機動戦艦ナデシコ



遺失文明乱入?



第5話

地球から飛び立って1日。

ケイン達は部屋でサツキミドリの人達をどう救うか考えていた。



「さて、次はサツキミドリか・・・どうするキャナル。」




「そうねえ・・・あっ、そうだ。

 確か私達宛の荷物がサツキミドリに届いているはずだから、

 それを受け取るために私達が先行するついでにっていうのはどう?」




「おっ、それはいいな。そうすれば襲われても俺達で殲滅できるからな。」



「ついでに例の物も届いているはずだから、

 無人機相手に試し撃ちができるしね。(^_^)」



「・・・キャナル。実は試し撃ちのほうが目的だろ。」



「・・やっぱりわかる?」



「そんだけうれしそうにしてれば、誰だってわかると思うぞ。」




少しあきれながら答えるケイン。




「いいじゃない。武器の試し撃ちも出来て、

 サツキミドリの人達も救える。まさに一石二鳥じゃない。」



「それはそうだが・・・

 しかしキャナル。おまえって、ほんとに新しい武器の試し撃ちとか好きだよなあ。」

 

「当然よ。いざというときに使い物にならなきゃ意味ないもの。

それに新しい武器って、どういうものか早く試したいじゃない。」



「そういうもんか?」



「そういうものよ。」



「わかったよ。おまえの言う事もわからないではないからな。」



「わかればよろしい。」




えばったポーズで言うキャナル。




「それじゃあ、アキトにもサツキミドリの件を伝えにいくか。」



「そうね。」




そう結論を出し、部屋を出て隣の部屋に向かう2人。




「そういえば、他にもなんかアキトに伝えなきゃならない事があったような・・・」



「伝えなきゃならないことって?」



「うーん・・・なんだったかなあ・・・思いだせん。」



「そのうち思い出すわよ。」



「それもそうだな。」




とりあえずその話を打ち切り、

ドアをノックしてからアキトの部屋に入る2人。




「おーい、アキト。話があるんだが。」




しかしアキトは出てこず、

代わりにイツキが出てきた。




「ケインさん、キャナルさん。」




不安げな顔で2人に話し掛けるイツキ。




「どうしたんだイツキ?」



「アキトさんが・・・」



「アキトがどうかしたの?」




キャナルの問いに答えず、無言で部屋の隅を指差すイツキ。



そこで2人が見たのは、

部屋の隅で三角座りをし、虚ろな表情でなにやらぶつぶつ言っているアキトの姿であった。




「!!ちょっと、どうしたのアキト!?」




駆け寄って話し掛けるキャナル。

しかし、アキトは微動だにせず、ぶつぶついっていた。




「つい先ほど部屋に帰って来てから、ずっとこの調子なんです。

 何度話し掛けても、『お仕置きいや、お仕置き怖い・・・』としか言わなくて・・・

 私、もうどうしたらいいか・・・」




目に涙を浮かべ、アキトが帰って来てからの様子を話すイツキ。

その時2人は、アキトがこうなった原因を理解した。




「お仕置き・・・だな。」



「間違いないわね。某同盟・・すでに結成されていたなんて・・・」



「そういえば、前回の戦闘前に某組織が結成されたが・・。」



「おそらく某同盟が結成された原因はそれね。大方、

 妖精がその様子を見て、対抗するために結成したんでしょうね。」



「あの様子じゃあ、今日中に復活するのは無理だな。」



「しかたないわね。」



「あのケインさん、キャナルさん、私どうしたらいいでしょうか?」



「大丈夫よイツキ。アキトならじきに元に戻るわ。

 だからそれまでそっとしておきなさい。」



「・・・はい。わかりました。」



「それじゃあ、俺達は用があるから。」



「はい。ありがとうございました。」




2人はアキトの部屋を出た。




「さて・・どうする?」



「どうするもこうするも、私達がやるしかないでしょう?

 アキトには伝えておきたかったけど、あの状態じゃあね・・・

 それに、元々私達だけが、先行するつもりだったんだから。」



「そうだな・・よし!

