覇王大系・AKITOLEGENDアキトレジェンド


第5話  「新たなる力」












 ビュンッ!


 物凄い風きり音と共に、巨大な棍棒が振り下ろされる。


 ズガァァーーーン!!


 巨大な破壊音と共に、俺が先程までいた床が破壊され、そこには巨大なクレーターが出来ていた!


 「っく! なんてパワーだ!! エステ並みの力があるんじゃないか!?」


 俺は攻撃された場所を見ながら叫んだ。


 その巨大さもさる事ながら、パワー・スピード共に、昨日戦ったモノソリッドとは比べ物にならない。

 一体だけの戦闘力でも、野盗どものソリッドらを、遥かに凌駕している事を俺は感じていたが、

 予想以上だ!! 更にそれが、数体もいるのだからシャレにならない。


 「せめてDFSが手元にあれば、少しは状況が楽になるのだが・・・・」


 いくら昂氣を纏って身体強化と防御力を上げていても、攻撃に決め手が欠けてしまう。


 「はぁぁっ!!」


 襲い掛かってきた一体の攻撃をかわし、カウンター気味に昂氣を纏った拳を叩き込むが・・・


 ズゥゥンンンッ!


 俺の攻撃で仰向けに倒れるが、直ぐに・・・


 ガシャッ・・・・・!


 異形のものは、何事もなかったの様に起きあがる・・・


 「やはり効いていないか・・・。なんて装甲だ!」


 吹き飛ばす事はできるのだが、装甲を完全に破壊するまでには至らない。

 精々、多少の傷をつけるぐらいで致命傷にはなっていないのだ。


 「このままではマズイな・・・。時間が経てば経つ程不利になっていく。

  一時的にこの場から離れるにしても、見逃してはくれないだろうしな・・・。」


 異形のモノ達からは、俺に向けて常に殺意の波動が放たれている。

 そして、その波動は俺を仕留められない苛立ちからか、徐々に強まっている事を感じていた・・・



   ”殺セッ! 死ヲ!!”



 「くそっ! 一体どうすればこの状況を脱する事が――」


  ”ガァッ!”


 俺に考える時間を与えるを邪魔するかのように、異形のモノが叫ぶ。

 と同時に、巨大な棍棒が、俺に向けて高速で飛んできた!!


 俺はその飛来物棍棒を避けるため横に飛ぼうとした時、

 更なる攻撃の気配を感じた!それも俺の周囲から・・・


 咄嗟に横に飛ぼうとした力を、上空への跳躍へと切り替えた。

 そして飛び上がったその瞬間・・・




 ズガァガァガァガァンンンンンッ!




 凄まじい音と共に、数本の巨大な棍棒が、俺が今までいた空間で衝突する!!



 「危なかった・・・。上空に飛ばなければ大怪我していたかもな。

  !! 頭上だと!?」



 俺は上を見上げた。すると其処には・・・・

 巨大な棍棒を振りかざし、落下してくる異形のモノがいた!


 その巨体故、自由落下の速度は速い!!


 俺は空中で身を捻り、棍棒の攻撃を避けようとした。

 が、完全に避けきる事はできなく、身体に掠った。そう掠っただけなのだが・・・




ビュンッ!

                ズガァァンッ!!




 「がはっ! ・・・何て力だ!! 掠っただけなのに。

  それに、昂氣を纏っていても、これ程の衝撃があるのか?!!」



 先程の攻撃により俺は弾き飛ばされ、床に叩きつけられたのだ。

 幸いにも、内臓損傷や骨折はしていないようだが、掠っただけでこれ程なのだ。

 まともに喰らったら、いくら昂氣を纏っていようとも、肉塊ミンチ にされてしまう事は想像に難くない・・・




 俺は全身に走る痛みを無視しながら立ち上がり、再び戦闘体勢を取らざるを得なかった。

 奴らは俺にダメージを与えた事に気付いたのか、今までの単体での攻撃を止め、

 連携で攻撃を仕掛けてきたからだ!



