基地の強襲作戦を行った次の日・・・・

「・・・・・くれぐれも無茶をしないでくださいね」

「はい、わかっています」

出撃体勢に入っている四人に善行が声をかけていた

「念のため武装を伝えておく、今までと同じく40m高射機関砲、両肩にはシールド

腰に超硬度カトラス、左足に砲弾倉、右足に手榴弾を装備してある」

善行の隣にいる狩谷が武装について報告する

「ああ、ついでに一つ、余裕があるならバッタをニ、三機回収してきてください

士翼号のフィールド発生装置がかなり不安定になっていますから・・・・・・・

材料さえあればこのイワッチが完璧にしておきますからね・・・・フフフフフ」

整備主任の岩田は腰を怪しく振りながら(通称イワッチダンス)速水達に言った

「わかりました、では、いってきます」

速水はそう言うと地上へと向かっていった




時の流れにif
第二話 闇を持つ者



火星、地表面

「さてと・・・・昨日の打ち合わせどおり、来栖先輩と若宮さんは西側を

僕と壬生屋が東側を探します、見つからなかった場合は一時合流、状況判断後次の行動を決定します」

「わかった・・・・」

「はい、了解しました」

「わかりました」

速水の言葉に三人が頷き、行動をすぐに開始した



「・・・・敵影は無いね」

「そうですね・・・・・誰か来てくれているとよいのですが・・・・」

「そうだね・・・・うん?生命反応・・・・・こっちだ」

「わかりました」

速水の後ろを守る形で壬生屋が続く

速水が向かったところには・・・・・一人の女性がうずくまっていた

「大丈夫ですか?」

「あ・・・・はい・・・・逃げているうちに脚をくじいてしまって・・・・」

「なら私が背負いましょう、背中に乗ってください」

「はい・・・・・もうしわけありません」

壬生屋が女性を乗せている間、速水は周りを警戒していた

「・・・・・・・壬生屋・・・先にいってて、僕はもう少しこの辺を探ってみる」

「・・・・はい、わかりました」

壬生屋はそう言うと速水に一礼し女性を背負ったまま合流地点に向かっていった

「・・・・・・・」

速水は壬生屋を見送るとある一点に銃口を構える

「誰だ・・・出て来い、でてこなければ・・・・敵意ありと見て容赦なく殺させてもらう」

「やれやれ・・・・・それだけは勘弁してもらいたいわね」

そういいながら長い黒髪をした女性が手をあげながら出てきた

「・・・・・・舞歌さん・・・・だね?」

「ええ・・・・間違いないわよ厚志殿」

「と言うことは・・・・あの女性は各務さんで間違いなさそうだね」

「あらら・・・・・・千沙の事気付かれてたのね」

「当然・・・・・僕の力を忘れてたの?」

「忘れてたわけじゃあないんだけど・・・・・予想以上に進歩してたわね」

そう言うと舞歌は微笑を浮かべた

「あれから五年か・・・・・・よく生きていてくれたわね・・・・・・

五年前・・・いったい何があったの?」

「それは・・・・この人に聞いた方が早いんじゃないの!!」

『ズドォン・・・・・・・・スタッ』

「流石は・・・・・我の気配を感じ取りおったか」

速水が手榴弾の投げたところから七人の編み笠をかぶった人間達が現れ

先頭にいる・・・爬虫類のような顔をした男が速水に向かって言う

「お前の気配は忘れられん・・・・五年前のあの時からな」

速水が・・・・氷河の如く冷たい殺気を纏いながらその男に向かって言う

「ふふふ・・・・・奇遇だな、我もそなたの気配を忘れた時など無かったぞ」

その男は臆せず、むしろ嬉しそうに速水の言葉に応えていた

「北辰!!貴方が何故ここにいるの!!」

舞歌がその男・・・・北辰に向かって叫ぶ

「くくく・・・・・閣下の勅命よ、そなたこそ何故ここにいる、貴様の仕事はどうした」

「・・・・・・・・・・・サボってきたのよ」

『ズザァァァッ』

「ま・・・舞歌さん・・・・まだサボりをしてるんですか・・・」

速水は先ほどまでの殺気が嘘のような雰囲気で舞歌に向かって言った・・・・

「ぬ・・・ぅ・・・・・・貴様は仮にも四方天であろうが!!