 なら、プロスさんに許可をとりに行かないとな。」



「そうね。オモイカネ、プロスさんの現在地はどこ?」




キャナルが尋ねると目の前にウィンドウが現れる。




《えーっと・・・現在は自室にいるようです。》



「そう、ありがとう。」



《かまいませんよ。いつも遊んでくれるのですから。それでは。》



「なんだ、遊んでくれるって?」



「最近ホシノ・ルリが、かまってくれてないみたいで、

 寂しそうだったから、遊んであげてたのよ。」



「なるほど、そういうことか。」



「さて、プロスさんの居場所もわかったことだし、行きましょ。」




「おう。」




そういうと2人はプロスの部屋に向かって歩き出した。








数分後

ケインとキャナルはプロスの部屋で紅茶をすすっていた。




「ふー・・・結構おいしいですねこの紅茶。」



「そうでしょう、それはホウメイさんにもらったもので、

 私も気に入っているんですよ。」




お茶菓子を出しながら答えるプロス。




「それで話したい事とは一体なんですか?」




紅茶を飲みながら尋ねるプロス。




「ええ。実はサツキミドリに先行したいので、

 許可をもらいたいんですけど。」



「先行?それはまたどうして?」



「私達宛の荷物が2つほどサツキミドリに届いているはずなので、

 それを受け取りにいきたいんです。ついでに偵察もかねて。」



「うーん・・そういうことでしたらかまいせんよ。」



「ほんとか、プロスさん?」



「ええ。そうだ、ついでといっては何ですが、1つ頼まれてくれませんかね?」



「頼みって?」



「いえ、たいしたことではありません。

 サツキミドリにいるパイロットのみなさんに、

 乗艦の準備をしておいてくれと伝えてほしいだけですよ。」



「なんだ、そんなことか。わかった。」



「それではお願いします。艦長には私から言っておきますので。」



「それじゃプロスさん。紅茶、おいしかったぜ。」



「ごちそうさま。おいしかったですよ。」



「それはなにより。それでは気をつけて。」




プロスの部屋を出たケインとキャナルは、

出撃するため格納庫に向かった。















その頃ブリッジでは、某同盟のメンバー(『五花』を除く)が、

なにやら、よからぬことを話し合っていた。




「『天真爛漫』さん、『三つ編』さん、

 前回、アキトさんにやったお仕置きのことなんですが、

 楽しかったですか?」



「うん。なんか知んないけど楽しかったよ。」



「私もです。もしかして『妖精』ちゃんも?」



「はい。とても満足でした。

 理由はわかりませんが、またお仕置きしてみたいです。」




どうやらお仕置きに関する話のようだ。

他にもアキトや某組織の話など、

いろいろしゃべっているが、

内容は、アキトの浮気(?)をどうするか、某組織をどう殲滅するかといった、

某同盟の中では、珍しくもない会話なので、詳しい描写はしないでおこう。

この後、同盟の密談(?)は、十数分も続いた。

なおその間に、キャナル達がソードブレイカーで先行したが、

同盟のメンバーは、会話に熱中していて気付かなかった。













ナデシコより先行したソードブレイカーは、

出撃してから、10分もしないうちに、

サツキミドリについていた。




「サツキミドリ、聞こえますか?

