時の流れに番外編

 

 

 

ナデシコ的三国志

 

 

二話、趙雲阿斗を救出し張飛長坂橋で勇躍する・後編

 

 

 

前回までのあらすじ

 

 

 

曹操軍の南下に際し、江陵城へ逃げ落ちていく劉備。

だが騎兵五千の追撃隊が劉備一行の後方に迫り、戦いがついに始まった。

その中で劉備の新参、趙雲がその包囲網を無双の武勇で突破。

当陽の長坂橋まで逃げ切り劉備達と再会を果たす。

だが曹操軍はすぐそこまで迫っている。

それを食い止めんと猛将張飛が長坂橋の前に立ちふさがり迫りくる敵を前に闘志を燃やしていた。

 

 

 

「リョーコちゃんアキトにけちょんけちょんにのされちゃったんだってね。」

 

「ぐっ!?(冷や汗)」

 

開口一番曹操ユリカにイヤミを言われて(悪気なし)張遼リョーコはうろたえた。

 

ユリカは実は豪華な装飾をした馬車からリョーコに話し掛けている。

本来は馬に乗っているべきはずだが疲れるからと駄々をこねて馬二頭で走らせていた。

ちなみに御者は奇略縦横の軍師荀ケジュン。ユリカに命じられていやいやながら馬を操縦していた。

 

「はあ、僕はナデシコでは馬術が得意って履歴書に書いたんだけど・・・・・・・・・・・・・・・・・

 誰も覚えてないよね(涙)。」

 

「ジュン君わけわかんないこと言ってないでちゃんと前見て運転(?)してね。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・はい(涙)。」

 

ユリカに文句を言われて悲しそうな眼をして彼は馬を走らせつづけた。

 

「リョーコさんが負けたことなんてどうでもいいですけどアキトさんって実際に見た感じどうでした?」

 

なぜかユリカと同じ馬車に乗っていた程cメグミが嬉しそうに質問した。

 

「テメーこっちは死にかけたんだぞ!!。

 ・・・・・・・・・・まあそれはそれとして半端じゃねー武力の持ち主だぜ。

 言い訳したくねーけど殺す気でやりあっても勝てねーかも。」

 

「そんなこと聞いてるんじゃありません!。カッコよかったかどうかです!!」

 

「この策士が・・・・・・・・・・・(怒)。

 ま、まあカッコよかったんじゃねーか。

 それなりに(顔真っ赤)。」

 

そっけない返事だが顔が真っ赤な時点でアキトがかなりのいい男なのは明白である。

ちなみにリョーコは馬車と同じ速度で平行して馬を走らせながらしゃべっている。

 

「な〜るほど!、リョーコちゃんのおめがねにかなったというわけね(怒)。」

 

「リョーコさん抜け駆けしたりしてないでしょうね!!(怒)」

 

ユリカとメグミがリョーコにしつこく絡んだ。

 

「お、俺は別になにもしてねーよ!!。

 ただあいつが猛将っていうからどんなやつかと思ったけど。

 かわいいなんて場違いなこと言うからよぉ・・・・・・・・・・・・。」

 

 

「「ムカ!!(怒)」」

 

 

リョーコののろけを聞いた瞬間ユリカとメグミは憎悪の眼でリョーコを睨んだ。

 

「なんですかそれ!、自慢してるんですか!!(怒)」

 

「リョーコちゃん!、私が先に眼をつけたのに!!、この泥棒猫!!(怒)。

 給料下げてやるんだから!!」

 

「テメーらいいかげんにしやがれ!!、俺はただなぁ・・・・・・・・・・・。」

 

3人で恋のさやあてをしていると前方に橋が見えてきた。

 

「なぁに、あの橋?」

 

ユリカがハテナな顔で独り言を言うと、護衛の許チョイツキがやはりリョーコ同様馬車と平行しつつしゃべり

かけてきた。

 

「ユリカ先輩、あれは長坂橋という橋です。

 あら?、誰かが手前に立っている・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

「あいつは張飛アリサ!!

