変わりゆく時の中で

第1話Aパートその1


「ここは・・・何処だ・・・?」

 俺が目を覚まして見ると、そこには見覚えのない天井があった・・・
 いや、前どこかでみたような気がす・・・!
 ここはサイゾウさんの所の・・・
 何故こんなところにいるんだ・・・?

 俺は少し考え、そして思い出した。
 そうだ!!俺はあの時、遺跡に巻き込まれて・・・
 まさか、また戻ったっていうのか!?
 俺は飛び起きた・・・
 その俺の視界の端にカレンダーが見えた・・・
 年号は・・・2195年だった・・・

 俺は愕然とした・・・
 あれだけやったのに・・・それでも駄目なのか、と・・・
 俺が何をしても無駄なのかと・・・
 今までのことは何だったんだと・・・
 今までのことは・・・全て悪い夢だったんじゃないか、とさえ思えてくる・・・

 その時、ふと自分の手を見て違和感に気付く・・・
「・・・まさか、小さくなってる・・・?」
 俺は恐る恐る鏡を探した・・・
 結局、鏡はなかったので窓ガラスで見る事にしたが・・・
 そこに写っていたのは14才くらいの金と銀のの瞳の少年だった・・・

「なんだよこれは・・・」
 思わず俺はそう呟いた・・・
 まさか、別人に入ったとか?
 そんなはずはないと分かっていながらも、思わずそんな考えが頭をよぎる・・・
 もう1度窓ガラスを見てみたが、
 そこにはやはり金と銀の瞳の少年が写っていた・・・
 良く見ると瞳の色以外は昔の自分そのものだった・・・

 1度自分の頭の中で整理してみよう・・・
1、遺跡に巻き込まれた。
 ・・・おそらくこれは間違いないだろう、
 今までのことが夢もない限り・・・
2、昔に戻った。
 これも、夢でなかったならそうだろう・・・
3、サイゾウさんのとこにいるみたいだ。
 これに関しては自分の記憶だけがたよりなんで確証が持てない。
 ・・・偶然そっくりだってこともあるしな。
 まあ、暫くすれば分かるだろうが・・・
4、今、自分は14才くらいで金と銀の瞳をしている。
 これは確かだろう。
 しかし、金と銀の瞳か・・・
 どちらも普通はない色だな、
 そう考えると遺跡のことは間違いないだろう。
 しかし、なぜ14才になっているんだ?
結論
 とりあえずこの事は考えても無駄だから、
 頭の隅にでも置いておくことにして、
 これからのことを考えた方が良いだろう。

 さて、とりあえずここにいるという事はおそらくサイゾウさんにあう事になるだろう、
 その時なんて話すか考えておかないとな・・・
 とりあえず現状が分からないので記憶は良く思い出せないという事にしよう、
 下手に記憶喪失という事にすると後々すぐぼろが出るからな。
 名前、出身地、部分的な記憶・・・
 覚えてる事にするのはそれくらいで良いだろう。
 地球に来てからのことはいっさい覚えてない事にした方が良いだろう。
 実際、記憶にないしな。

 さて、一体サイゾウさんとはどうなってるんだろうか?
1、昔の自分に今の精神が逆行した。
 この場合、体のことをどうするかが問題だな・・・
2、全く違う関係。
 この場合は完全な記憶喪失にしないといけないかもしれない・・・
3、倒れてたところをサイゾウさんが家まで連れてきた。
 この可能性もない訳じゃないか、
 もしそうならさっき考えたので良いな。
 まあ、目のことで驚くかもしれないがそれは別に良いだろう。
4、その他。
 ・・・駄目だ、これ以上思い浮かばない。
結論
 とりあえず、2の時は記憶の混乱でごまかして(ごまかせるのか?)、
 基本的に3の方針で行こう。

