時の流れに after story
 
『ダブル』とは関係ありません。
 
『夜天光』の放った錫杖の一撃がブラックサレナの肩口に入った。
俺は激痛の走る肩口を押さえながら北辰を問いただす。
「何故だ。何故完璧なブラックサレナが貴様らに勝てない?」
『フッ、私は貴様の知っている北辰に非ず。
 私こそ修羅に勝つために人にして人の道を外れた外道よ!』
 
「北斗!この気配、奴はひょっとして……」
『ああ、間違いない。奴こそ俺が倒したはずの北辰だ!』
『そうすると、あっちのアー君じゃ』
「勝てないだろうな。なんて落ち着いてる場合じゃない。助けに行くぞ!」
俺の『ブローディア』が先頭を切り、『ダリア』と『ダリアU』が続く。
 
と、その前に
 
「そこの3機のパイロットの方々、この時代に起きている事件ですから俺達が片を付けますよ」
いつも通りに軽く言った俺に返ってきたのは重すぎる一言だった。
『お前らが優秀なことは分かっているが、あいつらに勝つのは容易なことじゃないぞ?』
確かテンカワ=アキトさんだったかなこの人は。
中尉いわく、向こうで北辰にボコボコにされている人と同一人物だというが信じられない。
「この闘いはあの人が決着を付けないと、艦長のところに戻れないじゃないですか?」
『それはそうだが、このままではあいつは死ぬかもしれんぞ?』
「そうしないためにも中尉達が加勢に向かったんですよ」
 
北辰の駆る『夜天光』に続いて『六連』がブラックサレナに襲いかかる寸前だった。
『六連』に銃弾の雨が襲いかかった。
「アキト!俺達は我慢の限界だ。無敵を誇ったあの機体がボコボコにされるのは見てられねぇ」
 
『『騎兵隊だ〜!!!』男のタイマン、邪魔する奴は馬に蹴られて三途の川だ!』
紅いエステバリスが2機、先頭を切って『六連』sに襲いかかる……2機?
『馬様1ヒヒーン』
『その2のヒヒーン』
歴史通りとでも言えばいいのかヒカルちゃんとイズミさんが名乗りを上げる。
『おいおい、俺も馬なのかよ』
あ〜あ、この後を聞いたら三姫ちゃんが大変なことになるぞ?
『そうそう、馬だけに…』
『リョーコはサブを尻に敷き……』
『バッカヤロウ!!なにが尻だ!』
あ〜あ、言っちゃったよ。
『サブロウタ!あれはいったいどういうこととね?』
『だぁ〜、三姫!落ち着いてくれ、あれは俺にとっては過去のことだ。今の俺にはお前だけ……な?』
三姫ちゃんが真っ赤になってるよ。
『ま、尻に敷くか膝枕かはその後の展開として。ねぇ中尉?』
軽口をたたきながら『六連』に向かっていったナデシコC所属のエステバリス隊だったが、
奴らの攻撃は予想以上に激しくあっという間に劣勢に追い込まれた。
 
「『ブローディア』より全エステバリスへ!
 ここにいる『夜天光』及び『六連』sは前回、火星で俺達が倒したものと同じだ。
 一対一の戦闘は避け、複数で撃破しろ!」
卑怯といわれようが負けるわけにはいかない。
「『ブローディア』より『ブラックサレナ』」
『『ブラックサレナ』だ。何のようだ?』
「お前のことだ。俺達に手出しされなくても自分だけでケリを付ける、とか考えているのかもしれんが状況が変わった。加勢するぞ!」
『要らぬお世話だ』
「そうも言っていられないのだ。俺達が2回の時間逆行をしたことは説明したな。
 前回の歴史の火星における木連との戦闘の折、ここにいる北辰と闘った。
 確かにあの時、倒したハズなんだが、今目の前にいるのはその時の北辰だ。この決着はお前が付けるべきものではない。
 俺が付けなくてはならないんだ!!」
『そこまで言われては仕方がない。今回はお前に譲ろう』
「すまない」
俺達の話し合いが終わるのを待っていたのだろう。北辰から通信が入った。
 
