2196年十月、サセボシティ

「ミスター、本当にこんな所に最高の人材がいるのか?」

「ええ、私も最初は嘘だと思っていましたが間違いないようです」

会話をしている二人、大男とビジネスマン風の男はある店の前で立ち話をしていた

「それでは入るとしましょうか」

ビジネスマン風の男が大男を促し店の中に入る

『ガラガラガラ・・・・・・』

「いらっしゃい!!」

この店の主人らしき中年のように見える男が出迎える

「すいません、ここでこの方を雇っていると聞いたのですが」

ビジネスマン風の男が写真を店の主人に見せる

「ああ、雇ってるぜ。腕のいいやつだからな、こっちとしても助かってるんだが…あんたら何者だ?」

主人が二人をやや疑いのこもった目で見る

「軍の人間だってんなら帰ってくれ、あいつは軍は辞めてるんだからな」

「いえいえ、私達はネルガルのものでして・・・・・・彼を雇いにきたんですよ」

下手な嘘をつくのは得策ではないと判断したビジネスマン風の男が話す

「あいつを雇いにね・・・・・・・おいアキト!!ちょっとこっちに来い」

主人が叫んでまもなく、厨房からアキトがでてきた

「なんですかサイゾウさん・・・・・・ってもしかしてプロスさん!!」

「はい、おひさしぶりです、アキト君」

ビジネスマン風の男、プロスペクターは笑みを浮かべてアキトのほうを向いた





機動戦艦ナデシコif
『新たなる刻の歌』
第一話 『男らしく』でいこう!!

