夢・・・・それは人の願望を表し・・・また・・・・人の忘れたくない過去を映し出す物

この夢は・・・・・おそらく後者の方であろう・・・・・・

『う・・・うぅ・・・・ひっく・・・・』

一人の・・・・黒い髪をした少年が顔をうつむかせ泣いていた・・・・・

『どうしたの?何所か痛いの?』

金色の髪をした少女がその少年に近づき声をかけた

少年は少女の問いに頭を振った、それを見て少女はさらに声をかけた

『じゃあ・・・どうして泣いてるの?』

『皆が・・・・僕の事化け物だって・・・・僕は・・・何もしてないのに・・・・ひっく』

少年は・・・・小さな・・・・しかしはっきりとした声で少女の問いに答えた

『ふーん・・・・・どうしてそんなこと言うんだろうね・・・』

『僕の眼の色が・・・おかしいからだって・・・・ひっく・・・』

少年がそう言うと少女は少年の顔を無理矢理上げさせて少年の眼を見た

『金色・・・・・綺麗な色だね』

『綺麗?』

自分の眼を見た少女の言葉が信じられなかったのか少年は少女に問い掛けるように言った

『そうだよ、君の眼はとっても綺麗だよ。

・・・・・・そうだ!!一緒に遊ぼう、遊んでたら皆も君の眼が綺麗だって事がわかるよ』

少女はそう言うと少年の手を取り立ち上がらせた

『私の名前はアイ、君の名前は?』

『僕の名前は・・・・・・』

そこで・・・・・夢は途切れ・・・・その夢の主は目を覚ました・・・・・・





刻まれゆく神話
第八話
巻き戻る時 進み行く時

「・・・・・・あの頃の夢か・・・・あそこまではっきりと見たのは初めてだな・・・・・記憶が戻ったからか」

アキトは少しずつはっきりとしてくる意識の中で先ほど見た夢の事を正確に把握していた

「ん?・・・・・・天井が高い?」

意識がはっきりしてきたところでアキトは違和感に気付き始めた

「・・・・・・・・アキト?」

同じ部屋で寝食を共にしているラピスも起き、アキトの異変に気付いた

「艦長、君が遅刻するとは珍しいな・・・・艦長?」

今朝の作戦会議にアキトがなかなか来ないので通信を入れたフクベがアキトのその姿を見て行動を停止した

「は・・・はははは・・」

近くにあった手鏡で自分の姿を確認したアキトがやや自暴自棄気味の乾いた笑い声を上げる

「アキトどうした・・・!?」

「艦長、いったい何が・・・・・!!」

「艦長、早くきてもらわないと作戦会議が・・!!?」

停止したフクベに代わりユリカ、スズカ、ルリの三人が通信を入れる・・・・・・

その後に続くようにしてアリサ、サラ、イツキといった面々が通信を入れるが言葉を発する前に行動不能に陥った

・・・・・しばらく沈黙の時が続き・・・・・・そして

「可愛い!!!!」

恐ろしいほどの衝撃波がナデシコ内部で巻き起こった・・・・その発信源は不特定多数であった・・・・





「で・・・・何故そんな姿になったのかね?」

フクベが小さく・・・・おそらく五歳前後の姿まで戻ったアキトに向かって話し掛ける

あの後・・・・アキトはラピスがほしがった為特別に造った

黒いマントとバイザー・・・黒アキトセット(小)を着こんでブリッジに来ていた

ちなみに艦長席への座り方は背丈がたりないのでフィリスの膝の上にのるような形で座る事になった

「さあ・・・・・自分にも何がなんだか・・・」

アキトは真剣な表情でそう言った・・・・その時・・・・一つだけ思い当たる物があった

「そう言えば・・・・・昨日疲れてたからイネスさんに栄養剤をもらってそれを飲んだんだっけ」

「まさか・・・・・その栄養剤に何か・・・・」

イネスの本性(ややマッド)を知るプロスはなにやら不気味な想像をしてしまった

「アキト君が小さくなった理由・・・・・・この私が説明しましょう!!」