・・・・・・毎晩のように氷室が愚痴を言いに来たのがよくわかるわ・・・・・

しかもそれに付き合うたびに帰りが遅くなりさな子に怒られ

北斗と枝織に会う時間も少なくなる・・・・・・

・・・・・頼むからもう少しまともに仕事をしろ!!

北辰も微妙に情けない顔で舞歌に怒りの声をぶつける

しかし・・・・・舞歌はまるで動じていなかった

「で・・・・草壁中将の勅命ってなんなの?」

「ぬっ・・・・そうであった・・・・・速水厚志・・・・我らと一緒に来てもらおう」

その言葉と共に後ろの男達が抜刀する

「・・・・力ずくと言うわけか・・・・面白い!!」

速水も腰につけていた超硬度カトラスを引き抜き構える

「多少の怪我は構わん、全力でかかれ・・・・殺しだけはするな」

「・・・・・殺しはしない・・・・だが・・・骨の一本、二本は覚悟してもらおうか」

その言葉と共に後ろの編み笠の男達が一斉にかかる・・・・・しかし

ヒュン ガスッ シュッ  ドスッ・・・・ドサッ、フォンフォン バスッ

キィン、ヒュン・・ドスッ、カキィン、バシュ・・・・

キィン キィン キィン ドゴッ!!


