「一体、何があったというのです?」



  一組のパーティーが、街の惨状を目の辺りにして驚いている。

 人数は3人。驚き方は三者三様であるが、その内の一人、少女 ― パッフィーが疑問を口にする。

 残りの二人も同じ疑問を持っていたらしく、似たような事を言う。



 「それにしても、これは酷い・・・。」

 「そうでござるな。この破壊が人為的である事だけは、間違いないでござるが・・・」



  彼らが入ってきた場所は、建物が全て損壊し、生活路が砕け

 街としての機能を果たしていない所。

  しかし、不幸中の幸いというべきか、この場所における死傷者は出なかった。

 理由として、ここは主に学校などの教育施設等が集中している場所であり、

 襲撃を受けた時間帯である深夜には、人が全く居なくなるのだ。



  その場に、人気がない事が分かると3人は街の中心部へと歩き始める。

 暫くして、中心部に着いた3人は、それぞれの思いを口にした。



 「街の中心部は、郊外と比べるとそれほど酷くないようですな。」

 「でも、あちこちの建物や道路に亀裂が奔っています。大丈夫なのでしょうか、イズミ?」

 「フム・・・、専門外なので断定はできませんが、

  大がかりな補修が必要になるかと思われます。 ん!? これは一体・・・。」

 「どうしたでござる、イズミ殿?」



  突如として、イズミの顔が曇りだし、細い目を大きく見開いたかと思うと、

 周囲を何度も見渡す。それを観たサルトビは、ただならぬモノを感じ聞き返す。

  パッフィーも、不安げな顔をしてイズミの方を見ている。



 (何だ、この言いようのない不安感は? 何かが淀んでいる感じがするが・・・、気のせいなのか?)