ブリッジの扉が開き声がブリッジに響いた・・・・そこには・・・・八歳くらいと思われる少女が立っていた

「ア・・・・・アイちゃん?」

その姿を見たルミが思わず呟いていた・・・・・そう・・・・その姿は・・・イネスの過去の姿・・・アイだった

「さてと・・・どうしてアキト君が小さくなったかだけど・・・・それは私が調合したナノマシン用の薬の力よ

ナノマシンには肉体の成長の記録も宿っている・・・その記録を呼び出してその通りに肉体を改良させたのよ

効果は約一日・・・・時間がたてば本来の姿に戻るわ」

「ど・・・・どうしてそんな真似を・・・」

イネスの説明を聞いてカズヤがイネスに対し畏怖の感情を抱いた

「ああ、簡単な事、子供の身体の方が疲労回復は早いからよ、ナノマシンの量はそのままなんだしね」

・・・・冷静に考えると恐ろしい状況に思えるが・・・・イネス・・いやアイは自信満々に言い切った

「・・・・そんな姿だけど一応判断とかは出来るわよね?」

ムネタケが唯一の不安事項・・・・思考の低年齢化について訊ねる

「ええ、思考自体は実年齢のままだから大丈夫のはずよ」

アイがその問いにあっさりと答える

「それじゃあ・・・・・軍からの任務を伝えるわ、これからナデシコは救出作戦を行ってもらう事になったわ」

「救出作戦ですか?」

ムネタケの言葉にユリカが疑問の声をあげた

「そう・・・・今地球上には2345個のチューリップが落ちているわ

そして・・・・ここ、北極圏、ノヴァヤ・ゼムリャ島・・・・ここに親善大使がいるらしいの

その親善大使を速やかに・・・・かつ安全に救出するのがあたし達の任務よ」

ムネタケがウィンドウを使いながら作戦任務についてはなした

「・・・どうして親善大使がこんなところに取り残されたんでしょうか・・・」

プロスがその任務内容を聞き疑問を浮かべた

「ああ、簡単だよ。そこには実験施設があって・・・そこに白熊がいるんだよ

北極の代表の生物だから親善大使ってわけ」

アキトが・・・・さらっと重大発言をし、一瞬全クルーが流しかけたが・・・・・

「白熊!?」

流しきれずに大声で叫んだ、アキトはそれを喰らい、意識をふっ飛ばしかけた

「副提督、それはいったいどういうことなんですか!!」

ジュンがムネタケの方向を見ながら抗議の声をあげる

「腕試しみたいなもんだろ、でも・・・・わざわざ北極まで行かせるか?」

ジュンの声に答えたのは何とか意識を繋ぎとめたアキトだった、耳を抑えてはいるが・・・・・

どうやら体が小さくなったせいで、今までついていた耐性も落ちてしまっている様だ

「それはワシも同感じゃな・・・・・・しかし単艦で北極とは・・・・かなり苦しい戦いになるかもしれんな」

フクベが・・・自然の脅威を知っているだけに単独での作戦に少し不安を募らせた・・・・・

「ああ・・・一応援軍が来るわ、北極圏近辺で合流する事になってるけど・・・・・」

「援軍?・・・・・・何所の軍ですか?」

ムネタケの言葉を聞きカズヤが尋ねる、ムネタケはまってましたと言わんばかりに答えた

「ふふふ・・・西欧方面軍第二特殊部隊ミスリルの旗艦・・・トゥアハー・デ・ダナンよ」

「なっ!?・・・・一体どうして・・・ミスリルの旗艦はかなりの戦力だ・・・何故ナデシコの護衛を?」

その部隊・・・そしてその旗艦の力を知り、実際に共に戦った事が何度もあるアキトは

どうしてトゥアハー・デ・ダナンがナデシコの援護に来るのかがわからなかった・・・・・

潜伏行動では水中での行動を主にするトゥアハー・デ・ダナンのほうがよっぽど向いている・・・

援護に回るべきなのはむしろナデシコの方なのだ・・・・・・

「さあ・・・・駄目元で軍に援軍要請をしたら名のりを挙げてきたのよ」

