「どうだ、こんなもんか?」

「リンクレベルはこれでかまいませんが、

 イメージサポートシステムの変換効率を下げて、

 機体制御のイメージ分配率を上げて見てください」

「おう、解ったぜ、

 ・・・こんなもんか?」

「・・・すいません、やっぱり、リンクレベルを後少しあげて見てください」

「いちいち謝んねぇでも良いぜ?

 俺たちゃこれが仕事なんだ、

 パイロットが、少しでも使い易いように整備と調整するのがな。

 気にしねぇで、馬車馬のようにこき使ってくれい・・・と、こんな感じか?」

「ではお言葉に甘えて・・・

 イメージ変換率を後ほんの少し上げて、

 後、分配率を・・・」





ブロスとディアの正しいアキト君の育て方
 第六十四話 異変





突然の出撃から半日、

ジュンの機体は、とっくに修理を終えてあるが、

イツキちゃんの機体は敵の"瞬間移動"に巻き込まれちまったんで、

どこにどんな影響が出てるかわかりゃしねぇ。

当然、ただ修理すれば良いって訳にもいかず、

一度ばらして、全部チェックしねぇといけねぇし、

場所によっては時間がかかったり、ここじゃチャックしきれねぇ部品もある。

テンカワの奴も、どうせなら巻き込まれないようにしやがれってんだ。

まぁ、あの状況でそこまで望むのは酷かも知れねぇけどよ・・・

とにかく、簡単にチェックできねぇ部品は、イネスさんに回したり、

プロスさんに言って新しい部品と変えてもらうとして・・・

イツキちゃんのエステは、とりあえず予備のパーツを組み込んで修理した。

まぁ、ついでに改造もしたが・・・

しかし、軍の整備員ってのは、何考えてんだ?

確かにあの方が整備は簡単かも知れねぇが、

機体の使い易さも性能も、こっちの方がはるかに上だろう?

パイロットは、命がけで戦闘をやってんだ、

整備員も、過労死しようとかまわねぇぐらいの気迫を見せてみろってんだ。

まぁ、とにかく修理と改造が終わった後、イツキちゃんを呼んで機体の調整をしたが、

いつもの事だが、初めての奴の調整は時間がかかる。

リョーコちゃんたちなら、ツーカーで通るんだがな・・・

もっとも、それが文字通りパイロット連中の生死を分けるんだから、

手を抜くなんて絶対に許されねぇことだが・・・





「特に異常なし・・・か。

 まぁ、あの時のナデシコにも異常なかったし、

 イツキさんにも問題は見られなかった・・・

 高出力のディストーション・フィールドがあれば、完全に問題ないらしいわね・・・」

ウリバタケさんから回ってきた、

ボソンジャンプに巻き込まれたから使えないかも知れない部品を、

一通りチェックしながら私はその結果に集中していた。

強力なディストーション・フィールドがあれば、

普通の人間でもボソンジャンプに耐えられると言う事はわかっているけど、

一般人がディストーション・フィールド無しでジャンプした場合、

クロッカスや、有人ボソンジャンプ実験の被験者のように、

機体と体が融合すると言う事態も起こり得る。

そもそも、無人でのボソンジャンプには、とっくの昔に成功しているわ。

なぜ、この時は、全く異常は見られないのに、

生物が一緒に乗ると、

機体と融合したり、機体が圧壊したりするのかしら?

生物が潰れるとか、裏返るとか、生物だけはジャンプアウトできないとか、

生物だけは〜〜だと言うのなら、

アキト君のジャンパーの理論で完全に説明が付くわ。

でも、機体が圧壊したり、機体と融合するには、

機体にも何か影響が与えられている必要がある。

有機物と一緒にボソンジャンプさせても、

そんな事は起きない。

あくまで、生物と一緒にボソンジャンプさせた場合に限り、

ボソンジャンプは失敗・・・機体などにも影響が出る。

生物だけが持ち、なおかつ周囲の物体に影響を与えるもの・・・

そう言う何物かが存在していなければ、

こう言う結果は起こりえないはず・・・

でも、私が集めたデータも、アキト君たちの意見の正しさを証明している・・・

ジャンパーがジャンプに耐えられるのでなく、

ジャンパー以外の人が、ジャンプに耐えられない・・・つまり、

ジャンパーとはその生物だけが持ち、ジャンプに悪影響を与える何物かを、

先天的に持たない人種と考えるべきかしら?

