うづきは今混乱に包まれていた。

そこにいる者達は何を見るのか?






第19話「君が笑ってくれるなら」











−ヒロシゲ−




俺は、何が起こっているのか分からなかった。




俺は死んだんじゃなかったのか、そしてここはどこなのか・・・と誰かに聞いてみたかった。

・・・っと、幸い近くに聞ける人物が居たな。

30くらいの男だ。

「一体何が・・・ここはどこだ?」

「・・・ここは木連・・・木星蜥蜴の戦艦だ」

・・・・はぁ?

木星蜥蜴の戦艦?

更に混乱してきそうなのでそこは忘れて、聞きなおすことにした。

「・・・で、俺は何でここに?」

「細かい話は後にしてくれないか?

・・・混乱するのは分かる。

私達が逃げるチャンスはここしかないんだ。

これを着てくれ、逃げるぞ」

「あ、ああ」

パンツ一丁だった俺はその男に白衣とズボンだけ渡されてすぐに着替える。

何が何か知らんがここはあの世じゃねえって事は確かだな。








それならやる事は決まってる。









シーラに会う。

生きる目的なんてそれだけだ。

それだけで俺は十分だ。

逃げて果たせる目的なら、逃げて逃げて逃げまくってやる。

シーラの顔を一目見るまでは死んで溜まるか。

あいつの喜んだ顔を・・・見てえ・・・。

それだけで俺はもう一度死ねる。

・・・一度死んじまうとなんとなく無欲っぽいな。

「名前くらいは教えてくれねえか?

なんか、命の恩人みたいだしな」

「私はタニ・コウスケだ」

「俺はマエノ・ヒロシゲだ。

タニさん、案内頼むぜ」

とりあえず俺達・・・周りにいた何人かの研究員らしき男達も含めてだ。

移動を開始する。

・・・にしても、戦艦の中か。

こーいう時は脱出ポッドとか使うのがポピュラーだよな。

タニさんは格納庫の場所知ってんのか?

ちょっと待てよ。

逃げる・・・って言ったよな。

てことは・・俺達は逃亡中な訳だ。

てことは・・・・・・・・・場合によっては殺されるわけだ。

しかもこんな10人くらいの人数だぞ。

・・・逃げ切れんのか?

「なあ、タニさん。

こんな人数で逃げきれるのか?」

「・・・さっき、この艦に襲撃があった。

その混乱に乗じて脱出するんだ」

・・・おいおい、それでいけるのか?

ある意味正気の沙汰じゃないぞ。

ど素人まるだしだな。

・・・ま、助けてもらってなんだが。



「抹殺のラスト・ブリット!!」




・・・ん、なんか聞き覚えのある。


シーラ・・・だよな?


何でこんなトコに居るんだ?

・・・・いや、そんな事はこの際どうでもいい。

「ちょ・・・俺、用事が出来たみたいなんで先行ってくれ」

「・・・危険だぞ」

「なあに、ちょっと野暮用だ」

「・・・なら、私だけでもここに残ろう。

皆は先に脱出してくれ」

タニさんが促すと他の研究員は去っていく。

リーダー的な役割だったのか・・。

びゅんっ!!

「!?」

何か飛んできた物を反射的に受け取った。

これは・・・腕!?

「何が・・・何が起こってんだよ・・クソッ!訳わかんねぇ・・・」

腕が飛んで来た方を見ると・・・見慣れた白髪が見えた。

「シーラ・・・!?まさかこの腕・・・」

「私・・・死んでいいの?」

銃を向けられて伏せっているシーラの姿が・・やけに悲しくて・・小さい呟きが耳に響いた。



馬鹿野郎、諦めんじゃねえ!!



俺はここにいるんだぞ!?

俺がお前を好きで・・・お前は俺が好きなんだろ、死ぬな!


「死ぬな・・・」


思わず・・・言わずには居られなかった。



「死ぬな・・・」



俺は走り出した。



俺は・・・また命を捨てようとしてるんだな。



だが、今度は死んで溜まるか!



