星の数ほど人がいて…。


星の数ほど出会いがある…。


それは生まれては消え続け…。


そしていつかは瞬きの中へ…。

















機動戦艦ナデシコD

プロローグ:Destruction-破壊-




















ナノマシンがきらめく火星の空を飛んでいく白亜の戦艦。
それを見送る火星の地表に取り残された人々。

「みんな…老けたねぇ」

寝ぼけた女が相変わらずのとぼけた言葉を発し。

「帰ってきますよ…。
帰ってこないなら、追いかけます。
あの人は、私の大切な人だから」

金色の瞳を持つ少女が決意を発した。
ナデシコの元クルーは、安堵した。
ユリカが目覚め、ルリがアキトの事を信じた。
それだけで十分だと、思っていた。
あとは時間が解決してくれる。
そう信じていた。

「あは…」


しかし…。

「あは、あははははは!!」



「ゆ、ユリカさん…?」

「アキトは私の王子さま!
アキトはどこへ行きたいの!?
教えて!アキト!!!」



「落ち着きなさいよ、艦長」

「どこ?アキトどこぉ?」

ミナトが錯乱したユリカを揺する。
だがユリカは、目の焦点が合わず、よだれを垂らしていた。
力なく、ユリカは頭を地面に横たえる。

「…見せてッ!」

イネスは、何かあった時の為に控えていた。
簡易ボディスキャナーで、彼女の体をスキャンする。
すると、端末に示された異常は、脳にあった。

「なんてこと…。
ユリカさんの脳は、つぎはぎされているわ…」

「「「「!?」」」」」



全員がざわめく。 息を飲む全員を尻目に、イネスは続けた。

「ユリカさんの頭にあるのは、別の脳!
これが誰の脳かは分からないけどユリカさんの本来の脳は、ほとんど…」

「ここにいるユリカさん…が自身がクローンという可能性は…?」

ルリは、一抹の希望を問う。

「…いえ、クローンといえど微妙に遺伝子に差異があるはずなの。
身体は間違いなくユリカさんよ。
脳は…記憶をつかさどる部分だけが、
オリジナルのユリカさんになっている…。
つまり…」

「つまりオリジナルのテンカワユリカの脳髄はもうないのさ!」



残酷な事実を叩きつける、張り上げた声…。
火星の後継者の重要人物…。
ナデシコCに移送される寸前の、ヤマサキ博士が上げた声だった。

「貴様ッ!」

サブロウタがヤマサキを見る。

「悔しいか…?
悔しいのはこっちもそうさ!
テンカワユリカは最後まで抵抗した!
脳をいじり、薬品を投与しても、自由に操ることはできなかった!」

「だから…殺したのか!?」

「そうとも!
こっちだって意地がある…。
だからクローンを作って、
都合よく加工して、
脳だけを乗せ換えたのさ!
驚くほどうまくいったよ…」

「なぜ最初からクローンでやらなかった!!」

サブロウタは自分が非人道的な事を言っているのは分かっていた。
だが、ヤマサキに真相を聞かなければならない。
聞かなければ、この場にいる人間は後悔すら、しきれない。
そのための問答だった。
ルリも耳をふさぎたかったが、聞かなければいけないと震えながら聞いていた。

「何かに執着する記憶だけはコピーできない!
空の脳であれば、教育で何とでもできた!
…それだけのことさ!」

「クズがッ!!」

「サブロウタさん、やめて!」

サブロウタが、ホルスターからブラスターを引き抜いて撃ちぬこうとする。
しかし、ルリはそれを止めた。

「なぜです…艦長…」

「…捕虜を撃ってしまえば、あなたが罪人になります。
私の代わりにそれだけ怒ってくれたことは…感謝しています…。
これから死刑になる人間を撃って、罪を背負わないで下さい…」

「だが!」

「…分かっているんでしょう?
私がナデシコCの艦長だから止めたって…」

「…失礼しました…ッ」

サブロウタは銃をしまって、ルリのそばに立った。
ルリが涙を流し、うつむいて、悲しみと怒りに震えて耐えている。
それを─無駄にしてはいけないと思った。
ルリは、自分が短絡的になれたらどれだけ救われただろうと思った。
ハーリーは、何もできない自分を恥じて膝をついていた。

「…僕らはなくすものなんて何もない。
だから恐れるものなど何もなかった…それだけさ…」

「…静かにしろ。さあ、歩け」

付き添いの兵士が、卑劣な男のぼやきを止めた。

「何もない僕らが何かを手にしたければ─勝つしかなかった。
木連は元々そういう人の集まりで、
戦後に地球と仲良くしきれなった人が集まったのが、
"火星の後継者"なのさ。
そうは思わないか?」

