・・・・・・・・・、その服とっても似合ってるよ。」

 

「「えっ(はぁと)。本当に!!、なんていうわけじゃない(ですか)!!(怒)」」

 

2人は猛烈に怒り出した。

 

「ちょっと2人とも俺の話を聞いて!」

 

「そんなの馬の耳念仏よ!!」

 

「っていうかアキトさんの耳が馬なんですよ!!。昨日あれほど約束したのに!!」

 

「だってあんな時間に言われりゃ・・・・・・・・・・・・・うっぎゃー!!

 

アキトの絶叫が無人の展望台にこだました。

 

 

 

 

 

 

アキトは自室でうな垂れていた。結局明日と明後日2人とデートする事になった。

 

「またこれか。貴重な3日間の休暇だったのにな。」

 

ちゃんと聞いとけばよかったと後悔している所へコミュニケから通信が。相手はプロスだった。

 

「アキトさん困りますなぁ。」

 

「え、なんすか?。」

 

「ちゃんとラピスさんを連れて帰っていただかないと。私父親だと思われてえらい恥かきましたよ。」

 

「あっ!?、そうだった!!。」

 

横にいたラピスの形相は口では説明できない。そしてその後アキトがどんな目にあったか・・・・・・・・・・・

哀れなりテンカワアキト。

 

 

 

作者からの教訓・人の話はよく聞きましょう。

 

 

 

 

作者の話(たわいないけど)

 

 

ども、3104です。今回のゲストはハーテッド姉妹です。

「通信士のサラです。」

「パイロットのアリサです。」

「ではお2人に今回の話の感想おば。」

「酷いです。前回イネス先生があれだけ優遇されたのに(涙)」(アリサ)

「あなたはまだいいじゃない。本編では月でデートしてるし、私は

 まだ一回もよ(涙)。3104さん、今度私もデートさせてもらえない?」(サラ)

「話が思い付けばいくらでもしますよ。」

「思い付かないの?」(サラ)

「そろそろスランプです。っていうかネタ切れとも言いますか。」

「ならなんで一週間なんて早いペースで出してるんです?」(アリサ)

「そうよ、Benさんに迷惑でしょ」(サラ)

「あ、あら。なにか話がずれてきたな(苦笑)。ではお2人に今後の抱負を」

「「皆さん!!、アキト(さん)と幸せな家庭を築くのは私よ(です)。応援よろしくね」」

「ちょっとアリサ、なんで私とはもるのよ!!」(サラ)

「姉さんこそ!!」(アリサ)

というわけで最後まで歩調のあわない姉妹でした。それではまた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

3104さんから十一回目の投稿です!!

気が付けば、もう十一回目の投稿作品ですね〜

いや〜、有り難い事ですね、本当に。

実は3104さんには、本編の『ラグナ・ランチャー』の名前を考えてもらったんですよ。

色々と相談にものってもらってます!!

しかし・・・自分のアイデアより、他人のアイデアを採用する俺って(苦笑)

さて、今回の主役はあの双子です!!

う〜ん、この二人は本当にBenのオリジナルキャラですからね〜

活躍してくれて嬉しいですね〜

まあ、ラピスが不幸になってましたが(苦笑)

多分、後日にでもルリと一緒にお仕置きされたでしょうね、アキト君(笑)

 

それでは、3104さん投稿有難うございました!!

 

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