時の流れに番外編

 

 

 

ナデシコ的三国志

 

 

九話、呉軍合肥を攻めるも策にはまり撤退する

 

 

 

前回までのあらすじ

 

 

 

雄大なる長江を挟み長期戦を続けていた魏呉両軍のにらみ合いは、呉の焼き討ちによりついに決着。

魏の曹操はほうほうのていで江陵へと逃げ延びた。

歴史に名高い赤壁の戦いは呉と劉備連合軍の大勝利で幕を閉じたのだった。

曹操は不幸中の幸いとして呉軍の水路からの移動よりも早く江陵へ逃げ延びることに成功。

一族の曹仁らに江陵死守を厳命し、荊州の本拠地である襄陽へと戻るのであった。

一方呉は先回りには失敗するものの水路で江陵へ向かい、陸路から曹操を激しく追撃していた劉備と

合流を果たす。

果たして呉と劉備は江陵を落とし、南郡を接収できるのだろうか。

そして呉は時を同じくしてもう一つの作戦を実施しようとしていた。

 

 

 

赤壁の帰趨が決したであろう十二月上旬、ネルガル(呉)の大軍がナデシコA(漢魏)の

東の要である合肥城を包囲していた。

その数二万から三万と推測できる。

圧倒的優勢のネルガルは軍全体に慢心とは違ういい意味の余裕があった。

 

「いやぁ〜、ひっさしぶりの出番だね〜。

 僕って6話か7話あたりから名前しか出てこないし。

 ようやくのっけから登場だよ。」

 

陣幕で嬉しそうな表情を浮かべているのは孫権ナガレ、ネルガルの会長(呉の国主)である。

どうも本当に待ちに待っていたらしく、涙目になっている(笑)。

そんな彼をあきれて見ていたのは張昭ホウメイ、ネルガルの最高顧問である。

軍監としてこの戦いに参加していた。

 

「贅沢だねぇ。

 あたしなんて名前もでてこなかったじゃないか。」

 

「ははは、お互い様ってことだね。

 で、どうだい、敵さんは。

 全く動きなしかい?。」

 

「ああ、亀の甲羅に閉じこもったままってやつだよ。

 それより一つ朗報があるよ。

 とびきりのね。」

 

ホウメイの言葉を聞いてアカツキはもうわかった。

この時点で朗報と言えば一つしかないからだ。

 

「もしかしてラピス君がやったのかい?。」

 

「ああ、烏林に陣を引いた艦長の軍を黄蓋ゴート将軍が投降と偽って焼き討ちに成功。

 これで烏林の陣は総崩れ、逃げる艦長に劉備サラ将軍の部隊が激しい追撃をしたようだね。

 艦長は討ち取れなかったし、江陵への先回りもできなかったようだけど、あの劣勢を跳ね返したんだ。

 たいしたもんだよ、あのおちびちゃんは。」

 

報告を聞いてアカツキは手を叩いておおはしゃぎになった。

 

「いや〜!!、やったやった!!。

 一時はどうなることかと思ったけど。

 さすがは周瑜ラピス君だ!!。

 頼りにしてよかったよ!!。」

 

ホウメイは戦争を反対していただけに、ラピスの活躍には負けを見とめざるを得なかった。

まあ勝ったのだから共に勝利を分かち合おうとも思った。

 

「こうなればラピス君の進言には頭がますます下がるよ。

 赤壁で自分達がふんばって敵の注意を引きつけている間に手薄になった合肥城を攻め取れなんて。

 バッチなタイミングじゃないか。」

 

そう、この合肥城攻略はラピスの発案であった。

ナデシコAの東の要であり生命線でありえるこの合肥城を攻め取れば、北上して許昌(魏の前国都)への進撃が

可能になる。

ラピスは赤壁での長対陣による時間の浪費を無駄にしないために、あらかじめ第二の戦略を練っていたのだ。

ラピスが決戦の直前に重臣に話していたのはこのことであった。

 

「ようし、全軍に赤壁の大勝利を伝えてもらえる?。

 これで味方の士気もますます上がる。

 もう合肥は落としたも同じじゃないか!!。」

 

上機嫌のアカツキ、だがホウメイも内心は喜びでいっぱいだった。

早速包囲している兵士達に赤壁の大勝利の報を知らせるように手配を済ませた。

 

 

 

 

 

 

「えー!?、艦長負けちゃったの!?。」

 

 

合肥城を守備している李典ヒカルが大声で報告に来た兵士に尋ねた。

兵士はヒカルの大声に狼狽しつつもそれに答えた。

 