「…言い訳は後にしろ。 たっぷり聞いてやるから」

「ああ…」

兵士は、元木連軍人なのだろう。
ヤマサキの言いたい事もわかった。
だが、肯定はしなかった。したくなかった。
そしてサブロウタも─そうだった。


─ルリは、震える手で端末を開いた。

「…ミスマル提督、任務完了しました。
ええ…ユリカさんは救出できませんでした。
申し訳ございません。では」

ルリは事務的に、ミスマル提督に連絡をした。
戻る前に、伝えなければならなかった。
今伝えなければ─提督は、次に出会う時、取り乱すと思った。
そして、今から行うことを、見られてはいけなかった。

「その銃を、貸してください」

「…これ、あいつらから没収した銃ですよ?何を?」

ルリはブラスターを手にすると、
まだあらぬことを叫びながらもがくユリカを抑えつけた。

「ルリル…り…」

「…終わらせなきゃ」

ルリは、強く唇を噛みながら、ユリカの額に銃を突き付けた。

「艦長!俺が…」

ルリは首を横に振った。

「…私がやらなきゃいけません。
私以外が撃ったら…このことが漏れたりしたら、
アキトさんに殺されますよ?」

ルリからの評価では、アキトの心根は変わっていなかった。
しかし、「ユリカを撃った人間が居る」となれば、アキトは殺しに来る。
ユリカの死に関して責任を持てるのも、アキトに言い訳するのも、
自分しかできないと思った。

「ユリカさんは、遺跡との融合を解かれたあと、
火星の後継者が苦し紛れに殺した。
…みなさん、報告書にはそう書いてください」

ルリは、涙をユリカの顔に落とした。

「…あなたではなく、ヤマサキを撃ちたかった」

ルリは、ユリカの心だけが壊れているだけならまだ救われた。
それならいつか戻れる日があったかもしれない。
だがそんなことは、もう起こり得ない─。

「あなたを助けられなくて申し訳ないと思います…。
だからせめて…私が…」

ルリは、トリガーを引き切れない。
覚悟できているはずなのに、できない。

(アキトさん、ごめんなさい─)

懺悔の言葉が、ルリをかえって責め立てたが─

「アキトは私の王子様…どこ?」

ユリカが虚空を見つめる。
目の前にいるはずのルリが見えていない。

「…ッッ」

その事実が、ルリの手に力を入れさせた。

「許してくれないでしょう…。
ごめんなさい、ユリカさん」

「あッ─」

ドゥ…。



レーザー音とともに、ユリカは全身を硬直させ、絶命した。

その顔が、少し穏やかに笑っているように見えた。

それだけが、少しだけ救いだった。
ルリは銃を落とす。


「ルリルリ…」


「…ぁ」

ルリは、気を失った。
マシンチャイルドの全パワーを酷使した反動と、
ショックな出来事が重なりすぎたせいだった。

「…艦長は俺が連れていく。
ハーリー。
先に医務室の準備を頼む。
地球に戻るのは艦長の意識が戻ってからだ」

「…はい」

サブロウタに促されてハーリーは駆け足でナデシコCに戻った。
ハーリーはこの場に居られなかった。
逃げてさえいた。
それとは対照的に、その場に居た全員の足取りは重かった。
うつむき、何も話さず…ただ持ち場に戻る。
圧倒的な戦力差を覆し、完全勝利したとは思えない有様だった。

「こんな時に、あのテンカワアキトは一人で行っちまったから…。
…クソッ」

─アキトが居たら、もう少し結果は変わったかもしれない。

ヤマサキも、ユリカも、撃つ事が出来たかもしれない。
サブロウタはそう思った。
おそらく、それはアキトにとっても酷だった。
一方的な責任の押しつけでしかなかったが、
少なくともルリが撃つよりは良かったと思えた。
ルリは、ユリカとは逆に悲しみを顔に浮かべて眠っていた…。





〇ユーチャリス



「アキト…いいの?」

「ああ…。
俺が居たら、ルリちゃんは自分の人生を生きることが難しくなる。
まだこれから楽しいことをしていく年齢だ。
俺の命が尽きるまでの数年を過ごしたら…取り返しがつかない」

誰かを想って自分の人生を台無しにすることは、珍しくはない。
アキトは自分の馬鹿げた復讐に付き合ってくれた人達を想う。
そして─ルリもそうなることを、望んでいなかった。

「…ルリは、きっとそれでもいいと思っているよ」

「…だからダメなんだ。
俺を追いかけている間は、きっと仲間が支えてくれる。
だが…俺がそばにいれば、その仲間も身を引く。
だから─」

「…私は、アキトが死ぬまでついていくよ」

「…」

アキトは目を伏せた。
そしてラピスはもうどうにもできないだろうと思った。
アキトへのリンクは、そのまま感情や思想までリンクさせてしまった。
影響からは逃れられない。
だが、アキトはラピスの問いこそが自分の本心だとも知っていた。
ラピスはアキトの根源的な精神のほうに影響を受けていた─。