ムネタケは・・・・本当は理由を知っているような顔でそう言い放った

「テスタロッサ大佐が?・・・・・・戦力としては申し分ないけど・・・・どうして」

「テッサ・・・やってくれますね・・・・まだ諦めてないってことですか」

自分の思考に沈んでいくアキトに対し、アリサは名乗り出た理由を正確に把握していた

「まっ・・・援軍があるのはありがたいよな・・・・一部には脅威かもしれないけどな

アリサと同じくその理由を把握したカズヤは何所か嬉しそうにそう言った

「あの・・・・テスタロッサ大佐ってどんな人なんですか?」

ユリカが・・・カズヤに向かって尋ねる

「うん・・・・ああ、映像があったほうがいいだろうな・・・・ラピス、映像を出してくれ」

「わかった」

カズヤが既に親友状態になったラピスに声をかける、ラピスも大人しくその言葉に従い映像を出した

そこには・・・アリサと同じ髪の色と眼の色をした女性の姿が出た

「テレサ・テスタロッサ・・・階級は大佐、アキトや俺と同期の軍人だよ。ちなみに愛称はテッサ

パイロットとして功績を上げたアキトとは違い、彼女はその頭脳で大佐の地位を確立した

ミスリルの旗艦は彼女が設計した・・・西欧軍に普及されてるレールガンユニットも彼女の設計だ

アキトは『Moon Night』 の隊長になるまでテッサの護衛兼副官を務めてたんだ」

カズヤがそのウィンドウを見ながら説明をしラピスがその説明に適した映像を出していった

「そうそう、俺も彼女には色々教わったしね」

カズヤの説明が終わった後アキトは何所か嬉しそうにそう言った

「ちなみに・・・アキト=ファー=ハーテッドファンクラブ副会長って言う情報もある」

ラピスが一部女性陣にとっての爆弾を投下した、女性陣はそれを聞き思考の渦に入っていった

「さてと・・・腹も減ったし・・・・食堂に行きますか」

アキトがそう言ってフィリスの上から降り、ブリッジを出ようとした・・・が

『ドテッ』

こけた・・・・女性陣はその姿を見て行動を停止している、男性陣は何事かと様子を見ている

「うぅ・・・・・意外に痛い」

・・・顔面をぶつけたのだろうか・・・・鼻のあたりに手を当てながらアキトはゆっくりと起き上がった

「あら・・・・まだ歩き方になれていないのね・・・・今までと同じように歩こうとしたらこけるに決まってるでしょ」

アイの姿でも平然と歩き回っているイネスがアキトのこけた原因を把握していた

「うぅ・・・・そうは言っても・・・・・まあいいか・・・一日の辛抱だ・・・あぅ」

『ドテッ』

アキトは無理矢理楽観視しようとし再び歩き出したが・・・・またこけた・・・・・・

結局食堂に行く前に二十三回こけて最終的にルミに抱えてもらって食堂に行く事になった・・・・





ナデシコ食堂

「ま・・・とりあえず目的地に着くまではパイロットは暇だよね」

「そうだな・・・・・」

「忙しすぎるよりは暇な方がいいんじゃないんですか」

「それもそうね・・・・駄洒落をゆっくりと考えられるしね・・・」

上からヒカル、リョーコ、イツキ、イズミの順である・・・全員だらけきっていた・・・



「もぐもぐ・・・・・ご馳走様」

ミートスパゲティ四人前を平らげたアキトが満足そうにしていた

「ははは・・・・さすがお兄ちゃんだね・・・」

その光景を見ていたルミも流石に驚きだけは隠せなかった

「やあ、ルミちゃん・・・・この間は聞きそこなったんだけど・・・君の理想の男性って誰なんだい?」

アキトが食べ終わった最後の一皿を片付けにきたルミにアカツキが話し掛ける

「ああ・・・・私の理想の男性はね・・・・・・アキトお兄ちゃんみたいな人」

そのルミの言葉を聞いて食堂に来ていた男性と女性の動きがものの見事に止まった