もう一度シーラの笑顔を見るまでは死ねないんだ、こん畜生ッ!!



「死なせるかぁ!!」




ばあんっ。





何とか・・・銃撃がシーラにも俺にも当たらないで済んだ、か。

間に合った・・・。

「間に合ったな・・・シーラ」

「ひろ・・・しげさぁん・・・」

あーあ、泣いちまって・・・俺も泣きたいけどな。

けど・・・この場を乗り切らない事には泣けねえ。

・・・まあた出てきやがったか、クソ親父。シーラの父親・・・だが、許せねえな!!

「てめえは許せねえ・・・シーラを弄び、挙句の果てには殺そうとするてめえだけは・・・!」

がつんっ!

俺は銃を蹴り落とす。

銃なんて物騒なもん使われて溜まるか。

俺は不死身じゃーねーんだ。

もう一人のオッサンが銃を出した・・・が、遅え!

がすっ。

踏み込んでからのミドルキックで銃を吹っ飛ばす。

そして落ちた銃を拾い、二人に向ける。

「形勢逆転・・・てやつだな、これは」













−リチャード−

この辺りでゲーム・オーバーにするか。

ヒロシゲ君も処分して・・・だな。

いい加減、これ程の力を放っておけば危険だ。

私とほぼ互角の技術を持ち、さらにはアイビスを使えるとは思いもしなかった。

今の一撃はお前の最後の一撃だろうな。

もう立てるわけがない・・・。

私でさえすでに足にきているのだからな。

「さあ、死ぬがいい」

悔しそうにするでもなく・・・何か悟ったような顔だな。

中々いい表情じゃないか。

死んだら剥製でも作ってやろうか?

「私・・・死んでいいの?」

自分ではすでに判断もつかない・・・・哀れだな。

ここでお前が立ち上がれたら・・それはそれで面白かったが、

ゲームって言うのは最後にプレイヤーが勝てるから面白いんだ。

プレイヤー同士でない限り、負けて面白いゲームなんて無い。

お前はあくまでキャラクター。

こちらが作ったシナリオどおりに進めばいい。

さて、十分楽しませてもらった・・・死ね。


ばあん。


・・・な?

何故、ヒロシゲ君がここに居るんだ?

私が準備した・・・新たなシナリオをプレイするための駒が、何故!?


がつん、がすっ。


山崎さんの銃まで落とされた・・・か。

・・・ちょっとミスを犯したようだな。

私ともあろうものが。

ここでミスが出てくるとは・・。

私がゲームを進める上でのポリシーには反するがここは一度撤退して・・・だな。

だが、ヒロシゲ君。

君もミスを犯した。

私の銃を落としたまでは良かった・・。

なら、そのまま私と山崎さんを撃てばよかった。

だが・・・そこで迷った為に距離が開いた!

私も山崎さんもカバーできるほど・・・丁度いい距離に離れた!

「・・・つくづく甘い、君は大甘だ。

詰めが甘い・・・それではゲームには勝てない」

「何言ってんだ?」

「つまり・・・今日は君の勝ちだが、タイムオーバー勝ち・・・私は生きていられるという事だ!!」

ばしゅんっ!














「何・・?」

ディスト−ションフィールドが張られている光景を見て、ヒロシゲは唖然とした。

彼の知る限りでは人がディストーションフィールドを張る事など不可能だ。

試しに、と銃で撃ってみるが・・・銃弾は逸れて外れてしまう。

「そういう事だ・・・山崎さん・・・行くぞ・・・」

「待ちやがれ!」


ヒロシゲが進みこもうとするが、リチャードの不敵な笑みが目に入る。

「無駄だ・・・そのディストーションフィールドを破る術はない」

「ち・・・」

「・・・今は好きにしろ」

立ち止まった所に意外な一言を言われた。

だが、その次の言葉に、彼は激昂した。

「だが、その内死神を送ってやるからな。

それまで・・・せいぜい幸せな時間を過ごすんだな」

「てめえは!

そんなくだらねえ脅しがいまさら通用するかってんだ!