「いやはや、アキト君と会うのは火星で別れた時以来になりますな」

現在、店は主人であるサイゾウの気遣いにより準備中の札を表に出している

「ええ、そうなりますね。・・・・・・で今回はなんのようですか?」

「ははは・・・・流石ですな、実はネルガルのスキャパレリプロジェクトに参加してほしいのです

「ミスター!!」

大男が急に大声を出す、幸いにも全員がすぐに耳をふさいだ為損害はなかった

「ゴート君、急に大声を出さないでください」

「しかしミスター、なぜこのような若者にあの計画のことを・・・・・・」

「・・・・・ナデシコを飛ばすんですか?」

アキトが急に口を開き、その言葉を聞きゴートは絶句した

「はい、そこで『白騎士』とも『連合の関羽』とも呼ばれた貴方に力を貸してもらいたいのです」

そこまで言うとプロスは電卓を急に取り出した

「お給料の方は・・・・・危険手当などを含めてこれくらいです」

その電卓には家を一軒買えるほどの金額が映っていたりする

「いくらなんでも多すぎですよ、それの四分の一くらいで良いですよ」

それでも相当の金額だが・・・・・・・

「本当にいいんですか?・・・・・・何か代わりに要求する物がありそうですね」

「流石はプロスさん、よくわかってるじゃないですか」

そう言うとアキトは再び真剣な顔をする

「まず一つ目・・・・目的地は火星、これに間違いないかどうか答えてください」

「はい、そのとおりです」

「後のは・・・・とりあえず契約書を見せてくれませんか?」

「ああ。そうですな、っとこれが契約書です」

ものすごい速さでアキトの目の前に契約書が現れる

「ここと・・・・・ここを変えて良いですか?」

「ほう、それに気付きましたか流石ですね。しかし制服着用を変えると言うのはいったい・・・・?」

「アレを着たいんですよ、普通の服よりも耐G面で優れていますからね」

「なるほど。そういうわけですか、後ついでにアレの用意もしておきましょう」

「え?アレがまだ残ってたんですか!!ぜひお願いします」

もう当事者達しかわからないような会話をくりひろげる二人

「では、これで良いですね」

「はい、お願いします」

「できれば・・・・今日中にナデシコに移っていただけるとありがたいのですが」

「・・・・わかりました、可能な限り急ぎますよ」

アキトの返事に満足そうな笑みを浮かべ、プロスとゴートは去っていった







その日の夜・・・・・・・・・・



「すいません、サイゾウさん。今までお世話になりました」

「お前がいなくなるのは辛いところだが・・・・・男なら自分で決めた道は突き通さないとな」

「本当にありがとうございました・・・・・・・・」

「ほれ、そろそろいきな。ここから遠いんだろう?」

アキトは最後にもう一度頭を下げると、自転車に乗って目的地『サセボドック』へと向かっていった







サセボドック内、ネルガル所属機動戦艦ナデシコブリッジ

「なんだと!!それはどういうことだ!!」

軍人の一人がゴートに詰め寄る

「提督と少将を呼んでおいて我々は必要ないだと!その上素人ばかり乗せるとはどういうことだ!!」

「あんた達!!少し落ち着きなさい!!」

ゴートに詰め寄った男をキノコ頭の男が抑える

「彼らは各分野のエキスパート。

そして、艦長は地球連合大学在学中に総合戦略シミュレーションで無敗を誇った逸材です」

(・・・・・歴史が違ってる?何でキノコがわめいてなくて落ち着かせようとしてるの)

先程の心情は・・・・・・ナデシコオペレーターホシノ・ルリのものである

彼女は未来から逆行してきており、肉体年齢は16歳になっている

(やはりラピスやハーリー君、私の体が元のままだということから考えても。あの世界とは違う世界なのでしょうか)

「で、その逸材はどこにいるんだ!!」

「いえ・・・・それが」

「ああーーーここだここだ!!みなさーん私が艦長でーーす♪ブイ!!

「「「「「「「ブイ!?」」」」」」」

呆れているほかの人たちとは違いブイサインをした当人は・・・・・

(これでみんなのハートをキャッチ!!)

と考えていたりする

(やっぱりこの辺は変わってない・・・・あまり差はなさそうね)

『ヴィーヴィーヴィーヴィー・・・・・・・・・・・・』

戦艦内部に警報が鳴り響いた

「なにごと!!」

「木星蜥蜴の無人兵器が地上軍のレーダーにかかったようです」

「現状把握を急いでください!!」

艦長、ミスマル・ユリカが命令を出す

「敵の攻撃予測から見ると我々の頭上に集中しているようだ」

「地上軍と交戦開始しました」

「敵の目的はナデシコか」

提督、フクベ・ジンが敵の目的を見抜く

「そうとわかれば反撃よ!!」

(やっぱりキノコはキノコでしたか・・・・・・・・)

「どうやって?」

「エステのパイロットはいるんでしょう?」

「はい、現在二名乗り込んでいますが」

プロスペクターがキノコ頭、ムネタケの問いに答える

「囮役をやってもらっているうちに、海底ゲートをとおって海中に出たあと浮上するのよ」

「ふむ、艦長はなにかないかね?」

(そんな・・・・キノコがまともな策を・・・ユリカさんと同じ策を立てるなんて)

「私も副提督と同意見です、その際囮の方に敵を集中させてもらえれば、主砲で殲滅できます」

「そこで俺の出番さ!!」

急に暑苦しそうな男の声があがる

「この俺が囮になって敵を引き付ける!!そしてその間にナデシコを発進させる!!」

「おたく、骨折中だろ」

「しまったーーーー!!」

(何か以前より突っ込みが早かったような・・・・・・・・あ)

「囮ならもう出てます」

「「「「「「「ええ!!」」」」」」」

「現在、エレベーターで地上に向かっています」

(アキトさん・・・・・・・・・・・・・・やっぱりきてくれましたね)

「こちらパイロットのイツキ・カザマです。作戦を伝えてください!!」

(え?アキトさんじゃ・・・・・・・・・ない!?やっぱりここは平行世界なの?)

「こちら艦長のミスマル・ユリカですナデシコが発進するまで敵を引き付けてください」

「了解しました・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アキトの仇!!