「は!!、烏林の陣はネルガルの焼き討ちを受け総崩れ、艦長は重臣の皆様と共に、

 江陵へ撤退したそうでございます。

 また、包囲しているネルガルの陣内に戦勝報告がなされたようで、沸きかえっております。」

 

「う〜、まあ逃げ延びれたのは不幸中の幸いだけど、あの兵力差で負けちゃうなんて。

 リョーコとイズミはちゃんとやってたのかなぁ。」

 

その2人の奮闘のおかげで曹操ユリカが江陵へ逃げ延びることができたことをヒカルは知らない。

ともあれ赤壁の大敗という事実はヒカルに重くのしかかってきた。

当然である、敵が戦勝祝いで士気が上がり、味方は大敗を知って士気が下がる。

合肥城の落城率が上がってしまったのだ。

 

「と、とにかく少なくとも主力が許昌あたりに戻るまではなんとかふんばらないと、っていうか援軍が必要よ。

 どうしよう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・氷室さん何かいい案はない?。」

 

ヒカルは傍らで落ち着いている男、 蒋済氷室に尋ねた。

ナデシコAの重臣の一人であり切れ者として名高い。

彼は表情を変えずにヒカルに進言を開始した。

 

「残念ながら主力は赤壁に集中しており、大軍の援軍は無理かと思います。

 しかしながら2万から3万の部隊に包囲されている以上支えきることはむずかしいとも言えます。

 ここは虚言を持って敵を退却させるのが上策。」

 

「ふ〜ん、なるほど。

 で、どんな虚言を使うの?。」

 

「はい、まず密偵を二人用意していただきます。

 片方には偽の手紙を、もう片方には本物の手紙を所持させます。

 で、偽手紙には援軍四万が来るとしたためます。

 もう片方には寿春から千の兵を四万の軍の先陣に偽装させて、

 秘密裏にこちらへ向かってくるようにとしたためます。」

 

「なるほどぉ、いい手だね。

 四万の軍の先鋒だと思わせることができればアカツキさんも退くよぉ。

 千くらいならなんとか寿春から出せると思うし。

 でも最初の偽手紙にはなんの意味があるの?。」

 

「はい、要は先入観を利用するのです。

 ただ千の兵を偽装させたなら敵はそれが一体どの程度の兵力かわかっていないのだから討ってでるでしょう。

 しかし四万の軍が援軍として来るということをすりこんでおけば、

 敵はその部隊が四万の先鋒だと思いこむのではないでしょうか。

 すなわち、偽の手紙を持たせた密偵をわざと敵に捕らえさせます。

 そしてそれが敵に読まれたと判断したごろにうまく合わせて少数の援軍を動かすのです。」

 

氷室の高い知略にヒカルは舌を巻く思いだった。

切れ者の噂は伊達ではないようだ。

氷室は落着き払って話を続けた。

 

「当然本物の手紙を持たせた密偵を放ちます。

 えりすぐりの人間をお選びください。

 捕まればその時点で総攻撃を受けることになります。

 その後時差で偽の手紙を携えた密偵を放ちます。

 当然うまく捕まり手紙が奪われるように示唆してください。

 敵は戦勝報告で余裕があるので、密偵ごときは手紙を奪った時点で逃がしてしまうでしょう。

 それに捕まるようなへまをする密偵など捕虜にしたり殺す意味もありませんし、

 そのことを密偵に言い含めれば安心して任務を遂行できるかと。」

 

 氷室の策を聞いたヒカルは我が意を得たとという表情でうなずいた。

 策の実行を踏み切る決断をしたのだ。

 

「よぉし、じゃあその策で行こう。

 夜陰にまぎれて密偵を放って、後は城内のふんばり次第だね。」

 

その日の夜半、二人の密偵が別々の時間に闇へと放たれるのだった。

 

 

 

 

 

南郡、荊州の中央に位置する郡である。

郡都である江陵の南に位置する油口に劉備サラは駐屯していた。

追撃部隊に属していた張飛アリサ趙雲アキトに加え軍師である諸葛亮ルリ関羽シュンらも夏口から

合流をしてきていた。

 

「というわけで、ここのところ出番のなかったルリです。

 今の状況を確認すれば、私達はすでにネルガルと合流して江陵攻略に入っています。

 江陵の太守は曹仁九十九将軍です。

 熱い熱血漢ではありますが、辛抱強いらしく現在の所攻めあぐねています。

 さすがは艦長の一族・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・とは思えませんね(笑)。

 また合流したとはいっても所詮主役はネルガル。

 私達はほとんど城攻めには参加していませんしネルガル、というよりラピスは赤壁勝利の立役者の面目にかけて

 自軍のみで落とすつもりのようです。」

 