速水は焦らず、攻撃を受け流し、攻撃してきた男を確実に倒していった

「後はお前だけだな・・・・・北辰」

「・・・・・・流石は・・・五年前でも充分恐ろしい物であったが・・・・・

その力・・・・北斗にも匹敵しよう・・・・・故に木連にこぬのならこの場でその命絶たせてもらおう!!」

チャキィン

北辰は持っていた錫杖を構え速水に対峙する

「・・・・面白い、勝負だ」

速水もそれに応えカトラスを構える

・・・・・そして・・・・・沈黙の時が流れる・・・・・・・・



「速水中尉ーーーーご無事ですかーーーー!!」

沈黙を破ったのは遠くから聞こえてくる若宮の声だった

「くっ、口惜しいがこの場は引かせてもらおう」

「いいだろう・・・・・・今度あったときは・・・・必ず倒させてもらう」

速水がそう言い終わると共に北辰は撤退を開始した

負傷しているが意識を保っている編み笠の男達も北辰に続き撤退していった



「おお、ここにおられましたか・・・・・・こちらの女性は?」

北辰達と入れ違う形で若宮が速水のいる所に到着した

「僕が見つけた避難民の人、東舞歌って言う人なんだ・・・僕の恩人でもあるんだ」

「そうですか・・・・、中尉、作戦時間がすぎております。

既に来須少尉、壬生屋特務中尉は既に帰還を開始しております」

「そうか・・・・わかった、僕たちも帰還しよう・・・・バッタの回収は後で良いだろう」

「はい、いいえ、大丈夫です中尉。

バッタの回収はこちらで済ませましたので再出撃する必要はありません」

「そうか・・・・わかった、僕らも帰還しよう」

速水はそう言うと舞歌をお姫様抱っこし地下施設へと戻っていった





火星地下施設

舞歌を抱っこしたまま帰ってきた速水を待っていたのは・・・・・・

「ご無事でしたか・・・・・・この方はどなたですか速水さん」

既にウォードレスを脱いだ壬生屋だった、その眼はなぜか黒い炎を纏っている

「ああ・・・もう一人隠れていたんで連れてきたんだ、僕の恩人で名前は・」

「それは私から名乗らせてもらうわ・・・・私の名は東舞歌・・・よろしくね」

舞歌はそう言うと速水の腕から降り、にこりと笑うと壬生屋に自己紹介をした

しかし・・・・・どこか雰囲気が緊張しているように思えるのは気のせいでは無いだろう

「これは・・・・・私は壬生屋未央と申します」

舞歌の自己紹介に壬生屋も自己紹介をする

「ま・・・・舞歌様!?」

「あら・・・・千沙じゃない、貴方も無事だったのね」

先に保護された女性・・・・各務千沙はこの地に居ないはずである自分の上司の姿を見つけて唖然とした

舞歌はあくまで保護された難民と言う立場を貫くためあえて上のような返事をした

「千沙さん・・・・・お久しぶりです」

速水は驚きの余り立ち上がっている千沙の前まで行くと微笑を浮かべ千沙に挨拶をする

「え・・・あ・・・・・速水殿・・・・・・・おひさし・・・ぶりです」

速水の微笑を直視することになった千沙は顔を赤らめながら返事をした

その光景を見ている壬生屋は背中に黒い炎を纏い始め

舞歌は、嬉しそうな・・・しかし悔しそうな不思議な顔をしていた



ここで速水の微笑みの効果を説明しておこう

穏やかな顔の『ぽややんスマイル』、真剣な顔からの微笑『厚志スマイル』、恐ろしさを秘めた『魔王スマイル』の三種があり

どのスマイルを見ても行動不能に陥ると言う最強級の技である(前者二つは女性に効果大)

千沙に放ったのは厚志スマイルであり、既にぽややんスマイルを喰らった女性には相乗効果があるスマイルでもある

威力はアキトスマイル(時ナデモード)と並ぶほどの威力がある



「けどよかったですよ、二人共ご無事で・・・・・・よく生き残れましたね」

速水は・・・・事情を知っていながらあえてそういう言い方をした

「ええ・・・・運がよかったんでしょうね・・・・・・本当にギリギリでしたけど・・・・」

『グゥゥゥゥーーー』

その言葉と共に千沙のお腹の辺りから虫がなき、千沙は顔を真っ赤にして下を向いてしまった

「ふふふ・・・・・仕方ないですよ、ろくに食べれてなかったんでしょう?

司令、すいませんが食事の準備をしてよろしいですか?」

速水は近くで様子を見ていた善行の方を向いていった

「ええ、構いません。ついでですから私達も食事にしましょう」

善行のその言葉と共に全員仕事を中断し食事の用意に移り始めた



食事中・・・・

「岩田君、士魂号の方はどうですか?」

善行が食事を一時中断し岩田に尋ねる

「ふふふ・・・・・電波の言葉では絶好調となっています

しかし・・・ネタの残りがそう多くはありませんねぇ、このままではネタ切れになってしまいますよ」

「そうですか・・・・・少し戦い方を変更する必要がありそうですね」

「ふふふ・・・少々の無理は大丈夫ですよ・・・・なんといっても

このイワッチが整備主任なんですからねぇ!!」

岩田はそう言うとイワッチダンスを始めた・・・・その瞬間

ヒュン ドス、バキ、ゴス、ドガッ、ザクッ、カタタタタタ・・・・・


ドサリッ
(長い間蘇れないように徹底的にとどめをさしました)