(・・・・・・凄い腕です、リョーコさんと同じくらいかもしれません・・・・・けど)

「パイロット、殲滅行動にでています」

「なんですって!!艦長!!通信を開いて!!」

ムネタケが必死に叫ぶ!!その声に答えるかのようにイツキとの通信が開かれる

「はあ・・はあ・・・・はあ・・・貴方達さえ火星にこなければ!!」

「おちつきなさい!!そんな戦い方じゃあすぐに限界がくるわよ!!」

「アキトの・・・・・アキトの仇ーーーーーーーーーーーーー!!」

ムネタケの声も無視し、再び突撃をかけようとするイツキ

「あのままじゃあ死ぬのが目に見えてるな」

ゴートが冷淡な意見を出す

「・・・・・・?エレベーターが動いています、どうやらもう一機エステが発進したようです」

「ほう、彼が来てくれたのでしょうか。通信を開いてください」

「通信、開きます」

通信映像が開かれ、その映像の中に映っていた人物は・・・・・テンカワ・アキトだった

「こちらパイロットのテンカワ・アキト、状況を報告してくれ」

「あ・・・はい、現在囮役としてイツキ・カザマさんが出撃しています」

イツキが!!・・・・・・それで状況は?」

「作戦を無視し殲滅行動に移っています、彼女を冷静にさせるのが最重要項目です」

「通信を開けるかい?ええ・・・・と」

「オペレータのホシノ・ルリです」

「そう、ルリちゃん。イツキに通信を開くことはできるかい?」

「はい、わかりました」

(あの感じだと私のことは知らなさそうですね・・・・やはり平行世界に間違いないようですね)

