<よく似異なる世界より来た者たち>








第二話  過去へ・・・もう一度やり直せるのか俺達は・・・









光の粒子が人の形を作り出しアキトとユリカが現れた


「ここは何処だ」


「………」

ユリカとアキトは回りを見回した。そこには果てしなく広く白い世界が広がっている

「ユリカここがどこだか解るか」


「多分……遺跡の中だと思う」


「な!!それじゃあ遺跡に融合させられたのか!」


「多分……遺跡に融合させられた時、一番最初に見た景色だから……」


「覚えてましたかユリカさんここは遺跡の第四層です」

何処からとも無く女性の声がする

「誰だ!!」


「何処に居るの!」


「すみません、ちょっと色々有りまして姿は見せられないんです」


「遺跡が俺達に何の用だ!!」


「あなた達に謝らなければならないのでここに招待しました」


「今更、何を謝ると言うんだ!!」

殺気混じりのアキトの声

「私達は謝る事しか出来ません、私達、遺跡の管理者は本来繁栄と幸せを与えるために存在します。
 しかし、私達は限りない絶望そして不幸を与えてしまいました。
 私達は私達の創造主から不幸と絶望を与えてしまった時には私達の判断で出来る限りの謝礼をする事になっています。
 今回、私達が下した判断は実験台になった人達の後遺症の回復それと、アキトさんとユリカさんの許可が貰えれば過去へ送ると言う事になりました」


「な!!過去に行けるのか!」


「はい、行けますよ」


「ユリカお前は如何するんだ」

アキトはユリカと向き合った

「私……、私はアキトに何処までも着いていくよ」



「そうか、すまないな……」

アキトはユリカに微笑んだ

「当然じゃない私はアキトの妻なんだから」

ユリカはアキトに微笑んだ

(この二人は本当に大切な物が何かを知っている。この二人は力に飲まれない心を持っている。この二人なら力を与えても大丈夫)


「俺達は過去へ行く!!」


「わかりました、それではユリカさん、アキトさんお二人に力を与えます。
 太陽系最強の戦艦と機体を…今度こそ幸せを掴んでください。
 それと、後から協力者を送ります」