 

猛将名高いアリサと面識のあるリョーコは思わず叫んだ。

そしてなれない恋愛模様に顔を真っ赤にしていた女の子が一瞬にして元の武将の顔に戻った。

 

 

 

 

 

 

長坂橋の前で自慢の獲物神々の槍(ヴァルキリーランス)を構えながら、アリサは深呼吸をした。

 

すでに肉眼で確認できる距離にナデシコAの軍勢が迫っている。

だがアリサに恐怖はなくむしろ言い知れない武者震いさえしていた。

 

「騎兵五千、正に疾風の速さですわね。

 でも私がここにいる限り姉さんの元へは一歩たりとも近づかせません!!。」

 

闘志を燃やしながら正面を見据えるアリサ。

するとナデシコAの軍勢は目前まで迫りながら突然進撃をストップしてその場で停止した。

 

「?」

 

アリサは彼らの真意を量りかね怪訝な表情をしていた。

 

「どういうつもりですか?、一気に進撃してこないなんて。」

 

 

 

 

ナデシコAの軍勢はアリサの位置から約100メートルほど手前で停止をしていた。

一気に進撃なかったのはユリカの意思ではなくリョーコが止めたからだった。

 

「ぶ〜、なんで一気にアリサちゃんを押しつぶさないの?」

 

子供のような態度でユリカはリョーコにくってかかった。

リョーコは動じることなく冷静にユリカに言葉を返した。

 

「あいつは屈強の猛者だ。数に任せるだけの戦い方じゃあ返り討ちにあっちまう。

 それに橋を背にしてる、いわゆる背水の陣状態だ。

 勢いに任せるなんて甘いこと言ってると俺みたいに手痛いしっぺ返しを食らうぜ!。」

 

さすがは戦闘のプロ。状況を極めて冷静に判断した見事な意見である。

 

「じゃあどうするつもりなんですか?。

 このままじっとにらみ合ってたらアキトさんに逃げられちゃう!!。」

 

逃げられて困るのは劉備だろ、ジュンはメグミにそう言おうと思ったが怖いのでやめた。

 

「ふふふ、私に考えがあります!!」

 

ユリカは自身たっぷりに言い放つと自ら前線へ出ていくため、ジュンに馬車を走らせた。

 

「何する気かな艦長?。」

 

ヒカルがもっともなことを口にした。

 

「万が一のことがあると困るからね、ついていくよ。」

 

イズミに促されリョーコとヒカル、そしてイツキも後を追った。

 

 

 

 

ユリカは最前列までくると馬車から出てきて、大声でアリサに声をかけた。

 

「うお〜い、アリサちゃん、元気〜。顔を合わせるなんてひっさぶりだね(はぁと)。」

 

劉備達は呂布討伐の直後、曹操に身を寄せている。

なのでユリカとアリサは面識があるのだ。

 

「あ、相変わらずでかい声ですね・・・・・・・・・・・・・。

 何か用ですかーーーーーーーーーーーー!」

 

アリサも負けじと大声で怒鳴った(緊張感のない会話だ)。

 

「サラちゃんに話があるのー!、それともアリサちゃんや市民を見殺しにしてもう逃げ去っちゃったかなー!」

 

ユリカの手厳しい一言にどうするべきか迷ったアリサ。

その直後橋の向こうからアリサを呼ぶ声が。

 

「アリサ、私もごいっしょしていいかしら?」

 

「ね、姉さん!?、どうして戻ってきたんですか!?」

 

「あなたを変わり身にして逃げるわけにはいかないでしょ。

 艦長は私と話としたがってるんだから。」

 

サラは馬を歩かせ橋を渡りアリサの横へ立った。

 

 

 

 

「お久しぶりねー、艦長!!」

 

「さすがサラちゃん、臆面もなくよくユリカの前に顔を出せたねー!

 せっかく優遇して左将軍にしてあげたのに、逃げ出した挙句官渡の戦いでも邪魔ばっかしてさー!」

 

サラは言い返すことができず、悔しそうな表情をしている。

 

「本来なら三族皆殺しものだけどさ、私はと〜っても心が広いから!

