機動戦艦ナデシコ



遺失文明乱入?



第1話

そこに光が集まりしばらくして光の中から1体の機動兵器が現れた。ソードブレイカーである。

「どうやら過去に戻ってきたみたいだな。キャナル、現在何年かわかるか?」

「ちょっと待ってケイン・・・ちょうどアキトが火星から地球に初めてジャンプした日みたいね。」

「ってことはアキトのやつは精神だけジャンプしたようだな。」

「どうするケイン?」

「とりあえずアキトのところへ行くぞ。これからのことはそれからだ。」

「わかったわ。だったら姿は電磁迷彩で消しておいたほうがいいよね。」

「ああ。そうだな、頼む。」

その後、ケインとキャナルはソードブレイカーを透明化させ、
そのままアキトのいる場所に向かった。


その頃アキトは初めてジャンプした時の草原に倒れていた。

「・・うっ・・どうやら戻ってこれたようだな。」

そういって立ち上がり辺りを見回す。

「ケインとキャナルちゃんは・・・別の場所にジャンプしたか。
 どこかはわからないが、まあ向こうから来てくれるだろうから、しばらくここで待つか。」

そうして待つ事10分・・・

「・・・・来たか。」

そう言った直後、空中からいきなりケインとキャナルが降りてきた。

「少し遅くなっちまった、待たせたなアキト。」

「そんなに待ってないよケイン。それよりキャナルちゃん、今何年かわかるかい?」

「ちょうどアキトが初めてジャンプした日よ。」

「ってことはナデシコが飛び立つまでだいたい1年ぐらいあるか・・・その間どうしようかな。」

「アキト、その事でここに来るまでにキャナルと話してたんだが俺達3人でトラコンでもやらないか?」

「トラブルコントラクターをか?」

「ええ。そのほうがいろいろと都合がいいんじゃないかと思って。」

「うーん・・まっ、いっか他に考えもないしトラコンでもやるか。」

「おし。そうと決まったら早速俺とキャナルの戸籍を作って会社を設立しないとな。
 戸籍のほうは頼むぜキャナル。」

「わかったわ。ケイン達は会社のほうを頼むわね。」

「わかった。行こうぜアキト。」

「ああ。それじゃキャナルちゃんまた後で。」

こうしてできたトラブルコントラクターのチーム『ロスト』は1ヶ月もしないうちに有名になる。




時は流れ2196年

場所はナデシコのブリッジで1人の少女が胸を躍らせ、
もうすぐこの艦に来るであろう想い人を待っていた。


こんにちはルリです。私は今ナデシコAのブリッジにいます。
未来でランダムジャンプに巻き込まれて気が付いたらここにいました。

どうやら精神だけがジャンプしたようで私のいきなりの豹変ぶりに、
そのとき周りにいた皆さんはとても驚いていました。

その後オモイカネと話をしながら私はアキトさんのことを考えていました。
あの時一緒にジャンプに巻き込まれた人のうち、
ハ―リー君は過去に戻って来ているのを確認しています。
おそらくあの時ジャンプに巻き込まれた他のB級以上のジャンパー・・・
サブロウタさんやアキトさん、そのアキトさんについていたラピスも過去に戻っているでしょう。

そしてやさしいアキトさんのことです。
過去(この場合未来)で助けられなかった人達を助けるためナデシコに乗り込んでくるはずです。
それを影から支える私。そしてアキトさんは私に惹かれていき、そして・・・・・っといけません、
それはまだ早いです・・私、今はまだ少女ですから。

