軍人によるナデシコ制圧未遂事件がおきてから月日が流れ・・・・・

『ドーン』

「ルリちゃん、今ので何発目?」

「約百五十発目です」

ナデシコは防衛ラインを突破していた・・・・・・・・・・



機動戦艦ナデシコif
『新たなる刻の歌』
第三話 早すぎた『覚醒』

ナデシコが防衛ラインを強行突破するようになった理由はほとんど変わらない

ユリカがあの通信をして相手の逆鱗に触れただけだ

まあちがう点としてはムネタケの必死の交渉により突破する必要があるのが、第二防衛ラインまで下がったことだろう

「さてさて、これで残すのは第二防衛ラインと第三防衛ラインの二つですな」

いまだミサイルが当たっているのを無視するかのようにプロスが喋る

「そうね、とくに厄介なのは第三防衛ライン、デルフィニウム部隊ね」

「ナデシコの進路から考えると・・・・・ステーション『さくら』の部隊ですね」

「あの部隊は強豪だから苦戦するかもしれないわ・・・・・・」

ムネタケ、アキト、イツキといった従軍経験者並びに現役の人物がそれぞれの意見をだす

「相転移エンジンは高度が高ければ高いほどその力を増しますから第二防衛ラインはほとんど無視できます」

「そうね、そこまでくれば・・・『ドッゴーン!!』

「「きゃあ」」 「ええ!?」 「またディストーションフィールドが弱まったか」

突然の揺れに驚くクルー達、(といっても驚いてるのはユリカ、メグミ、ミナトの三人だけである)

「みんな、大丈夫?」

アキトが倒れた三人に話し掛ける、ちなみにこの三人以外ではフクベ提督は座っていた為無事であり 他の人は怯みもしてなかった

「ええ、今のはちょっと驚いたわね」

「はい、大丈夫です。けどアキトさん達って凄いんですね・・・驚いてなかったみたいですし」

「アキトーー なんでユリカを助けてくれなかったのーーーー」

誰がどの台詞か言うまでもあるまい

「ゴホン、それより艦長、着替えてきてはどうかね?」

ユリカは着物のまま作戦会議に出席していた・・・・・ユリカの辞書には常識と言う文字はあるのだろうか?

「はーい、ねえねえ!!アキト、この着物どう?似合う?」

「俺は格納庫でエステの調整を手伝いに行こうと思います、いいですか?」

「私もいっしょに行きます、いざと言うときに備えて待機していた方がいいでしょうし」

「そうですね、引き止める必要もありませんしね」

「アキトはこのままブリッジで待機です、これは艦長命令です!!」

「艦長、公私混同は控えた方がいい、それに俺がここにいてなんの役にたつんだ?」

ブリッジクルー全員の意見はアキトの言葉に入っていた

「え・・・・・・色々アキトの案も聞きたいなって・・・・・・・」

必死に言い訳を捜すように言葉を言うユリカ艦長

「そういうのは副長の役目・・・・・・・ってジュンはどこ言ったんだ?」

「あれ?そういえば・・・・・・・」

「いやはや・・・・どうやらトビウメに忘れてきてしまったようですな・・・・・・・」

「はあ・・・・彼の頭脳には期待してたんだけどね・・・・忘れてくるなんて・・・・・・」

「あれ?副長って副提督が期待するほど凄いんですか?」

「ええ・・・・・私が『孔明』だとすると彼は『周喩』といっても過言じゃないわ。いえ『司馬懿』と言ってもいいかもしれないわね」

「それは・・・・・貴重な人材を置いてきてしまいましたな」

プロスが電卓を叩きながらそう嘆く





一方、第三防衛ラインの宇宙ステーション『さくら』

《アオイ君、やめたまえ。君は士官候補生なんだぞ》

コウイチロウが必死にジュンを説得している

「ナデシコを止めるのは、僕の使命です!」

しかし、ジュンの意志は強く説得には応じなかった

《だが、ナノマシン処理は…》

「そうですよ。あなたがこれをやる必要は…」

ナノマシンの入った注射を持った士官も止めようとしている

「何てことありませんよ。パイロットなら誰でもやってることです。 これなしではIFSを使えませんから」

《私はもうユリカのことはスッパリ諦めた。だから、なぁ?》

急にコウイチロウの顔が情けなくなった 「貸せぇ!」



「あっ!」

ジュンは士官から注射器を奪い取ると、自分の首に当てた

『プシュ』

「う…… くぅぅぅ……」

頭に奇妙な感覚が走り、気持ち悪くなってきたようである しかし、ユリカのことを思うジュンの気持ちは、それを上回った!!