もしくは、ディストーション・フィールド発生装置に近い物を遺伝子レベルで持っていて、

高出力のディストーション・フィールドがあれば、だれでもジャンプできるのと同じ理論で、

ジャンプの際に影響を与えないようにしているのか・・・

後天的に、遺伝子操作でそれに耐えられるようにできるってことは、後者かしらね?

それにしても、生物だけが持ち、周囲の物に影響を与えるもの・・・か。

生物と非生物の違い・・・

生命活動も、突き詰めればただの化学反応・・・

物質的には、ただの持続する化学反応の塊でしかないんだから・・・

精神的な物・・・魂とか・・・

・・・昂氣?

確か、"オーラ"とか"気"のようなものって言っていたし、

周囲の物に影響も与えるらしいわ。

昂氣・・・後でアキト君に見せてもらうとして、

それとディストーション・フィールド、ジャンプフィールドの関係・・・

調べてみる価値はあるわね。





ピッ!!

「アキトさん」

「ああ、ルリちゃん。

 どうした?」

「はい、ちょっと・・・」

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

「なるほど・・・」

「アカツキさんが呼ばれて、その後・・・となると、

 ネルガルの重役とかの差し金でしょうか?」

「ありえるな。

 ふぅ、話はややこしくなる一方だな」

「ええ・・・  調べて見ますか?」

「いや、急がなくても良い。

 どうせ今調べても、俺にはどうしようもないだろ?

 その人がナデシコに来てから、ゆっくり調べれば良いさ」

「そうですね。

 それと、話は変わりますが・・・」

「ああ、ナビゲート・アンスタビライザーだろ?

 ディスクは、ジャンプ研究所に言った時にイネスさんからもらったから、

 確かルリちゃんの部屋に投げ込んで置いたはずだけど・・・」

「ええ、ありました」

「で、どう?

 見通しは?」

「くらいですね。

 さすがに遺跡に関するデータだけあって、

 ほとんど何もわかりません。

 ハーリー君たちに頼んで置いた研究も、ほとんど手付かずですしね」

「それは仕方がないさ、

 ジャンプナビゲートの妨害装置なんて、

 どうやったってそこまで精度を上げられるはずがないし、

 せいぜいジャンプアウト座標を少しずらす程度で、

 ジャンプミスを誘発するほどの物は難しいんだろ?

 対ジャンパー戦には使い道がないから・・・」

「それはそうですが・・・」

「俺は、今のところ本当の事を言うつもりはない。

 本当の事をいえない以上、

 そうなるのは予想のついていたことだ。

 仕方がないとは言わないけど・・・

 どうしてもそう思うんなら、ルリちゃんから話せばいいよ。

 俺はルリちゃんを信用している」

「ええ、アキトさんが私を信用しているのはわかっています。

 ですが、私も、今の所話す気はありません。

 それよりも、私が気になっているのは今から研究して、

 果たしてそれに間に合うのか・・・と、言うことです。

 確か、一番星コンテストの後・・・でしたね?」

「ああ、

 やっぱり、スケジュール的にきついか・・・」

「何とかして見せますよ。

 目の前に実物があるんですから・・・」

「そうか、

 でも無理しないでね」

「ありがとうございます。

 けど、そうも言ってられません。

 切り札は多いにこしたことはありませんから」

「・・・

 もしそうなら、あいつらは全部俺が倒す。

 それなら、そいつは必要ないからな」

「冗談ですよ、

 わかってます、無理はしません。

 だからアキトさんも無理はしないで下さいよ」

「わかったよ。

 じゃぁ、何かあったら知らせてね」

「はい」





(・・・困ったな)

食堂へ向かう途中、ルリちゃんから連絡が入ったので、

いったん人気のない場所に入って通信をした後、

俺は再び食堂へと向かい・・・

そして食堂近くの廊下で途方にくれていた。

『うん。

 いなかったね』

あいつらは、どうせどこかで騒ぎを起こしているだろう・・・

と、考えていたのだが、少なくとも、ここに来るまでにあいつらはいなかった。

(まぁ、あいつらが狼藉を働いていないと言うこと事態は、

 好ましい事ではあるんだが・・・)