俺を、シーラはボロボロにして・・・。

いまさらなんだよ、ゲスヤロー!!」

吼えるヒロシゲを尻目に、二人は静かに立ち去った。

二人が立ち去ったのを確認してからヒロシゲはシーラの元に近寄る。

「シーラ、待たせた」

再び笑顔を見せて倒れているシーラのそばにしゃがみこんだ。

「ひくっ・・・ヒロシゲさん・・・」

「泣くなよ」

嗚咽しながら何かを話そうとしているシーラを嗜めるようにヒロシゲは呟く。

事実、彼女は酷い顔をしていた。

彼女のトレードマークと言える白髪が乱れ、

涙で顔がぐちゃぐちゃになっている。

「ヒロシゲさんだって・・・泣いてるくせに・・・」

「あ・・・」

自分の頬を触って涙が伝っている事に気付く。

「ま、まあ・・嬉しいなら泣くんじゃなくて笑おうぜ」

そう言って少し引きつった笑顔を見せる。

「・・無理言わないで下さい・・・よ・・」

「ほら、メソメソするな」

ヒロシゲは自らが床に座り込み、そっとシーラを持ち上げ、自分の胸に寄りかからせた。

そして、シーラの背中を優しく擦り始める。

「・・・な?

泣くなよ」



す・・す・・・。



「うえ・・・うわぁあ〜〜〜ん

だが、シーラはさらに泣き始める。

ヒロシゲが死んでから今までに閉じ込めてきた寂しさ、悲しさ、そして空虚感がいっぺんに襲ってきた。

「ヒロシゲさぁん・・・ひくっ・・・駄目です・・今っ・・・泣く事しかできません・・っ!」

「泣くなって」

「泣かせてぇっ・・・くださぁいぃ・・・」

「泣くなって・・・俺は、出来ればシーラの笑顔が見たい・・・」

シーラの肩を少し強く抱きしめ、耳元で小さく囁く。

シーラはヒロシゲの着ていた白衣の裾を強く握り締め、肩をぶるぶると震わせていた。

「私・・・ヒロシゲさんの為に笑いたい・・・でも笑えないんです・・・今は・・!

三回も命を救ってくれたのに・・頼らせてくれたのに・・・・・・ヒロシゲさんの為に何も出来ない・・・」

「・・・そんなに気負うな。

今笑えないなら・・・・・・・・泣いていい。

好きなだけ泣いてくれ・・・。

そしたら・・・いつもの可愛い笑顔、見せてくれ・・・」

その一言に限界が着たかのように泣き声が大きくなり、ヒロシゲの胸元に頭をうずめた。


「わあああぁぁぁん・・・」


そして、シーラは思う。

(ヒロシゲさんの為に笑いたいのに・・・。

いっぱい、いっぱい話したい事もあるのに・・・。

嬉しいのに・・・生きていた中で一番嬉しいのに・・・。

今は泣く事しか出来ないなんて・・・)

シーラは自分が思いつづけた人の為に笑いたかった。

しかし、泣くことしか出来なかった。
















だが、彼女は気付いただろうか?


















