テンカワ・アキトがナデシコを離れた。

「テンカワ・アキト。お前は最前線、西欧方面に向かう事となった」

軍の基地で命令を受けるアキト。

だが、視線の先は司令官には向いていなかった。

「貴様!話を聞いているのか!?」

「・・・聞いている。西欧方面に行くんだろう?」

「くっ・・分かったらさっさと行け!」

司令官は一枚の封筒を机に叩き付けた。

(・・・フン。軍の犬が)

アキトは呆れた表情でその封筒を摘み上げた。



アキトは輸送機に自らの専用エステバリスを移動させる。

(・・・ナデシコの皆、俺が戻るまで生きていてくれよ)

『満ち足りた月の様に今より遠く願う』

アキトは、ナデシコを思う。

『この目に映る世界に勇み旅路開いた』

(・・・あいつがいれば、生き残る事はそう難しくはないかもしれない)

『赤く燃え盛る今このうちにさすれば開いた道があるだろう』

(だが・・・それでいいのか?)

『貫く息吹は烈なる風のごとく』

(・・・ナデシコの皆は、俺やアキコに頼る事しか出来なくなるんじゃないか?)

『今過ぎ行くこの時が鳴り止まぬうち思いをはせて』

(・・・・今考えても仕方ない。生き残ってナデシコに帰ってからだ)

『かきたてる思いのたける矛先には何が見える?』

(・・・俺は・・・どうするんだ?終わったら・・・)

『今はまだ見ぬ場所を探して劈く思いを胸に潜めてる』

(・・・人殺しの俺が・・・幸せになれるのか?)















物語は続く。


合言葉は





 「r」




 「e」 




 「l」




 「o」




 「a」




 「d」






「reload」=リロード








r=return


e=end


l=long


o=over


a=akito


d=drive








終わりの場所から戻る。長い時を越えた場所から。











ランダムジャンプで跳ばされて来た、アキト。











彼は、過去の経験を元に悲劇を繰り返さんと奮闘する。










ナデシコを、そしてクルーを護るために。









・・・今、アキトは何を求める?







終わり?


忘却?


過去?


家族?


幸福?


居場所?










・・・・・ナデシコ?








nadesiko.





なでしこ。





撫子。




ナデシコ。





機動戦艦ナデシコ


「時の流れに・reload」






〜第二章SIDEーA・「俺の帰るべき場所はナデシコ」漆黒の戦神とその軌跡〜





第1話「漆黒の戦鬼」





ここは・・・最前線。

木星トカゲとの戦争の中。

ある西欧諸国。

「ちっ・・・こんな最新式のエステバリス持ってるたぁ

どこぞのお坊ちゃんか?」

はき捨てるように呟いた人物・・・

オオサキ・シュン。

彼はここの指揮官をしている。

その横に居るのはカズシ。

副官を務めている。

二人は旧友ー

それも、こんな機動兵器が蔓延していないころからの戦友だ。

「まあ、戦場を体験させようってことでしょうけど・・・いかんせん場所が悪過ぎないですか?」

「それだろ?

『ライオンは我が子を谷に落とし、這い上がってくるものだけを育てる』

っていう馬鹿らしい考えで送られてきたんじゃないか?

・・・あいつもいい迷惑だろうぜ」

そういってシュンはエステバリスを見る。

(新型ーというよりはカスタムの入ったエステだ。

バーニアは大きすぎるし、

何よりこの色。

まっくろくろすけだ。

かっこつけるなら『漆黒』だな)

シュンは色々と考えているものの、そこに肝心のパイロットが降りてきた。

「テンカワ・アキト。エステ乗りだ」

「おい、何をえらそうにー」

カズシがアキトの胸倉をつかんで修正しようとした。

軍隊ではよくある話だ。

だがーよくある話ですまないのがこの男だ。


どむっ!


「・・・ひとつだけ言っておく。

俺に命令できるのは誰も居ない。

ただの企業からの派遣社員だ。

気が向いた任務だけやらせてもらう」

アキトの一撃によりカズシは数メートルの距離を一瞬にして飛翔した。

「・・・おい、ここまでする必要があるのか?」

「・・・少し気が立っているんだ。

余計な手間をかけたくないなら話し掛けるな」

アキトは、ぶっきらぼうに言う。

彼はー軍隊というものが好きになれない。

命令だけ聞いて行動することしか知らない奴の指示など聞きたくなかった。

アキトは自分のエステの方向に歩いていった。

「っ・・・あいつ・・・なんつープレッシャーだ・・・」

シュンはアキトの誰にも勝るプレッシャーに気圧されていた。

彼に近づくものはーこの日、誰も居なかった。




「それじゃなんですか!?俺たちは民間人を見捨てろってんですか?」

「ハッ!民間人の命など知ったことか。

これが木星トカゲ陽動作戦だったらどうする気だ?