もし・・・・これがもう少し前・・・・アキトとルミの血縁関係について話される前ならこうも見事に止まらなかっただろう

しかし、二人の間に血縁は無いと言うことは既に知られている・・・・つまりアキトとルミは義理の兄妹なのだ

女性陣にとっては誰よりもアキトに近いであろう存在が争奪戦に参戦してくる事への脅威で

男性陣にとって・・・特にルミのファンにとっては、ブラコンと言う言葉で片付けられない自体への脅威で

その動きを完全に停止する事となったのだ。無論アキトは兄として好意を持ってくれてると信じきっているが・・・・

「そうか・・・・・、アキト君勝負だ!!君に勝てば僕が君に勝っていると言う事が証明できる」

アカツキもしばらく動きを停止していたが一番最初に再起動を果たしアキトに勝負を挑んだ

「お前・・・今の俺じゃあエステに乗れないってわかって言ってるのか?」

アキトはアカツキを呆れるような眼で見ながら言った

事実、今のアキトがエステに乗る事は不可能である。

最大の要因としてパイロットにかかるGに耐え切る事ができないと言うことである

アキトは天性のものか身体能力は同年代の人間では間違いなくトップクラスの物を持っているだろう

しかし・・・・いくらなんでも五歳児と成人前の男性の身体能力は比べようがないだろう

それに・・・・アキトはかなり身体を鍛えていた為さらにその差は広がるのだ

次に・・・コックピットシートがとても合わないと言う点である

エステのコックピットは成人の女性の平均身長を元としているため

アキトがシートに座ると手が届かないのだ、手が届くようにすれば姿勢が不安定になり衝撃で倒れかねない

その点から考えるとアキトの現時点でのエステへの搭乗は不可能なのだ・・・・・・

「うっ・・・・なら・・・君のデータを元にしたCPUと戦わせてもらうとするよ」

「おっ、それはそれで面白そうだな・・・・・俺たちも行こうぜ」

アカツキがブリッジからさってすぐに他のパイロット達も動き出した

アキトはその光景を見届けるとブリッジに戻る事にした、ブリッジに向かうまでに四十七回転びその後フィリスに抱えられてだが




パイロット達がシュミレーションルームから帰ってきたのは約二時間後・・・合流予定の時刻だった

ちなみに、CPUアキトとの戦闘は各員一回だけで

その後はアキト専用の訓練プログラムをやっていた・・・

その結果だが・・・ルミは言うまでもなく・・・アリサやチハヤ、イツキもそのプログラムを成功させられなかった

『アキト本人に勝てなくても訓練くらいなら・・・・』とパイロット達は意気込んでいた為にそのショックも大きい

パイロット達は全員疲労を隠せないといった表情をしていた



「連合軍の信号で通信が入っています」

メグミがアキトに向かって報告を入れた、無論アキトの方を振り返ってだ

「通信を開いて」

「了解しました」

アキトの指示にルリが簡潔に答えるが隣のラピスと共に今のアキトの姿を録画していたりする

「こちら西欧方面軍所属トゥアハー・デ・ダナン艦長のテレサ・テスタロッサ大佐です」

通信を開くと共にウィンドウが開かれ少し前に話題に出た女性・・・テッサが映った

「こちらナデシコ艦長アキト=ファー=ハーテッド少佐です、今回の作戦に協力していただけることを感謝します」

「えっと・・・・・アキト大佐・・・・ですか?・・・随分と小さくなったんですね」

テッサは返事をしてきたアキトの姿が五歳児の状態だと言うことに驚いていた

しかし・・・・背中越しに・・・片手で何か命令を出しているようだが・・・・・

「ははは・・・・ちょっといろいろありまして・・・・後・・・大佐とはどういうことですか?」