  だが、何も起こる気配はなく、周囲では街の人たちが怪我人の手当、

 及び建物の復旧を始めようと動き出そうとしている光景があった。



 「・・・・・・いえ、何でもありません、パッフィー様。どうやら私の気のせいだったようです。」



  その言葉に、ホッと胸をなで下ろすパッフィー。

 サルトビの方も一応は納得したらしく、別の事を尋ねる。



 「ところでイズミ殿。どうなさる? 街がこの様な状態では、宿は取れそうにないでござる。

  別の場所へと移動した方が得策かと思う「何を言うのですかサルトビ!!」



  サルトビが言い切らない内に、パッフィーが大きな声を上げた。



 「街の人たちが困っているのです。お助けをしてあげるのが当然です!!」



  有無を言わさぬ迫力で人差し指を立て、ズイっとサルトビに詰め寄るパッフィー。

 当の本人は、イズミの方に視線を向け助けを請う。「どうすればいい?」・・・と。



 「パッフィー様の言う通りですな。困っている人たちを助けるのも我らの務め。

  では、私は怪我人の治療にあたります。パッフィー様は私と一緒に手伝ってくだい。」



 「はい! 分かりましたわ。」



  イズミの答えにパッフィーは元気良く返事をする。

 サルトビの方はというと、表情には出していないこそ、内心は「面倒だな」と考えていた。

  だが、そんな考えなど、おくびにも出さず聞き返す。



 「拙者は何をすれば良いでござる? イズミ殿。」



  イズミは思案げな顔をし、少し考え込んだ後、サルトビに耳打ちをする。



 「・・・・承知した。では、後ほど・・・・。」



 シュッ・・・



  僅かな音を残し、その場からまるで消えるかのように立ち去るサルトビ。

 常人では何が起きたか理解できない程の動きだが、”忍者”を生業としている

 彼にとって、この程度の動きは造作もない事だった。



  パッフィーもサルトビに関し、その実力を知っている者として、

 先程の動きに対し別段驚く事はない。見える見えないは別として。

 ただ、彼女はサルトビが立ち去った理由が分からず、困惑の表情をしていた。

  そんな表情をしているパッフィーに苦笑しつつ、イズミは疑問を払拭するかのように話す。



 「心配はございません。少し気になる事がございまして、

  サルトビに調べに行ってもらったのです。」



  パッフィーは、この旅において年長者であり、かつお目付役でもある”僧侶”のイズミを

 信頼していた為、あれこれと詮索をする事はなく、気持ちを切り替えようとする。




  それから、イズミとパッフィーは、怪我人を見つけては治療を施すという事を繰り返していた。


 どの街においても、最低一つは教会があるもので、エルゴも例外ではなく、街の大きさに比例して大きな教会がある。

 教会にいる”僧侶”はレベルの差はあれど、奇跡ミラクルを使える。色々な用途があるが、

 代表的に挙げられる物として”治癒”がある。

  エルゴにいる僧侶達も中々のレベルなのだが、怪我人の数が多くて”治癒”がままならない状況にあり、

 そのような状況で現れた”イズミ”は、願ってもない人物であった。


  そのイズミは、街にいる僧侶が一人を治癒する間に、3〜4人を治癒しているのだから

 彼の持つ力量レベルの高さが伺える。



  一方パッフィーはというと、少しでもイズミが治癒に専念できるように、

 サポートに徹していた。暫くして、目に映る怪我人の治療が終わる頃には

 太陽は既に完全に昇り、真上付近まできている時間帯になっていた。


  ”力”を行使し続けたイズミの顔には疲労が浮かんいる。

 イズミは水分を補給しようと、水筒を開けるが運悪く一口分しかなかった。



 「私が水を頂いてきますね。」



  イズミはやんわりと断ったが、パッフィーは頑として聞かず、

 水筒を持って井戸の方へと走り出す。だが、その時!

  井戸の方向から、邪悪な気配がするのをイズミは感じ取る!!



 「パッフィー様ッ!!」



  イズミの叫び声に、「何事?」と疑問に思い振り返ろうとした瞬間!

 井戸を中心に半径5m程の大きさで、巨大な水柱が立ち上った! 激しい爆発音と供に!!



 キシャァァァァッッ!!



  かん高い雄叫びをあげ、そこには、二本の巨大な足で立ち誇っている一匹の魔獣がいた!

 全長は、ゆうに10m以上もある巨体!! 魔獣の正体は”竜!” だが、ただの竜ではない!!


  魔力ミストを制御出来る者なら、その正体を看破する事ができる。

 事実、パッフィーもイズミも一目ではっきりと認識できた。



 「あ・・・亜竜・・・。何故この様な場所に。」



  パッフィーが漏らした言葉、『亜竜』

 簡単に言えば、真っ当な命をもたない生物 ― ”疑似生物”と呼ばれる物。

 その強さは、作り出す人物の資質と魔力の強さで決まる。


  眼前にそびえ立つ”亜竜”は、創造者がとてつもない実力者であったことが

 分かる程、膨大な魔法力を体内に蓄えていた。


  人の身、否、例えソリッドを用いたとしても,常人では倒せない程の強さを秘めている”亜竜”。

 加えて、この場に出現した”亜竜”は、複数のソリッドを用いたとしても、倒せない程の強さを持っていた。

  この一匹の亜竜だけで、エルゴの街を壊滅するには十分すぎる程。



  そんな強大な力を持つ亜竜は、一番近くにいた対象物 ― パッフィーに向かって鋭い爪を持った腕を振り下ろす!!




 「ッ!!」




  突然の事に対処できず、彼女にできるのは、ただ恐怖から目を逸らす事のみ!

 誰もが「殺られる!!」と思わずには居られなかった。だが、亜竜の爪は虚しく空を切り裂いただけ。



 「騎士道大原則!! 一つ、騎士たる者 力無き者を護らねばならないッ!! 」



  声がする方に目を向けると、騎士風の少年が、パッフィーを抱きかかえて立っている。

 パッフィーはというと、今起きた事態をまだ理解していないらしく、ただ少年の顔を見上げていた。



 「危ないぜ、下がっていな。」



  少年は、パッフィーを地面に降ろすと、優しくそう告げる。

 パッフィーは、ただ何度も頷くとイズミの元へ駆け寄った。顔を赤らめたまま・・・。



 「大丈夫ですか、パッフィー様!? お怪我は。」

 「大丈夫ですよ、イズミ。それよりも、あの小さい殿方が騎士!?」



  イズミは慌ててパッフィーの元に駆け寄り、彼女を保護する。

 だが、彼女の意識は自分を助けてくれた人物に向いていた。




 「街をこんな風にしたのはお前か? 騎士として許す訳にはいかない!」



  そう言い放ち、背中に背負っていた身の丈程もある長剣を抜く。

 それを見ていた周囲の人たちは、「あんな剣で倒せるのか」と揃って思っていた。


 二人の人物パッフィーとイズミ を除いては・・・・・。



  少年は剣を掲げ、叫ぶ! 



 「剣よ! 我を無敵の力へと誘え!!


 出でよ、リューナイト!!




  剣の柄に付いている宝玉が輝きだす。光りが収まるとそこには、

 重厚な純白のボディーを持つ一機のリュー、”リュー・ナイト”が亜竜と向かい合う形で立っていた。



 「イズミ、あれは・・・・」

 「まさか、この様な所でお見受けするとは・・・。どうやら、私たちの出番は必要ないようですな。」



  二人の会話を余所に、戦いは始まった。



 「ハッ!!」



  リューナイトが持つ、肉厚のある両刃の剣が、亜竜に襲いかかる。

 だが、亜竜は意にも介さず手で押さえ込む。刃の方を!!