 降伏するなら許してあげてもいいよ!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 もち条件つきだけどね!」

 

「(条件つきですって!?、とてつもなくいやな予感)条件って何よ!」

 

サラが叫ぶとユリカは20メートルほと手前に進んだ。

リョーコ達もあわててついていく。

 

「真っ黒な鎧を着たと〜ってもかっこいい人があなたの部下にいるでしょ!。

 その人をこちらに引き渡せば許してあげてもいいかなぁ〜。」

 

サラはいやな予感が当たったと冷や汗を流した。

 

「そ。そんな人いないわ!」

 

「ごまかしたってだめですよ!」

 

メグミも大声で参戦してきた。

 

「ちょっとメグちゃんは黙ってて!!

 リョーコちゃんをかる〜くひねりつぶした人、

 名前は趙雲アキトでしょ!」

 

サラは露骨に嫌な表情をした。隣のアリサも然りである。

彼女達にはユリカがアキトを要求する理由が武力等ではなく、

女として男を欲しがっているということが女の勘でわかったからだ。

 

「姉さん、まさかアキトさんを渡す気はないですよね?」

 

「愚問でしょ、私のアキトを他の女なんかに渡す気はさらさらないわ!」

 

「だから所有物扱いはやめてくださいっていってるじゃないですか!!」

 

「いいのよ!、私達は天下を統一した後は二人きりで幸せに暮らすんだから!!

 あなたは黙ってここで仁王立ちしてなさい!!」

 

突如二人が喧嘩を始めたのでナデシコAの兵士達はあっけに取られた。

 

「むこうはむこうで彼を取り合ってるんだね〜。」

 

ヒカルがメガネ(?)を吹きながらうれしそうにつぶやいた。

 

「あいつらこの状況わかってんのか?・・・・・・・・・・・・・・・、ん、また橋の向こうから誰かが・・・・・・・・・・。」

 

人のことを言えないリョーコが橋を渡ってくる騎馬に気づいた。

その漆黒の鎧ですぐに先ほど剣を交えた男、アキトだとわかった。

よく見ると手前に誰かを乗せている。かなり小柄だ。

 

「さっきの女の子か?、ありゃ、違う。」

 

その少女は水色の髪をし、白羽扇を手に持っていた。

そう、諸葛亮ルリである。

 

「お二人ともいい加減にしてもらえませんか?」

 

ルリがけだるそうにサラとアリサをたしなめた。

 

「「ルリちゃん何しにきたの(ですか)?」」

 

「いえ、先ほどの降伏の条件を聞いていたもので。

 ここは条件となっている本人にでばってもらおうと。」

 

ルリはそう言って後ろを向きアキトに微笑んだ。

アキトは苦笑している。

そしてアキトはルリに言われるままに更に馬を歩かせた。ユリカ達までの距離約30メートルまで。

 

 

 

 

「いや〜ん、やっぱ実物のほうが断然いい〜(はぁと)。」

 

ユリカが身をよじらせている。

 

「荊州を得るよりずっと意義がありそうですね(はぁと)。」

 

メグミも嬉しそうだ。

 

「ふ、二人とも何言ってるんだよ(確かに)。

 所であの女の子は?」

 

ジュンが質問するとイツキが答えた。

 

「あの女の子は諸葛亮ルリ。

 最近劉備サラが三顧の礼をもって迎えた軍師です。」

 

「ぐ、軍師?、あんな小さな子が?」

 

ジュンは納得できなかったようだ。

そしてその言葉が聞こえたのかルリはこめかみがぴくっと動いた。

 

「どうしたの、ルリちゃん?」

 

「いえ、別に。ただ悪口を言われたようで。

 それより艦長に話をつけなければなりませんね。」

 

アキトは真剣な表情のルリを茶化すつもりでジョークを口にした。

 

「はは、向こうの要求どおり俺を引き渡せば助かるかもよ。」

 