 異形のモノ達の波状攻撃に対し、俺にはその攻撃を避けるしか、現状では生き残るすべがなかった・・・・・・

 しかし、この空間から脱出しないかぎり、俺の死は時間の問題である事を薄々感じていた・・・



 「それでも、このまま黙って何もせずに、殺される訳にはいかない!」



 俺はふたたび構えを取り、昂氣の輝きを高めていく。

 勝機・・・があるわけではない。むしろゼロに近い。


 けれど、少しでも、ほんの一パーセントでも奴らに勝てる可能性が

 あるのらなば諦めるわけにはいかなかった。俺の帰りを待ってくれている人達がいるかぎり・・・・



 そんな時、俺の耳にある音が聞こえてきた。




 キィィィン、キィィィン、キィィィン




 「何だ?この音は・・・。また何か出てくるというのか?」



 俺は奴らに注意しつつ、奇妙な音の出所を探る為に感覚を広げた・・・


 そして、その音は俺の身体から発せられている事に気が付いた。

 いや、正確には俺の身体その物ではなく、懐にしまっていたあるモノだった。



 それは・・・・



 「カード・・・からだと?一体このカード は何なのだ!?」



 時間にしてほんの一瞬。そう一瞬だけだが、カードの不可思議な現象に、俺の意識が傾いたその瞬間!

 好機チャンスと判断したのか、異形のモノ達が間合いを詰め、一斉攻撃を仕掛けてきた!!



 攻撃が同じ人間や又はソリッドだったら、それなりの対処ができたのだが、

 異形のモノ達に対して見せた僅かな隙は致命的だった。


 一、二体ならば何とかなったかもしれないが、数体同時となると避けきれないと本能的に感じていた・・・



 だが、奴らの攻撃は俺に届く事はなかった。

 いや、正確には届かなかった・・・・・・、と云うのが正しいのかもしれない。何故なら・・・




ギィィィィィィィィィンッ!!




 突如として、カードがもの凄い音と光を発すると同時に、

 何らかの力場を展開し、異形のモノ達を弾き飛ばしたのだ!!


 驚く俺をよそに、カードに更なる変化が起き始めていた!!



 「カードに新たな文字が刻み込まれていく! 先程までは

  只、”リュー”としか刻み込まれていなかったのに! これは一体?!」



 そして、カードから発する音と光、文字の記述が止むと同時に、 頭の中に失ったはずの家族ブロス・ディアの声が響いた!


 〈アキト兄! 聞こえる?聞こえたら返事して!!〉


 「ディアか!? 一体何処から話しているんだ!? 

  頭の中に直接聞こえるのだが。それに、ブロスはどうした、いないのか?」


 《僕もいるよ!! 良かったやっと声が届いて。

  さっきから何度もアキト兄に呼びかけていたんだけど、

  届いて良かったよ!! もう話せないかと不安になっていたし・・・》


 「二人が無事でいてくれて何よりだ。けど、一体何処にいるんだ?」


 〈私たちはカードの中にいるよ!正確には、カードの中にあるモノの中にいるんだけどね。〉


 「それは一体――」


 俺は、ディアの意味深な言葉に問い掛けようとした時・・・




 ガシャッ・・、 ガシャッ・・、 ガシャッ・・、 ガシャッ・・、 ガシャッ・・




先程吹き飛ばされた異形のモノ達が起きあがっているのを、視界にとらえる事ができた。


 「くそっ! 二人が無事だったのはいいけど

  事態は全然好転していない! どうにかして奴らを倒さないと!!」


 《アキト兄、大丈夫だよ! 破滅の巨像ドゥーム・ゴーレムを倒す手段はあるよ!!》


 「破滅の巨像ドゥーム・ゴーレムだと? それが奴らの名前だというのか!?

  それよりも何故、奴らの名前をお前達は知っている!?」


 〈そんな事は後で説明するから! それよりも、カードに刻み込まれた文字で、

  一番上に刻み込まれた文字、 ”リュー”の名前を叫んで! 早く!!〉


 俺はディアに言われるまま、カードを頭上にかざし、刻み込まれた文字、”リュー”の名を叫んだ!




 「リュー・ソルダート  ブローディアッ!!」




 叫ぶと同時に、かざしたカードから何かが飛び出した!



キュワァァァァァーーー!!



 雄叫びをあげ、炎を纏いし紅き巨大な鳥が飛び出した。

その姿は、空想上の鳥―不死鳥を連想させるものだった。


 そして、上空に飛び出した不死鳥は俺の元に舞い降り、巨大な紅の翼で俺を包み込んだ!!