それに耐えると、ジュンの右手の甲にIFSのタトゥーが浮き出てきた





「グズグズするんじゃない! 急げ!」

大急ぎでナデシコを止めるための、準備が行われていた

そんな中ジュンは、ロボットのコクピットで説明を受けていた

「少尉、このデルフィニウムは基本的には思った通りに動きます。

燃料は多めに積んであるので、一時間は確実に飛べます

ベクトル失敗しなければ、落下する事はまず無いんで、何とか、ここまで戻ってきて下さいよ」

「いろいろありがとう」

ジュンはそれだけ言うと発進準備を始めた

「こちらの最強の部隊も護衛につきます、どうかご無事で!!」

説明をしていた男は、親指を立ててジュンのコクピットを閉めた

「………さよなら」

ジュンがぼそっと呟いた

その瞬間に、コクピット内に沢山の画面があらわれた

そして、全ての作業を終わらせて、発進位置に移動し始めた

『ウィィィィィィン  ドゴォォン』

発進位置に到着し、目の前の射出口が開かれた

ジュンは、何かを決心して大きく顔を上げた

「………目標、機動戦艦ナデシコ!!」

ジュンの乗るデルフィニウムは宇宙へと飛び出して行った

思い人のために命をもかけるジュン・・・・・漢の中の漢といっても過言ではないのかもしれない

悲しむべきはその思いが一マイクロメートル届いてないところか







一方機動戦艦ナデシコ・・・・・・

「よっしゃーーーー出番だ出番!!」

「こら!!先走るんじゃねえ!!今二人の機体の微調整してっから少し待ってろ!!」

ウリバタケが勝手に出ようとしているガイを止めようとするがまるで無視、おまけにブリッジからの通信も無視している・・・・・

「だあーーーーアキトのやつはまだか!!」

「すいませんセイヤさん、こいつは結構微調整が難しいんですよ、もうすぐ出れると思います」



「ダイゴウジ・ガイ、いっくぜーーーーー!!」



ナデシコブリッジ

「デルフィニウム14機接近中、あとヤマダ「ダイゴウジ・ガイだ!!」さんが勝手に出撃しました」

「こまりましたな、一応ナデシコは戦艦なのですが・・・・・・」



≪隊長!!ナデシコからエステバリスが一機出撃してきました!!≫

≪囮の可能性もあるが・・・・・まずは様子見だ、アタック!!≫

≪了解!!≫

デルフィニウム部隊はミサイルの照準をガイ機に合わせ。各機五発ずつミサイルを放つ



「とぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

ガイはミサイルを回避しようとせず自分からミサイル群のほうに突っ込む

「あの馬鹿!!死ぬつもりか」

素人目から見てもあまりにも無茶な行動にウリバタケは驚く

「へ・・・・・・あまいんだよ!!」

ガイはギリギリまでミサイルを引き付けると急降下しミサイルの下にもぐりこむ

「今だ!!ウリバタケ!!スペースガンガー重武装タイプを落とせ!!」

「班長、・・・ヤマダさん何か言ってますよ?」

「人の話を聞かんやつのことなんかほっとけ」

「だから!!スペースガンガー重武装タイプを落とせ!!」

「うちにはスペースだかアストロだかしらねぇけど、ガンガーなんてのせてないんだよ!!」

「・・・・・・1のBタイプのことじゃないですか?」

「そうそう、それそれ!!」

「・・・・・それを壊すつもりか・・・ヤマ「ダイゴウジ・ガイ!!」・・・・ガイ」

「アキト・・・・そりゃどういう意味だ?」

「おそらく今回の指揮官はジュン、パイロットとしては未熟だろうが他の連中の腕は一流だろう。

それに誰が敵の強化を見過ごすような真似をすると思う?」

「あのーーーーーー作戦失敗ですか?」

今まで観戦していたユリカが通信を入れる

「し・・・・・心配ご無用!!」

そう言うとガイは一気にデルフィニウムに向かって突撃する

「ガーイ、スーパー、アッパーーーーーーー!!」

『グァシャ―ン!!』

「わあ・・・・あの『さくら』の部隊をああまで簡単に・・・・・」

敵の力を知っているイツキはガイの強さを見直す

「こいつはいけるぜ、だはははははははは」





「ヤマダさん、完全に囲まれました」

「あいつは馬鹿か・・・・・・・?」

「・・・・・・あれだけの腕をもってるのに・・・・なんて勿体無い」

ちなみにルリ、セイヤ、イツキの順である

「ちい、もう少しで完了するというのに!!」





デルフィニウムのミサイルがナデシコを揺らす

≪ユリカ・・・・・・これが最後のチャンスだ。ナデシコを戻して≫

「ジュン君・・・・・・・」

「君の行動は契約違反だ」

≪ユリカ・・・・・力づくでも君を連れて帰る、抵抗すれば、ナデシコは第三防衛ラインの主力と戦うことになる

僕は・・・・・君と戦いたくは無い!!≫

「御免ジュン君、私ここから動けない」

≪この僕と・・・・・戦うって言うのか?≫

「ここがわたしの場所なの、ミスマル家の長女でも、お父様の娘でもない・・・・・・・

私が私でいられるのはこのナデシコだけなの!!

≪そんなに・・・・・あいつが・・・・・・・テンカワがいいのかい?≫

「え?ジュン君・・・・なにを」

≪わかったよユリカ・・・・・・・目標!!ナデシコカタパルト!!

その言葉とともにガイの牽制をしているデルフィニウム以外はナデシコ、カタパルト部に照準を合わせる

「くっ、さすがね」

ムネタケが苦々しそうに呟く

「悪いが、ナデシコはやらせんぞ!!」

その言葉とともにアキトが乗る純白の機体が漆黒の空に現れる

「イツキ・カザマ、まいります!!」

アキトに続くようにイツキが乗る紫色のエステが出撃する

≪くっ、これじゃあカタパルトを壊しても意味がないか・・・・・・各機、散開して迎撃せよ!!