前回はアキトさんへの想いに気が付くのが遅かったですが、
今回はそんなことありません。メグミさんはもちろんユリカさんにも負けるつもりはありません。

それはともかくそろそろアキトさんがナデシコに乗り込んでくる時間ですね。
私から会いに行ってアキトさんを驚かすことにしましょう。どんな顔をするか楽しみです。


そうして彼女はドッグの入り口に向かった。

作者の陰謀でアキトと結ばれることはないとは知らずに・・・

ところ変わって場所は格納庫。

ここからなにやら奇妙な叫び声と機械音が聞こえてくる。

「レエェェェェェェェェェェェェッツ!ゴオォォォォォォォォォォォっっっ!
 ゲキっ!ガンガーーーーーーーーーーーー!!!!」


妙な叫び声と共にピンクのエステバリスが妙な動きをしている。

「おい!そのエステを動かしているのは誰だー!パイロットは3日後に乗艦のはずだぞ!」

それに向かって声を張り上げたのは、ナデシコ整備班長ウリバタケ・セイヤである。

「まあまあ、かたいこと言うなウリバタケ。
 本物のロボットに乗れると思ったら、いてもたってもいられなくなっちまったんだから」

「そのエステはまだ調整中なんだ!
 俺のエステちゃんに傷をつけないうちにさっさと降りてこーい。」

「その心配は無用だ。このダイゴウジ・ガイにまかしときなって。」

などと言っているが本名はヤマダ・ジロウという熱血バカである。

騒がしい格納庫。そこへ1人の女性が現れた。

「何なんですか?この騒ぎは?」

「ああ見ての通りバカがエステで遊んでやがんだよ。っとおまえさんは誰だ?」

「さきほどパイロットとして乗艦しましたイツキ・カザマです。よろしくお願いします。」

「おっそうかパイロットだったのか。俺は整備班長のウリバタケだ。まっよろしくな。」

お互いが挨拶し終わると同時に、またしてもヤマダ「ダイゴウジ・ガイだ!」が何か言い始めた。

「ようし!!諸君にだけ特別にお見せしよう。
 このガイ様のグレートウルトラ必殺技ァ!!その名も・・・」

そう言って構え、

「ガァァイッ!スゥゥゥゥパァァァァッ!ナッッパァァァァァァ!!」

叫びながら片手を上に向かって突き上げポーズをとる。

しかしバランサーにも限界が存在する。
そしてこの動きはバランサーの限界を超えた動きであった。したがって、

ガッシャン!!

・・・こうなる。

「よし!今のうちにあのバカを引きずり出せー!」

そこへ整備員達が群がってガイを引きずり出そうとする。

「私、まだブリッジに顔出しに行ってないので、そろそろ失礼させて頂きます。」

「おっそうか、んじゃまた後でな。」

そういってイツキは格納庫を後にした。

そのころガイは、整備員にコクピット引きずり出されながらも大喜びしていた。

「だぁっはっはっは!すっげえよなあ、手があって足があって思い通りに動くんだぜ。」

「最新のIFS使ってんだから当然だ!それさえあれば子供でも動かせる。
 それよりも無茶しやがって。幸いエステに傷ひとつなかったからよかったものの。」

「まあ気にするな。それより・・・
 木星蜥蜴め、来るなら来い!このガイ様があ・・」

そこまで言ってガイの顔が急に青ざめる。

「おい・・どうした?」

「いや、足がね・・痛かったりするんだなこれが・・」

「おたく・・足、折れてるよ。気付かなかったのか?」

「なんだとおぉぉぉぉぉ!・・あ痛たたたた・・・」

言われて初めて気が付いたらしい。
その後整備員に医務室に運ばれていく途中、彼は1人の青年に声をかけた。

「おおぉぉぉい!そこの少年。コクピットに大事なものがあるんだ。
 すまぁん、取ってきてくれ。」

そういわれた少年――アキトは、「わかった。」と短く答えた。


エステのコクピットに入りながらアキトは考えていた。

(とりあえずここまでは順調だな。どうやらイツキちゃんナデシコに乗り込んでいるみたいだし、
 キノコもどうにかできた。キャナルちゃんの説得のおかげでラピスとのリンクも切れた。
 ルリちゃんも過去に戻ってきてすぐだから、たぶんそんなに壊れてないし、計画も進行中・・・
 このままうまくいくといいんだけど、多分無理だろうなあ・・・)

そうこうしていると警報が流れた。

(きたか・・んじゃいきますかね。)