「はあ・・・・はあ・・・・はあ・・・『カチッ』弾薬が尽きた!?まだ終わってないのに!!」

「イツキ!!落ち着け!!今からそっちに向かう!!」

「え?アキト・・・・・・・アキトなの!?」

「ああ、俺だよ、間違いなくテンカワ・アキトだよ、幽霊って落ちでもないぞ」

エレベーターが地上に着くと共にピンク色のエステが紫色のエステのいる方に向かう

「ええい!!邪魔だお前ら!!そこをどけえええええええええ!!」

ピンク色のエステが片手に持っていた大型の堰月刀らしき形をした武器を振り回しジョロを撃破する

「おいおい嘘だろ・・・・あのイミディエット堰月刀を振り回せるやつなんかそういない筈だぜ」

「ええ、ウリバタケさんの言うとおり『斬る』ためにあの武器を使いこなせたのはたったの一人だけ・・・」

ウリバタケの疑問はもっともだった、今アキトの振り回している武器は青龍堰月刀をかたどった武器であり

かなりの技量がないと使いこなすことはできない、それに『斬る』ためだけに堰月刀を扱いきるのは意外に難しい

なぜなら、堰月刀の範囲は中-近距離間であり至近距離に入られると隙が大きくなるのだ

アキトは一対大多数の状況において、敵が至近距離に入っても一太刀で切り捨てている

その状況はアキトの腕がいかに非凡な物であるかをよく示している

「まさか・・・・・・あいつが火星の『白騎士』なのか!!」

「はい、そのまさかです」

二人が会話している間にもアキトが乗るエステは敵を切り裂き道を作っていく





そしてイツキが乗っている紫色のエステとアキトの乗るピンク色のエステが合流する

「テンカワからナデシコ、合流地点を教えてくれ」

「ここに敵を誘いつつ向かってきてください」

通信士のメグミが合流地点をつたえる

「了解した!!行くぞイツキ!!」

「わかったわ、アキト!!」







それからイツキは先程までの戦い方が演義だったかと疑いたくなる様な見事な動きを見せた

「こちらイツキ、そろそろ合流地点に着きます」

「そのまま跳んでください!!」

「「了解」」

『ザッバアアアアアアアアアアア!!』

二体のエステバリスが海面に向かって跳び、着水するかと思われた時にナデシコが浮上をしてきた

「敵残存兵器、有効射程に完全に入ってます」

「目標、敵まとめてぜーんぶ。てぇーーーーーーーー!!」

『ギュオオオオオオオオオオオオオオン』

漆黒の光がバッタとジョロを飲み込み、跡形残さず破壊していく



「さすがはグラビティブラスト、一撃で全部を落とすか・・・・・・」

その場景を見たアキトがそう呟いた





ナデシコブリッジ



「戦況を報告せよ」

「バッタ、ジョロとも残存ゼロ。地上軍の被害甚大だが戦死者数は5」

「作戦は大成功ね」

「まさに逸材!!」

「こちらテンカワ、着艦を許可してもらいたい」

「テンカワ?・・・・・・・テンカワ・アキト?」

「艦長に代わってわしが許可する、着艦したまえ」

「了解」

「よし、俺はあいつらを迎えに行くとするか」

そう言ってセイヤがブリッジから出る、何か考えている艦長は無視されていた







ナデシコ内部格納庫



「よっと」

アキトがエステから飛び降りて着地する

『うおおおおおおおおおおおおおおお!!』

「アキト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

先に降りたイツキがアキトに駆け寄り・・・・・・・・・・・・・・・・・

『パン!!』

アキトの頬を思いっきりひっぱたいた

「いままで・・・・・なにをしてたのよ!!」

「サイゾウさんの店でコックをやってたんだよ、イツキに連絡したかったけど、どこにいるかわからなかったし」

「ずっと・・ずっと・・・・・不安だったんだから・・・・・アキトが死ぬわけないって思ってても・・・ずっと」

「ああ、さっきの戦い方を見ててわかったよ・・・・・御免、イツキ」

アキトはそう言うとイツキを優しく抱きしめた

「アキト・・・・・・・・あの言葉、本当に信じて良いんだよね?」

「ああ、その証は俺たちの指にあるだろう?約束を果すのは戦争が終わってからになりそうだけどな・・・・・」

それからしばらくの間、誰も動かなかった・・・・いや、動けなかった







約十分後・・・・・・・・二人はどちらからともなく離れた

「よう、あんたがあの『白騎士』なんだってな」

「火星ではそう呼ばれてましたけど・・・・・貴方は?」

「おう、俺はウリバタケ・セイヤ、この船の整備班の班長をやってる」

「そうですか、それじゃあちょっとお願いがあるんですけど・・・・・・」

「おう、俺にできることならやってやるぜ」

「実は・・・・・」

「おいおい本気でこの船にそんなのあるのか?」

「今なかったら、途中で積み込むはずですよ」

「へへへ・・・面白そうだな。喜んでやらせてもらうぜ」



「それじゃあ俺たちはブリッジに向かいますから」

「おう、見つかったらすぐにでも開始しとくぜ」







『プシュー』

ブリッジにアキトとイツキの二人が入ってくる

「テンカワ・アキト、パイロット。ただいま到着しました」

「イツキ・カザマ、同じくパイロット。ただいま到着しました」

「二人共、ここは軍じゃないし貴方達は軍を辞めてるでしょう?」

敬礼をしながら自己紹介をする二人を見て、ムネタケは苦笑しながら言った

「お久しぶりです、ムネタケ大佐。今は少将でしたか?」

「少将なんてガラじゃないわよ。よく無事に帰ってきてくれたわね」

「ええ、約束は破った形になりますけどね」

「いい意味での破り方ね、これからもこの破り方なら心配ないわね」

アキトとムネタケが握手をする

「アキト・・アキト・・・・・テンカワ・・・・・・・・・・・・・あっ!!」

「(はっ!!まさか!!)皆さん!!今すぐに耳をふさいでください!!」

「あああああ!!アキトだアキトだ!!アキトアキトアキトアキトアキトーーーーーーー!!」





ユリカは叫びながらアキトに向かって突撃する(全員耳をふさいでいて直接的な被害はなかった)

『(ヒラリ)・・・・・ドガッ!!