いままで出れなかったうっぷん晴らしなのか、マシンガントーク状態に入っている。

その静かなる気合に誰も口を挟めなかった。

そしてそれは更に続く。

 

「現状では江陵が落ちる気配はありません。

 我々はこの均衡状態の隙をついてやらねばならないことがたくさんあります。

 当然我々が銀河(天下)をとるための地盤が必要です。

 そしてその地盤を所有するための資格が必要になってくるわけです。

 そう、大義名分です。

 大義名分をあらかじめとっておいてから土地を所有すれば誰も文句が言えなくなりますからね。」

 

ここで初めて主人たる劉備サラが口を挟んだ。

 

「出番がなかったのはあなただけじゃないわよ、ルリちゃん(怒)。

 で、その大儀名分って具体的にはなんなの?。」

 

サラの疑問にルリは微笑して答えた。

なぜか髪をかきあげながらアキトの方に向けている。

鈍感なためアキトは冷や汗を流している。

ルリはちょっとむっとしたようだ。

 

「ずばり荊州牧(州の長官)です(もう!!、鈍感ですね)。

 我々の長期軍略、銀河三分の計(天下三分の計)をなし得るために必要なのは荊州です。

 この荊州を自らの領土であると主張するためには荊州牧という肩書きが必要です。

 それにより荊州所有の正当性を明らかにします。

 そうすればその大儀に感じ入って荊州の豪族達の中にも帰順してくるものもでてくるはずです。」

 

「なるほどな。

 だがどうやって荊州牧を得るんだ?。

 サラ君を朝廷に推挙するのか?。」

 

シュンのもっともな質問にルリは首をふった。

 

「いえ、朝廷に推挙するのは亡き劉表フクベ提督の嫡子(?)、劉キアララギさんです。 

 フクベ提督の荊州太守の地位は朝廷から正式に認められたもの。

 アララギさんがその後を受け継いでもなんら支障はありません。

 サラさんはその後見人です。」

 

おお!!っと軍議に参加している者達から歓声が上がった。

だが一方ではこれを急がねばならない事態であることも否定できない。

アララギは赤壁後、体調を崩しがちで床につくことが多い。

死なれでもしたら一大事なのだ。

 

「幸い今のところアララギさんの体調はまあまあ安定してはいます。

 まあ私の手にかかれば病気なぞ。」

 

意味深な笑いを浮かべるルリを見て関平カズシが質問をした。

 

「わ、私の手にかかればって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何をしたんだ?(汗)。」

 

「彼は私のふぁん(?)らしいのでいろいろと、ふふふ。」

 

ルリの含み笑いに全員が戦慄を覚えたようだ。

そこかしこでひそひそ話が聞こえる。

 

「アララギさんってルリちゃんのふぁんっていうよりさ、ロリ○ンなんじゃあ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

「ありえるありえる、夏口の時の目がちょっとねぇ。」

 

ルリのおほん、という咳払いで再び静粛さをとりもどす軍議。

今度は真顔でこれからのことを語り始めた。

 

「さしあたっては朝廷に彼の荊州牧就任を推挙します。

 そこで当然必要になってくるのは無心、すなわち多額の資金です。

 ですがこれもすでに十分な量を確保しており、心配はいりません。

 そのために艦長の追撃には参加しなかったのですから。」

 

正史における諸葛亮の動きは記述にはない。

この時期は今後のことを見据えて統治している江夏郡で徴税監督として軍需物資の確保に

いそしんでいたのではないかと推測される。

しかも彼は政治家としては抜群の才能を有していたので、正しい法律で民に無理をさせずに

徴税を行ったのだろう。

 

「シュン提督やカズシ副提督らのおかげで兵士達が略奪を行うようなこともなく、いい形で軍需物資を

 蓄えることができました。

 まあ私の実力が第一なんですけどね(ちょっと自慢です)。

 で、その資金を有効に活用すべく、朝廷への無心です。

 では伊籍レイナさんを軸に使者を何人も選出して皇帝のおわす許昌へ向かってもらいましょう。」

 

得意げに語るルリを見てシュンがちょっといじけ気味に愚痴をもらした。

 

「私の実力が第一・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・言ってくれるな。」

 