アキトさんを渡すくらいならここでアキトさんを殺して私も死にます(真顔)。

 

ルリの尋常ならざる瘴気(笑)にアキトは乾いた笑いでごまかした。

 

「は、ははははははは。そう言ってもらえると安心だね(どこが?)。」

 

ルリは正面に向き、ユリカに自己紹介を始めた。

 

「中原の覇者、曹操ユリカさん。

 初めまして、私が諸葛亮ルリ。三国志でもっとも有名な軍師です。」

 

「ふ〜ん、あなたそんなに有名なの?、

 なんか単なるお子様にしか見えないけど。」

 

「!?(さすがは艦長、三国志になっても悪気のないイヤミを)。

 まあ自己紹介もほどほどに、先ほどの降伏の条件を改めて提示していただきたいのですが。」

 

ユリカはうっとりとアキトを見ながら口を開いた。

 

「ルリちゃんの後ろにいるアキトをこちらに引き渡せば、助けてあげないこともないよ〜(はぁと)。

 アキト、あなたもこっちに来たいでしょでしょでしょでしょ!!(はぁと)」

 

続けてメグミもアキトを勧誘しはじめた。

 

「ナデシコAは天下を統一するんですよ。

 今のうちにこっちについたほうがいいと思いますよ(はぁと」)

 

アキトはその問いには答えず、逆に質問をした。

 

「そっちに徐庶チハヤって女の子がつかまっていると思うけど、

 彼女はどうしている?」

 

アキトは捕まったとの噂のある女の子参謀チハヤのことをたずねた。

アキトにとっては他意はないが、ユリカ達は自分を無視して他の女を心配する彼にムッとしたようだ。

 

「なによそれ!!、私よりそんな子がいいって言うの!!(怒)」

 

「他の子を心配するなんて酷いです!!アキトさん!!(怒)」

 

ユリカとメグミが続けざまに文句を言う。そしてルリも怒っていた(笑)。

 

「まさかチハヤさんとの身柄を交換条件にするつもりではないでしょうね(怒)。

 それとも彼女達にたぶらかされたとでも(怒)。」

 

「い、いや。ただ俺は彼女が心配で・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

 

「「「それが許せないのよ(です)!!(怒)」」」

 

 

「は、はあ。(俺なんで三国志に来てまでこんな目にあってんだ)。」

 

業を煮やした煮やしたユリカが強圧的な態度に出た。

 

「とにかく!!、死にたくないならアキトをこっちに渡しなさい!!」

 

だがルリは気圧されることはなかった。

そして奇妙な行動に出た。

右腕を水平に上げ、親指を上に立てた。

そして左へ動かし親指を90度左へ曲げ、親指を自分の左肩に近づけた。

 

そして左から右へ首を経由するように親指をゆっくりと引き、、

 

 

ギー・・・・・・・・・

 

 

そして親指を下にして思い切り降ろした。

 

 

ドン!!

 

 

そう、いわゆるひとつのケンカの売り買いの動作、

昔某有名プロレスラーが使った挑発である。

その意味は死なす、ケンカはイツでも買うぞ、ぶちのめす、死にてーのかこら、おととい来やがれ、寝言は寝て言

え等など。

そしてその意味を察したユリカは達の怒りは正に怒髪天を突く状態になった

(そりゃそーだ、11歳の子供に真顔でケンカ売られりゃ)。

 

「むっかー!!、ルリちゃん子供の癖になんて下品なことを!!(怒)」

 

「私少女です。これでわかったでしょうけど、アキトさんは私のものです。それでは。」

 

ルリはアキトの方を振り向くと顔を赤らめながら、そしてユリカ達に見せ付けるように彼の頬へキスをかました。

 

 

「「「「「あーーーーーーーーーーーーー!!(怒)」」」」」

 

ユリカ、メグミ、リョーコ、サラ、アリサの怒りの絶叫が当陽にこだました。

ユリカ達は言うに及ばず、サラとアリサの位置からもルリの動作が見えたのだ。

彼女達の嫉妬の目がアキトに集中した。ついでに兵士達からのも(笑)