その頃ブリッジ

「なんなんですかミナトさんこの警報?」

そういうのは通信士のメグミ・レイナード

「さあ?私にはさっぱり。ルリルリはなんかわかる?」

答えるは操舵士のハルカ・ミナト

「現在地上にて木星蜥蜴が連邦軍と交戦中、その数およそ1000!」

ルリはそれに淡々と答える。

「艦長はまだ来てないのか?」

老人――フクベ・ジン提督が問い掛けると、プロスペクターが答える。

「それが、艦内にいるのは確認しているのですがどうやら迷っているようで・・」

「ミスター、私が神に聞いて「いいですあなたはじっとしていてください!」そうか、わかった。」

どうやら神の戦士ゴート・ホーリはすでに目覚めていたようだ。
原因はのちに語るとしよう。

「その必要はありません。既にブリッジ前まで来ています。」

ルリがそう報告すると艦長席の後ろのドアが開き1組の男女が入ってきた。

「みなさーん、私がナデシコ艦長ミスマル・ユリカでーす。ブイッ。」

「同じく副艦長のアオイ・ジュンです。」

「遅いぞ艦長今まで何をしていた。」

「まあまあ提督遅刻の理由は後で聞く事にして、
 それよりルリさん現在の状況を報告してくれますか。」

「はい、現在地上にて木星蜥蜴が連合軍と交戦中、
 その数およそ1000。対して連合軍のほうはほとんど壊滅しています。」

「どうします艦長?」

ユリカは少し考えるそぶりを見せてから、

「海底ゲートを抜けていったん海中へその後浮上し敵を背後より殲滅します!」

と自身満々に答えた。

「だったら敵をグラビティブラストの射程内におびき寄せる必要がありますな。」

「パイロットの人達に連絡を、時間までエステバリスでおとりをやってもらいます。」

「パイロットは1人しかいませんけど(アキトさんを除いてですけど)」

「ええー?!なんで?確か2人のはずじゃあ。」

「格納庫での事故で、現在医療室で治療中です。どうします艦長?」

「ちなみにもう1人のパイロットというのは?」

「あの・・私ですが・・」

いつのまにかそこにいたイツキが答える。

「あの数を相手におとりとはいえ1人では少々無理かと・・」

「うむ。我が神も無謀だといっているぞ。」

「どうする艦長?」

「艦長?」

自分の作戦がいきなり失敗しそうになっておろおろするユリカ。

「(そろそろいいですかね、アキトさんもすでに地上に向かっているようですし。)待ってください。
 エステバリスが1機、エレベータを使って地上に出ようとしています。」

「通信を開きます。」

そこにうつったのは、黒いシャツ・黒いジーンズそして黒いバイザーをしたアキトだった。

「おまえは誰だ!所属と名前をいえ。」

「えー、パイロット兼コックのテンカワ・アキトです。」

「彼は何者だ?」

「彼は先ほど雇ったんですよ。大丈夫腕のほうは保証しますよ。」

「へえー、ぜんぜんそうは見えないけど。」

「うむ、我が神も大丈夫だといっている。」

「ああーー!アキト!アキトだあ!」

みんなが騒いでる中、イツキが画面に1歩近ずいた。

「アキトさんお久しぶりです。」

「やあイツキちゃん、久しぶり1ヶ月ぶりかな。」

「そうですねそれぐらいになりますね。アキトさんもこの艦に乗っていたんですね。」

「うんまあね、それより話は聞いていたよ。
 囮役が必要なんだろ?俺がやるよ。」

「そうですか。でもアキトさんの腕を信用しないわけではありませんが、1人で大丈夫ですか?」

「大丈夫だよ、あいつらもくるし。だから今回はそこで見ててよ。」

「あの人たちも?わかりました、ではがんばってくださいね。」

そういって彼らの話が終わり通信がきれ、エレベータが地上に出る。
なお彼らが話している間、ユリカが大声で何かを話して無視されたり、
ルリが嫉妬に燃えていたのはいうまでもない。


「さて・・いっちょいきますか。」

そういうと1番数が少ない方面へ突っ込む。

そのままジョロやバッタが反応しないうちに、
ワイヤードフィストやイミディエットナイフを使い破壊していく。
ミサイルが大量に降り注いできてもジョロやバッタの残骸を盾にして防ぐ。