「ちょっと待って!」


「何ですユリカさん」


「ルリちゃんにお別れを言いたいんだけど………」


「残念ながら不可能です」


「え、どうして」


「いえ、実はあなた達死んでしまいまして」


「「死ん……だ」」


「はい、跳躍砲の当たり場所が悪くて相転移エンジンが暴走してそのまま……」


「それじゃあ、ルリちゃんとの約束破っちゃったね」


「大丈夫ですよ。一つの別れは一つの始まりであり出会いです。
 その証拠にあなた達がランダムジャンプして少ししたら、彼女の支えになる青年が現れてますよ。」


「青年?」


「はい、よく出来た元気のいい青年ですよ。まるで、アキトさんとユリカさん見たいですよ」


「ふーん、ルリちゃんも王子さま見つけたんだ」


「大丈夫かなルリちゃん」


「そろそろ、過去に行っていただきます。」


「え、何で?」


「そろそろあなた達の魂を捕らえておくのも限界なんです。付く時間は契約を結ぶ少し前です。でわ、行ってらっしゃーい」

言葉を言い終わると共に二人の姿は光と共に消え去った

「ふう、ギリギリセーフ、後少しで天国に行く所でした」




















「ん、ん〜」


「おいコラ起きろテンカワ!!何時まで寝てるきだ!!」


「ん、ああ、ここは、あれサイゾウさんどうしてここに?」


「ああ!どうしてじゃねえだろ。何時までも寝ぼけてんじゃねぇ!さっさと着替えて仕込みを手伝え!」


「え、あ、はい、すぐ行きます。(そう言えば契約を結ぶ少し前に送るとか行ってたな。
 それなら今日がナデシコの出航日か)」


「おい、テンカワ!!早く来い!!」


「あ、はーいすぐ行きま〜す!!(それなら、今日ここを止めてユリカに会わなければ)」

そう言う事を考えていても着替えている。まさに、多能の人、言い方を変えると器用貧乏


    〜時が流れて閉店時〜



「止めるのか……」


「はい」


「そうか……、まあ家も今日で止めてもらうつもりだったしな」

アキトに給与の入ったカードを渡すサイゾウ

「そうですか……、サイゾウさん、今までありがとうございました。」

そう言って席を立って食堂を出て行くアキト

「テンカワ、逃げてばかりじゃ何も出来やしねえぞ」


「はい、サイゾウさん解ってます。俺はやらなければならない事をやりに行くんです」

そう言って自転車に乗りサセボドックに向けて走り出すアキト

「何が有ったんだあいつ、まあ、少なくとも逃げるのは止めたみてぇだな」

そう言って食堂に帰っていくサイゾウ







「もうそろそろ来ると思うんだが」

ガアーーー

「来たみたいだな」

ゴロゴロ

「(取り合えず受け止めるか)セイ!」

バシ

「グ!予想よりも重い!!」


「すみません、お怪我は有りませんか」


「いや、大丈夫だ…」


「ユリカ〜今更だけど荷物減らそうよ」


「だめ、ユリカが三日かけて選んだお気に入りの品ばかりなんだから」


「入りきらないのならこの荷物は後部座席に乗せておくといい」


「あの〜ご迷惑をお掛けしてしまったようですのでそこまで、お送りします」


「いいのか?」


「はい、サセボ基地までお送りします」


「すまないな」

そういって、ユリカの車に乗り込むアキト

「あの〜、どこかでお会いした事有りませんか」


「さあ、俺は覚えがないが」


「ユリカ飛ばすよ!!」

ガアーーーーー

何故か機嫌が悪いジュン

「如何したんだろジュン君?」


「さあ?」

そんな他愛の無い会話をしながら車は走る




 
 〜サセボドック〜


「それでは」


「それじゃまた後であおうね(アキト)」


「ああ、また後でな………ユリカ」

そう言うと車は駐車場の中に入って行った

「さて、プロスさんに会いに行くか………」

「おい、そこのお前何をやってるんだ!」

ゴキブリのごとく現れた警備員

「ちょうどいい、すまないがプロスさんに会いたいんだが呼んでもらえるか」


「お前、名前は何て言うんだ」


「テンカワアキトだ」


「ちょっと待ってろ」


「ずいぶんと融通の聞く警備員だな。普通は拘束すると思うんだが………」


「プロスさんは会ってくれるそうだ。面会室へ行ってくれ」


「ありがとう」

そう言うとアキトは面会室へ向かって行った

「さてと、テンカワ、アキトとテンカワ、ユリカを確認したし後はナデシコに乗り込むだけか」

そう言うとゴキブリのごとく現れた警備員はナデシコに向かって行った


















「ちょっとォそれ、どーいうこと?」

一人で大騒ぎのムネタケ

爪みがきのハルカ

読書のルリ

メグミだけ様子見てる


「………」


「バカばっか…」


「あの人達ですよネ、火星でコロニーに戦艦落としたの」


「ま、キャンキャン吠えたくなるのも判るけど…」


「フクベ提督を呼んどいて、部下のあたし達はいらないィ?
 テートクを一番知ってるあたし達を差し置いて、あーんなシロートをクルーにするなんて、もォ〜〜ッ!」

ほとんどヒステリーになっている

「彼らは各分野のエキスパート、そして艦長は連合大学在学中、戦略シミュレーションの実習において無敗を誇った逸材です」


「で、その逸材はどこなの?」


「いえ、それが…」


「あ〜〜ッ、ここだここだ! みなさ〜ん、わたくしがかんちょ〜で〜す。ヴイ!」

お約束のブイのポーズ

「ヴイ?」


「またバカ?」


「これでみんなのハートをキャッチ!」


(すみませんが心で思えば通じるので返事してもらえませんか)


(誰!!)


(遺跡の管理人に使わされた協力者です)


(それで何の用なの)


(キノコの乱の時に会いに行きますそれでは以上)


(?、なんだったのかしら)