 ・・・熱さは感じなかった。むしろ今までにない力を感じる事ができた。

 そして瞳を開けると、空中に浮いた台座のようなものに俺は立っていた。

 また、周囲にはコンソールの様なものが浮遊していた。


 「ここは一体・・・?確かカードから出た不死鳥のようなものの翼に包み込まれた筈だが・・・」


 〈此処が”リュー”の体内なかだよ。〉

 《そして、ブローディア僕たちの新たなる姿であり、アキト兄の新たな”力”でもあるんだよ!》



 ディアとブロスが姿を現し、現状を説明してくれた。


 「”リュー”の体内、そして新たなる”力”・・・か。この不思議な感覚がそうだと云うのか?」


 俺は今までに感じた事ない感覚を確かめるように呟いた。


 「でも、どうやったら”リュー”を動かす事ができるんだ? 以前エステバリスとは違うようだが・・・」



 二人に聞こうとしたが、ドゥームと呼ばれるモノの攻撃により瞬時に理解した。何故なら・・・

 俺は攻撃の気配を察知すると共に、後方に飛び回避する事ができた。

 そう、”リュー”に乗った状態で。



 「俺の動いた通りに動いてくれた・・・。まさか、俺の動きをトレースしているのか!?」


 〈そうだよ、アキト兄の思った通りにブローディア私たちも動くよ。

  寸分違わずにね。それこそどんなに速く動いても。それに――〉

 《アキト兄が昂氣を纏えばブローディア僕たちも纏う事ができる。それも何倍にも高めて。》

 〈でもアキト兄だったら、昂氣を纏わなくてもこの程度なら楽勝だとおもうけどね。〉


 事実、俺の破滅の巨像ドゥーム・ゴーレムに対しての危機感は消え去っていた。

 それどころか負ける気分は更々しなかった。

 そう・・・例えるなら象が蟻を潰す感覚といった処だった・・・



 俺は、襲ってきたドゥームに対して無造作に拳を繰り出した。


ズドムッ!


 その一撃でドゥームは吹き飛ばされる。胴体に大きな穴を開けながら・・・


ズドーーーンッ!!


 巨大な音と炎と共にドゥームは爆発した。



 「凄い・・・。昂氣を纏っていなくても、これ程の力になるのか。

  纏えばどれ程になるのか想像もつかないな。それにしても、

  殴った感覚があるのだがこれはまさか?」


 〈そう、アキト兄の考えている通りだよ。”リュー”に乗っている状態では、ブローディア私たちとアキト兄は感覚を共有している。〉

 《ブローディア僕たちがダメージを受ければ、アキト兄も同じ箇所にダメージを受ける。最悪の場合は”死”もあるんだよ。》


 「文字通り一心同体・・・か。

 何故、ブローディアが”リュー”へと変貌したのかは分からないが,

 益々負けるわけにはいかなくなったな!!」


 俺は昂氣の輝きを高めていく。と同時に、ブローディアも蒼銀の輝きを纏いはじめる。


 奴らは、仲間が倒された事などお構いなしに、俺に向かって攻撃を繰り出してきた。


 「仲間が倒されたというのに、何も感じていないのか?」


 奴らの攻撃を回避しつつ、疑問を口にした。


 《アキト兄。奴らはそんな感情は持っていないよ。》


 〈奴らにあるのはただ一つ、〔破壊の衝動〕だけ。

  一度狙った相手は、仕留めるまで攻撃を続ける。そういった奴らなんだよ。〉


 《そして、奴らは決して外に出してはいけない存在モノだよ。あれが外に出れば多くの人が不幸になる。》


 「あぁ、それは俺も感じていた。奴らはこの場で完全に破壊する!」


 飛び上がり、昂氣を纏った手刀を一体のドゥームに振り下ろす!


      ズバッ!


 手刀の一撃を受けたドゥームは真っ二つに切り裂かれた!