白い機体に近づかれるな、距離をとって迎撃するんだ!!≫

≪了解しました!!≫

ジュンの指揮に従いデルフィニウム部隊は三つに分かれる。

アキトに五体、イツキに四体、ガイに三体、ジュンはその状況を見て指揮を出している

「ぬお!!てめえら!!卑怯な真似してんじゃねえ!!」

「くっ、ただでさえ『さくら』の部隊は厄介なのに!!」

「ちっ、イツキとの連携が取れん、このままではきついな・・・・」

≪そこ!!近づきすぎだ!!・・・・・・テンカワの乗る機体は初めて見るな・・・・宇宙用か?≫

ジュンの指揮により動くデルフィニウム部隊はアキトたちを翻弄していた

「くそ・・・・・せめて宇宙空間ならば・・・・」

アキトが乗っているのは宇宙戦用の高速戦フレーム、いくら薄いといっても大気圏内では少々扱いづらい

ナデシコも迂闊に浮上できず立ち往生に近い状態だ



誰もがこの状況は続くかと思っていた・・・・・いや、一部の者は変化を読んでいただろう

≪隊長!!エネルギーがもう持ちません!!≫

≪(時間か・・・・)エネルギーが限界の機体から戦線を離脱しろ≫

≪しかし・・・・・隊長はどうするんですか!!≫

≪僕にはやるべき事がある・・・・・・気にせずいけこれは僕の独断だ、全て僕の責任なんだ≫

≪くっ・・・・・・隊長、どうかご無事で!!≫

一機、また一機と戦線を離脱していく・・・・・・・・

最後に残ったのは・・・・・・・ジュンだけだった

≪テンカワ・・・・・・・僕と一騎打ちで勝負しろ≫

「・・・・・・・いいだろう、イツキ、ガイ、手を出すな」

アキトの乗るエステバリスとジュンの乗るデルフィニウムが一直線に並ぶ

≪テンカワ・・・・・はっきり言おう、僕は君が憎い≫

「随分とはっきりとした意思表示だな、そういうのは嫌いじゃないぜ」

≪ユリカが君が好きになったのはわかる、君は大きな力を持っているからな≫

「力・・・・・・・か」

≪でも!!僕だって負けはしない!!君のように強大な力なんて手にいれられるわけは無いが・・・必ず・・・・勝つ!!≫

「いくぞ!!ジュン!!」





戦いは一進一退の攻防だった、機体の性能を互いに把握しきっているだけに、互いに相手の間合いに入らないように戦っていた

しかし、最後は経験の差か・・・・・・・・アキトに軍配が上がった

「・・・・・なぜだ、ジュン。お前はどうしてこんなまねをした」

≪君みたいに力ある人間にはわからないさ・・・・・・僕みたいに力ない人間の気持ちなんて≫

『バキィ!!』

アキトは急にデルフィニウムの頬の辺りをひっぱたいた

≪な・・・・・何をするんだ!!≫

「ふざけるな・・・・・・・・・・」

≪な・・・・・・なに?≫

「ふざけるなと言ってるんだ!!お前に何がわかる!!俺の何がわかると言うんだ!!」

≪ああ、わからないさ!!君みたいに力に恵まれた者のことなんて!!≫

「俺が・・・・・・何の代償も無くこの力を得たとでも思っているのか!!」

ちなみに今のアキトの通信はサウンドオンリーである・・・・だがその怒りは誰でも分かるものだった・・・・・

「見せてやるよ・・・・・・俺が力を手に入れた代償をな!!」

アキトのその言葉とともにナデシコ、デルフィニウムの全通信が開かれ、アキトの姿が映る

≪なっ・・・・・・・!!≫

「う・・・・うそ・・・・・・アキト・・・・・・なの?」

「これが・・・・・・・アキトさん?」

「アキト・・・・・・・・・」

その映像に映っていたのは・・・・・・・顔・・・いやおそらく全身に至っているであろうナノマシンの発光現象と

血のごとき深紅の眼、そして、発光しつつその色を七色にかえる髪をしたアキトが映っていた・・・・

「どうだ・・・・・この俺の姿は・・・・・・化け物・・・・・そのものだと思わないか?」

≪あ・・・・・・・あ・・・・・・・・・・・≫

ジュンはアキトの全身から発せられるプレッシャーのような物に負けろくに喋ることもできないようだった・・・・・

「ふっ、喋ることもできないか・・・・・、まあそれが普通だろうな、未知の怪物とあった反応としてはな・・・・」



誰も動く者はいなかった・・・・・全員・・・・アキトが発する気に呑まれていた・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・はっ!!第二次防衛ラインのミサイルにロックされました!!」