「ぐっ…」

「アキト!?」

アキトは俯いて震えていた。額に、脂汗が浮かぶ。

「…ナノマシンの鎮静剤と、鎮痛薬を頼む」

「ダッシュ!医療バッタを呼んできて!」

アキトは、普段飲んでいる強力な鎮痛薬を飲んでいない。
ラピスによって補助された感覚は、鎮痛剤を飲んだら十分には効かない。

北辰に挑む時には、飲むのを止めざるを得なかったのだ。

「アキト!リンクを閉じて!」

ラピスは、アキトに一時的にリンクを遮断するように促す。
しかし、アキトはそんな余裕がなかった。

「す、まん──」

アキトの手が震えている。
リンクの操作はかなり繊細なもので、何か別の事に意識が向いているとできない。
ラピスが自分のほうリンクを遮断しようとしているが、やはり集中できていない。
ラピスは、アキトがが自分のせいで苦しんでいると思っている。

(ラピス、お前は悪くない)

アキトは苦痛に悶えながらも微笑んでラピスを見た。
その微笑み方は、ラピスはなかなか見れなかった柔らかさがあった。

(ラピスもだんだん表情が豊かになってきた……あと一息だ……)

ラピスが人として成長を始めていたことが嬉しかった。

(だったら、俺はもう──)

アキトは後悔なく、笑って意識が闇に落ちていくのを許した。






〇火星─ナデシコC



ナデシコCに乗り込んでいた人々は事後処理に追われていた。
火星の後継者の主要人物を投獄し、戦艦のOS書き換えを行い、
敵艦の乗員を戦艦に乗ったまま連れていく準備をしていた。
無論、戦艦の兵装のみならず個人火器を積んだままにはせず、
操作系もすべて「捕虜用」のシステムに変更する必要があった。
その為に、本来なら一艦で半日を要する下準備だ。
ハーリーはそれをかなり短縮できたが、結局数が多いので時間がかかった。
これには、作業中一度艦内から乗員を出して、終わり次第乗艦させるという、
人間の出し入れが必要不可欠なことと、
伏兵をうまく隠せないようにせざるを得ないという事情もあった。
しかし…。

「ハーリー!OSの書き換えはまだか!」

「無茶言わないで下さいよ!
僕の能力はともかく、ハードのほうが弱いんですから!」

サブロウタに急かされるも、ハーリーはどうしようもなくて苛立った。
マシンチャイルドのハッキング能力の高さはすさまじいが、
木連はハードとソフトウェアがそのものが独特のため、
書き換えを行うにはかなりの時間が必要であり、
しかも有人艦であればあるほど、コンピューターの性能は後回しにしてあった。
そのせいか、OSのデリートもインストールもかなり時間を要する。

「…そもそも最初から艦隊規模で来ればよかったのに」

「艦隊で来たら狙いうちにされるだろーが!
いいから早く!」

「はいはーい!」

ビーッ!ビーッ!


警報装置が作動した。
ナデシコCは臨戦態勢に変わる。

「…サブロウタさん!艦長を守らないと!」

「分かってる…この警報は侵入者だ!」

警報の種類によって、内容が異なる。
今回は機動兵器の発見ではない。
艦に登録されていない人間が侵入してきたのだ。

「ハーリー!
闘い慣れてないお前は、白兵戦になれば格好の的だ!
後ろを取られるな!人質にされないように気を付けろ!」

「馬鹿にしないで下さい!僕だって訓練は…」

サブロウタが注意を口にするも、ハーリーは反論しようとする。
しかし、サブロウタは反論を遮るように怒鳴った。

「馬鹿にしてるんじゃない。
お前は馬鹿だ!」

「ええっ!?」


「あの状況で生き残って、
しかもナデシコCのセキュリティを破って侵入してくる相手だぞ!
手練れ…いや、火星の後継者の切り札に違いない!」

ハーリーは息を飲んだ。
サブロウタですら生命の危険を感じている。
これは訓練で対応できるレベルの白兵戦ではない。
サブロウタは考えた。
相手の目的は要人の奪還か、ナデシコCの轟沈か。それとも両方なのか。
だが侵入者は、熟考する暇すら与えてくれなかった。

『こ、こちら格納庫…。
侵入者に突破されちまった…。
全員重傷か軽傷だが…生きてるぜ…』

「う、ウリバタケさん!?相手は何を…」

ハーリーがうろたえるのも無理はなかった。
全員、骨折、打撲、気絶で行動不能になっていたからだ。
その状況で不思議に思えたのは、死者が出ていない事…。
そして、何より『敵が銃を使っていない』事だった。

『ば、バケモンだ…。
素手でナデシコCのハッチをこじ開けて入ってきやがった…。
その割に何故だか手加減してくれているらしい…。
油断するなよ…』

「くっ…」

サブロウタは焦った。心当たりがあったのだ。
北辰は木連では裏に属しながらも有名であった。
それでもボソンジャンプでもできるかのように神出鬼没であったため、
顔を知っているのは一部の高官だけだった。
だが、その北辰をも上回る使い手が存在する、という噂があった。
その噂は、「見た事もない北辰を上回る使い手」なのでデマかと思われた。
それは意外なことに北辰がそれを肯定したことでさらに爆発的に広まった。
ただ、サブロウタはさらにそれをデマと思いたかった。