アキトはあっさりとユリカを避け、避けられたユリカは壁にダイビングした

「(アレは誰だ?)・・・・・ところで艦長は?」

「アキト・・・・・・さっきアキトが避けた人が艦長よ」

イツキが苦笑しながらアキトの疑問に答えているころ、ユリカは復活を果した

「アキトーーーどうして受け止めてくれないのーーー(涙)
そうか!!アキトったら照れてるんだね、いくら愛し合う二人でもみんなの前だと恥ずかしいんだね」

ちょっと待て、艦長は俺のことを知っているようだが俺は艦長を知らんぞ?」

「アキトったら照れやさんなんだからーーーー♪アキトのお姫様のユリカだよ!!」

「ユリカ・・・・・?ああ、思い出した。ユリカ、ついでだから言いたい事があるんだが」

「え?なになに、結婚の申し込み?
やだアキトったらそういうことはお父様と話して決めないと」


「いやそうじゃなくて、俺はお前をお姫様だと思ったことはないし俺の姫君はもうすでにいるぞ?」

(アキトさんの姫君・・・・・・・・・やっぱり私ですか!!)

妖精はひそかにどこかの世界に飛んでたりする・・・・・・・・・

ええーーー!!アキトは私の王子様なんだよ!

「いつそんな事が決まった・・・・・・まあこれを見れば納得するだろ」

アキトはそういいつつ自分の左手をユリカに見せた

「え?・・・・・薬指に・・・・・・・シルバーリング?」

「ちなみに俺の姫君には俺のつけてるものと同じ指輪を渡してる」

ユリカとルリはその発言を聞き、一気に真っ白になった

なぜなら自分たちは指輪を渡されてない、即ち自分たちとは違うと宣言されたからだ(妖精はまだ面識すらないが・・・)

「あら?イツキちゃん・・・・だったわね、貴方がしてるのって・・・・・同じ物よね?」

操縦士のミナトがイツキの左手、薬指の指輪を見つけて訊ねた

「ええ・・・・・・そうですよ」

イツキがやや顔を赤らめながら言う

「まあそういうことだ、まだ『婚約』の状態だけどな」

「テンカワ、結婚式には呼びなさいよ」

「ええ、戦争が終わって平和になったら挙げるつもりですし司会をしてもらいますよ。少将?」

「それだけは勘弁してもらいたいわね」

ムネタケとアキトの間に穏やかな空気が流れ、イツキはさらに顔を赤くしていた

「と言うことはお二人の部屋は同室のほうがよろしいですかな?」

プロスが今までの発言から妥当な案を出す

「いけません!!
艦内の風紀維持の為にも認められません!!」


復活したユリカがもっともらしい意見を出しその案を却下しようとする

「しかし艦長、お二人は婚約者同士なのですよ?」

あえて『婚約者同士』を強調して言うプロスペクター

「プロスさん、気を使わなくて良いです。別々の部屋で過ごすのなんて今までいくらでも会ったんですから」

「そうですよ、それに私とアキトの仲は少しぐらい離れても全く変化はありませんから」

イツキは敵の気配を感じ取ったのか、ひそかな爆弾を落とす

「まあお二人が言うのでしたら・・・・・・それでは二人共個人部屋で構いませんね?」

「ええ、俺は構わないけど・・・・個人部屋余ってるの?」

「お二人はエースパイロットですからな、個人部屋の用意は整っています」

(ヤマダ『俺はダイゴウジ・ガイだ!!』のことを思い出したのか妙に強調するプロス)