『ならいいじゃん』

(まぁな・・・)

そう言って、俺はため息をついた。

あいつらをほっておくのも気が引けるが、

まさかこちらから殴りこむわけにもいかんしな・・・

なんか、あいつらが問題を起こすのを待っている様で心苦しいが・・・

しかし、問題はそんなところにあるのではない。

今気がついたのだが、既に食堂の閉店時間をすぎていた。

(・・・弱ったな)

『アキト兄がCユニットと遊んでるからでしょ』

『そうそう、さっさと終わらせちゃえば良いのに・・・』

(そうは言ってもな・・・

 相転移炉や、ブラックサレナ本体ならともかく、

 Cユニットを盗まれるわけにもいかんだろう?)

切り札は最後までとって置きたいし、

既に色々と歴史が変わっているのに、

これ以上不確定要素を増やしたくない。

『う〜ん・・・

 ガンフェザーは全部地球に置いてきたし、

 Cユニット自体には、そこまで特異な技術を使って無いはずだし、

 べつに良いんじゃない?』

『そうだね、

 ガンフェザーはともかく、

 Cユニットの索敵機関は、出力の関係上多少強化されているものの、

 二回目の時白百合が装備していたものと基本的に同じ物だし、

 簡易式のウインドーボールシステムなんて、

 IFS強化体質の人がいないと、意味がないどころか邪魔なだけで、

 かえって持て余す結果になるだろうし・・・

 一番これは・・・と思うのが、

 ガンフェザーをコントロールするための相互リンクシステムだけど、

 あれも、フェザーのコントロールシステムとか、

 ユーチャリスのデータを加えて、多少アレンジしてあるけど、

 大元となったシステムは、ダリアの四陣だし・・・』

(はいはい、俺が悪うございました!!) 

全く・・・

『あ、アキト兄がいじけた』

『アキト兄。

 いじけてるのは良いけど、

 食堂まだやってるみたいだよ?』

ブロスの声に顔を上げると、

確かに食堂に入っていく客がいる。

聞くと、ブラックサレナがジャンプして来たせいで、

残業をしなくては行けない作業員がたくさんいるので、

特別に営業時間を延長したのだそうだ。

まぁ、義理人情に厚いおじさんの事だから、

皆が頑張って残業しているのに、

自分だけさっさと仕事を切り上げる事などできないのだろう。

『・・・だってさ。

 アキト兄のせいで、おじさんは・・・』

『かわいそうに・・・』

(うぐ・・・

 そ、それもそうだな・・・

 うん、一言ぐらいお詫びを言っとこう)

結局、俺はそのあとお詫びを行ってさっさと食堂を後にした。

案の上、おじさんは気にする事はないと言い、

俺にも飯を食うよう進めてくれた。

俺は、晩飯と昼飯を抜いていた事を思い出し、

お言葉に甘える事にした。

そのついでにざっと食堂の中を見渡したが、

どこにも久美ちゃんの姿は見えなかった。

『久美ちゃんはいないね』

『きっと、あいつらに捕まって、

 あ〜んな事やこ〜んな事を・・・』

・・・こいつらは、どうしも久美ちゃんのひどい目に合わせないと、気がすまないのか?

(・・・あのな、

 おじさんたちは普通に仕事をしているんだ。

 もう夜も遅いし、きっと先に寝てるだけだと考えるのが普通だろう?)

別に、久美ちゃんがどこにいるかと言う事ぐらいなら、

調べようと思えば、調べられない事はないが、

そんな覗き見たいな真似はしたくないし、

別に、どうしても今日会わなくては行けない事情があるわけじゃない。

『そ、そんなに怒らなくても・・・』

『そうそう・・・あ、

 そ、そうだ、

 きっとあいつらももう寝てるんだよ。

 だから、問題を起こしていないと・・・』

『そうそう、以下にあいつらと言えど、

 寝ながら問題を起こすほどでは無かったわけだって事で・・・』

『そうだね、じゃぁ、明日出直せば良いと・・・

 これにて一件落着・・・』

・・・何が一件落着なんだ?

(・・・確かに、もう既に深夜と呼べる時間帯だが、

 あいつらが早寝早起きを心がけてるとはとても思えんぞ?)