 〜面会室〜

ガチャ アキトが面会室に入るとそこにはもうプロスが待っていた

「あなたがテンカワさんですか。それで何の用ですかな」


「(さて、どうしたものか……。まあ、取り合えず)
 ここにミスマルユリカと言う女性が勤めているはずなんですが合わせてもらえませんか」


「ふむ、ユリカさんとは如何いうご関係で」


「つ……幼馴染です」


「それじゃあ、身元を確認したいので遺伝子データを見せてもらえますか」

そう言って宇宙そろばんを取り出した

「わりました」

そう言ってアキトは裾を捲くり腕を出した

「あなたの、正体、さがしましょ〜〜っと」

そう言ってアキトの腕に端子が触れ遺伝子データを照合しはじめた

「全滅したユートピアコロニーからどうやってこの地球へ?」

流石のプロスも驚いている

「よく憶えてないんだ、あの前後の事は気がついたら地球にいた……」


「そーですか、あなたも大変ですねぇ」


「はあ………」


「ところで、あなた専門は何ですかIFSをつけてる所から見るとパイロットか何かだと思うのですが?」


「専門はコックです」


「コックですか……?」


「はい!」


「わりました。でわ、あなたは今日からナデシコのコックさんです」


「ありがとうございます(何とか上手くいった……このまま上手く行くと良いんだが……)」


「それじゃあ、付いて来てください(ふむ、テンカワ博士のお子さんなら私の名前を知っていても不思議ではありませんが、ナデシコを見たときの反応は不自然ですね……)」

それぞれの思いを胸に面会室を出ていった







ナデシコ格納庫


「レッツゴ〜ゲキガンガ〜」


「ふう、懐かしい景色だ……俺のエステ壊さないでくれよ……ガイ」

アキトは格納庫の上部デッキの手すりに寄り掛かってピンクのエステの珍妙な踊りを眺めていた

 「飛べ〜ゲキガンガ〜 」


「ゲキガンガーじゃなくてエステバリスだろー!!」


「ゲキガンブレ〜ド〜〜」


「ちょっとちょっとあんた〜〜!なんなんだよ、パイロットは3日後に乗艦だろ〜ッ
!」


 「ハッハッハッ、いや〜本物のロボットに乗れるって聞かされたらも〜〜〜、一足先に来てしまいました。
 イヤン、バカン、ドッカ〜〜ン」


「何なんだなんのマネだ〜〜!?」


「諸君だけにお見せしよう。このガイ様の超スーパーウルトラグレート必殺技。人よんで〜〜ッ」

珍妙な構えを取るエステ

「ガイ〜ス〜パ〜ナッパ」

珍妙な構えからストーレートアッパーを打ち出す

ゴオ〜ッ

ギャイ〜〜ン

ザバ〜〜〜ン

「あれ?」

バランスを崩して転倒する

グワシャーーーーン

「あ〜あ、やっちまったよ。出せ出せ、引きずり出せ!!」

転倒したエステからガイが引きずり出された

「最新のイメージ・フィードバックだからさ、これさえありゃ子供だって動かせるケドネ」


「フ………ガイ 俺はガイ! ダイゴウジ=ガイ。ま、ガイと呼んでくれ!」


「あれ、ヤマダ・ジローってなってるけど」


「それは仮の名前…。ダイゴウジ=ガイは魂の名前、真実の名前なのさ。う〜〜ん、木星人め、来るなら来い!あれ?」


「ど〜したの?」


「いや、その、足がね、痛かったりするんだなこれが……ハハ……」


「あ〜〜っ、おたく折れてるよこれ!」


「なんだとォ〜、わぁ〜いてえいてえ〜〜〜、おい、そこの少年!!」

タンカで運ばれながらアキトを大声で呼びつけた

「あ?」


「あのロボットのコクピットに俺の大事な宝物があるんだ。スマン! 取ってきてくれッ!」


「そろそろか」

そう言うとアキトは上部デッキから飛び降りた

スタ 何事も無かったように着地するアキト

「「「「おお〜」」」」

整備陣から驚きの声がする。その声を背にエステのコクピットの中にはいっていく

「さて、後は待つだけか………」

(テンカワアキト!!聞こえるか聞こえたなら答えろ)

「誰だ!!!」

しかし、エステのハッチは閉まっていてアキト一人しか居ない

(おい、考えるだけでいい、この通信方法は疲れるんだ)

(お前は誰だ!!)

(俺は遺跡より使わされた協力者だ)

(協力者?)

(ああ、手短に言うムネ茸の乱の時にお前のマントを持っていく以上)

(え、ちょっと待ておい!!何なんだいったい……)