  驚いたのは、乗り手の少年。この一撃で仕留められる! と思った。

 何故なら、これまでリューの剣で切れない存在はいなかったからだ!!


  亜竜は、剣を掴んだままリューナイトを力任せに放り投げる。



 ズダンッ!!



 「痛ッ〜〜!! なんて馬鹿力だ。リューナイトを投げ飛ばすなんて!!」



  地面に叩きつけられた少年は、直ぐさま起きあがり再び亜竜と向かい合う。

 距離にして20トール程離れている。瞬時に攻撃態勢に移ろうと剣を握りなおした、その時!!

  少年は、目を見開く。!!


  膨大な魔力ミストを、その身に集中させている亜竜の姿があった。

 そして、鋭い牙を持つ口を大きく開口し、リューナイトの方に向けている。

 開かれた口の中には、無数の光の粒子が収束しつつあった。



  少年は一瞬、後を振り向く。背後には治療中の人々や、彼らが住む家々がある。

 少年にとって予測される亜竜の攻撃 ― レーザーブレスを受けきる事はできないが、

 回避する事は難しくはない。

  だが、回避した後、背後の光景が地獄絵図と化す事は想像に難くなかった。

 回避か迎撃か・・・。


  二者択一の問いに対し、騎士の少年は迷うことなく、後者 ― 迎撃を選ぶ!!



 (騎士道大原則!! 一つ、騎士たる者 敵に背後うしろを見せてはならないッ!! )



 ウオオオォォォンッッ!!



  その決意の基、リューナイトの闘氣は、爆発的な高まりを見せる!

 剣を亜竜に突きだし、少年が吠える!




 「覚悟しろ。これが俺の最高の”技”だ!!


  秘剣! 覇翔クラッシュ斬り・ドーン!!




  亜竜のレーザーブレスとリューナイトの秘術マイトが繰り出されたのは、ほぼ同時だった。

 激突の瞬間、レーザーブレスはまるで霧のように霧散する。


  少年の秘術マイトは、高密度の闘氣を纏い、超高速で敵を貫く技!

 その破壊力の前に、亜竜の攻撃は無効化され、自身もあっけなく滅びを受け入れるしかなかった。



 「中々の腕でござる、拙者ほどではないがな。」



  何時の間に居たのか、サルトビがパッフィーの側に立ち、リューナイトを見ている。

 そのパッフィーはというと、喜びの表情をしていて、リューナイトから降り立つ少年を見つめていた。



 「見つかりました! そうに違いありません。きっと・・・」



  ポンッと胸の前で手を叩く。



 「????」

 「えっ!? なにが!?」



  イズミとサルトビは、彼女の突然の発言に対して付いていけず、

 彼らの頭の中は疑問符で一杯だった。



  パッフィーは騎士の少年に向かい歩き始める。

 少年は助けた人物が近づいてくるのに気づき、声を掛けようとするが、

 パッフィーの大胆な行動に絶句する・・・。



 「ああっ、勇者様! あなたこそ伝説の勇者ッ!!」



  そう言いながら、抱きついてきたからだ。あまりの展開に言葉も出ない少年。

 辛うじて、声を出すものの、うわずった声しか出ず、



 「でんせつのゆうしゃ??」



  引きつった顔をしつつ、そう答えるのがやっとだった。

 過剰な感謝に戸惑いを覚え、その理由を問いただすと、

 上目遣いでこちらを見つめ、



 「騎士様、少し私のお話を聞いて下さいませんか?」



  それに対する少年の答えは、口からではなく別な所から発せられる。



 ぎゅるるるるる・・・・



 「まぁ・・・・。クスッ、では場所を変えましょう。宜しいですか?