アキトは乾いた笑みを浮かべるとふと先ほどの言葉で気になった事を訊ねる

「ああ・・・まだ情報が届いていないんですね・・・

連合宇宙軍司令部は火星の民間人保護の功績を認めてナデシコクルーを二階級特進させる事を決定したんです

その結果、アキト少佐は大佐に昇進したんですよ」

テッサは自分のことのように嬉しそうに話していた

「なるほど・・・・それより作戦を決定しましょう、このまま無策で突っ込むわけにも行きませんしね」

「そうですね、では・・・互いの現状報告から始めましょう」





しばらく二人の作戦会議は続いた・・・水中専用の無人機の確認、チューリップの配置の確認

次に互いの戦力の確認、作戦のシミュレーションと続いた・・・・・・・

最終的にナデシコを囮にしながらトゥアハー・デ・ダナンで深部に潜入、親善大使の保護に決まった



「さてと・・・・パイロット全員に告ぐ・・・・遠慮は無用だ・・・思いっきり暴れて来い!!」

パイロット達が全員エステに乗り込んだのを確認したアキトがそういった

「まってました!!」

その言葉に応えたのはアリサ、チハヤ、カズヤ、イツキといったヴァルハラメンバーだった

アリサ達は応えた瞬間に外へと飛び出していった

「あ・・・ちょっと待てお前ら!!」

リョーコは一瞬あっけにとられたがいきなり飛び出していったアリサ達に抗議の声をあげる

アリサ達はそんな声など無視してバッタ達に突撃していった

「さてと、月ではアキトとアリサにいいとことられたからな・・・・・・

本気で暴れさせてもらうぜ!!

カズヤはそういいながら両手に持つブレードで次々とバッタ達を開きにしていった



「レイピアっていうのはね・・・突くだけじゃなくって・・・・・・

こういう使い方もあるのよ!!

そういいながらチハヤは前方のバッタを突いたりレイピアを振るい真っ二つにしていく



「さてと・・・イツキ、援護は頼んだわよ」

「任せてください、といっても私も暴れさせてもらいますけどね」

アリサとイツキの二人は・・・まずアリサの突撃、生き残ったバッタをイツキが始末すると言う陣形を取っていた



他のパイロットの面々はその圧倒的ともいえる攻撃力に呆然としていた・・・・・・

「あ・・・・あれが・・・・・アリサ達の本当の力なのか?」

「ヴァルハラのエースは一人で百人にも匹敵するって聞いてたけど・・・・あながち誇張じゃないのかもね」

「僕たちも負けてられないね・・・・皆行くよ!!」

余りにも凄まじい光景にリョーコ達は呆然としていたがアカツキの叱咤の声で気を取り直し前線に向かっていった



ナデシコブリッジ

「これで後は大丈夫だね」

「うん、アリサ達本気になってる・・・・勝った」

「やれやれ・・・・後の整備が大変だな」

「お姉ちゃんたち凄い凄い!!」

アリサ達の実力をもともと知っているアキトとラピスは既に勝利を確信し

機体の消費状況を予想したルークは後の整備の事で頭を悩まし

小さくなったアキトと遊ぶ為にブリッジに来たメティはその光景を見て喜んでいた



「アリサ、イツキ久々にやるわよ!!」

「OK、フォメーション『ヴァルキリー』!!」

「私達の力・・・・とくと思い知らせてあげます!!」

チハヤの声にアリサ、イツキが応え中央にアリサ、左翼にイツキ、右翼にチハヤと言う陣形を取る

そして・・・三機ともディストーションフィールドを完全開放し敵陣に突っ込んでいった

アキトとアリサの混合攻撃であるファイナルチェリオほどの攻撃力は無いようだが・・・・

三機を覆うフィールドは黒い鳥が飛ぶような形になり、その身体にあたる物を次々と破壊していった・・・・

「ナデシコから全パイロットに報告、ブラストとレールガンの一斉射撃でチューリップを叩き落す!!