『久しいな、テンカワ=アキト。今度こそ、我は負けぬ』
奴はタイマンがお好みらしいが、
「貴様の酔狂に付き合っていられるか。北斗!枝織ちゃん!一気に決めるぞ!援護を頼む」
『『了解』』
北辰の奴が知っているのは火星で対戦したときの俺だ。
しかし、俺達はその後の数年間を丸々修行に使った。
その結果、もちろん仮想空間での戦闘訓練では北辰と六連の連係攻撃を避け、さらに撃退できるまでにその実力を上げたのが今の俺達だ。
生身ならまだしも、奴は今、機動兵器に乗っている。例え操縦者の反応が早くても機体が付いてこられなければ話にならない。
「北斗!今回は俺に譲ってもらうぞ!」
枝織ちゃんは基本的に前衛ではない。普段から前衛を北斗に任せ自分は援護に徹している。
フェザーソードの為にフェザーを全て集める。そうすることによってフェザーソードは30m以上に達する。
『そのような大きな武器が機動兵器戦に役に立つものか』
突っ込んでくる北辰。確かに速いが・・・
「北斗の100倍遅い!」
俺が剣を振る。そこからが秘密兵器たる所以だ。剣を振るに従ってフェザーがその隙間を大きくする。
『なっ?!』
奴が気が付いたときには既にその真横にフェザーソードが迫っている。
そしてそのまま何も出来ずに真っ二つだ。
しかし
『アキト兄、今、夜天光からボソン反応が検出されたよ。行き先はおそらくナデシコだよ』
やはりな。機動兵器戦でかなわないと見れば敵の弱点を攻める。
兵法の基本ではあるが・・・奴らしいやり方だな。
「ユリカ!いま、奴がそちらに向かった。何人掛かりでも良い、なんとしても奴を倒せ」
『わっかりましたー!こちらは私達に任せてアキトは機動兵器をお願い』
「了解!だけどくれぐれも無理するなよ。それとルリちゃんは戦闘禁止」
『アキトさん、何故ですか?!』
「それを俺の口から言わせたいのかい?」
『それもいいんですが・・・分かりました。今回は前衛には立ちません』
「リョーコちゃん!六連の相手は任せた」
そう言って俺と北斗、枝織ちゃんの3人はナデシコに帰艦する。
 
「よっしゃー!てめぇ達行くぜ!」
『…『おう!』…』
かけ声と共に敵『六連』に襲い掛かるエステバリス隊。
「見せてやるぜ!再度、爺さんに教えてもらった秘剣の数々!」
 
(注)この後、この話はかなりの電波系になります。ご注意下さい。
 
「だぁーなんだ?このうるさい注意書きは?!・・・
 まぁ、いい今や地球では流派の名前すら失われているが技の切れ味は天下一品だぜ?」
俺は『赤雷』を構えるとそのまま突進する。
「ナイン・ドラゴニック・ウェーブ!」
本当は漢字で名前が付いているらしいが。
六連はその少ない間接部に連撃を喰らって火星表面に墜ちていく。
 
「流石ですね、リョーコ。しかし、私も新たな技を会得したんですよ?解除コード『ルナ』」
誰ともなしに呟いた私は愛用のヴァルキリー・ランスを左手に構え、右手を開いて前方に突き出します。
前後の姿勢制御バーニアをふかし、加速をため込みます。
「必殺、片手平突き!」
六連が何故か2機その短い足を失って墜ちていきました。
 
その他のパイロットの方々が六連如きに遅れをとるはずもなく、1機残らず落とされました。
丁度その時、ブリッジの出入り口を爆破して奴が侵入してきました。
この最強を誇るナデシコの最強のブリッジに。
今回は戦闘を禁止されていますがテンカワ流師範代の私、それに門下生のラピス、ナオさん、プロスさん
更に北斗流師範代のハーリーくん、門下生のユリカさん、ジュンさん、ゴートさん。
描写の暇もなく北辰は捕縛されました。
中でも北辰に対して、最も多くの攻撃を決めていたのはラピスでした。
 
 
 
…………………………………………………………………………………………………………
さて、次回で『未来編』も最終回
いったいどんな結末が待っているのでしょうか