ヒロシゲもただ静かに静かに涙を流していた事を。
















涙を流している姿を見られないように。



















シーラが自分の事を気にかけて泣けなくなってしまうかもしれないと危惧していた事を。












ただ、何を言っていいのか分からなかった。
















ただ。









今、出来る事はこれだけだ、と思った。












謝ってくれる事を望んでいるはずは無い。











だが・・・彼にはこれくらいしか思い浮かばなかった。




















・・・五分ほどだろうか。










二人は再び交わった時間の中で、落ち着きを取り戻そうとした。





シーラは、頭をうずめたまま小さく呼吸をしている。

「ヒロシゲさん・・・ヒロシゲさん・・」

「俺はここに居る。安心していい」

「・・はい・・・」

静かに呟くが、その声は少し曇っていた。

彼女は激しい戦いの疲労とアイビス、再会の感動、思い人の胸の中に居る安心感で急激な眠気を感じた。

それに気付いたのか、ヒロシゲは言う。

「疲れたろ、寝てな」

「でも、でもぉ・・・」

彼女は意識を手放してしまうと、夢を見ていたと錯覚しそうで不安に思う。


だが、それも次の一言で霧散した。


「そんなに不安なら頬を思いっきり引っ張れよ。

痛みで今が現実だって思い返せるだろ?」

その一言にシーラはほっとする。

「大丈夫です・・・腕がすっごく痛いから・・これは現実です・・・。

すいません・・・寝ます・・おやすみ・・・」


すーっ・・・すーっ・・・。


すぐに寝息を立てて熟睡してしまう。

ヒロシゲは熟睡した事を確認してシーラを抱き上げる。

「馬鹿野郎、無理しやがって・・・」

ぽたぽたと涙がシーラのジャケットにかかる。

ボロボロの姿を見て、ヒロシゲは酷く可哀相に思った。

「・・・ヒロシゲ君、そろそろいいか?」

「あ・・タニさん」

急に出てきたタニにヒロシゲは驚く。

と、自分が泣いている事に恥ずかしさを感じ、誤魔化すように顔を背けた。

「行くぞ」

「あ、ああ」

ヒロシゲが小さく返事をすると、二人は走り始める。

そして、ヒロシゲは思う。

(・・・何がなんだかわからんが、俺は・・・生きてるんだな)

頬を伝った涙の感触に、どことなく、生を感じる。

シーラの温かい体温が、自分は死んでいないと教える。

(・・・シーラ、ついててやるから今は休んでくれ。話はそれからだ)

ヒロシゲはシーラの穏やかな寝顔に、どこか、自分も安心できた気がした。

走っているのに、どこか、疲れが取れていくような感触を覚えていた。



彼は、どこか満足した面持ちだった。




















−アキコ−

「くっ!」

「どうした、やる気が無いのか!?」

クソッ・・・昂氣同士の戦いは気が抜けないな・・・・・。

一瞬休んだ暇に軽い一撃でも貰ったら、ジ・エンド。

だが・・・五分五分の戦いだ。

つまり、気が抜ける以前に・・・守りに入りつづければ勝機は無い。

しかしここで負ければ・・・・ユリカが・・・。

かといって北斗を殺す事は出来ない。

こんないいライバル探しても一生見つからないだろうし、枝織ちゃんが可哀相だ。

・・・どうするか。

と、思考を途切れさせる介入者が現われ、

俺と北斗の間に割ってはいる。

「そこまでだ、北斗」

「・・・誰だ?」

何だ?赤い・・・・目に、白い髪?

シーラちゃん・・・じゃない。

誰だ?

「・・・こんな姿になったが我は北辰だ」


!!??


俺は一瞬意識が飛びかけた。

生きているとは聞いたが・・・何故こんな体に?

「北斗、そろそろ潮時だ。

この艦もほとんどの乗員が怯えて脱出した。

・・・情けないが、我等だけではどうしようもない。

草壁殿に仕える身、ここで死んでは元も子もない」

「ふざけるな!!

俺は、こいつと戦う為にここに来たんだ!

それをみすみす・・」

「・・・案ずるな。

次は本気で戦える保証をしてやる」

「・・・信用は出来ないが、いいだろう。

だが、それが嘘ならば俺はお前を殺すからな」

「・・・分かっている」

北斗は踵を返した。

「・・・じゃあな」

「さらばだ」

二人は立ち去ろうとする。

・・・だが、北辰が振り返る。

「ああ・・・言い忘れたが、戦争の女神よ」

・・・俺に言ってるのか?

「・・・お前も北斗も所詮は女・・・。

お前らの拳に見える、女としての微かな自覚・・・。

拳を乱しているぞ」

何を!?

俺は・・・確かに女になろうと考えているが・・・。

拳を乱した!?

「親父!?何を言ってる!!」

「女として中途半端では戦いにも差が出よう。

我が妻も、一時はそうだった・・・だが、それを乗り切ったあやつは恐ろしく強かった。

拳に曇りが出ているお前等は、弱い」

く・・・言わせておけば!