被害が格段に増えるだろう?」

(この外道が・・・)

シュンは歯をかみ締めていた。

「それなら・・・こっちで勝手にやります」

「別にかまわんよ。

無謀な作戦についてくるものが居るのならね」

この時点では・・・アキトのことは知らされていない。

あのキノコがとりあえずアキトを連合軍に協力させるのが目的であったのだから、

詳しい話は適当に決められていても仕方ない。

いや、アキトがこの戦線に来る事はバランスをとる意味では理想的であった。

だが、急に決まった事なので、なのかもしれない。

「・・・お前がついてくるとはな。テンカワ」

「俺は自分の気の向いた作戦にしか出ないといったはずだ」

「この作戦の死亡率は知ってんだろ?」

「誰も死なないさ」

アキトは自身満々で呟く。

この自身が何処からくるのか、シュンは分からなかった。

・・・この作戦終了後にいやというほど知ることとなるが。

「シュン指揮官殿!到着しました!」

トラックを運転していた男・・・いや、まだ少年といってもよい。

16ぐらいの少年が居た。

彼はコウタロウ。

この歳にして単位をスキップ、士官学校を出てバリバリの前線作戦参謀になっている。

髪は日本人らしい黒の坊ちゃん狩り。

やや伸びた髪をしている。

その横で通信士をしているのはシェリー。

同じく16歳。

金髪のセミロング、眼鏡をかけているブルーアイ。

索敵をしているのはルリと同じように10歳程度の少女。

感情が発露しにくいーまさに昔のルリにそっくりだ。

だが、その瞳はブラウンで、髪はショートの黒。

名はマリー。

この三人は最高の後方支援者と呼ばれていた。

技術的にも実力的にもどこへ言っても見つからない人材である。

「よし!民間人の救出最優先!」

だが、そこにたどり着いた小隊を待っていたのは・・・

罵声だった。

「もっと早く来れば母は死ななかった!」

「この役立たず!」

「子供を返せ!」

やりどころのない怒りをぶつけられた。

「くそ・・・また見殺しかよ!」

「隊長今は救出を!」

「分かってらあ!カズシ、ついて来い!」

「はいはい!」

二人は民間人達を誘導するために先頭に立つ。

だが、民間人達の目は恨めしい物を潜ませていた。

「・・・大丈夫ですか?」

アキトは脚から血を流して倒れている女性に声をかけた。

「触らないで!」

「怪我は?」

アキトは逃げ出そうとする女性を手で引きとめた。

「はな・・・はなしなさい!あなた達が・・・もっと早くくれば!両親は!

私も逝く!両親のもとへ!死なせてよ!」

「いい加減にしろ!」


びくっ。


女性は身体を震わせて反応した。

「簡単に死ぬなんていうんじゃない!

そんな事をしてあなたの両親が喜ぶとでも思っているんですか!」

「それは・・・」

女性は少し口篭もった。

「俺は軍人じゃない。

・・・さあ、早く避難してください」

「でも・・・こんな瓦礫じゃ・・・」

アキトはしゃがみ込み、背中を見せた。

「負ぶっていきます。乗ってください」

「す、すいません」

女性はアキトの背中に負ぶさった。

そして、アキトは民間人を誘導しているシュンの元に来た。

「隊長、すまないがこの女性を頼む」

「あ?何だ、口説いたのか?」

その冗談にカズシは苦笑した。

どこの世界に戦場で女を口説く男が居るのか。

だがアキトはー実際に口説き、落としてしまっていた(笑)。

「いいからたのんますよ」

初めて出会ったときとは違い、愛想を見せて女性を預けるアキト。

しかしその時ー。


ぴっ。


シュンのコミュニケに通信が入った。

「ん?マリー?どうした?」

「指揮官殿・・・敵が来ます。

数は・・・機動兵器が800・・・

チューリップが4つあります」

マリーのこの言葉にーその場にいる全員が静まった。

絶望的なその数値を聞いて。

「おい、アキト!お前はこのねーちゃん連れて逃げろ!駆け落ちしてもかまわねーぞ!」

その一言に再びカズシが苦笑した。

だが。

アキトは笑顔を見せてこう言った。

「殲滅します」

「!?冗談だろ!?」

「いいから民間人の救出でもしてください」

アキトは漆黒のエステのもとに駆け抜ける。

「・・・(ぽ〜)」

「・・・?」

横を向くと女性の顔が恋する乙女の顔になっていた。

それに気付いたシュンは、

「・・・おい、まさか本当に口説いたのか?」

「らしいですね」

呆れたように二人は溜息をつき、再び民間人を誘導し始めた。




「行くぞ!」

アキトの一言とともに漆黒のエステはすざまじい加速で突っ込んでいく!