(だが事実だったんだ…)

その噂は、北辰自身が倒れた時に、
まだ隠れている実力者を提示しておけば、
敵対するものへのブラフになる─その準備だと思いたかった。
最悪の事実が、最悪の事態を引き起こそうとしていた。

「ハーリー!各所の状況確認!」

「はい!」

無数のウインドウが開き、各持ち場の状況を示す。


『パイロット控室…すまねぇ…両肩を外されちまった…」

『あたし、柱を抱かされて手錠されちゃった~」

『…女の髪を弄ばれたわ』

リョーコは肩を外されて苦痛に耐えていた。
尻もちをついているため、立ち上がれない。
ヒカルは申告した通りの状態で、
イズミは両手を縛られてヒカルの隣の柱に髪の毛を縛られていた。

「くそっ!相手の目的は何なんだ!?」

サブロウタは手練れが重軽傷や捕縛程度で済ませている理由が分からなかった。

『こちら医務室…こっちには来ていないけど、
ルリちゃんが居る状態はまずいかもしれないわよ』

医務室ではイネスが冷静に状況を分析していた。

「だ、だったら守らないと」

「馬鹿!こっちから向かえば場所がばれるぞ!
それに艦長がブリッジに居ると思っているならそろそろこっちに来る…」

ドォン!ドォン!ドォン! ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!



ブリッジ周辺を守るために降ろしていた隔壁が破壊される音。
廊下に面したブリッジ入り口の手前にある7枚の隔壁が、すべて破壊された。

「あわわわわ…」

「来たか…」

そこには… 真っ赤な瞳と、深紅の長い髪を持った、羅刹が居た。

「艦長を、渡してもらおうか」

「…艦長は、別の艦に居る」

「はっ…自分の艦を放棄してピクニックでも行ったのか?」

─見抜かれている。

サブロウタは、自分の嘘が見抜かれている事に気が付いた。
木連なら、いや木連でなくても当然の事だった。
艦長が艦を離れるのは、通常あり得ない。
交渉事などがあれば離れるかもしれないが、
敵の本拠地上では、うかつに離れないと踏んだのだろう。

「…要求は」

「サブロウタさんッ!?」

「黙ってろハーリー。
隔壁をぶち破る相手に…銃で立ち向かえると思うのか?」

サブロウタの言うことはもっともだった。
殺さずに無力化ができるということは、天と地ほどの力量差がある。
抵抗をするのは自殺行為だ。
相手は、自分たちを殺す気があれば、いつでも殺せる。
サブロウタはそれを知っていた。
何より、味方に手心を加えた相手に強硬に応じられなかった。

「…艦長ホシノ・ルリ…。
イネス・フレサンジュ、
アカツキ・ナガレ、
エリナ・キンジョウ・ウォン…。
そしてテンカワアキトと、
火星の後継者総帥、草壁春樹と、
火星の後継者の技術師、ヤマサキ…。
…以上の身柄を差し出す事だ」

「…他の火星の後継者を、連れていかないのか」

「いらん。火星の後継者は、必要な二名だけでよい。
そうすれば父に誓って、お前らの邪魔立てはせん」

(…どういうことだ?)

今挙げられた敵味方の重要人物を要求するのは理解できる。
しかし、戦力を一切引き取ろうとしない
サブロウタは理由が分からない。

無血開城…意趣返し…人質交換…。

サブロウタの脳内に、さまざまな可能性が想像されたが、
どれも的外れなように感じた。

「…お前の名は?」

サブロウタは、まともに答えてもらえるとは思えなかったが聞いた。

「俺の名は北斗。

─北辰の息子だ」






〇ユーチャリス─メディカルルーム



「アキト…」

ラピスはメディカルマシンに水中花のように浮かんでいるアキトを見た。
このメディカルマシンは、瀕死の重傷であっても一時的に症状を和らげる効果と、
強力な鎮痛作用、そして生命維持と外傷の回復を行えた。
医師を乗せられないユーチャリスは、
このメディカルマシンがなければアキトを治療できず─
また専門的な治療はイネスフレサンジュのもとに一度戻らなければできなかった。
ほとんどは重傷を負ったアキトが死なないように時間稼ぎでしか使えなかった。
ラピスはアキトの様子をじっと見る。
ナノマシンの鎮静剤が効いているのか、アキトからはナノマシンの紋章はでない。
アキトのダメージは深いが、回復出来ないほどではなかった。
それでも、アキトの意識はもう永久に戻らない。
ラピスはそんな直感に、支配されていた。