各員機を見て前線から離脱せよ!!」

アリサ達が翻るように反転しナデシコ側に向かおうとしたときにアキトからの通信が入った

各パイロット達はその指示に大人しく従い戦線から離脱する・・・・・

その後、アキトの指示通りにブラストとレールガンが一斉射されチューリップは見事に沈む事となった



その後・・・合流したトゥアハー・デ・ダナンから無事に任務成功したとの報告を聞き

保護対象の白熊を受け取るべくナデシコは付近の陸地に着陸した

「今回の任務への協力、真に感謝します」

いまだ五歳児の姿のままのアキトがテッサに敬礼しながら言った

「いえ、感謝には及びません」

テッサは微笑んでそう返した・・・・彼女の後ろには大量の女性クルーがなぜかカメラを片手に待機していたが

「これより再びナデシコは哨戒任務に戻ります、何かわれわれの力が必要な事があれば遠慮なく言ってください

今回の恩に応える為にも全力で援護に回らせていただきます」

「そうですね・・・・・その時はまたお願いします。

私達も巡回がありますのでこのあたりで失礼させていただきます

・・・・・・・がありましたらまたお会いしましょう」

テッサは何かを含ませながら微笑んだままそう言い、敬礼をして自分の船へと戻っていった



「テッサが大人しく下がった?・・・・・何か嫌な予感がするわね」

「姉さんもですか?・・・・・私もです」

「お姉ちゃん・・・・さっきのテッサお姉ちゃんちょっと怖かったよう・・・」

「メティはテッサさんが軍人として働いているところをあんまり見た事がないからですよ」


最後のテッサの笑みを見た西欧組の女性陣が小さな声で何か話していたりした・・・・・

その後・・・任務も終わり次の任務まで哨戒にあたる事になったナデシコでは・・・・・・

一時間に及ぶアイとアキト、その他希望者によるなぜなにナデシコ(アキトは犬耳としっぽを付けらされた)

その後は五歳児までアキトの体が戻っていることにより発生した、添い寝権争奪戦(勝者はラピス&メティ&ルリだった)

その後は・・・・・アキトは着せ替え人形にされていたりした

そんな一部にとって深刻な事件がナデシコで発生していた頃、トゥアハー・デ・ダナンでは・・・



「・・・わかりました、厳重に保管しておいてください」

「はい、最高画質で保管しておきます」

何か重要な物でも映ったのだろうか・・・・映像ファイルの処置について話し合っていたりする・・・

艦長室にきていたクルーは敬礼をして部屋から出て行った・・・・・

「カリーニン少佐、私は少し休ませて貰いますから、後の指揮はお願いします」

ブリッジで待機していた自分の副官でもある男性に通信を入れるとテッサは自分の部屋へと戻っていった



自室に戻ったテッサはすぐにある映像を観始めた・・・・・・・それは・・・

「・・・なかなか貴重な映像が手に入りましたね・・・会長にも連絡しておきましょうか・・・・」

・・・・アキトの五歳児モードの映像だった・・・・・

テッサは・・・その映像を・・とても嬉しそうに眺めていた

ちなみに・・・カリーニン達はその事を知っていてあえて黙認している・・・・その理由は・・・

『大きな公私混同はしないため作戦任務に支障は全くないから』だそうである

まあもう一つに・・・・『下手に止めると艦の女性クルーが叛乱を起こすから』と言うのがあるが・・・

西欧軍最高の智将、テレサ・テスタロッサ、その彼女が率いるトゥアハー・デ・ダナン・・・・・

その艦は・・・・ある意味・・・アキトが率いるナデシコと似通っているのかも知れない・・・・・・・・





様々な形で新たな動きを見せ始める時の歯車・・・・・

しかし・・・その歯車は・・・着実に・・・『未来』へと動き続けていた・・・・・・













後書き

今回は繋ぎの役割でしたがそれだけじゃあ面白くないのでちょっとある現象を出してみました

今回出た逆行現象・・・・いつかまた出ます、どのタイミングで出すかは決定していませんが

あと、こちらでテッサがでた理由は・・・アキトの軍での仲間と言う存在をだしたかったからと言うのが最大の要因です

オリキャラにしても良かったんですが・・・・

ナデシコの勢いに勝てる面々を考えていると何故かフルメタがでてきてしまいました

ええ・・・・彼女は今回限りのゲストになる可能性は・・・・12.5パーセントくらいです

つまり・・・かなりの高確率で次回以降も出てくるでしょう

純粋なナデシコ三次創作になってない気もしますが・・・あくまでナデシコ主体で頑張ります

後・・・前回、今回とアキト達西欧組を暴れさせたのは・・・リョーコ達よりも上の力の持ち主である事を示す為です

9、10、11、12の四話はこれと同じく繋ぎに近い物になりますが・・・どうか御了承ください

次回・・・南の島でお会いしましょう

 

 

 

 

代理人の感想

敵を真っ二つにするレイピアの使い方って・・・・(絶句)。

先端で引っかくように切るならともかく、真っ二つって・・・・・・・。

そーゆーのができる武器はレイピアとは呼ばんよーな気がするんですがどーでしょう(爆)。