そう言うとプロスはコミュニケを開き艦内の地図を出す

「ここにアキト君、こっちにイツキさんの部屋になります、あとこれが部屋のキーカードです」

そう言うとプロスは二人にカードを二枚ずつ渡す

「もう片方のカードは、まあクレジットカードみたいな物だと思ってくださって結構です」

「わかりました、それじゃあ俺はこの辺で」

「私も今日は疲れたのでもう休ませてもらいます」

アキトとイツキは二人同時にブリッジから出てそれぞれの部屋に向かっていった









そして残された妖精と艦長は・・・・・・・・・・

「アキト・・・可哀想に・・あのイツキって子に惑わされてるのね・・・・・」



「こっちの世界のアキトさんはもう婚約をしてるのですか・・・・けど・・・所詮婚約・・・・・」


なんだか危険な発言をはじめていた・・・・・・・・・

「そうよ・・・そうにちがいないわ・・・だってアキトは私の事が好きなんだもの」

「そう。所詮は婚約・・・・どう転ぶかなんて誰にもわからないんですよ(邪笑)」


「アキトは私が好き、アキトの幸せは私と結ばれること」

「ふふふ・・・そうどう転ぶかなんてわからないんです・・・破局を迎える可能性だって・・・・・ふふふふふ」


「アキトは私が好き!
アキトは私が大好き!!
アキトは私が大大大好き!!!」



「ふふふふふふふふ・・・・・・」




そんな様子の二人をブリッジクルーはなるべく目に入れないように、そして相手をしないようにしていた

まあその方法が最善の方法であることは誰の目にも明らかであった

「やれやれ・・・・一波乱で終わるといいんですけどな・・・・・・」

会計監察官、プロスペクターの漏らした言葉はこれからのことをよくよんでの言葉だったのかもしれない



















あとがき
まずユリカファンの方、ルリファンの方申し訳ありません!!

我ながら壊しすぎたかと反省しております

しかしこれから私が予定している登場キャラの状態はほとんどが壊れていると思われます!!(爆)

一応シリアス中心にいこうと思っていますが・・・・・今回のように壊れが入ってゆくかと思います

後、私はダークが基本的に苦手なのでそういうものを期待しないでください。

イツキですが・・・・ほとんどオリキャラ化しております(アキトもオリキャラに近いかも〔汗〕)

ちなみにイツキも二つ名をもっているエースパイロットです

次回・・・・・どうなるか本人もわかっておりませんがどうかお付き合いくださいませ(少し遅くなるかも)

(追伸)後で明らかにするつもりだったのですがもう先に言っちゃいます(代理人様に当てられたし)

ネタばれが嫌って方は見ない方が良いかも。






アキトは11歳の時事故により五感を失い、その治療として多くのナノマシンを体内に入れました

その中に誰かの(ネルガル辺り)陰謀により、遺跡から回収して実験中のナノマシンが幾度となく混入

そのためIFS強化体質になってしまい、五感が完全に戻った時には凡人離れした才能が目覚めていた

ちなみにDFW、高速戦フレームはイネスとの共同開発作品です

そのため、相転移エンジンなどのことも決して素人ではない、と言うよりナデシコを知ってるぐらい(爆)

ちなみに治療の中心スタッフはイツキの両親とイネス・フレサンジュ

プロスとは13歳の時、五感が戻った後に会いテストパイロットとして雇う代わりに治療費を免除してもらった

最後に、テストパイロット時代にある格好の白色版で軍のパイロットを三十人抜きした為『白騎士』と呼ばれた

関羽の二つ名は軍に入った後、イミディエットブレード青龍堰月刀バージョンを振り回し始めてからつけられた

一度オペレーター役をした事もある(マシンチャイルドクラスの実績をあげた)

 

 

代理人の個人的感想

主人公無敵主義(笑)。

欠点らしい欠点が見つからないですねぇ。

と、いうかこう言う特殊な環境で育った人間ならどっか性根が歪んでそうなもんですが(爆)。

人間のキャパシティと言う奴は案外限定されてるもんで、

何かを伸ばそうとすると何かを犠牲にしなければならないのが普通なんですよね。

 

後、ユリカとルリについては本当にシリアスをやるつもりなら単に邪魔になるだけかな、

と思うのですがそこらへんどうなんでしょう。

本編の二人をシリアスに扱って話を作るとすれば、

凄まじくドロドロとした愛憎劇しか思いつかないのですが(笑)。

 

 

>堰月刀

偃月刀とも言います。要するに三国志の関羽が持っているあれ。

本編に登場するものに関しては、

「真三国無双」あたりのバージョンを想像して頂ければ多分合ってるでしょう(笑)。