 こちら『ロスト』所属のキャナル・ボルフィードです。」



《こちらサツキミドリ管制室。ご用件はなんですか?》



「そちらに、私宛の荷物が届いていませんか?」



《荷物ですか?調べてみますから、少しお待ちいただけますか?》



「はい。お願いします。」




そう言って、いったん通信をきった。




「キャナル。ナデシコが到着するまで、

 どれくらいかかるかわかるか?」



「そうねえ・・・1時間はかからないと思うから、

 50分くらいかな。」



「そうか。

 無人機の襲撃は、ナデシコ到着の約10分前位だよな?」



「ええ。史実どうりならね。」




そこへ、サツキミドリから通信が入った。




《ええっと、確かにキャナル・ボルフィード様宛に届いています。

 中身はわかりませんが、小さなコンテナと大きなコンテナが、
 それぞれ1個届いています。》



「そうですか。

 中身を確かめたいので、入港してもよろしいですか?」



《ええ、かまいませんよ。

 それでは、ドックのほうへ入港してください。

 そちらに、荷物のほうも運んでおきますので。》



「わかりました。ありがとうございます。」




礼を言って、通信をきるキャナル。

その後、サツキミドリのドックへ、機体を入港させた。




「ケイン、あなたはコンテナの中身を確認していてちょうだい。

 私は、プロスさんに頼まれたことを済ましてくるから。」



「わかった。気をつけてな。」



ケインと別れたキャナルは、補充パイロットが待機している場所に向かった。

一方ケインは、2つのコンテナの中身を確かめていた。




「おっ、きちんとマントも届いてる。

 他にも頼んでおいたものは全部届いてるな。」




小さなコンテナの中身を点検しながら、呟くケイン。

しばらくして、今度は大きなコンテナを点検するケイン。

その中身はレールガンであった。




「これもちゃんと届いてるな。

 というか、これが届いてなかったら、キャナルのやつ大暴れするだろうな。」




ため息をつきながら、ソードブレイカーのコクピットに戻るケイン。




「さて、あとはキャナルのほうだな。」












その頃キャナルは、補充パイロットが待機してる部屋に、入ったところだった。




「俺達に用って何だ?」



「その前に自己紹介しましょうか。

 私はキャナル・ボルフィード。

 ナデシコのパイロットよ。」



「あっ、ああ。俺の名前は、スバル・リョーコだ。」



「私の名前は、アマノ・ヒカルだよ。」



「マキ・イズミです・・・」




簡単に自己紹介する4人。




「それであなた達に用っていうのはね、

 もうすぐナデシコが、ここに来るから、

 すぐに乗艦できるように準備しておいてほしいの。」



「たった、そんだけのことを言いに、ナデシコより先に来たのか?」




リョーコが少し驚きながら尋ねる。




「ここに私宛の荷物が届いてたから、そのついでよ。

 まっ、そういうわけだから、準備よろしくね。」




そういって、さっさと部屋を出るキャナル。





「そろそろ、無人機が来る頃ね。急がないと。」




そう呟いたあと、走ってドックへ向かった。









キャナルが部屋を出て、数分後、

サツキミドリ内にアラームが響き渡った。




「くそっ、もう来やがった。ナデシコが到着するまで、まだ30分はあるはずなのに。

 キャナルのやつ、何処ほっつき歩いてんだ?」




ケインは愚痴りながらも、

いつでも発進できるように、

準備していた。




「ケイン!」




ケインがその声に反応して、

声のしたほうを見ると、

キャナルがこちらに走ってきていた。


 トンッ

ケインがコクピットを開けると、

キャナルが、ジャンプして飛び込んできた。




「遅いぞ、キャナル。」



「ごめん、ごめん。それより、荷物のほうは?」



「ああ。きちんと届いてたぜ。

 レールガンのほうは、すでに機体に装着してある。」



「そう。あと敵の数は?」



「レーダーを見た限り、チューリップが1つ、

 バッタが、数百といったところだな。たいした規模じゃない。」




「確かに、たいした規模じゃないわね。」



「なら、ナデシコが来るまでに、殲滅してみるっていうのは、どうだ?」



「いいわよ、ちょうど暴れたかったし。」



「ただし俺は、戦闘はサポートしないからな。」


 
「わかったわ。

 それじゃあ、そろそろいくわよ。」




そう言うと、キャナルは機体を発進させた。




「ケイン、戦闘のサポートは別にしなくてもいいから、

 サツキミドリに通信送って、乗員を脱出させて頂戴。」




サイブレードを両手に持ち、

向かってくる無人機を切り裂きながら、

ケインに話し掛けるキャナル。




「わかった。あまり無茶するなよ。」



「無人機相手に、無茶なんかしないわよ。」




ケインは、サツキミドリに通信を入れた。




「サツキミドリ、聞こえるか。俺達が囮になるから、

 その間に脱出しろ、いいな?」



《すまない。恩にきる。》


「礼はいいから、さっさと脱出しろよ。」




そう言うと、ケインは通信をきった。




「こっちはおわったぞ、キャナル。」



「そう、ならあとは敵を殲滅するだけね。」




そう言うと、一度敵から離れた。

そして、腰の後ろに装着していた、レールガンを手に取り、

バッタに向けて、引き金を引いた。


 ドウ!!


一直線にバッタに向かった弾は、

ディストーションフィールドを一瞬で貫き、バッタを破壊した。




「結構使えるな。そうだ、キャナル。

 ついでだから、リープレールガンのほうも試しておいたらどうだ?」



「そうね。」



キャナルは、腰の後ろに装着していた、

マガジンをレールガンに取り付けた。




「リープレールガン、発射!」



 バシュッ!




そして、バッタが密集しているポイントに向けて発射した。


発射された弾は、バッタが密集しているポイントに到達すると爆発し、

半径十数メートルに小さな転移装置を撒き散らし、その範囲を空間転移させた。

その範囲の内部にいたバッタは、跡形もなく消滅し、

その範囲に少しでも接触したバッタは、その部分がゴッソリとえぐり取られていた。




「やっぱり、普通のレールガンより、こっちのほうがいいわね。」



「当然だろ。通常兵器とロストウェポンを比べるほうがおかしい。」



「でも、手ごたえは通常兵器のほうがいい。」



「・・・結局どっちがいいんだ?」



「うーん・・状況に応じて。(^^)」



少し考えた後、笑顔で答えるキャナル。

なおこうしている間も、レールガンを使い、次々とバッタを落としていく。




「おまえなあ・・・っと通信?どこからだ。」




突然入ってきた通信を開くケイン。

開いたウィンドウに写ったのは、リョーコであった。

ソードブレイカーの後方から、3機のエステバリスが近づいていた。




「あら、あなた達どうしたの?」



《俺達も、バッタを倒すのを手伝うぜ。》



「別にいいわよ手伝わなくて。

 それよりも、脱出してくる人達を護衛してくれない?」



《でも、1機だけでこの数相手を、相手にするなんて無茶だぜ。》


「大丈夫よ。バッタなんかに遅れはとらないわよ。」



《・・・わかった。俺達が戻ってくるまで、無事でいろよ。》



そう言って3機のエステバリスは、サツキミドリに戻った。




「さてと、そろそろチューリップを破壊しましょう。」



「どうするつもりだ?」



「あれをつかうのよ。」



そう言うと、キャナルは機体をチューリップのほうへ向けた。




「増幅チップ、射出!」




肩の装甲が開き、中から6基の増幅チップが射出され、

ソードブレイカーの前方に、正六角形の形に展開する。




「サイバリア展開!」




サイバリアが展開され、それに反応した増幅チップが輝き、

宇宙に、青白い六芒星が浮かび上がる。




「プラズマ・ブラスト、発射!!」




   ドウッ!!!