 っと、誰か近付いてくる気配がする、
 残りはまた後で考える事にするか・・・

  ガチャ

 ドアが開く音がしてサイゾウさんが入ってきた。
「お、もう起きて大丈夫なのか?」
「はい、平気ですが・・・
 ここは何処ですか?」
「ここは俺の家だ、お前は近くの草むらで倒れていたんだが・・・覚えてないか?」
 3で当たりみたいだな・・・
「いえ、気がついてからどうしてここに居るのか思い出そうとしていたんですが、
 どうも記憶があやふやで・・・」
 自己紹介してないな、うっかり名前を呼んだ時の為にもしておいた方が良いだろう。
「そうか・・・俺はユキタニ=サイゾウだ、サイゾウで構わない。
 お前は、名前覚えてるか・・・」
 サイゾウさんの方からしてくれたか・・・
「あ、はい、テンカワ=アキトっていいます。」
「テンカワ=アキトか、アキトで良いな」
「はい、かまいません。」
「そうか、じゃあアキト、家で働かないか?」
「へっ?」
「どうせ行くあてないんだろ、住み込みで働かないかっていってるんだ。」
 そういえばその事について全然考えてなかった・・・(汗)
「そうですけど・・・良いんですか?」
 とりあえず聞き返してみる。
「子供のくせに遠慮すんじゃねえ、
 ところでお前、料理はできるか?」
「あっ、はい、料理人を目指してるんで一応出来ます。
 基本は中華で、他には和食、洋食も少し出来ます。
 1番得意なのはラーメンですが・・・
 でも、なんでこんな事聞くんですか?」
 ちょっと言い過ぎたような・・・
 怪しまれてなきゃ良いけど・・・
「ああ、家はレストランでな、
 料理ができるなら試しに作ってみてくれないか。」
「はい、それで何を作れば良いんですか?」
「そうだな・・・得意だって言ったラーメンを作ってくれ。」
「はい、分かりました。」
「お、おい!!」
 そういって俺は厨房へ行こうとしたが・・・
 ここで場所を知ってるのはおかしいので戻って厨房の場所お聞く事にした。
「すみません、厨房の場所どこですか・・・」
 そう聞いてサイゾウさんに案内してもらう事にした。
 結果、サイゾウさんは笑いながら案内してくれた。
 どうやら、さっきの『お、おい!!』は、
 場所も聞かずに飛び出したことに対してだった様だ・・・

 さてと作るか・・・
 今の年齢を考えると手を抜いた方が良いんだろうけど・・・
 やっぱり料理人の意地として・・・せめてこのラーメンだけでも本気でやるべきだな。
 そして俺は料理に取り組んだ。

「ふむ、手際はかなり良いな。」
 サンゾウさんの言葉を聞きながら、
 俺はラーメンをサンゾウさんの前に置いた。
「見た目よし、においよし、さて味の方はどうかな。」
 そういってサンゾウさんは食べはじめた・・・
「あの、この料理だけは自身があるんですが・・・どうですか?」
 こう言っておけばこの料理以外はそれほどでもないとされるだろう。
 ・・・きっと・・・
「ふむ、味も申し分ない!!
 よし、これからラーメンはお前に任せるからな、
 しっかりやれよ!!」
「はい!!」

 そうして俺の2度目のやり直しは始まった・・・
 ・・・しかしサイゾウさん目のことも何も言わないし、
 料理の腕についても・・・はっ、まさか腕が落ちたとか・・・
 いや、それだったら任せないだろうし・・・
 まあ、考えてても仕方がないか・・・

続く


  あとがき

 なんだか話が(自分的に)長くなってきたのでここで一区切り付けようと思います。
 あと、話の中でおかしくなるので、一応こういう設定があるものと思って下さい。
 まず、義務教育は(年齢的関係の為)無しという言う事にしてます。
 次に、結婚は10才以上なら誰とでもでき、また重婚も認められてます。
 誰とでもと言うのは親子や兄妹、果ては同性もありと言う事です。
 最後に、この世界は平行世界の1つで本の世界に近い別物の世界だと言う事です。
 今決めてあるのはこの3つです。
 もしかしたら後々増えるかも知れませんが・・・
 それと、視点は基本的には主人公の視点ですが、
 プロローグAパートの最後のように作者視点になったり、
 はたまた第3者の視点に鳴子ともあると思います。
 あと、これから色々書いて行くつもりですが、もしかしたら、
 他の人とネタがかぶってしまう事もあるかも知れません。
 なるべくかぶらないように気を付けますが、かぶってしまったらすみません。
 まだまだ未熟ですが、よろしくお願いします。


 

代理人の感想

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あそこから第一話につなげるのであれば、

プロローグの「Aパート」ってどういう意味があったんでしょう?

気になって夜も眠れません。(爆)

 

それは置くとしても・・・えらくインモラルな世界ですな。