『わかんないよ、

 意外に健康に気を使っている馬鹿息子かもしれないよ』

『自然にやさしい馬鹿息子とか?』

『そうそう、他にも・・・』

全く、なにを訳わからんことを・・・

俺は思わず頭を抱えたくなったが、

ここでそんな事をしていると、

話は際限無く脱線して行くからな・・・

(全く・・・

 おい、お前ら、

 いいかげんにしろ!!)

『『はぁ〜〜い』』

と、いつものようにブロスとディアに突っ込みを入れて飯を食っていると・・・

「こらぁ!!

 あのロンゲの兄ちゃんを出さんかい!!」

・・・と、やはり、早寝早起きは心がけていなかった、馬鹿息子がやってきた。

「なんですか」

「借りを返しに来たんだ。

 ほら、さっさと呼んで来い!!」

・・・どうやら、俺の代わりに誰かが久美ちゃんを助けたようだ。

髪が長くて、こいつらをまとめて相手にできる・・・

・・・月臣か?

最初の時、俺がジャンプするまでどうしてもナデシコと連絡がとれなかった。

おそらく、月臣も同じだったはずだ。

ジャンプした時間が一日ずれたのだから、

最初の時や全か言いなかった月臣が、

そのタイミングでここにいるのはおかしい事じゃない。

『う〜ん・・・

 か弱い女の子を助けるために三対一の勝負をするとは・・・

 さすが月臣さん、

 木連男子の鏡だね』

どうやら、俺と同じ結論に到ったらしく、

ブロスが感慨深げに言う。

(言いがかりを付けられている人を助けるのは、

 木連がどうこう言う前に、人として当然なんじゃないのか?)

『まぁそれが理想なんだろうけど、

 人は、アキト兄みたいに強くないよ、

 色々な意味でね』

(それはわかるが・・・

 この場合、月臣の立場なら助けないか?)

確かに、いくら気にいらなくても、会社の上司の息子は殴れないかもしれないが・・・

『う〜ん・・・

 確かに、月臣さんは部外者だから、

 こいつらに暴行を働いても、首になることはありえないけど・・・』

『でも、好き好んでネルガルにけんかを売る人がいるかなぁ?』

(ネルガルの重役が、そんなに力を持っているわけではないだろう?)

俺としては、そう言う素朴な正義は信じたいんだが・・・

『まぁ、それはそうだけど・・・

 あえて厄介ごとに首を突っ込む事も無いじゃん』

『そうそう、やっぱり、自分の身は可愛いもんね』

(まぁ、それが悪いとはいわんがな・・・)

しかし、毎度の事ながらこいつらと話していると、

緊張感と言うものが完全に消し飛ぶな・・・

そんな馬鹿な会話をしているうちに、あいつらはおじさんに詰め寄ってきていた。

「月臣さんは、ここにはいません。

 今日は来てませんよ」

「そうか、でもな、

 俺たちが調べた限り、あんな奴はこのプラントにはいないんだよ。

 ってことは部外者だ。

 部外者を勝手にこのプラントに入れるのは、懲戒免職ものだぜ?」

と、月臣がいなくて、帰って調子に乗ったのか、おじさんを脅す。

が・・・社員のデータは、一応秘密事項と言うか、公開されている事柄じゃないんじゃないか?

それを勝手に見ると言うことは、十分罪になると思うんだが・・・

まぁ、今更だが・・・

後で、アカツキにでも言って何とかしてもらうかな?

しかし、わざわざそれを調べたのか?

・・・以外とまめなやつだ。

・・・と、のんびりしている暇はないな。

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

「俺の名前はテンカワ アキトだ、

 ナデシコでパイロットをやっている。

 しばらくここで厄介になるつもりだから、用があるんならいつでも来い」

あいつらをとりあえず黙らせた後、俺はそう言い放った。

これ以上おじさんに迷惑をかけるわけにも行かないからな。

その後、おじさんが改めて飯を作ってくれるといったが、

別に、ひっくり返ったわけでも、ほこりを被った訳でもないのに、

そんな事をするわけには行かない。

料理を捨てるなんて、そんなもったいないことはできないと言うと、

おじさんはテレを隠すように、豪快に笑い・・・

突然、自分には娘がいるが、嫁にもらわないかと言い出した。

俺はこれを丁重に断った。

全く、何を考えてるんだか・・・

その後、一時間ほど談笑しながらお茶を飲み、

その日は食堂を後にした。

『『ふっふ〜ん♪』』

(・・・お前ら、嬉しそうだな)

『そう?