ソードブレイカーの展開したサイバリアが、

六芒星の面に接触すると同時に、

青白く輝くプラズマが放たれた。


そして、放たれたプラズマが、ディストーションフィールドを紙のように貫き、

チューリップを飲み込んだ。





   チュドォォォォン!!!




飲み込まれたチューリップは、プラズマの中で、爆発・四散した。








その様子を、遠くから見ていたリョーコ達は、呆然としていた。




「・・・おい、まじかよ。なんだよあの機体・・・」



「たった1機で、チューリップを破壊しちゃった・・・」



「・・・・・・・」




機動兵器が一体で、チューリップを破壊した事実に、

驚きを隠せないようである。

イズミにいたっては、いつものギャグですら、口にしていなかった。











「はあー、すっきりした。(^^)」




満足そうにキャナルが呟いた。




「おまえなあ、プラズマ・ブラストを使うなら使う、ってそう言えよ。」



「いいじゃない。別にケインのサイエネルギーを、使ったわけじゃないんだし。」



「そういう問題じゃあねえだろ。」



「あっ、残った敵はケインが殲滅しておいてね。

 私疲れたんで、寝るから。」



「なっ、おい人の話を――」



「おやすみー。」




キャナルは操縦をケインに移し、

すぐさま眠りに入った。




「おい、キャナル。」



「すー・・すー・・」



「・・・なんて寝つきの良さだよ。

 ・・ったくしょうがねえなあ。」




愚痴をこぼしながらも、バッタを落としていくケイン。




それから数分後、戻ってきたリョ―コ達と共に、

残った敵の掃討にあたった。

とってもその時には、既に残った敵の数は、

百もなかったので、全滅させるのに、5分もかからなかった。











サツキミドリにナデシコが到着したのは、

バッタが全滅して、5分後だった。




それからナデシコは、リョ―コ達の機体とソードブレイカーを回収し、

零G戦フレーム数機と、リョ―コ達の荷物、

そしてケイン達の荷物が入ったコンテナを搬入した。

その後、ナデシコは火星に向かって発進した。




ちなみにアキトが復活したのは、次の日であった。

なお、次の日アキトにあったリョ―コが某同盟に入るまで、

大して時間はかからなかった。







次回につづく






後書き




ARX−7:どうも、あいかわらず駄文書いてる、作者のARX−7です。


キャナル:それにしても今回出番がなかったわねアキト。


ARX−7:まああのお仕置きを受けたら、普通1日で復活なんて無理だと思うが。


キャナル:確かに1日で復活できるほうが、おかしいわね。


ARX−7:それよりもやっと出せました。リープ・レールガンとプラズマ・ブラスト。


キャナル:そういえば、プラズマ・ブラストって、

       ナデシコの世界じゃあ、どれくらいの威力があるの?

       なんかいとも簡単に、チューリップを落としてるけど。


ARX−7:最低出力で、ナデシコのグラビティブラストよりすこし上くらいかな。

       最大出力は、精神力に左右されるから現時点では不明です。


キャナル:そんなに強くていいの?


ARX−7:まあ、その分発射までに時間がかかるから。だいたい1分くらい。


キャナル:まあいいわ。それだったらプラズマ・ブラストより、

       リープ・レールガンのほうが良かったんじゃないの?


ARX−7:リープ・レールガンだと、ディストーションフィールドに邪魔されて、

       転移装置が届かないんだよ。


キャナル:あっ、なるほど。


ARX−7:そういうわけで、プラズマ・ブラストを使ったのさ。


キャナル:そういえば今回の話、

       私とケインのセリフが大部分を占めてるような気がするんだけど・・・


ARX−7:・・・その辺は気にしないでくれ。


キャナル:あんたねえ・・・


ARX−7:それではまた次回。


キャナル:あっ、ちょっと・・・




 

 

代理人の感想

リープ・レールガン・・・・確か「半径50mほどの空間の中のものを強制的に転移させる」兵器でしたよね?

考えてみると転移された物はどこへ行くんだろうなぁ。

「転移」と言う以上どこかに移動しているわけだし・・・・。