「…置いてっちゃいやだよ、アキト…」





〇ナデシコC─ブリッジ



ブリッジは、数秒全く動きがなかった。
北斗も彼らを急かす事はなかった。
サブロウタにはその数秒が、とてつもなく長い時間に思えた。

「…イネスさん、申し訳ないが、
アカツキ会長と、エリナ秘書を連れてきてくれないか?」

『…ええ、分かったわ。 人質交換の形になるわね…』

イネスは人数に対して、つり合いが取れてはいないと思ったが、
北斗に従わなければおそらく全滅する─
北斗自身はそうは脅さなかったが、状況はそう語っていた。
ブリッジには既に捕縛を解かれた草壁とヤマサキが居た。
まだ武装は解かれている。
それでもハーリーとサブロウタは睨まずにはいられなかった。

「北斗、君が約束を守るとはな」

「勘違いするな。
お前にも約束を守ってもらう。
…ついでにウチの家との縁も切ってもらう」

「ああ。必ず守ろう」

北斗は草壁を信用しきっていないようだった。
とげとげしい発言と、草壁を見る瞳が─憎悪と怒りを含むものだった。

「あの…」

「止めろ、ハーリー」

ハーリーはそれを敏感にとらえたが、
サブロウタはハーリーを止めた。

「…俺たちが介入できる話じゃない」

ハーリーは、草壁が何を握っているのかが分からなかった。
だがサブロウタは、草壁が北斗の弱味を握っているようには感じ取れた。
北斗は、二人を見つめるが、すぐに目線を離す。

「…本当にいいのか?全戦力を放棄してしまっても」

北斗は、草壁に自身の疑問をぶつけた。
それはハーリーとサブロウタに聞かせるべき内容だと思ったのだ。
草壁も気付きながらも、答えた。

「ああ、もう必要ない」

「なぜだ?」

「勝つために必要なものが…。
本当の意味で必要なものが分かったからだ。
なら…弱い兵士に居られると困るのだよ」

サブロウタとハーリーは衝撃を受けた。
草壁は、どんな戦力、準備を隠し持っているのかは分からないが、
要約すれば「人材はヤマサキ一人いれば勝てる」と言っている。
どんな時代、どんな場所でもありえない采配だ。

「…何を考えている、草壁」

「これから縁を切る人間に話す事ではない」

北斗は舌打ちをして、それきり草壁を見るのをやめた。
北斗にとっては、この一件すらも、別の目的あっての事だった。
ナデシコCの乗員には気の毒なことだったが、それでもやらなければならない理由があった。

「安心しろ、彼女は無事だ」

「…無事でなかったらお前を殺すッ!」

「いやぁ、厄介だね、君も。
『笛』が効かなくなったから放逐して正解だったよ」

「くっ…」

北斗と草壁の間にどんな関係があったのか、
ハーリーとサブロウタには想像がつかなかった。
彼らの重い空気を押し切って、ブリッジに青白いボソンの粒子が光り─
直後、イネス、アカツキ、エリナが現れた。

「テンカワアキトとホシノルリはどうした?」

草壁は要求したのに来ない人間が居ることに声を発する。

「……アキト君は、既に動けないのよ。
連れてきても仕方ないわ」

「…私、はここです…」

ルリがブリッジの入り口に佇んでいた。
まだ、足元がふらついている。

「艦長!出てこなくても…」

「…いずれはバレる事です。
それに私のせいでみんなを……傷つけたくないんです……」

ルリは、自分がこれからどんな目にあうかも承知で、
乗員の命を救おうとしていた。

「良い心掛けだ。
…まあいい。テンカワアキトは諦めてもいいか?博士」

「ええ、彼ももうどうこうできないでしょう。
サンプルはまだかなり残っています」

「なら良い。 艦から出るぞ」

「ああ、君たち。
僕達が艦を降りたら…もう出港してくれ。
いつ寝首を掻かれるかわからないままじゃ、安心できないからね」

草壁とヤマサキ、そして北斗は、
サブロウタとハーリーから銃を奪った。
その銃を突き付けながら、4人を連れていった。

ガンッ!

「クソがぁッ!」

残されたサブロウタは拳を床に叩きつけた。

「…女子供の為に戦い、守る木連魂…教えたのはアンタだろッ!
それが…それが…ッ!」

サブロウタは、草壁が道を間違っても、教えは間違ってないと思っていた。
それが自分の生き方になっていた事も、誇りだった。
だが、教えを否定するような行動を草壁が取り、
そして教えを学んだ自分がルリを盾にして生き延びてしまった。
その事実は、サブロウタを苦しめていた。

「…」

ハーリーは何もできなかった。
ルリが苦しんでいるとき、
何も声をかける事もできず、何もできない自分を嫌っていた。
ハーリーは涙を流し、絶望する中─
ユーチャリスにメール通信を送ることしか、できなかった。





〇ユーチャリス─メディカルルーム



ラピスは、アキトの入ったメディカルマシンの前で座り込み、膝を抱えていた。

(アキト…)