「消えろ・・・!」

DFSを振るい、チューリップを切り裂く。

すると大きな爆音が響きー。

「!チューリップの反応が一つ消えました!

機動兵器の数も急激に減少しています!」

シェリーの口から信じられない言葉が飛び出した。

この駐屯基地にいる戦力をもってしても、

このエステ一台には勝てない。

「マジかよ・・・」

シュンはこの戦闘に一筋の光を見た。

アキトが駆るエステの振るう剣。

DFSは機動兵器を次々に駆逐し、

全滅させる。

「あんのやろう・・・

軍のために働きたくないなんて言ったのは・・・

元から軍人じゃないから・・・

あの「ナデシコ」のクルーだったからなのか」

噂には聞いていた、ナナフシを殲滅したり、一隻で火星まで到達した・・・

あの、ナデシコのうわさを聞いていた。

そこのエース・・・

どこかに転属となった。

軍に協力をすることになったと。

そう聞いていた。

「あのやろ・・・いいカッコしいかよ・・・」

「・・・桁、違いすぎますね」




そして・・・アキトは帰ってきた。

整備班、パイロットの歓声を受けながら。

「ごくろーさん!」

「ありがとよー!」

「どうも!」

アキトは普段のような自然な笑顔で返事を返した。

それは意外と人の良い指揮官がいたおかげか、ある程度軍に対する偏見を無くせたからだろう。

しかし・・・そこには彼を違う目で見ているものがいた。

アキトは一通り顔を出し終わり、自室へと戻る事にした。

「・・・ん?」

自室に入ろうとすると、張り紙があった。

『テンカワ・アキトさん、少しお話があります。

これは恋愛などの浮ついた話ではないのでご了承ください。

今日の午後11時ごろお伺いします』

「なんだ?これは」

アキトは訳が分からなかった。

今日の戦闘の事は大体話した。

ここまで改まって話すことは何もない。

だが・・・この後の文章を読んで、アキトは固まった。

『BY・・・電子の妖精とあなたの五感』

・・・・・・・・・。




ぴきっ。




「あ!?」

アキトは恐怖した。

まあラピスはセーフだとして・・・・

ルリはナデシコを放棄してまでここに来ない。

この手紙の真意がまったく読み取れないのだ。

「・・・(汗)」

アキトは運命を・・・悟った。

っつーか呪ったかもしれない。




午後11時。

「・・・失礼します」

そこに入ってきたのは・・・シェリーとマリーだった。

いや、コウタロウもいた。

「・・・?」



ぱさ・・・。



二人、シェリーとマリーは頭を引っ張る。

すると、二人の頭にあった鬘が取れた。

「お久しぶりですね」

「・・・」

「アキトさん?」

「アキト?」

二人はー言うまでもなくルリとラピスだった。

だが・・・。

「・・・人違いだ」

「アキトさん!」

ルリはアキトがまだ自分達の元に戻る気がないと思っている。

「いや、そーゆー意味じゃなくてね。

多分違う。

俺はテンカワ・アキトだがー

今そこに居るルリちゃんとは俺は知り合いじゃない。

・・・俺が何で若いか分かるかい?」

「えっと・・・アイちゃんの薬ですか?」

「・・・違う」

「え?アイちゃんは居ないんですか?」

「いや、居る事は居るんだけどここには居ない」

「いまいち分からないのですが・・・では私達から少し事情を話しましょう」


・・・そして、ルリがここに至る経緯を話し始めた。






私がアキトさんに戻ってきて欲しいと願っていたあの時ー

火星の後継者との戦いが終わった一週間後のことでした。

アキトさんを追いかけていたのですが、手がかりはまったくありません。

そんな途方にくれていた時ーあの人は現れました。

イネス・フレンサジュ。

死んだとされたあの人です。

アキトさんをー私達の元に戻ってくる作戦があると言うのでネルガル本社まで行きました。

・・・ある意味ここが事の発端なんですが。

私達を待っていたのはニコニコ顔のイネスさんでした。

「・・・何故笑っているんですか?」

「気にしない気にしない」

・・・思えばここで少しは疑っておくべきだったのかもしれません。

「アキト君は必ずあなた達の元に戻るわ。

少し時間がかかるかもしれないけど」

「作戦と言うのは?」

「社長室に待機していて。

私はその作戦の下準備があるから」

真意は分かりませんが、とりあえず社長室に行きました。

そこにはー

「ユリカさん・・・ラピス」

あの二人がいました。

「もう退院なさっていたんですか」

「うん・・・アキトが戻ってきてくれないんだって?