 「確かに昂氣の威力が、生身の時とは比べモノにならないくらい高い。

  全開でいったらどれ程の破壊力を秘めているのか・・・。

  興味もあるが反面怖いな。自分の力ながら・・・な。」


 視界に残った敵 ― ドゥーム3体を捕らえながら、今までの力を振り返っていた。


 「これでDFSでもあれば文句ないんだが・・・。これ程の”力”を得て贅沢かな?」


 《大丈夫だよ。DFSもちゃんとあるよ。》


 〈正確には、DFSの性能をも取り込んだ”剣”なんだけど。〉


 「本当か?でも何処に?」


 〈アキト兄、右手を突き出して。手を開いた状態で意識を集中して!〉


 ディアに言われるまま右手を突き出した。その刹那、光が収束し見慣れたモノが出現した!


 「・・・これがそうか。若干形状は違うようだがな。

  DFSも取り込んだのはこの為だったのか・・・? 使い方は―」


 〈以前のモノDFSと扱い方は同じで、威力は以前と同等かそれ以上のはず。〉


 《それにアキト兄の秘剣も同じように使えるはずだよ。
  でもこれは勿論、生身の時での話だから、この状態リューで放てば威力は未知数だけどね。》


 〈それと、エネルギーは心配しなくても大丈夫! 大気魔力ミスト・ルーンを基にしているから。
  ただ、大気魔力ミスト・ルーンの収束率を上げていくのは、アキト兄の意志によるけど。〉


 ディアとブロスが交互に、剣の扱い方を教えてくれた。


 俺は意識を集中した。すると白き光が集中し刃を形成する。


 「本当にDFSと同じ感覚で扱えるのか・・・。ならばその”剣”の威力、試させて貰う!」


 残ったドゥーム達を倒すべく、俺は奴らに突っ込んだ!そして、剣を真横に振るう・・・


   シュンッ


 僅かな音がしたかと思うと、巨大な姿は上下に別れ、そして爆発した。


 「大して力を込めていないのに、この切れ味。

  以前この世界に来る前のブローディアのDFSよりも上なんじゃないのか?」


 予想もしない切れ味に驚いている中、残ったドゥーム等は、俺から距離を取り一カ所に集まった。


 「遠距離攻撃? 今更、棍棒の投擲ぐらいで、どうにかなるとでも思っているのか?」


 生身の状態で受けた遠距離攻撃は、投擲しかなかったので今回も同じだろうと考えていた。

 なにより、今の俺には例え直撃を受けたとしても効かない事を感じていた為に、さほど脅威には思わなかった。


 しかし、奴らの攻撃は俺の予想を超えるものだった!



 奴らは、胴体にある巨大な一つ目から光線を発してきたのだ!

 そして、二条の光線は一つに絡まり、一条の巨大なエネルギーの奔流となって、俺に向かって来る!!



 (この間合い、タイミングでは回避は・・・可能か。

  しかし、秘剣の威力を試すには、いい機会かもしれない。ならば!!)


 俺は柄を両手で握ると、それを頭上に掲げ、剣の力を高める。



全てを切り裂け!


    秘剣 飛竜翼斬!!



 振り抜いた剣から放たれた、巨大な三日月状の刃は、

 ドゥーム等が放った、巨大なエネルギーの奔流をもろともせずにうち砕き、

 その勢いのままドゥーム等を切り裂き、背後にある壁に巨大な亀裂を刻み込んだ!!