「ま、まあまあ。

 ルリちゃんはあれじゃあ戦闘には参加できないですし、活躍できるのはこういうところだけなんですから。」

 

カズシが必死に慰めている。

かくてサラ達は江陵の攻略には適当に参加して独自の動きを見せ始めた。

軍議が終わるとアキトがいそいそとしている。

不審に思ったカズシがアキトに声をかけた。

 

「ん、アキトどうした、落ち着かないな?。」

 

「え、これからネルガルの駐屯地に加勢に行かなきゃなんですよ。

 直接お呼びがかかってて。」

 

 

「「「「絶対許しません!!(怒)」」」」

 

 

ルリ、サラ、アリサ、レイナが声をそろえて怒号をかます。

ルリは絶対零度の目でアキトを睨んだ。

 

「それ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ラピスからですよね(怒)。」

 

「あ、ああ。

 そうだけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんな怖い顔をしないでよ。

 形とはいえ俺達も城攻めには参加してるじゃないか。

 ここで断ったことで後でなんくせつけられても責任をおいかねるよ(汗)。」

 

実はアキトはネルガルの城攻めに参加したかった。

まさか子供のラピスが目当てなわけではない(笑)。

この城攻めには呂蒙ガイを始めとした猛将達が主力として出張ってきているからだ。

アキトは武人として彼らと会ってみたいと思ったのだ。

許されれば手合わせしてもらえるとありがたいとも思った。

 

「駄目よ、私の名前で拒否するわ(怒)。」

 

「なんなら私が参りましょうか?(怒)。」

 

「アキト君、私が朝廷に無心しに行っている間に変な真似したら怒るわよ(怒)。」

 

サラ、アリサ、レイナにまで一方的に反対されてはアキトも諦めるほかなかった。

だがルリは決して嫉妬という理由だけのためにアキトの城攻め参加を認めなかったわけではない。

荊州牧の地位を手に入れた後に本当の戦いが始まるのだ。

その時にアキトがいなければ困るのである。

 

「サイトウさん、行ってきてね(はぁと)。」

 

サラの微笑みを受けて、麼方サイトウはアキトに嫉妬を覚えつつも命令を受けた。

 

「お、おう。

 まかせといて(くっそー、アキト覚えてろよ)。」

 

「やれやれ。

 だが一度はネルガルに顔をださにゃあならんだろ。

 ま、それも荊州牧の地位を手に入れてからか。」

 

シュンの意見を聞いてルリは力強くうなずいた。

 

 

 

 

 

 

 

合肥城はまだ落ちなかった。

なかなか堅く、下手に攻めるとそれなりの被害を受けるので容易には近づけない。

だがそれでもネルガル軍は余裕があった。

それほど赤壁の大勝はネルガルの兵士達を力づけた。

 

「思ったよりしぶといようだね。

 でもまあ悪あがきだよ。

 そろそろ総攻撃をかけるから皆に用意しておくように言っといてよ。」

 

アカツキが鷹揚に命令を下そうとした時、陸績ジュンコが陣幕に入ってきた。

 

「アカツキさん、大変なんです!!。」

 

「や、やあ、ジュンコ君。

 そんなに焦って、何かあったのかい?。」

 

「それどころじゃありませんよ!!。

 これ見てください。」

 

ジュンコは持っていた文書らしきものをアカツキに手渡した。

 

「ん、なんだいこれ?。」

 

「合肥城の方へ向かってきた怪しい輩を捕らえたんですよ。

 で、身体検査したらこれを隠し持っていたんです!!。」

 

アカツキは密書を開いて内容を確認してみた。

その内容にさっきまでの余裕は消え去ってしまった。

 

「う、うそだろ?。

 援軍四万まもなく到着?(汗)。

 確かなのかい?。」

 

「はい。

 物見の報告じゃあ先鋒と思われる部隊を確認してるんですよ。

 四万じゃあ私達の軍よりずっと多いですよ!!。」

 

アカツキは焦り出した。

合肥城内の兵士達がふんばっているのもこれなら納得できる。

援軍が少ないならともかく、多いとなると中と外から挟みうちになりかねない。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まずいよ。

 どうする、ホウメイ君。」

 

傍らにいるホウメイに尋ねるアカツキ。

ホウメイも焦りの表情をしていた。

 

「あんたの采配一つ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

前回のことをきにしてか、ホウメイはアカツキに采配を委ねた。

アカツキは少しの間瞑目して答えを出した。

 

「悔しいけど撤退だ!!。」

 