・・・そんなこと聞かされてたらどっちにしてもじっとしてられないよ」

そうでしたね、この人はこういう人でした。

「ラピスは?」

「アキトがここに呼ばれて、私は社長室に来るように言われた」

・・・少しいやな予感がしてきました。

そして一時間ほどが経過しました。

「・・・」

「やあ、ルリちゃん」

アカツキさんがきました。

そこで思いがけない手紙を渡されました。

「ドクターが一時間以内に戻らなければこれを渡してほしいと」

アカツキさんが渡した手紙には・・・こう記されています。

それにしても会長をメッセンジャーにするとは。

『ユリカさん、ルリちゃん、ラピスちゃんへ。

この手紙を読むということは、

作戦の第一段階が成功したということです。

もっとも、この作戦が失敗した場合はすぐにアキトくんが

戻ってきますけど』

私は少しがっかりしました。

アキトさんが戻ってくる意思がなかったと思ったからです。

『この作戦は・・・

アキトくんに「いかに孤独がさびしいものか」を認知させることにあります。

アキトくんが短い寿命なのは知っていますね?

それを治す薬が発見されました。

ただし・・・その薬を飲むと性転換してしまいます。

それを利用したいと思っています。

私はボソンジャンプにおける「時間移動の法則」を発見しました。

・・・今回は手紙なので長い説明はカットします。

とにかく、女性化すれば少なからずあなたたちの気持ちを理解してくれるはずです。

そこで過去に行き、ユリカさんたちに会えない状況を作り、

自分の選択した道がいかに苦しい道だったかを認知させます。

その時にユリカさんたちがアキトくんに会えば、

絶対に戻ってきてくれます』

少し、腰を抜かしました。

アキトさんが女性になっている?

それではユリカさんに立場が・・・

と思っていましたがこの作戦は意外にいいはずです。

私達の元に戻ってきてもらうには少々の荒療治が必要だと言うことですね。

『・・・なお、私もついていきます。

過去に言った後にいろいろな混乱が起きる可能性が高いので。

多分次に会うときは私は8歳の少女です。

過去の時間はーナデシコが出港した日。

ナデシコに乗り込む方法はそちらで考えてください。

あ、そうそう。

ユリカさんはこの手紙に同封されている薬を飲んでおいてください。

そうすれば少しは姿を隠せるでしょう。

格納庫にある、ノーマルエステにタイムマシンがついています。

健闘を祈ります』

・・・やられました。

これでしばらくはアキトさんを独占されてしまいます。

まあーこの手紙に書いてあることが本当だとすれば、

アキトさんが戻ってくる手伝いをしてくれるそうです。

ありがたいことです。

しかしこの薬って?

手紙に同封されていた粉薬ー

ユリカさんが飲んでみると、

なんと男性になってしまいました。

16歳程度の男性に。

「え・・・えー!?

