〜想いは人を結びつけ、思いは人を避けてゆく〜

 「…生きてたか、私の負け、ところで今何時?」

 『2193年○月×日21時31分』

 彼女の目の前にデジタル時計のモニターが出る。

 「そっか…時間軸がずれてるみたいだね…」

 『賭けの対価としてゆったりした暮らしを要求する』

 彼女は苦笑いして

 「それがAIの言う言葉?」

 と問いかける、

 『AIにだって理想はある』

 「しょうがないな、取り合えず明日になったらネルガルに連絡、

 それまでは隠密行動を最優先事項とし、ネルガル本社へ進路を」


 『承』

 そして闇の世から白亜の戦艦が消えた…



 機動戦艦ナデシコIF
 〜Dose not forget myself〜



  Act 1 「全ての終わりと始まり」



 ネルガル会長室…

 極楽トンボ…と秘書達から呼ばれるネルガル会長ーアカツキ・ナガレの部屋である、

 普段であれば出勤した途端に連絡が入るなどありえないのだがこの日に限ってそれはあった。

 「こちら愛の伝道師アカツキナガレ、プライベートな回線は人にはあまり教えてないはずだけどね〜」

 普段の通りの軽い声で言う、

 「さて…出社して早々こう連絡してくる相手はいないはずだけど…」

 会長らしい威厳の篭った声で話す、

 『ボソンジャンプ、及び兵器開発に対しての情報を提供する、
 その代わりネルガルは私に対して資金面等での援助を要求する、
 用件はこれだが交渉に応じる気はあるか?』


 声が用件だけを述べる、アカツキは少し考えた後

 「残念だけど僕の独断では決められないね、少なくとも実際に会うまでは信用はできない、
 できれば本社まで来てほしいところだけど…」

 『了解した、今から一時間後、会長室に行く』

 「わかったよ、それじゃあこっちも必要な人物を集めておこう、
 それで、君の名前は?」

 最後には極楽トンボに戻ったアカツキだが必要な事はきっちりこなしている。

 『名前はエス…とでもしておいてくれ、一時間後、会長室で』

 そう伝えると通信は一方的に切れた、

 「やれやれ、厄介そうな交渉相手だ…」

 そう言いながら必要な人物を呼び出していく。



 一時間後の会長室



 「会長、交渉相手はまだ来ないのでしょうか?」

 その場唯一の女性ーエリナ・キンジョウ・ウォンが口を開く、

 「そろそろ時間なはずなんだけどね…
 プロス君、連絡は入っていないかい?」

 プロスと呼ばれた人物は

 「まだそれらしい人物が来たという連絡は入っていないですので…」

 プロスがそう言っている途中で彼らの集まっていた会長室の反対側に虹色の光が現れた、

 それは人の形を作っていくとやがて消え、そこには20歳ほどの女性が立っていた、

 白…というよりむしろ透明な髪を膝のあたりまで伸ばし、赤い服に身を包んだその出で立ちは

 凛としていて、その場の空気を一気に変えるものだった。

 「君が…エス君かい?」

 アカツキが口を開いた、


 「ええ、とりあえずはじめまして、よろしく、ネルガルの会長さん」

 エスは淡々と喋っていく、

 「それで…取引の内容だけど…」

 エリナが聞くと

 「何か不満でも?少なくともボソンジャンプについては
 今のを見てもらえれば十分だと思いますけど」

 
 「え、ええ、それについては後できっちりとした資料を貰うとして…
 兵器開発についての情報は?」

 気押しされ気味のエリナが聞き返す、

 「それならこれを見てもらえれば分かると思います、…ミズキ」

 誰かの名前を呼ぶと同時に会長室の中央に大きなスクリーンが開いた、

 そこには白亜の戦艦が闇の中に佇んでいる様子が見て取れた。


 「あれは…」

 そこにいたアカツキ達は当然驚いた、

 「あれとそれに搭載されている機動兵器の情報…それで問題ありませんね?」

 「あ、ああ、十分過ぎる情報だよ、それで、報酬はいくらぐらいを望むんだい?」

 アカツキがキリッとした顔で言う、

 「それについては…」


 結局彼女が提示した物は

 
 ・ネルガル社員としての採用(名目上)