「御意!!。」

 

 

 

 

 

こうして、援軍を懸念したネルガルは無念ではあるが、合肥城の囲みを解いて、建業へと撤退を開始した。

建業は後に呉の首都となる城である。

そして、やってきたナデシコAの援軍は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・最初の千人のみであった。

こうして、合肥城攻略戦は戦いらしい戦いになる前にナデシコAの策にはまったネルガルの撤退をもって

あっけなく幕と閉じたのである。

ラピスのせっかくの同時進行の策も徒労とかしてしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

合肥城ではネルガルの撤退でようやく緊張感から解き放たれて、兵士達も安堵した。

軍議の間ではヒカルが氷室を褒めちぎっていた。

 

「いやぁ、氷室さんナイスアイディア。

 アカツキさんも撤退したよぉ。」

 

「恐れ入ります。

 あえて補足すれば偽の手紙を持った使者を寿春方面から来たように思わせたのが功を奏したようです。」

 

「うんうん、この調子で本編でも舞歌さんをかすませるほど活躍してね。

 応援してるよ!!。」

 

「は、はあ。

 がんばります(舞歌様をかすませる・・・・・・・・・・・・・・・・・むずかしいだろうなぁ)。」

 

ナデシコAはとりあえず合肥城落城を食い止めることが出来た。

だが戦いは継続している。

江陵はネルガル主力に攻めたてられる日が続いていた。

そして、劉備サラは荊州牧を手に入れるべく朝廷への接触を開始。

209年正月、ひとつの転換期を迎える激動の年に猛将知将達がそれぞれの思惑を胸に火花を散らしていた。

 

 

10話へ続く

 

 

ドクターイネスの三国志講座

皆さんおひさしぶり、ついに作者にまで出番をとられたイネス・フレサンジュです(怒)。

ま、まあそれはともかくとして、今回の作品を読んでみてどうだったかしら。

三国志をある程度知っている人ならこう思ったのではないかしら。

合肥って言ったら張遼と太史慈が一騎討ちするんじゃないのかよ?。

なんで太史慈が出てこないんだ?。

そういう印象を持ったのではないかしら

では少しばかりこのことについて説明しましょう!!。

 

演義に活躍の場をもらった男、太史慈

結論から言えば太史慈は合肥の戦いには参加していないの。

それどころか赤壁の戦いにすら参加していないわ。

猛将とうたわれた彼がなぜ?、答えは極めて簡単で、

赤壁の戦いから遡ること2年前の206年にすでにこの世を去っていたからよ。

つまり太史慈の活躍は全て演義での話なの。

では簡単に演義における太史慈の最後をば。

合肥の戦いの際、張遼と派手に激闘した彼は、攻め倦む状況を打開しようと、策を練ったわ。

最初の戦いで密かに忍び込ませた内通者を使って城内を混乱、

その隙をついて城門を開けさせ手持ちの兵五千で攻めようというもの。

諸葛謹はこれを危惧して諌めるが太史慈は聞き入れず実行。

でもその危惧どおり張遼は冷静に対処して逆に城門を開かせ罠を作ったわ。

そうとは知らない太史慈は城内に突入したところに大量の矢をあびせられ、大怪我を負ったわ。

助け出されたものの致命傷で余命いくばくもなかったの。

見舞いに来た張昭に「男子として生まれたからにはうんたらかんたら」と叫び無念の死をとげたの。

実に派手な終わり方だけど、実際は今作のとおり蒋済の策で呉は撤退したという

なんともそっけのない終わり方だったのよ。

ただこの死に際の台詞は三国志の注に書かれた呉書の中に似たような記事として存在するわ。

恐らく演義はこれをモデルにしたのではないかしら。

 

どうだったかしら、猛将として名高い太史慈は全国区の存在になる前にこの世に去ってしまったのよ。

もし生き延びていたら歴史は変わったかしら。

じゃあまたね、そろそろ出番だといいのだけれど。

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

3104さんからの連載第九話の投稿です!!

う〜ん、氷室って誰だ?(爆)

と、掴みはおいといて(苦笑)

3104さんは恵まれないキャラを救い上げる、菩薩の様なお方ですね〜

サイトウが今だ活躍してるし(笑)

それにしても、色々な思惑が絡み合う話でした。

さてさて、次はどの様な話になるのでしょうか?

 

最後に一言・・・

アララギ、それで本望か?

 

では3104さん、投稿有り難う御座いました!!

次の投稿を楽しみに待ってますね!!

 

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