損傷らしい損傷は受けていなかったが、一向に敵の数は減らなかった。

「ちっ・・数が多すぎる。まだ実力を隠さなければならないといけないのに。
 おまけにガイのせいでバランサーが狂ってるなこれは。」

そう愚痴っているとレーダーに新たな反応が現れた。

「ふう・・やっと来たか遅刻だな。」


「レーダーに新たな反応を感知しました。
 物凄いスピードで無人兵器を破壊しながらこちらに向かっています。
 (しかしこのスピード異常です。
ブラックサレナ並みのスピードで向かってきます。何者なんでしょう?)」

アキトの戦闘に見入っていたブリッジクルーはその報告に我を取り戻した。

「味方なの?」

「無人兵器を倒してるからって味方とは限らないじゃあ・・」

「いいえ、あれは味方ですよ。」

ブリッジクルーが騒いでいる中イツキだけは自信を持って答えた。

「イツキちゃん、それは本当?」

「ええ、本当ですよ。」

「わかりました、イツキちゃんを信じます。
 ルリちゃん浮上までの時間は?」

「あと約3分です。」

「わかりました。
 みなさんとりあえず今は自分の仕事をしてください!」

ユリカの一言でようやくブリッジは静かになった。


「わりいアキト、少し遅れちまった。」

「まあいいよ。特に問題なんてないし。」

「それよりアキト、今どんな状況なの?」

「ナデシコが発進するまでの時間稼ぎと無人兵器の数減らし、といったところかな。」

「それでどれくらいまで減らせばいいの?」

「うーん、そうだな2、300ぐらいでいいかな。」

「おっしゃー。んじゃいくぜキャナル。」

「わかったわよケイン。」

そういうとソードブレイカーは、片手で腰の辺りに装着していたブレードの鍔を掴み、
もう片方の手を下にそえた。
すると鍔から青白い光の刃が形成された。

「ケイン、通常兵装及びその他の武器も使用可能だけどどうする?」

「こんな雑魚相手だったら通常兵装で十分だ。キャナルは通常砲で撃破してくれ。」

「了解!」


その後、
アキトの方は戦い方は先ほどと同じであったが、動きが先ほどより良くなっていた。

ケイン達のほうは凄まじいスピードで無人兵器を破壊していた。
正面の敵は手にした光の刃で切り倒し、両翼の敵はキャナルが、
背中にある6つの翼に内臓された加連粒子ファランクスを使い撃破していた。

「さてそろそろ時間だな。ケイン、そろそろ合流ポイントに向かうぞ。」

「わかった。聞いてのとうりだ、いくぞキャナル。」

「了解。」

敵への攻撃をやめナデシコが浮上してくるポイントに向いはじめてすぐにナデシコが浮上してきた。
すかさずアキトのエステとソードブレイカーはナデシコの後方に回り込んだ。

「ルリちゃん。」
「敵残存すべてグラビティブラストの射程内です。」

「グラビティブラスト・・ってぇー!」

残りの無人兵器もこの1撃によって殲滅された。

「さて、すべてはこれから。忙しくなるわね。」

「ああ、そうだな。」

「まっ、その話は後にしてナデシコに着艦しよう。
 艦内を案内しないといけないしね。2人ともお腹すいただろう?」

「そうだな、とりあえずは飯だな。」

「そうね、あまり硬く考えなくてもいいか。」


つづく


後書き

ARX−7・・・新年明けましておめでとうございます。
        ARX−7です。

キャナル・・・キャナルです。一応ここでは馬鹿作者のアシスタントみたいなのをしています。

ARX−7・・・それはさておきこの小説のヒロインが決まりました。
        読んでくださればなんとなくお分かりですが、イツキです。

キャナル・・・なんでその娘に決まったの?確か他にも候補はいたはずだけど。

ARX−7・・・今からそれを説明します。
        まず、北斗の場合下手にキャラをいじると『真紅の羅刹』もしくは『NATTO』
        に酷い扱いを受けそうだから。
        枝織の場合は他の皆様方の小説でヒロインになっているのが多かったから。
        あと千沙は出てくるのが少し遅いのでアキトとくっつけにくかったからだな。
        その点イツキは早めに出せるし。

キャナル・・・そんな理由でいいの?

ARX−7・・・いいの!

 

 

代理人の感想

まともなゴートは何処へ行ったのだろう・・・・・・・(爆)。