  あっ、お気になさらないで下さい。食事はこちらが持ちますから、ね?」



  少年としては、食い物が目的でこの街にきたので、彼女の申し出は有り難かった。

 そこで「話を聞くぐらいなら」と思い、彼女の提案を受け入れる。



 「そういえば、自己紹介がまだでしたね。私の名前はパッフィーといいます。パフと呼んで下さい。」

 「俺の名は、アデューだ。よろしくな、パフ。」



  その後、残りの二人を紹介されるアデューだが、その内の一人 ― サルトビと呼ばれる少年が、

 こちらを敵視してくるのがよく分からなかった。




  街を歩き、何とか営業をしている食事処を見つけ、

 遅い昼食にありつける事ができた。



  パフの話はこうだった。



  半年程前、パフの住む国に”大賢者・ナジー”という方が訪れ、パフにある事を告げた。

 「勇者の資質を持つ者を探し出し、我の元へ導け!!」 ・・・と。

 その命を受け、彼女は連れの二人と一緒に旅を続けているのだと。



  話しを聞き、アデューは最初は乗り気ではなかった。

 アデューにとって、現在最も優先される行動指針に、『誰よりも強くなる!』 というのがある。

 その為には、より強い相手と戦うのが、腕を上げるのに一番手っ取り早い修行だと思っていた。

  故に、もし彼女の申し出を受けた場合、「”修行”ができない」という考えが浮かぶ。


  だが、パフのこの一言で、アデューは彼女たちに同行する事を決める。

 『とてもお強い方なのですけど』 ・・・・・という一言で。



  他には、パッフィーをはじめ、イズミ・サルトビもアデューと同様に

 リュー使いである事を知らされた事を追記しておく。












  食事が済んだ後、この街から出るのかと思っていたアデューだが、

 イズミがその前に寄りたい所があるというので、其処に向かう事にした。



  到着した場所は、別段どこにでもある何の変哲もない一般的な建物。

 だが、エルゴに置ける重要な施設の一つである魔法の研究所。普段なら兎も角、今日のような状況なら

 門前払いを喰らうのが普通だが、何故か顔パスで入れた事に疑問に思うアデュー。


  実は、サルトビが立ち去った理由の一つがコレだったのだ。イズミの頼みを受け事前に連絡を取っていたのだ。

 勿論、ある手段を用いて。アデューがその手段を知るのは、まだまだ先の話。



  施設に入り、更に地下室に案内される4人。すると、一つの部屋の前にたどり着く。

 部屋の前には、この街の町長と研究施設の局長が立っていた。

 その内の一人 ― 局長が話しかける。



 「これはこれは、大きくなりましたなパッフィー様。」



  知り合いらしく挨拶を交わすふたり。



  その後、彼らは後にある部屋のロックを解除すると、重厚な扉がゆっくりと開く。

 室内に入ると、目に飛び込んでくるのは、所狭しと張り巡らされた大小様々なコード。

 更に、その中の複数のコードは、中央に設置されている大きな水晶の形をした球体に接続されていた。



 「何ですか、アレは。」



  パッフィーの問いに、局長は中央の球体に向かうと、手元にあるスイッチらしきものを入れる。

 すると、其処には現在の街の状況が映し出されていた。



 「これは、過去の魔法文明の遺産の一つで、あるものを媒介として、

  映像を映し出す事ができます。媒介となるものはこれです。」



  局長は手のひらに乗せた、一個の球体を見せてくれた。


 「これを、街の外に複数設置する事で、野盗らが接近してきても事前に察知出来るようにしていました。

 他にも、この遺産の機能として、映し出された映像を保存する事が出来るのです。

 今からお見せするのが、この街を襲ったモノ達です。」



  そう話しながら、局長は手元の装置を動かす。その表情は悔しさの為かわからないが

 やりきれない表情をしている。


  しばらくすると、映像が切り替わり球体に別の映像が映し出される。其処には、街を襲う輩達が映っていた。

 映った映像を見て、アデューを除く3人は声が出ない。

 町長や局長も一度は見ている光景だが、やはり改めて見ると3人と同様な様子を見せていた。



 「ドゥーム・・・・。あのようなモノがまだ、この世に存在しているとは・・・。」

 「それも一体だけではなく、あんなにたくさん・・・。」

 「それも、空を飛んでやがるのか・・・、此奴等は?」



  それでも、何とか3人は各々の感じた事を漏らす。

 3人の様子があまりにも変なので、アデューは疑問を口にする。



 「なあ、彼奴等って一体何なんだ? 」



  その発言に、一同は一瞬目が点になる。が、いち早く我を取り戻したサルトビが詰め寄った!



 「ふざけんなよ! リューの乗り手のくせに知らねェのか!?