岩田が倒れるのを確認すると攻撃に参加した遠坂、壬生屋、茜、若宮、来須、狩谷が席に戻る

「あ・・・・・あの・・・・速水殿・・・・あの人は大丈夫なんですか?」

倒れているのに誰一人介抱しようとせず、そのままになっている岩田を見ながら千沙が問う

「ああ・・・・岩田は大丈夫だよ、あれはここでは日常茶飯事だから」

速水はぽややんスマイルのままそういいきった

「・・・・・凄いところね・・・・ここは・・・」

それを聞いた舞歌がそう呟いていた・・・・・・・・





食事後・・・・・速水は自分に与えられた部屋に千沙と舞歌を呼んだ

「さてと・・・・・ここは盗聴される心配もないし、鍵も特別だから僕以外には開けられないようにしてる

だから・・・・・久しぶりに話をしよう。僕が聞きたいのは一つ・・・・なんで今ここに来たの?」

「・・・・草壁の命令よ・・・・貴方を木連に引き戻せってね・・・・・」

「私は・・・舞歌様から速水殿の説得の任務を与えられここに来たんです・・・・」

「そう・・・・・・二人は本気で俺を連れ戻しにきたのか?」

そう言った速水の眼、表情は・・・・・今までと違い・・・修羅・・・羅刹といっても言い過ぎでは無い顔つきだった

「貴方のその顔・・・本当に久しぶりに見るわね・・・・・先ほどの質問は・・・Yes・・・・ね」

「そうか・・・・・・二人には悪いが・・・・俺は戻らん」

「そんな・・・・どうしてですか!!」

千沙が速水に駆け寄りながら言う

「・・・各務家、東家には影として雇ってもらっていた恩がある・・・・しかし・・・・戻るわけにはいかん」

「・・・それが・・・五年前の事件に関係しているのね?」

「ああ・・・・・・五年前・・・・姿を急に消したのは悪かったが・・・・あれしか方法が無かったんだ」

「・・・・・どういう・・・・・ことですか」

千沙が速水を眼を見ながら言う・・・・その眼は・・『嘘は許さない』と言っていた・・・・

「ふぅ・・・・・・五年前・・・俺が各務家に拾われて約六年がすぎた頃だったな・・・・・・

そして・・・・舞歌と八雲さんと会って二年の頃か・・・いま思えば・・・それがいけなかったんだろうな・・・」

「・・・どういう意味かしら?」

速水の言葉に僅かに顔をゆがめて舞歌が尋ねる

「誤解しないでくれ・・・俺は出会ったのは悪いことだったとは思っていない・・・・・

しかし・・・その後が他の奴らにすればいけなかったんだ・・・・・」

その言葉に舞歌がはっとした表情になった

「まさか・・・・・私とお兄ちゃんのせい?」

「ああ・・・・それが決定打だろうな・・・・舞歌が俺に権謀術数を、八雲さんが木連式柔を叩き込んでくれた・・・

もともと速水流暗殺術しか使えなかった俺には凄く強力な力となったが・・・・・・

各務家・・・東家を敵視している連中は面白くなかっただろうな・・・・」

「あの頃の速水殿は・・・・・影であるには余りにも有名すぎましたからね・・・・・」

そう・・・・五年前・・・当時14歳だった速水は・・・木連の影を担う物としては余りにも名高かった

それは・・・・当時木連で余りにも有名だった二人と戦い、生き残ったのだ・・・・・その者達の名は

北辰の娘であり息子でもある『真紅の羅刹』影護北斗

そして・・その双子の妹『無垢なる堕天使』影護枝織

当時最強と謳われ、恐れられていた影護姉妹を相手に速水は単独で戦い、生き残ったのだ

そのことは北斗、枝織の口から知られる事となり、速水の価値は一気に跳ね上がった

各務家に仕えている間も、よく他の家から勧誘が来たものであった・・・・・

実力をそれで認められているときに、さらに力を増し、知恵も手に入れた・・・・・

速水の最大の特徴はその飲み込みの早さだった、次々と知識を手に入れ、それを用い影の仕事を行う

難攻不落とまで言われ、北辰すら潜入できなかった要塞と呼ぶに相応しい固さを持った

当時最大勢力の久瀬家に潜り込み、情報を見事に手に入れてきたほどであった

その情報を用い、久瀬家を失脚に追い込み、草壁は大きく勢力を伸ばした・・・・

その功績を認められ、各務家も上流階級・・・東家、影護家と同格にまでなったが・・・・・

「そう・・だな・・・有名すぎたから・・・・草壁に命を狙われるはめになったんだな・・・・・」

「え!?速水殿それはどういうことですか!!」

速水の思わぬ言葉に千沙は声を荒げた

「俺は・・・立ち去る少し前に・・・草壁家の影が俺に接触してきた・・・・・

『各務家から草壁家に移れ、さもなくば死ね』・・・・ってね」

「なっ!!そ・・・・そんな・・・・」

「・・・・なるほどね・・・・だから私達の前から姿を消した・・・・・そうね?」

舞歌が先ほどの言葉を聞き速水に訊ねる・・・・・

「ええ・・・・その後・・・俺は影に狙われた・・・・

五年前・・・俺は北辰達と戦った・・・・・」

「結果は・・・・・?」