ラピスはいつも通り隠しドックに向かい、
アキトの治療を行おうと考えていた。しかし…。

『ラピス、ハーリーからSOSが来ているよ!』

「え…」

『ホシノルリが火星の後継者に捕まった!
イネス、アカツキ、エリナも!』

「あ、あ、あああ…」

ラピスは、自分に良くしてくれた人がすべて奪われた事に、呆然としていた。
ラピスの脳内に、彼らとの思い出がフラッシュバックする。

いつも優しかった、イネス。

アキトをからかいながらも、楽しいことを忘れさせなかったアカツキ。

悲しそうだけど、自分とアキトを愛してくれたエリナ。

そして─自分と同じものを持っていた、ルリ。

彼らが、これからどんな目に合うのか想像に難くなかった。

「…アキト!起きてッ!アキトッ!」

ドンッ。ドンッ。ドンッ。

メディカルマシンをたたくラピス。

その装置を止める方法を知っているが、
アキトが目覚めないことのほうが問題だった。

「お願い…アキト…」

アキトが、何もせずに彼らを死なせてしまったら…。
アキトは二度と心を開くことはないだろう。
ラピス自身も同じくそうなると分かっていた。

(起きて…助けて…アキト…)

ラピスはリンクで何度も何度もアキトを呼ぶ。
だが、アキトの意識は、まだ混濁に支配されていた…。





〇─アキト

─俺は闇の中で漂っていた。

冷たいようで、感覚がなく…夢を見ているようにも思えた。

この数年、何度も意識を失ったが、こんな事は一度もなかった。

意識だけが妙にはっきりしていて、いろんなことを思い出す。

ユリカ…。

ルリちゃん…。

アイちゃん…。

イネスさん…。

エリナ…。

アカツキ…。

ナデシコの、みんな…。

楽しかったあの頃…。

それを壊された事…。

苦痛にさいなまれた一年…。

復讐を目指した二年…。

そして北辰を倒した事…

すべてが速く、走馬燈のように駆けていく。

ああ。

俺はこれから死ぬんだ。

ごめん、みんな。

最後にあの場に残った方が良かったかも─

でもいいんだ。

もう、やりきった。

後悔なんてもう─

『…けて…』



『たす、けて…』

これは…ユリカ…?

『助けてっ!アキトッ!』

小さいころのユリカ…。

俺に抱き付いて来た…。

まだ逝けない、のか…俺は…。

…。






〇ナデシコC─メディカルルーム

「アキト…気づいた…けど…」

ラピスはアキトの覚醒に気が付いた。
しかし、アキトの肉体が、既に限界を超えてしまっているため、
アキトの肉体は覚醒しない。

(ラピス…どうした?)

(ルリが、イネスが、アカツキが、エリナが…!
火星の後継者につかまったの…!
アキトも捕まえようとしているみたいで……)

(!?どうして…)

アキトは、あの状況から火星の後継者が反撃出来るとは考えられなかった。

(早くいかないと…アキト、起きられない…?)

(…だめだ、意識は戻ってるが、体が動かない)

アキトは強力な鎮静剤と鎮痛剤を服用しても、
ラピスとのリンクさえあれば、体は動く。
しかし…。

(運動神経がやられている…目も開けられない……)

アキトは、度重なる激闘で、脳神経をほぼ壊されてしまっていたのだ。
身体への電気信号の伝達ができない。

(…アキト)

ラピスは、息を飲んで、アキトを見つめた。

(ラピス…?)

(ごめん、なさい)

(何を言っている?どうしたんだ…?)

ラピスが突然謝った。
アキトはそれを気にする間もなく、ラピスは自分自身を投げ出した。

「…全神経リンク…開始」



(!バカ!やめろ!ラピス!)

ラピスの体が、発光する。
ナノマシンの光が、メディカルルームをすべて支配する。
アキトは、ラピスのしようとしたことが理解できた。
全神経を完全にリンクさせる─アキトのしようとしたことを、
ラピスがすべて実行できるようになる─つまりアキトがラピスに乗り移ることになる。
だが、結果として当然ラピスの意識は押しやられて──

(いいのアキト…。
私も、無くしたくないものがありすぎるから─)

ラピスの目から、血の涙がどろりと流れた。
それと同時に、ラピスの意識が、消え始めた。

(だから、お願い──私の代わりにみんなを助けて…)

「……バカな事を…ラピス…ごめん……。
俺がリンクを切らなかったばかりに…」

先ほど、一時的にでもリンクを遮断していたなら、
この全神経リンクはできなかった。
だが─そうしなければ、囚われた四人は、助けられない。
しかし、アキトの脳裏に別の疑問が浮かんだ。

(助けられるのか…?)