アキトは周囲のとてつもないプレッシャーを感じながら馬首を返して橋の方へ一目散に逃げた。

ユリカ達の怒りを止める者なぞいようもなく、彼女達にはなにか取り憑いているようだったと兵士達は後に

語った。

 

 

 

 

「みんななにぼーっとしてるのよ!!、早くあの子憎たらしい子供を始末しに行きなさい!!」

 

ユリカはナデシコAの方へ戻りわめき散らした。

だが兵士達はおいそれとは動かなかった。

橋の手前に陣取るアリサの武勇は尋常ではない。

ただ打ち掛かっては無駄死にするだけなのだ。

 

「んもぅ!!、みなさんそれでも男なんですか!!(怒)」

 

メグミが好き勝手なことを言っている。

彼女もルリの挑発には相当頭にきているようだ。

 

「そうよそうよ!!、それでも男な・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 そうだわ!!。

 皆さん!!、あの張飛アリサを捕らえた暁には・・・・・・・・・・・・・・・・彼女自身をあげちゃいま〜す!」

 

 

「なんと!!」×兵士達全員

 

このユリカの言葉で整備班・・・・・・・・・・・・・じゃなく兵士達はいろめきだった。

 

「あんないい女が俺のものに」

 

「好みだったんだよ!!」

 

「捕らえたらあんなことしてこんなことして(どんなことだ?)」

 

そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、兵士達は疾風のごとくアリサの元へ向かっていった(それでいいのか?)。

 

 

 

 

アリサは自分のほうへ向かってくる有象無象の様子が尋常でないことに気づいた。

あらゆる意味で(笑)。

 

「な、なにかとてつもなく邪まな気を感じますわ(冷や汗)。

 ですが来るなら来なさい!!。それと、ルリちゃん後で覚えてなさい!!(怒)」

 

そしてついに戦闘が始まった。

そしてそれはアリサの武勇を天下に知らしめる結果となった。

 

      ザン!!

 

ドシュ!!

 

     ザシュゥゥゥゥゥ!!

 

アキトにも劣らないすさまじい槍裁きで次々と群がってくる敵を蹴散らすアリサ。

だが兵士達も数に任せ次から次へとアリサめがけて突進してくる。

しかしアリサは気後れせず屍を増やしていった。

 

「なんでよ〜、あれだけいてなんで一人にいいようにやられてるの〜(涙)」

 

ユリカが無駄に増えていく犠牲者を見て嘆いた。

 

「だからあいつは強いって言っただろうが!!」

 

リョーコはユリカをたしなめた。

そして兵士達にも変化が表れた。

当初はアリサを自分のものにしようとして捕らえることに専念していたが、

とても無理と判断して本気で殺しにかかっていた。

 

「む!?、敵から邪念がなくなりました!!。

 ついに本気になったというわけですね。

 いいでしょう!!。こっちも手加減しません!!」

 

「えやあ!!」

 

アリサの槍が敵を貫く。

 

「うげ!?」

 

「ごが!?」

 

「はらば!?」

 

「だから名前くらいだせっての!?」

 

そのあまりの強さにナデシコAの兵士達も弱腰になり動きが鈍り、

ついにはアリサを恐れ距離をとり再び均衡状態となってしまった。

 

「ちっ!、臆病ものどもが!!」

 

兵士達を罵るリョーコがアリサに向かっていった。

 

「リョーコ!!」

 

イズミが彼女を案じ一声かけた。

 

「前とおなじミスはしねーよ!!」

 

リョーコは微笑んだ。

そしてアリサまでの距離なんと、10メートルということで止まった。

 

「なんでリョーコさん動かないんですか?」

 

メグミが質問するとイズミが答えた。

 

「あの子はアリサが自分に向かってくると思ったんだ。

 でも動かなかった。恐らく橋から離れることで他の兵士達に橋を渡られることを懸念したんだね。

 かなりやるわ。」

 