舞歌が速水に尋ねる・・・・余り聞く必要はないように思えるが・・・・

「・・・・六人衆を四人殺し、二人に致命傷、北辰の片腕を奪った・・・・・・・

だが・・・・俺も致命傷を負った・・・・その後はよく覚えていない・・・・・

気付いた時には・・・・地球の病院にいた」

「・・・・・なるほどね・・・・当時木連では・・貴方が死亡したと伝えられたのよ

その頃北辰が重傷をおった・・・・って情報が流れてたけど・・・・本当だったのね」

舞歌がそのことを聞き自分の記憶と照らし合わしていた

「ああ・・・・あの腕は・・・おそらくヤマサキがくっつけたんだろうな・・・・」

「・・・速水殿は・・・・これからどうなさるつもりですか?」

「・・・ふふふ・・・・僕は・・・これから・・何年かかっても・・力を蓄え・・・・

そして・・・・いつの日か木連に戻り草壁を討ち・・・・地球との間に本当の平和を築いてみせる

それが・・・・速水一族の使命であり・・・・・僕の存在意義だ・・・・

二人は僕の事を笑うかな?僕は・・・今この瞬間から木連の守護神を名乗るんだけど・・・・」

「・・・・・いいえ、貴方なら・・・・・きっとやってくれると信じてるわ・・・・

私も・・・・力を貸すわよ?・・・どうせ木連には戻れないでしょうからね・・・・

貴方の勢力はいまだに木連の深部で生きてるわよ・・・・・・

今は・・・・地球での戦力を伸ばすことを考えた方が良いわね」

舞歌が速水の言葉を聞き現状とこれからの事を簡単に話した

「え!!舞歌様・・・・木連に戻れないってどういうことですか!!」

「少なくとも・・・今は機では無いわ

速水殿と接触した以上草壁が私達を警戒するのは目に見えている

最悪・・・北辰が・・殺しにくるわよ」

「そう・・・・ですか・・・・」

「御免・・・・僕のせいで・・・」

速水は二人に謝った・・・・

「は・・速水殿の責任じゃあないわよ」

「そ・・そうです、舞歌様の言うとおりです」

二人は顔を真っ赤にしながら速水の言葉を否定した

「・・・二人が地球に潜り込むとしても・・・・戸籍とかはどうするの?」

速水が一番に懸念している事を尋ねる

「大丈夫よ、以前私達は地球に行った事があってね。

その時に・・・クリムゾンに偽造戸籍を作らせてもらったのよ」

舞歌がさらりと恐ろしいことを言い放った

「そう・・・・よかった・・・後は・・・どうやって地球に帰るか・・・だね」

「それも多分大丈夫だと思うわよ、地球でナデシコと言う船が火星に向かって発進したそうよ

能力は未知数だけど・・・・期待できるほどの出力を誇っているのは間違いなさそうよ

バッタ約百機が一発で壊滅させられたらしいからね」

舞歌が最後に得た情報を速水に伝えた、速水はそれを聞くと満足そうに頷いた

「そうか・・・・よかった・・・・後は・・・生き延びるだけだね・・・・

とりあえず・・・・二人は何ができる?・・・仕事があったほうが溶け込みやすいだろうからね」

「・・・そうね・・・私は参謀役でもいいかしら?パイロットでもいいけど・・・整備はできないからね」

舞歌が速水の言葉に反応し、自分の希望を述べる

「私は・・・整備でも良いですか?予備機があればパイロットでも良いんですけど・・・・」

「うーん・・・・パイロットはちょっと難しいかな?予備機が少ないし・・・それもパーツ分解用だし・・・

第一に・・・マニュアル操作もできるけど・・・基本はIFSを使用するからね・・・・

パイロットをするつもりなら・・・ナノマシンを体内に入れることになるよ」

「私は別に構わないわよ」

「私も構いませんよ」

心配そうな速水の言葉に舞歌と千沙はあっさりと返した

速水もそんな二人を見て微笑んだ

「そう・・・・それじゃあ・・・なんとしても生き残ろう・・・・今は・・生き残るのが必要なことだからね」

「そうね・・・・これからの事は・・・生き残ってからね」

速水の言葉に舞歌は微笑みながらそう言った



その後・・・火星の残存部隊・・・5121小隊に二人の優秀な仲間が加入することとなった

二人はあっさりと他の面々に溶け込み、まるで数年来の親友のように付き合っていた

(まあ・・・・ある人は時折敵を見るような目で見ていたが・・・・・・)

その後・・・大きな戦いもなく・・・火星は運命の日を迎えることとなった・・・・・

地球から発進したノアの箱舟・・・・白亜の戦艦・・・ナデシコが火星大気圏に突入する日を・・・・









後書き

少々時間がかかりましたが完成しました第二話

次は・・・新たなる刻の歌になると思われます

では・・・・次回お会いしましょう

 

 

 

管理人の感想

B-クレスさんからの投稿です。

何と言うか、意外な人物達が仲間になってますなぁ

今後、どんな役割をするのか分かりませんが・・・

九十九の立場って、どうなってるんだろ(苦笑)

つでに取り残されている氷室君とか(爆)