アキトはラピスの体力では戦闘は難しいと思った。
それでも、行かないわけにはいかなかった。

(せめて…彼女達のそばに居れば…ッ)

アキトを再び後悔が襲う。
ナデシコCに残っていれば、少なくともルリは守れたかもしれない。
アキトは選択を誤ってしまったことを後悔しながらも、
ラピスの身体で、立ち上がった。
そして自分の体をメディカルマシンから出し、かろうじてストレッチャーに乗せる。

「ダッシュ、火星に戻っているか…?」

『そう来ると思って、既に向かっているよ』

「…すまん、ダッシュ」

『ラピス…?』

「ああ、大丈夫」

ダッシュは、ラピスの体の状態が分かっていないようだった。
アキトは、ラピスの体で、勝てるかも分からない戦いに出なければならない。
どうしようもない状況の中で、ユーチャリスは火星へ再突入しようとしていた。





〇火星─地上

ナデシコCと火星の後継者の艦船が、ようやく地上を飛び立った。
地表に降り立ったルリ達と草壁達。
隣には既に脱出用のシャトルが置いてあった。
草壁は船が見えなくなるのを見計らって話を始めた。

「君たちにはさんざん邪魔されてきたわけだが…」

草壁はわざとらしく、銃を突き付けて話始めた。

「まず、アカツキナガレ。
こちらに来る気はないか?」

「ないね。 第一メリットが皆無じゃないか」

「覇権を握る者の下につくのがメリットがないと?」

「覇権を握る保証もないのにできるわけないじゃないか」

「じゃあ、死ね」

パァン。

「げほっ…肺を撃つとは意地が…わるい…ね…」

「アカツキ君!」

「続いて、イネスフレサンジュ!
…ヤマサキ博士と組めば、何も怖くはないだろう?」

「…お断りよ。
撃つなら、さっさと撃ちなさ…」

パァン。

先ほどのアカツキと同じように肺を撃ちぬかれる。

「ごほっ…」

どさっ…。

「なんて…何てことするのよ…」

「自分の命と自分の利用価値を、
うまく計れないからそうなるのさ」

「…人でなしッ!」

「言うよねぇ?
ボソンジャンプの人体実験を繰り返した地球側の人間が」

「クッ…」

「まあ…いいか。
君は、こっちに来るつもりはないの?」

「…この二人を助けて。
そうすれば…」

パァン!

「その二人は拒絶したからね?」

「げほっ、げほっ…」

今度は、エリナの片肺が撃たれた。

「え、エリナさん…」

言葉を失っていたルリも撃たれた彼らを案ずるが、
おそらく助からない傷だろうというのも分かっていた…。
そしてルリは草壁達は自分を撃たないだろうというのも理解していた。

(だったら私は…)

「がふっ!?」

「良い覚悟をしているようだが、遅かったな」

草壁はルリが舌を噛み切ろうとしたのを見逃さなかった。
草壁はルリの口に手を突っ込んで止めた。
山崎は、ルリの口に猿轡を噛ませて、自害を防止した。

「君はマシンチャイルドの可能性を教えてくれた。
感謝するよ。
このためだけに火星の後継者全軍を犠牲にしてもおつりがくるんだ。
君という生体サンプルが一人いれば、いくらでも何とかなる」

「はにをふるひへす…」

ルリは何をする気なのか、と問う。

「クローンさ。
テンカワユリカを操る時に使ったクローン技術…脳改造技術。
そしてテンカワアキトという最優秀兵士…。
ホシノルリというマシンチャイルドの電子制圧能力…。
増産すれば、怖いものなしということさ」

「!!」

ルリの瞳が大きく開く。
自分のしたことで、敵に大きな武器を与えてしまう事に気が付いた。

「君がここまでやれるというのは計算外だった…。
だが、そのおかげで少人数での制圧も可能になる。
兵士の教育も…脳操作で簡単になる。

絶対服従の、A級ジャンパーの最強兵士が生まれるわけさ!
そうなれば遺跡の操作などいらなくなる!」

「連合軍はボソンジャンプの封印をいずれ決定するだろう。
…そうなれば、我々の優位は、永久に崩れん!」

「われわれの隠しプラントは木星にある。
本来1000人も支えられない程度の小さなプラントだが、
すでにクローン増産の体制、施設は作ってある」

「テンカワアキトとホシノルリの…。
いわば子供たちによって、すべてが支配されるのだ!」

ルリは涙を流した。
いずれ自分が投薬で操られ、技術を少しずつ盗まれ、
最終的には実験動物にされる未来が待っている。
そして、それによって仲間たちがいつか追いつめられてしまう。
そんな未来に抵抗すらできないのだ。

「北斗、ここまで聞いても、縁を切りたいか?」

「…ああ」

「そうか。
なら、この場所に行け。
彼女が待っている。
それで手切れだ」

北斗は、草壁が持っていたメモを手に取ると、
苦虫を噛み潰したような表情で、草壁を睨んだ。

「…外道め」

「約束は守った。
結果がすべてだ」

(助けて…助けてアキトさん…!)