・・・ない・・・ある・・・」

はじめのうちは戸惑っていました。

アキトさんが女性になっているとすれば妥当かもしれませんが。

まあ、このあたりのことは飛ばしてー。

とにかく過去に向かうことにしました。

戸籍うんぬんはマシンチャイルド二人にかかればどうにでも出来ます。

そしてー私たちは過去に着きました。

ナデシコが出向した日に。

ナデシコに乗るには何かしらの技術を、それも一流のものが必要ですから、

ある程度資格をとってからでないといけなかったので、準備のためにこの時期にきました。

私達が過去についてまずしたことは、

戸籍の偽造です。

まずこれがなければ行動を起こすことが出来ません。

この偽造した戸籍には、

ユリカさんはスミダ・コウタロウと名をつけました。ユリカさんの父親、

ミスマル・コウイチロウからとったそうです。

私はスミダ・シェリー。

ラピスはスミダ・マリー。

ユリカさんーいえ、コウタロウさんの義理の兄妹ということにしました。

私達はナデシコに乗るには軍で好成績を出すのが一番手っ取り早いと思い、軍に入隊しました。

コウタロウさんは作戦参謀ー士官学校に入り、

その持ち前の成績の優秀さで単位をスキップ、

一ヶ月で卒業。

その間、私達は軍で合流、ここまで来ました。

マシンチャイルドである事がばれないようにカラーコンタクトとウィッグで変装をしながら。



「以上が、私たちの経緯です。

アキトさんはーなぜアキトさんではないというんですか?」

「それはー俺が違う世界からきているからだ」

「・・・どういうことですか?」

ルリは困惑した顔をしている。

「アイちゃんに聞いたんだ。

俺は君たちの知っているテンカワ・アキトではなく、

別次元ーパラレルワールド・・・

「もしも」の世界。

たとえば、俺が発進直後に死んだとか、

ナデシコが火星に到達される前に連合軍に入るとか・・・

そういった「IF」、平行した幾つかの・・・いくつあるか分からない「もしも」の分岐の

ひとつから来たテンカワ・アキトなんだ。

この世界のテンカワ・アキトは居ない。

俺も五年後の未来からジャンプフィールドの暴走、ルリちゃんに追跡されていたときに打ち込まれた

アンカーによって起こったランダムジャンプでここに来た・・・

精神体だけがジャンプした、テンカワ・アキトだ。

・・・何故こんな場所に居るのか分かるかい?」

「分かりません」

「少しトラブルがあってね。

本気を出しすぎてムネタケの責任のなすり付けでここに飛ばされたんだ」

「・・・そうなんですか」

ルリちゃんの話から推測すると、

ナデシコに居るアキコのことだと思う」

「アキコ?」

「ああ。あいつはアイちゃんを連れて突然戦場に現れた。

あいつが乗っていた機体は・・・レッドサレナ、

俺が乗っていたブラックサレナとまったく同じだった」

ルリはー間違いなくその人物が自分達の探しているテンカワ・アキトだと思った。

「そういうわけで、俺は人違いだ」

「はぁ・・・そうですか」

ルリは小さいため息をついた。

結果的にーアキトと一緒なので半分嬉しいが。

「ま・・・俺についてくればアキコには会えるよ」

そうアキトが人違いだと言ってるにもかかわらず・・・

ラピスはアキトにくっついいてきている。

するとコウタロウが口を開いた。

「アキコは元気だった?」

「・・・寂しがってたらしい。ルリちゃんが後悔してたって言ってた」

「・・・そう」

コウタロウは小さい溜息をついた。

早い再会を望むコウタロウだった。





作者から一言。

すいません、やってしまいました(爆)。

企んでました、はい。

ではさようなら。

「って、ばかー!」



ぽかっ!



あいた・・・。なにすんだよ。

「今回は第二章のマスコットキャラを発表する予定じゃなかったの!?」

ああ、忘れてた。んじゃ、また今度という事で。


ちゃきっ(後ろで注射器を構える音)。


にっげろ〜。





今度こそちゃんとした作者から一言。

いや〜大波乱の予感ですね。武説草です。

あの三人がアイの手引きで来ていたとは・・・意表はつけたでしょうか?

え?登場したあたりでばれてたって?ひねりが無いって?すいません。

本当はもっと後に出そうと思ってたんですよ。

姿を偽り、アキトがナデシコに合流した時に出そうと思っていたんです。

でも、ラピス(幼)が「おと〜さ〜ん」っていうイベントが外せないので(笑)。

そんで名前の由来ですが。

コウタロウ(=ユリカ)は式神の城、

シェリー(=16歳ルリ)はコナン、

マリー(=11歳ラピス)はKOFが出典です。

意味は特にないので気にしないでください。

あと、マイクロブラックホールについてですが・・・

表現上ああなったと思ってください。

咆竜斬とはあまり変わらないんです・・・形が竜になってマイクロブラックホールを飛ばすだけなんです。

ブラックホールが有害なのは知ってますが、どう扱っていいものか迷ってしまって・・・すいません。

爆発したように見えただけと認識してください(泣謝)。

CGも送っときます。

・・・重ね重ねすいません。

ついでに、遅れた分一気に投稿しましたが、おそらくA−SIDEはひねりがありません。

ひねりを加えようとすれば加えるほど史実に近づいてしまいました。

少し崩れた感じになっただけです。

では次回へ。


 

改定後の一言。

第2章からの修正はあまり変更しません。

・・・文体を変えたいのと、細かい間違いの修正をしたかっただけです。

04年2月26日武説草良雄。