 パラパラパラ・・・・・




 爆発した後に残っていたのは、亀裂からこぼれ落ちる瓦礫のみだった・・・


 「凄い威力だな。手加減してこれ程とは・・・。」


 〈アキト兄、もうちょっと力押さえないと。もう少しで、この神殿を破壊する所だったんだからね!〉

 《そうだよ。折角新しい姿になったのに生き埋めなんて嫌だから!!》


 「うっ、スマン。まだ良く力加減が分からなくてな。

 これから強弱緩急をきちんと制御できるようにしていくようにするよ。

  ・・・それにしても、どうしたら”リュー”の体内から出る事ができるんだ?」


 〈”出たい”と頭の中で念じれば出られるよ。〉

 《只、剣は外には持っていけない。ブローディアリュー専用の武器になってしまったから・・・》


 「そうか・・・ 仕方ないな。ま、ソリッド相手なら素手でも勝てるだろうしな。

  それに、今の俺にはお前達がいる。よほどの事がない限り大丈夫だろう。」


 頭の中で念じると同時に、周囲が暗くなったかと思うと、俺はブローディアの正面に立っていた。

 後ろに振り返り、ブローディアの新たな姿 ― ”リュー”を俺は眺めていた。


 大きさは・・・大体4〜5m程度で、ボディカラーは以前の姿を受け継いでいるかの如く、

 漆黒を基調とし、幾ばくかの装飾がなされている。また、頭部は身体の比率に対して少し大きい。

 さらに、ショルダーアーマーも、折り畳む事ができれば腕がすっぽり入るくらいの大きさで張り出している。

 また、瞳の色は馴染みのある色― ”蒼銀”なのだが、目の形は、エステのようなものではなく、

 まるで人間の目に近く、瞳孔と結膜の様なモノがあるのがはっきりと見て取れた。


 ただ・・・一つ気になったのが肩、いや正確には背中に付いている一対のユニットらしきもの。

 何かを出す為のものだと思うが・・・、一体何に使うのだろうか?


 そんな事を考えながら改めてブローディアリューを見ていた・・・


 「これがブローディアの新たな姿・・・。

  この大きさで、あれ程の破壊力を生み出すのか。とんでもないな」


 〈それは違うよアキト兄。確かにあの破壊力を生み出したのは

   ブローディア私たちだけど、あくまで基礎となっているのはアキト兄の”力”なんだよ。〉


 頭の中にディアの声がしたかと思うと、ブローディアの目が俺の方を向いた。


 「やはりお前達は、ブローディアリューの中にいるのか・・・

  処で何故、直接頭の中にお前達の声が響くんだ?

  まるでラピスとリンクしていた時と、似たように聞こえるが。」


 《原因は・・・よく分からない。恐らく、一種の思念波みたいなものだと思う。

  後、僕たちの姿はリューに乗った時しか出ない。さっきの戦闘みたいに・・・・。

  ただ、会話はできるよ。アキト兄も声に出さなくてもいいと思う。》


 ブロスの言われた通りにやってみると、きちんと会話が成り立つ事が確認できた。


 「ま、俺だけが声に出して話していると、端から見れば独り言に見えるしな。

  これからは、一人でいるとき以外はなるべく思念波で話をするようにするよ。」


 「で、ブローディアお前達なんだがどうする?まさか此処に置いていくわけにもいかないし・・・

  それに、貰った荷物は何処にいったんだ? まさか無くなったのか?」


 〈それなら大丈夫だよ。アキト兄、カードを出して。〉

 《そして、ブローディア僕たちに向けてみて。》


 すると、カードに描かれている紋様の一部が光り出し、同時にブローディアも光り始める。

 そして、ブローディアは光の粒子となりカードに吸収されれていった。

 その代わりというのか、俺の足元に村長たちから頂いた荷物等があった。



 〈これで問題解決♪ 荷物も戻ってきたし、更にアキト兄と一緒に行動できるよ。♪♪〉

 《ブローディア僕たちを呼びたい時は、さっきみたいに名前を呼んでくれればいつでも出れるから。》


 「・・・”リュー”って持ち運びに便利だな。まさか、こんな事まで出来るとは。」


 目の前で起きた光景に、俺はそれ以外に言える事はなかった・・・


 暫らくして落ち着きを取り戻した俺は、先ほどの異形のモノを二人ブロス・ディアが何故、名前を知っていたか聞き出そうとした。

 が、それは目の前に出現した新たな魔方陣により後回しになる事になった・・・












 アキト達が出現した魔方陣に驚いていた時、アースティアのとある大地にて

 一体のリュー・ナイトと邪悪な化身との、壮絶な戦闘が繰り広げられていた!!



ガァァッ!



 邪悪な化身の剣の一撃を受けて、リュー・ナイトが吹き飛ぶ!


 「お師匠っ!!」


 岩陰に隠れていた少年が、リュー・ナイトに駆け寄ろうとするが、


 「来るでない。お前はその場から動くな!」


 リュー・ナイトの乗り手がそれを制止し、邪悪な化身へと再び向かって行く。




 (このままでは、奴を倒す事は出来ないかもしれない・・・。やはり歳は取りたくないものだな・・・

  老体の身でアレを繰り出せば恐らく、我が命は尽きてしまうだろう。

  だが、それでも奴は倒さなくてはいけない!アースティアの為に・・・。

  そしてこいつの為にもな・・・!!)