ルリは最後の希望に縋り付くことしかできなかった。





〇ユーチャリス

ユーチャリスは、火星に着くと、ユリカが助けられた場所に戻る。
草壁の逃走用のシャトルだけがそこに残っていた。
だが…。

「アカツキ!イネス!エリナ!」

ラピスは撃たれて倒れている3人を見つける。
ユーチャリスを着陸させると、彼らのもとに向かおうとする。
だが…。

(あの出血では、もう…)

それでも、行かなければ…。
ラピスは、アキトの体をストレッチャーで運び、アカツキたちのもとに進む。

「ひゅー…ひゅー…げほっ…。
お、遅かったじゃないか…」

アカツキの憎まれ口も、この時ばかりは堪えた。
イネスとエリナは、まだかろうじて生きては居たが、失血で既に意識を失っていた。

「ルリ…君は生きてる、が…。
君も、そのザマじゃ…じゃ、な…」

「アカツキ…ごめん。
イネスと、エリナも…」

ラピスは自分のつまらないプライドで、
3人を死なせてしまう事が、悔しかった。

「なんとか…できる…かい?」

「なんとか…する…」

ラピスは、分からない、できない、とは言えなかった。

「ふ…無鉄砲で…アキト君みたいじゃ…」

「しゃべるな、アカツキ…。
苦しくなるだけだ」

「…はは」

アカツキは、ラピスがアキトに動かされている事をなんとなく、理解した。

「動かないでよ、人形さん」

「…ッ!」

シャトルからヤマサキが、ルリに銃を突き付けて現れる。
ラピスは、同じく銃を構える。銃が一度撃てるかどうか怪しいその手で。
ヤマサキは皮肉そうな笑みを浮かべながら、ラピスを見下ろす。

「撃ったこともない銃を構えて、何ができる?」

ラピスはヤマサキに返事をせず、狙いを定める。
ヤマサキは油断していた。

パンッ。

「あ…?

が、があああああああッ!?」


ラピスの撃った銃弾は、ヤマサキの目に当たり、
山崎は悶え、倒れる。
ラピスも手を痛めて銃を手放す。
ルリはよろめきながら、膝をついた。

「ルリちゃん…!」

そしてアキトが寄り添おうとしたとき、ルリは少し戸惑った様子だった。
だが、ラピスはこのような行動が取れるわけもなく、さらに戸惑っていた。

「ルリちゃん、ごめん…俺が離れたばかりに…」

「アキ…トさん!?どうして…」

「ラピスが体を貸してくれたんだ。
でも、そのせいでラピスの意識はもう…」

「そう…なんですか…すみません、私のせいで…」

「やってくれたな」

草壁は、ヤマサキの悲鳴を聞き、現れた。
ラピスと、ルリに銃を向けて、睨んでいた。

「ヤマサキの代わりはおらん…詰みのようだな」

「…草壁…貴様、どこまで一人よがりの理想にすがる!」

「ふん、使い捨ての妖精風情が思想を口にするか。
だが…それもここまでだ」

ルリは、ラピスを抱きしめた。
もう、だめだと震えていた。

「…ルリちゃん、ゴメン」

「…ッ!?玉砕だと!?」

ラピスはルリを抱きしめながら、グレネードのピンを抜いた。
だが、そのグレネードは─

「ボソン粒子…!?」

「しまった!!貴様ら…ッ!」

再び銃を構えようとする草壁だが、即座にジャンプしてしまう。
ボソン粒子とボソンフィールドが展開する、グレネードだった。
テンカワアキトの切り札─それは、自分をまきこんでのジャンプ。
敵がB級ジャンパーかA級ジャンパーでない限り、死を免れない。
ラピスとルリが助かる方法はこれしかなかった。

ラピスがアキトの体を運んできたのは、
敵の注意を引く為と、このボソングレネードのナビゲートのためだった。

「アカツキ…すまん。助けられなかった…」

「いいさ…仇を…っ…討ってくれた…」

「アキトさん…!」

「ルリちゃん…もう離れないよ。

命が尽きるまで、君を守─」

しゅんっ…。

アキトも、ルリも、ラピスも、ヤマサキも、草壁も、
イネスも、アカツキも、エリナも…。

ボソンの粒子と共に消えた。













































〇作者あとがき

どうもこんばんわ。お久しぶりです。
久しぶりにやっちまった武説草です。

十年以上ぶりというブランクでの参戦ですが、

それなりに話の作り方を練習してきました。
とはいえ、相変わらずの文才文体で失礼させていただきます。
楽しんでいただければ幸いです。それにしても…。
ああ…。

初連載から年齢が倍になっちまった…。

…時が経つのは速いものですねぇ…(白目)

ナデシコを久々に見返したら、当時気がつけなかったところに気が付いて、
「やっべぇ、やっぱ面白いわ」
状態になってつい筆が走りました。 公開はしても後悔はしない、ですッ!!

では、続きをどうぞお楽しみに~。








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代理人の感想 
改めてお久しぶりです。新連載がんばってください・・・

>年齢が倍
ぐぶっ!?



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