オモイカネからの報告で我に帰ったルリが現状を報告する

「くっくっくっくっく・・・・・・・ミサイル群か・・・・・・・おもしろい!!」

アキトはそう言うと急に加速しエネルギーウェーブの範囲ギリギリのとこまで進んだ

「イツキ、ジュンを回収してやれ、俺はミサイルを破壊する」

「・・・・・・わかったわ・・・・・必ず帰ってきてね」

「無茶だよアキト!!すぐに戻ってきて!!」

「悪いが・・・・・このまま戻ったら、この湧き上がる衝動を抑えれずナデシコを破壊しそうなんだよ ・・・・ミサイルで憂さ晴らしさせてもらう」

アキトがそう言うとミサイルがだんだんと近づいてい来る・・・・・・・・・

「さあこい・・・・・・生物戦略兵器の力・・・・・・・特と見せてやろう!!」



そこから先はまさに異次元の戦いだった・・・・・・・・

「そんな・・・・・・ミサイルって切り壊せる物なの!?」

「一応可能だが・・・・・・相当量の腕が無いと爆発に巻き込まれて死んでしまう・・・・・・その点から考えると・・・・まさに怪物級の腕だな」

アキトはその手にもつ堰月刀を振り回しミサイルを斬り落している

「テンカワ機、ライフルを構えました」

ルリの報告が終わったと思ったとき、ナデシコ前面に特大の花火が一気に上がった





「防衛用ミサイル完全に撃墜、ナデシコ自体に被害はありません」

「誰か・・・・・格納庫にきてください」

「どうしたの、イツキちゃん?」

「アキトがああなったら・・・・・・降りた後に暴れる可能性があるんです!!」

「なんですと!?・・・・・わかりましたゴート君」

「あ・・・力で抑えるのは逆効果になります、今のアキトは子供みたいなものなんです!!」

「ビックバリアは解除されてるみたいだから・・・・・ブリッジにいる女性は全員向かいなさい」

ムネタケの言葉とともにブリッジクルーの大半が格納庫に向かう





ユリカ達、女性ブリッジクルーが到着したころ、既にアキトはエステから降り、その頭を抱えていた

「う・・・・が・・・・・・うう・・・がああああああああああああああ!!」

「アキト!!落ち着いて!!ここには敵はいないから・・・・・・・落ち着いて!!」

「イ・・・ツ・・・キ・・・・・ぐぅ・・・・・ぐわああああああああ!!」

イツキが必死にアキトに呼びかけるが・・・・・アキトは僅かに動きを止めるだけで限界のようだ

「イツキちゃん・・・・・・今のアキトくんは子供みたいなものなのよね?」

「え?・・・・・はい、今のアキトは痛みから逃れようと必死に抵抗している子供・・なんです」

「そう・・・・・・なら私に任せて」

ミナトはそう言うとアキトに少しづつ近づいていく

「ぐ・・・わああああああああ!!・・・・・・ち・・・・近づくな・・・・・・危険だ・・・・・」

アキトがミナトが近づいてきてるのを知り必死に警告を出す

しかしミナトはそんな事関係無しと言うかのようにアキトに近づいていく



「う・・・・・・・・・・・・・・・・・があああああああああああああああああああああああ!!」

「つぅ!!」

「「「「ミナトさん!!」」」」