ドォォォン ドォォォォン 

「お、来たみたいだな」

















ド〜〜ン

その音が鳴り響くと共にナデシコのドックが大きくゆれた

「ルリちゃん何があったの?」

音が鳴り響くとほぼ同時に状況確認をルリに命じるユリカ

「本艦、直上の連合基地が攻撃されています」


「勘付かれたか」

そう言うとゴートは警報を鳴らした

「戦況は?」

落ち着いているフクベが尋ねる

「現在連合軍の迎撃部隊が交戦中ですが全滅するのは時間の問題です」

通信士のメグミが伝える

「敵の攻撃は我々の頭上に集中している」


「敵の目的はナデシコか?」


「そうとわかれば反撃よ!」


「どうやって?」


「ナデシコの対空砲火を真上に向けて、敵を下から焼き払うのよッ」

キノコが滅茶苦茶な事を言う

「上にいる軍人さんとか吹っ飛ばすわけ?」


「ど、どうせ全滅してるわ」


「それって非人道的って言いません?」


「キィ〜〜ッ」

キノコはヒステリックになっている

「艦長は何か意見はあるかね?」


「海底ゲートを抜けて一端海中へ、その後浮上して敵を背後より殲滅します!」

的確なユリカの指示

「そこで俺の出番さっ!!俺様のロボットが地上に出てオトリとなって敵を引き付ける! 
 その間にナデシコは発進!くう〜〜、燃えるシチュエイションだ〜〜ッ」


「おタク骨折中だろ」


「しまったぁーーッ」


「おとりなら出てるわ…」


「え?」

間の抜けた声をだすガイとウリバタケ

「今、エレベーターにロボットが乗った……」

冷静に状況を知らせるルリ

グオオ〜〜〜ッ

「ふう、この機体で何処までやれるか疑問だな。この戦闘が終わったらウリバタケさんに改造してもらうか」


「誰だキミは!?」


「…………」


「あーーッ、あいつ俺のゲキガンガースリーをッ!!」


「所属と名前を言いたまえ」


「テンカワ・アキト、コックです」


「何ィ〜〜ッ!!」

大声で叫ぶガイ

「ユリカ、あの人……」


「アキト………気を付けてね」


「ああ、わかってる」


ピッ コミュ二ケが開いて、ゴートが現れた

「作戦時間は十分間囮になってくれ作戦は以上だ検討を祈る」

ガコンッ ピンク色のエステが乗ったリフトが地上に付いたそして、回りにいるのはジョロとバッタの群れ

「さてと、腕試しと行きますか」

バッタの目が光る

ドドガガガガガガガガガガガガガ

そして、バッタとジョロからのミサイルとレーザーの集中砲火しかし、既にアキト機はスラスターで空中へ飛び上がってる

「くそ、反応が遅すぎる。装備はイミディットナイフとワイヤードフィスト、これだけ有れば十分だ」

空中にいるアキト機に向けバッタのミサイルが飛んで行く

「くそ、動きが遅い」

それを紙一重でよけるアキト機そして、地上に降りて海に向かって走っていく、それを追いかけるジョロバッタの軍団









「ちょっと、なんなの攻撃が当たりそうじゃないの!!」

キノコはギャーギャーと叫び散らしている

「いえいえ、見事な囮振り」

流石プロスよくわかっている

「本職でもこう上手く行かん」

ゴートもよくわかっている

「あれじゃあ、当たりに行ってるようなもんじゃない!!」

キノコはまだギャーギャー叫び散らしている。本当に少将なのだろうか

「ドック八割方注水完了しました」

ルリの報告にうなずくユリカ。

「機動戦艦ナデシコ発進!!」


「りょーかい」

たいした事じゃないようにナデシコを発進させるミナト

そして、ナデシコは発進した













「げほげほ、もうそろそろか」

そう言うと海に向かってジャンプした

ゴン

「お待たせアキトって如何したのそのコクピット」

ユリカがコミニュケ越しに見たものそれは、煙で溢れたエステのコクピット

「いや、ちょっとな………コホ」


「敵残存兵器、有効射程距離にほとんど入ってる」


「目標、敵まとめてぜんぶ〜〜。てーーッ!」


「戦況を報告せよ…」


「バッタ、ジョロとも残存ゼロ。  地上軍の被害は甚大だが戦死者数は5!」


「そんな…偶然よ!偶然だわ!」

脱力していくキノコ

「認めざるをえまい。よくやった艦長」


「正に逸材」


「………アキトお疲れ様」


「ああ」


「あの二人できてるのかな?」


「あれ、メグちゃんもそう思う」


「ミナトさんもそう思いますか」

盛り上がってる女性陣

「認めない……認めないわ…私は………」

半壊しているキノコ(精神が)

「さすがじゃな艦長」

うなずいているじじい

「まさに逸材」

「流石ですねミスター」

満足しているヒゲあきんどと厳ついデカブツ

「アキト……」

「ユリカ……」

見詰め合っている二人組み

「ユリカ〜」

泣いている副官

「は〜、バカばっか」








 〜ナデシコのどこか〜


(おい、今、厄介な動きをみせている会社がある)


(どこの会社)


(クリムゾングループが遺跡を発見しかけている)


(何処の遺跡?)


(よりにもよってホルンの遺跡だしかもヴォルハラ)


(最悪じゃない、どうするの)


(下手をするとあの二人とんでもない事になる。様子を見るしかない下手に動くとあいつが覚醒する)


(もうあれとは戦いたくないしね〜)


(そうだよな〜それにあの遺跡を陥落するのはまず無理だしね)


(だよね〜)

ナデシコでオモイカネに見つからず会話する二人いったい誰だれ?


あとがき

皆様お体には気を付けて下さいね
ユリカを上手く書けないと思うのは私だけでしょうか?
それではまた今度











管理人の感想

黒狼さんからの投稿です。

テンポ良く話が進んでいますが、ちょっと端折りすぎの部分も目立ちますね。

プロスさんがアキトをコックに雇う時も、ナデシコの事を何も説明せずに、いきなり雇ってますからね(苦笑)

アキトの目的も何も聞かず、いきなり自社の重要戦艦のコックに雇うのは・・・おかしいのではないかと。

ここら辺は、作者の腕次第で幾らでも直せますので、頑張って下さいね。

 

 

 

 

・・・そういう私も、人の事は言えないのですがね(汗)