……ここは……我はどうしたのか……

くらい……何も聞こえない………我は死んだのか………?

 

そんな問答をどれだけ重ねただろうか………

 

カッ!!

 

突然光が我の眼に入ってきた!

「クッ!眩しい!」

思わす言葉が口を突いて出た。……我もまだまだ未熟。

「……おや?目が覚めたのかい?」

我の声に気付いたのか、何者かが聞いてくる。

……その声はヤマザキ……。ということは回収され、チャンスが与えられたということか……。

「それより体の調子はどうだい?どこかに異常とかは?」

ニコニコと笑いながら聞いてくる。どうやら北斗に潰された眼も機械で復元したのか、よく見えている。

ふっ、いきなりデータ取りか……奴らしい……。

体は………動く。

痛みも………ない。

異常はどこにもない。

「(ああ、異常はない)

うん、どこも痛くないよ」

……その瞬間、たしかに時間が止まった。

 

 

 

 

北辰の悲喜劇

 

 

 

 

 

 

……なんというか……我の口から出た言葉はかわいらしい幼女の声だった気がする……

ヤマザキがあっけに取られている顔なんて初めて見た気がする。

だが、我もそんな顔をしているだろうという事もはっきりと解る。

「……ごめん、もう一度言ってくれるかな?」

永遠とも思える時間を固まっているのち、そう問い掛けてきた。

「(これはどう言うつもりだ!ヤマサキ!!返答次第によっては殺す!!)

これってどう言うつもりなの!?ヤマサキちゃん!返事次第じゃめーよ!!」

その瞬間、2度目の空間凍結が起こった。

……しかし、ほんの少しは免疫ができたのか、思ったよりも早く動き出す。(我はまだ凍結していたが)

「…こりゃスゴイ!急いで研究班を召集しなくちゃ!」

『研究班を召集』

この言葉で止まっていた頭が動き出す。

「(ちょっと待て!人を呼ぶつもりか!?)

ちょっと待って!人を呼ぶの!?」

さすがに3度目ともなるとなれたのか、すぐに答えが返ってくる。(我はまた凍結していたが……)

「仕方ないでしょ。そのままで困るのはキミなんだから」

「(しかし……)

でもぉ……」

「それともそのままでいる?わたしとしてはそれもいいと思うけど」

ニヤニヤ笑いながら聞いてくる。

「(殺すぞ、貴様。早く直せ)

めーよ、ヤマサキちゃん。早く直して。」

「クックック……ハッーハッハッハ……。分かった、分かった。準備をするから待っていてください」

ついに堪えきれなくなったのか、爆笑しながら応えてくる。

さすがに今殺すわけにも行かず、憮然としながらも耐える。

「クックック……、準備はできましたよ。じゃあはじめましょうか」

いまだに発作的に笑いつづけているヤマザキ。それを研究員共が不思議そうに見つめている。

我もまだ憮然としながらも言われた通り、ベッドに横になる。

「……それでは行きますよ」

さすがに研究中はまじめになるのか、笑いはなりをひそめる。

 

 

数時間後……

 

 

「……結論から先に言っておきますが、……ご愁傷様です」

それを聞いた瞬間、頭の中が真っ白になった。

ご愁傷様?……つまり、直らないということか……?

頭にそのことが染み渡った瞬間、ヤマサキの胸倉をつかんでいた!!

「(どう言うことだ!説明しろ!!)

どう言うことなの?説明してよ!!」

「わッ、分ったから、まず手を離して!」

そう言われ、渋々手を離す。

「(では早くしろ)

じゃ、早くして」

「ゲホッ、ゲホ……まったく乱暴なんだから……じゃあ言いますよ。

この間の北斗君との戦いで言語中枢がやられているんですよ。そのせいで、話そうと思った言葉が変に翻訳されて

いるんです。」

「(ではそこを取りかえればいいのではないか?)

じゃあそれを取りかえればいいんじゃない?」

当然思う疑問をぶつけてみる。

「それができれば苦労はありませんよ。いいですか?その言語中枢はブーステッドマンのコアに繋がっているんで

すよ。ヘタにいじればコアを止める事になりかねませんよ。ついでに言えば一度コアを止めれば再起動は不可能で

す」

つまり、コアが止まれば死ぬって事か。……だが、こいつならばできるのではないか?

「(それは貴様にも無理なのか?)

それってヤマサキちゃんにも無理なのぉ?」

「……まあ、確率で言えば、5%って所でしょうね。それでもやりますか?」

5%……つまり無理ということか……声を除けば問題はない訳だ……遺憾ながら仕方がないか……

「(……解った……。声の事はもういい。で、我を助けた理由はなんだ?)

……解ったの……。声の事はもういいの。それで、北ちゃんを助けた理由って何?」

「はい、はい。それはわたしではなくて、スポンサーに聞いてください。わたしは言われて修理しただけですし」

そう言いながらどこかにアポを取り出す。

「はい、はい。それでは、今からそちらに向かわせます。

……と言うわけで、今から本部に言ってもらえますか?」

話が終わったのか、通話を切りつつ聞いてくる。

「(解った。で、その位置は?)

解ったの。それで、その位置は?」

「はい、はい。このナビに示してありますから、持ってって下さい」

そう言い、ナビを渡してくる。

「(それでは邪魔をしたな)

それじゃお邪魔様なの」

そう言い残し、颯爽と出ていく。

「はい、はい。それでは一週間後に検診に来て下さいよ」

背中から聞こえる声に片手を挙げて返事を返し、部屋を出ていく。

「さてと、それじゃわたし達も次の研究をしますか」

 

 

 

 

30分後・研究室内

「ところでヤマサキさん。さっきの人、ホントに戻せなかったんですか?」

「ん?何がだい?」

研究員Aの言葉に生返事を返す。

「あの北辰って人の声ですよ。僕には無理ですが、ヤマサキさんにならできたように見えたんですが……」

「ん〜、まあ五分五分ぐらいでできたんじゃないかな」

「じゃあ、なんでやらなかったんですか?」

本当に不思議そうに聞く。ヤマサキならば50%もあれば絶対にやると思っていたからだ。

それが伝わったのか、研究の手を止め、Aのほうを向き、実に愉快そうに語る。

「そりゃ、直すより、あのままいてもらったほうが面白いでしょ。失敗すれば大損。成功すれば面白くない。それにあ

んな『作業』面白くも何ともないじゃないですか」

そう言えば、こういう性格だった。それを思い出したのか、呆れたような顔で見る。

「話しはそれで終りですか?それじゃ研究に戻ってくださいね」

それを聞いていたAをはじめ部屋にいた研究員達は思った。

『この人だけは敵に回したくない。』

 

 

 

電波SS『ののみ北辰』

この間のチャットでアーパーにするのを封じられたので、こうしてみました(笑)

はじめてきた電波です(笑)

とりあえず、電波を形にしてみましたが、面白いかどうか判断に困っています。

どなたかこれの完成版、書いてくれません?(爆)

あと、北斗バージョン(核爆)枝織じゃ面白くないんで……

 

 

 

 

 

――――――代理人は只今脳をやられて昏睡状態です。―――――