 やっぱり、ああ言うやつらは懲らしめないと・・・』

『そうそう、私たちもストレスが溜まってるんだし、

 たまにはこうやってパーッとやってくれないとね』

(・・・あのな、人の不幸を喜ぶな。

 例え、それがどんな人であろうと)

『え〜、でも・・・』

(でもじゃない)

全く・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

・・・そう言えば、月臣は来なかったな?

まぁ良いが・・・





「プロスさん、

 その補充人員ってまだですか?」

アキトさんが、月臣さんのジンタイプと共に月にとんだ翌日、

朝も早くからユリカさんにたたき起こされた私たちは、

ブリッジで補充人員の到着を待っていました。

「ええ、そろそろ来るはずですが・・・」

「そろそろって・・・

 まだ六時前ですよ?」

メグミさんが、あくびをかみ殺しながら話します。

まぁ、その辺りはプロスさんが話を付けてくれたらしく、

その補充人員の方も、できるだけ早く乗艦するように取り計らってくれたそうですが・・・

「その辺りは色々とありまして・・・

 軍からの指示は、できるだけ早く月方面の防衛に当たれと言うものなのですが、

 本社からの指示は、補充人員を受け取り後、月に向かえと言うものでして・・・

 どちらの指示も無視する訳に行かないのですよ・・・

 なにせほら、我々はコウモリさんですから・・・」

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

「おや、来たようですよ」

三十分後、いつにもましてだらけきったブリッジに、

プロスさんの言葉が響きます。

「ん?

 ふぁぁぁ・・・

 やっと来たのぉ?」

「ほら艦長、

 しゃきっとしなさい、

 あなたがそんなだと、私たち全員がなめられるでしょう?」

「は〜い・・・」

「艦長!!」

五分後、新人を迎えるに当たっての、

エリナさんなりのチェックが済んだらしく、

ようやくオーケーが出ました。

しかし、エリナさんがここまでこだわると言うことは、

やはり、ただの補充人員ではないのでしょう。

ふぅ・・・結局昨日は、時間がなくて調べられませんでしたが、

やはり多少無理をしてでも調べて置くべきだったでしょうか・・・

「はい、では、お入りください」

そこには、意外な人が立っていました。





第六十五話に続く





あとがき

あ、引いちゃった・・・

ま、まぁ、良いでしょう。



ボソンジャンプに付いて・・・

一般人は、どう言う理由でジャンプできないんでしょうか?

ただ、ジャンプに耐えられないと言うだけでは、

とても説明のつかない現象が起きてますよね・・・

そもそも、普通の物体はジャンプに耐えられるのですから、

ジャンパーがジャンプに耐えられるのではなく、

それ以外の人がジャンプに耐えられないと言うべきでしょう。

物理学的に見ると、ジャンプできない物体の方が、異質なはずです。

人間だけの持つ、ジャンプに影響を与えそうな力・・・

昂氣とは、"魂の力"だそうなので、魂って所でしょうか?

良くわからないものは、一つにまとめた方が書き易いので、

この話ではそう言う事にしていますが、

実際のところどうなんでしょう?



ちなみに、イネスさんの言っている、

人間が潰れるとか裏がえるとか言うのは、

ごくごく一般的な(?)超常現象に巻き込まれた人の末路です。

潰れるのはともかく、裏返った人というのは、見たくありませんよね・・・





追記

この話も長くなってきて、

様々な設定等が出てきたので、

簡単な設定資料を作りました。

ナビゲート・アンスタビライザについては、

そこに書いてあります。

まぁ、この話を読めば、どんな物体かわかるかもしれませんが・・・

管理人感想

アリア=ミリディールさんからの投稿です。

あ、ちょっと捻って月臣の登場ですか?

う〜ん、結局久美ちゃんとは遭遇(苦笑)しなかったんですね。

親父さんが暴走してますけどねぇ(笑)

さて、意外な新人とは誰でしょう?