  あそこに映っているのは、俺等人間やエルフ・ドワーフ族の宿敵! 魔族の”リュー”だぞ!!」



 「魔族の”リュー”。」



  反芻しているところを見ると、冗談でいった事がない事が伺える。

 そんな中、イズミはある事実に気づく。



 「しかし、妙ですな。あれだけのドゥームが襲ってきたにも関わらず、街への被害が最小限で食い止められている。

  こう言っては失礼ですが、街が壊滅しても可笑しくない戦力です。一体なにがあったのです?」



 「簡単な事です。奴等が全滅したからです、たった2体の”リュー”によって。」



  町長の言葉は、ドゥームの恐怖を知る3人にとって衝撃的だった。

 彼らの現段階の戦闘力において、仮に4人(アデューを含む)が協力して

 何とかドゥーム一体と渡り合える程度なのだ。



  局長は装置を操作し、画面を切り替える。其処には、”空飛ぶドゥーム”等を倒す存在が映っている。

 一対の蒼銀の翼と純白の翼を持つ、”漆黒のリュー”と”真紅のリュー”が。



  ”リューが空を飛ぶ!”という事実だけでも、驚く光景なのに、

 あの・・ドゥームをいとも簡単に倒しているのだ。

  アデューもドゥームの強さはよく知らないが、それ以上の存在を知っている。

 それと比べても、2体のリューの強さが尋常でないのが理解できる。



 「この2体の”乗り手”の方々は、一体何処に? 是非会ってみたいのですが。」



  イズミの問いに、町長は首を横に振る。



 「実は分からないのです。このドゥームを倒した直後、

  新たに現れた”敵”らしいモノとの戦いが終わった後に、何処かに消え去ったのです。

  ・・・・・・お礼をしたかったのですがね。」



 「その”敵”らしきものとは何なのです? この装置には映っていないのですか。」

 「残念ながら、殆ど映っていません。”真紅のリュー”はかなり高度の上空で戦い始めた

  もので、この球体では捉えきれなかったのです。」



  切り替わった映像には、上空を飛び交う2つの光点しか映っていない。

 ただ、その光点の動きから、激しい戦いを繰り広げている事だけは想像できる。



 「後は、この映像だけです。残っている映像は。」



  その映像とは、郊外の地上において”漆黒のリュー”と対峙している巨体。

 どう見ても、”リュー”にしか見えない巨体は、”漆黒のリュー”と同じ黒色系をしている。



  だがその映像を見ていて、内心冷静でいられない人物がこの場に一人、存在している。

 しかし、他の者達は映像に気を取られ、誰もその者の異変に気が付く事はなかった。




  この時、誰かが気づいてあげれば、この先に起こる”悲劇”を回避できたのかもしれない・・・・。





  それから、街を出発したパッフィー達一行は、ナジーに会いに行くべく、

 再び旅を開始するのであった・・・・・・・・・。













  ガルデンとの激闘の後、目的地に到着するアキト達。

 そこで彼らが出会う人物とは・・・。






次回:   覇王大系・AKITOLEGENDアキトレジェンド


第九話  「試練!(仮)」










 後書き(という名の言い訳)


  どうも時の番人です。『アキトレジェンド』”第8話−後編”をお送りします。

 はやく更新すると前回でいいつつ、いざ蓋を開けてみると約一ヶ月弱も経っている・・・・(汗)、う〜ん。


  前半を含めて第8話のメインは、アキトとガルデンを会わせる事が最大の目的でした。

 その為にアデュー達との関わり合いは間接的なものになり、しかもアデュー達からの一方通行・・・。


  故に早く出会わせてあげたいのに、8話が終了しても作品の主人公同士が、

 未だに”クロス”せずにいる現状。正直なところ私の力量不足が主たる原因なのでしょうけど、

 もう少しこの状態が続きそうなんです(泣)。後1、2話程度・・・。

  会わせる前に、やっておきたい部分があって・・・・・。平行進行の形で行くかもしれません。



  後、今回のガルデンの技の名前ですが、完全なオリジナルです。

 もっと、「リューナイトの世界」に合った良い響きの”技”があったのかも知れませんが精一杯・・・。

 自分では気に入ってはいますけど・・・ね。技の具体的な中身は、また別の場面で・・・・・・・。

  ちなみに名前を捻り出すだけで、一週間も費やしてしまいました。センス&アイディアが欲しい今日この頃です。



  用語説明:”トール” = ”メートル(m)”



  最後に感想を下さった、


   とーるさん、彼のΣさん、kenitiさん、ノバさん、零さん。


 並びに、

 此処まで読んで下さった方々、貴重なお時間を使って読んで頂けた事に感謝致します!!



  稚拙なSSで、読みにくい所があるかとは思いますが、よろしければ次回も読んでやってください。

 では、これにて失礼いたします。時の番人でした。


 

 

代理人の感想

うぬ。

バトルものとしてはそれなりだと思うんですが、ご自分でおっしゃるとおり構成に問題があるかと。

このまんまだとリューナイト世界に出てくる意味が余りありませんし・・・・。