アキトが何かから逃れるように腕を振り回し、それがミナトの腕に辺り・・・・・微かに血が流れた

「大丈夫よ。・・・・・・アキト君・・・・もう怖がらなくっていいのよ」

ミナトはそう言うとアキトを正面から抱きしめた

「ぐ・・・・・う・・・・・・・・」

アキトもその動きを止め始める

「ここにはアキト君を傷つけることなんて無いのよ・・・・だから・・・・・・・もう怖がらなくっていいのよ」

ミナトは・・・・・・まるで母が我が子をあやすかのようにアキトに語りかける

「う・・・・・・・・・・・・・・・」

アキトはその動きを完全に止め、ミナトに身体をあずける

「そう・・・・・安心して眠ってていいのよ・・・・・・何かあっても私たちが守ってあげるから」



「すぅーーーーーーーーーーー、すぅーーーーーーーーーーーーー」

アキトはミナトに抱かれたまま・・・・・静かに眠りに就いた

「ミナトさん・・・・・・・大丈夫ですか?」

「ええ、心配してくれてありがとルリルリ」

「イツキさん・・・・・・・アキトになにがあったの?どうしてアキトはあんなことをしたの?」

「艦長・・・・・人には触れてほしくない思い出と言うのもあるんですよ・・・・・・でも・・・・・今は語るしかないのかもしれませんね」

「なにについてですか?」

「アキトの・・・・過去についてです・・・・・・・

どうしてアキトはああなったのか・・・・・・

それを離しておかないと・・・・・・・意味もなく怖がる人がいるかもしれませんから」

「アキトのやつ・・・・昔にかなりの事があったんだろうな・・・・さっきのアキトを見てるのは・・・悲しかったぜ」

「・・・・・ええ・・・・・本当に・・・・・・・・まずはアキトを部屋に連れて行きましょう」

イツキはそう言うとミナトに近づき、眠っているアキトをミナトとともに抱き上げ、アキトの部屋に連れて行く







しばらくして、食堂にナデシコ内でとくに用事のないクルーが全員集まった

「みなさん・・・・これから話すのはアキトにとっての・・・・・忌まわしい過去です

それに今からはなすことは全て・・・・・本当の事です・・・・・・・・

本当はアキトの口から語られるべきことかもしれませんが・・・・・当事者の一人として・・・私が話させてもらいます」



・・・・・誰もイツキの言葉に口を挟む者は無かった















あとがき

今回は実に中途半端なところできりました

このまま書いてると下手すると30k超えそうだからです

イツキの話は三・五話としてちゃんと書き出します

三・五話は閑話休題のようなものなので無視しても構わないと思います

では、第四話か、三・五話で会いましょう

 

 

 

代理人の個人的な感想

本当に人外だったのか。(爆)

しかし、個体で戦略兵器って・・・・・「覚悟のススメ」みたいですね(更爆)

 

それと。

いくら弱点があってもそこを突かれてピンチを呼ぶのでなければ

話を面白くすることには繋がらないでしょう。

ゲーム的に意味のない弱点でCPは稼げないモンなんです(謎)。