 ・戦艦の維持、整備、及びその場所の確保

 ・その戦艦を後に作られるシリーズの試験艦とする事

 ・彼女の行動に対して基本的に抑制をしない

 ・彼女、及び彼女の持つ情報に対する詮索の禁止



 と言う五つであった。

 最初の三つは問題無く通ったのだが4つ目に対してはネルガルに不利益な事を極力行わない、

 五つ目に対しては協議の末、そのまま通った。



 彼女がこの時与えた情報によって未来は大きく変わってゆく…





 一年後


 彼女は研究チームの主任として兵器開発に力を貸していた、

 その一方としてネルガルSSの一人としても活動しており、

 この日はSSを通して手に入れた研究施設に侵入を試みている所だった。

 「さて…始めましょうか」

 そう言うと彼女の姿はすでにそこには無かった。

 入り口にいた警備員を上からの奇襲で気絶させる、殺すのは彼女のスタイルでは無い。


 通路を風の様に通り過ぎる、当然気がつく警備員は居ない、気付かせない。

 奥に侵入していく内にほかの部屋とは扉が違う部屋があった、

 ハッキングでロックを解除して中に入る、

 中には大きな試験管のようなものが並んでおり、中には人ーまだ幼い少年、少女が入っていた、

 管理システムを操作して全ての管を開ける、

 中に入っていた子供達はそのまま彼女の方を見ていた、

 その中の一人、黒髪の少年が

 「あなたは誰ですか?」

 と聞いてきた、他の子供達と年齢は同じに見えるが纏っている雰囲気は違い、大人びていた。

 「私はシル、シル・フォートネット、あなた達を保護しに来ました」

 彼女がそう言った後、少年は少し考えるような仕草をすると

 「わかりました、僕の名前はマキビ・ハリです、他のみんなには名前はありません、
 それと僕もですけど戸籍とかもありません、保護してもらえるならこういったものは
 もらえるんですか?」

 明らかに子供の言うセリフではない、

 「とりあえずは私達としてもそれらの確保はきっちりしたいと思っています、
 一式の手続きが終わったらあとは個人の意思に任せるという形になりますが…」

 「わかりました、少なくとも僕は付いていきます」

 周りを見ると子供たちが希望の眼差しでシルの事を見ていた、

 「じゃあ脱出しましょう、合図をしたら付いてきてね」

 と言ってシルは部屋を出る、近くにいた警備員を気絶させ、合図をした、

 子供たちがトテトテと彼女が走る後を付いてくる、

 警備員を見かければ即気絶させる、を繰り返し出口にたどり着き、

 待機していたSSの車でその場から離れた。



 シルが子供たちを連れ帰った数日後、その子供たちがマシンチャイルドだという事が

 発覚し、その対処について会議が行われていた。


 「ですから、貴重なマシンチャイルドを危険にさらす訳にはいかないと言っているのです!」

 エリナが会議室の机を強く叩きながら言う、

 「その案では彼らの待遇が以前と変わらない物になってしまいます、
 私は賛成できません」

 シルが落ち着いて言う、

 「そうだね〜、会長としてはエリナ君の案に賛成だけど僕自身としてはシル君の案に賛成だね…」
 アカツキが困った様子で言う、


 結局会議は平行線で、多数決の結果、シルの

 「本人達の意思を最優先として、本人が望めば里親を探す」

 といったものであった。

 しかし、里親を望む子供はおらず、全員が「シルと一緒にいたい」

 と言った為、数日後にシルは大きな家に引っ越したとの事。



 しかし、研究のためにナノマシンを投与されていたせいか、

 3人を残して子供たちはこの世を去ってしまった。


 残った三人はマキビ・ハリ、レイ・フォートネット、エル・グレイである。







 あとがき的な物

  はじめまして、ASFと申します。
  
  今回Action様に投稿させて頂いた訳ですが

  まだまだSS書きとしては経験、技術不足だと思っています。

  あー!石!石なんて投げないで〜!

  っと、話が逸れました、

  こんな下手+短い駄文で宜しければ投稿を続けていこうと思いますので

  よろしくお願いいたします。

 

 

 

代理人の感想

・・・・・えーと。

まぁ次回以降に期待しましょうか。