しばらくの均衡状態、そして両者が動いた。

 

「一の太刀・飛燕!!」

 

リョーコの居合抜きがアリサに飛んだ。

だが、

 

「月皇襲雷!!(ムーンストライク)」

 

球体のようなそれを放ち、両者の技が激突。

互角の威力だったのか飛燕は球体を切り抜けず、球体も飛燕を飲み込めず、

双方の技は中間で爆発した。

威力で当陽が、そして長坂橋が揺れた。

 

「へっ、相変わらずやるじゃねーか、アリサ。」

 

「あなたもね、リョーコさん。」

 

二人は嬉しそうに寧猛な笑みを浮かべた。

 

「今日の所はこれで引きますわ。

 ではまた。言っときますけどアキトさんは渡しませんわ!!」

 

「ぜってー手に入れるぜ!!」

 

女の戦いの方もひとまず引き分けとなった。

アリサは橋を渡り再びリョーコの方を向いた。

そして、

 

「とりあえず、勝負はお預けです!!

 月皇襲雷!!

 

 

 

グオオオオオオオォォオオン!!

 

 

 

グアッシャーーーーーーーーーーーン!!

 

 

球体が橋の中央につき、そして橋は破壊された。

アリサは一礼するとサラ達に追いつくべく馬を走らせた。

リョーコは苦笑していた。

だがユリカ達は納得できるわけがない。

 

「なんで逃がしちゃったのよ!!」

 

ユリカの当然の文句もリョーコ苦笑でごまかした。

 

「まあいいじゃねーか。

 ほら。迂回して追うぜ!!」

 

リョーコは嬉しそうに先頭を走っていった。

 

 

三話へ続く

 

 

ドクターイネスの三国志講座

 

 

皆さんこんにちは、みんなの説明おねえさんことイネスよ。ここでは三国志のことを少しだけ紹介するコーナー

なの。

今回は武将紹介第二回よ。

 

ナデシコ的武将列伝その二

 

4、荀ケ文若役・アオイジュン

挙兵当初弱小勢力に過ぎなかった曹操に人材を提供した、魏国建国の功臣。荀攸、郭嘉、戯志才、程c、

そして司馬懿を推薦したのは彼なのよ。

つまり魏の軍師達はほとんど彼がネットワークを形成していたわ。魏を支えたのは優秀で豊富な人材だと

言われるけど、そう考えると彼こそ正に魏の魂ね。でもそんな荀ケも晩年は曹操と不仲になって病死したわ。

一説には空の箱を送られその意味を察して自殺したとも

(空だと言えば主君の恥じとなり入っていたといえば嘘をついたといわれる)。

ただ信憑性がいまいちなのでやはり自殺説が濃厚かしら。

 

5、程c仲徳役・メグミ・レイナード

180以上の長身と見事なひげを蓄えていた気骨のある参謀。曹操に仕えた時点ですでに50を越えていたん

だからよっぽど優れた人物だったのね。性剛れいにして人と多くたがう、すなわち一本気で剛直、協調性に欠け

、人と衝突することが多かったそうなの。でも曹操からの信頼は厚かったわ。

80という当時では非常に長命だったのも特筆ね。

 

今回は2人とやや少なめだったわね。あんまり紹介すると別の方面へ行ってしまうから。

次回はこの戦いの舞台となった当陽のことを語るわ。楽しみにしててね(はぁと)。

ところで私いつになったら話にでてくるのかしら?

 

 

 

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

3104さんからの連載第二話の後編です!!

う〜ん、見事にもつれてるなアキトの女性関係(爆)

三国志にいこうが、本編だろうが、アキトの女難は終らないと・・・そういう事ですな(苦笑)

しかし、ユリカの我儘ぶりの凄い事。

う〜ん、一番生き生きとしてるかな?

ジュンもハマリ役だし(笑)

でも、ナオの配役が凄く気になるな〜

さて、一体誰になるんでしょうね?

 

それでは、3104さん投稿有難うございました!!

 

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