 リュー・ナイトの乗り手は少年に一瞬だけ視線を移し、そして再び邪悪な化身へと視線を移した。


 「 ―――よ、私に力を貸してくれ!」


 リュー・ナイトは空高く飛び上がると、剣を頭上へと構える。

 と同時に光の球―大きさにしてバスケットボール級の球を、身体の周囲に無数出現させる!!



 「我が秘剣で滅ぶがいい! 食らえ必殺の一撃を!!」



秘剣!

   重閃爆剣メテオ・ザッパーッ!!



 リュー・ナイトが剣を振り下ろすと、それに従うかのように、無数の光の筋が邪悪な化身へと流れ込む!




ズドドドーーーンッ!!



 無数の光球は、邪悪な化身だけでなくその周囲全てに降り注ぐ!

 そしてその後に残ったものは・・・なにも無かった。その威力は凄まじく、近くにあった山一つまでを消し去っていた。

 無論、邪悪な化身は見る影もなく、ただただ破壊された荒野が、辺り一面に広がっていた。そして・・・



 「お師匠ッ!」


 辺りに少年の悲痛な叫びだけが広がる。


 「・・・私は、もう助からん。自分でよく分かるよ、身体から全ての力が抜けていくのが・・・」


 リュー・ナイトの乗り手 ― 年老いた騎士が、少年に剣を差し出しながら話しかける。弱々しく。


 「老体に重閃爆剣メテオ・ザッパーは堪えたようだ・・・。いいか、私が・・・やっとの思いで倒した邪悪な化身。

  あんなモノが、この世にいる事をだれも知りはしない。 私の事は構わずに行け・・・!!

  け・・決して奴らには見つかるな! これからはお前自身で修行を続けろ。そして・・・

  本当に強くなるまでは、我が名とリューの名は明かすな。本当に強くなるまでは・・・な



 「お師匠? お師匠――――――ッ!!



 老騎士から剣を受け取った少年の叫び声が、周囲に広がり、そして無情にも消えていった・・・。






 「お師匠の遺言・・・確かに受け取りました。俺は誰よりも強くなる!!」


 墓標の前で一人の少年が心に誓い、そして一礼すると、意を決したかのように歩き出した。






 この少年の名は ”アデュー・ウォルサム” 

 後の世に、”光速の聖騎士”と謳われし者の旅立ちの第一歩であった・・・












 新たな姿となった”ブローディア”を得たアキト。そして二 人ディア・ブロスの口から 語られる驚愕の事実。


それを基に行動を開始したアキトの前に一体の”リュー”が舞い降りる!!




次回:   覇王大系・AKITOLEGENDアキトレジェンド


第6話  「廻り始める歯車・・・(仮)」






後書き(というか言い訳)


  どうも”時の番人”です。『アキトレジェンド』第5話どうだったでしょうか?

 戦闘第2弾。・・・少しでも分かりやすく書いたつもりなんですが難しいですね。


 前半のアキトが生身で、破滅の巨像ドゥーム・ゴーレムと戦った場面で、アキトが弱すぎる様に感じられた方もいるかと思いますが、

私なりに、破滅の巨像ドゥーム・ゴーレムに対しては、いくらアキトでも現時点では生身では無理だと思ったので、この様な形になりました。


 今回は、新たな”ブローディア”の顔見せがメインで書いたのですが・・・。色々とツッコムところがあるかとは思いますが

これで精一杯です、現時点では。性能云々については以後の話で少しずつ明かしていきたいと思います。

どこまでできるか・・・という問題点がありますが。できる限り頑張っていきたいと思っていますが・・・


最後になりますが、感想を下さった、

ノバさん、零さん、ケインさん、satoshiさん、彼のΣさん、Naokiさん、

ピョロ弐式さん、メネスさん。


誠に有り難うございました!!


稚拙なSSで読みにくい所があるかとは思いますが、よろしければ次回も読んでやってください。では・・・

 

 

代理人の感想

戦闘シーン、随分わかりやすくなったと思います。

あとは上達あるのみですねw

 

それと「リューソルダート」というネーミングになぜか思わず爆笑。

うーむ、本当に何故だろう。しっくり来すぎてたのかな?(笑)

(「リュー忍者」ってネーミングもあるんでドイツ語だから変だ、ってことはないと思うのですが。

 ・・・・・・いや待てよ、ニンジャって既に英語か?(爆))