「それを認めぬ限り、貴様等は漆黒の戦神にも、枝織にも勝てん」

「なん・・だと。

クソ親父、もう一回言ってみろ!」

「今はそんな事をしている暇は無い。

帰ったら木織に聞いてみろ」

「ああ、言われなくても聞いてやる!」

「では・・・さらばだ」

二人は消えていった・・・だが。

どういう事なんだ?

俺が・・・弱くなったとか・・アイちゃんにも言われたが・・・。

「アキコ!」

「あ、コウタロウ・・・よかった。

無事だったんだ」


がばっ。


ユリカが抱きついてくる。

思わず俺も抱き返す。

「心配かけないでよ・・・心配したんだよホント・・・・」

「ごめん・・・」

目を潤ませて俺を見つめてくる。

・・・まだユリカは女らしいな。

「チャーハン、美味しかったよ」

「!」

驚いてる驚いてる。

けど、俺は料理人だ。

ちゃんと指摘をしないといけない。

「でも・・・ちょっとしょっぱかったかな」

「へへ・・・」

ユリカが照れるように額を掻いた。


ぱんぱんっ。


「はいはい、そこまでだ。

今はそんな暇は無いし、見てるほうが暑くるしい。

早く脱出するぞ」

「あ・・・はい」

・・・そういえば、俺・・・こんな時はいつも・・・やめろって言って・・たよな?

周りを気にして・・・一旦離せって言うよな?

・・・おかしい、何か・・・ずれてるな。

















−アキト−

「ちっ・・・!」

俺は正直焦っていた。

枝織ちゃんは本気で俺を倒そうとしている。

全く、攻撃に遊びがない。

「アー君、ちょっとは返してくれないとすぐに終わっちゃうよ?」

「・・・!」


ざんっ!


くっ・・・容赦ない抜き手の一撃か・・。

何とか避けきれたが・・・。

前とは違って俺の実力を測る必要もない・・・そして手加減もしていない。


何より、急所しか狙ってこない。


簡単に終わらす・・・そんな感じだ。

今回は本気で殺そうとしている。

くそっ、和平が成立すれば殺し合いなんて・・・しないで済むのに・・!

「枝織、そこまでだ」

「あ、お母さん!」

・・・?

思わぬ乱入だな。

この人が枝織ちゃんの母親か・・。

「潮時だ。

撤退する」

「え〜?

アー君は?」

「いい、本気で戦える舞台を準備してある」

「・・・分かった。

じゃあね〜」

「あ、ああ。またね」

「テンカワ・アキト」

「はい?」

「・・・家族が迷惑をかける」

「い、いいえ」

・・・・・・実は結構律儀なのか?

北辰の家族って・・・。

それより・・本気で戦える舞台って・・・・。

まだ、戦う機会があるって事か。

それより・・みんなが心配だ。

「あ、アキト」

「居た?」

「アキト〜〜!!」

お、奇遇だな。

みんな脱出成功してたか。

抱きついてくるユリカを受け流す回避をして、アキコに話し掛ける。

「無事だったか」

「ああ」

「おかげさまで」

「・・・・っと、どこの団体さんだ?」

シーラちゃんを抱えた男と一人の男が現われる。

「あ、あなたは?」

「マエノ・ヒロシゲだ・・・が?」

と、俺の顔を覗き込んでくる。

「お前・・・どこかで見た顔だな」

「え・・・?ちょっと・・・待てよ、マエノ・・・マエノ?」

そうだ!マエノ・ヒロシゲ・・・って言えば!!

「その無精髭!ヒロさん!ヒロさんですか!?」

「アッ君!そういうお前の癖っ毛は!アッ君じゃんよ!!」

「・・知り合い?」

ユリカが指でつんつんと肩を突付いて聞いてきた。

「ああ、昔孤児院に居た頃仲が良かったんだ」

「いっや〜、マジに久しぶりだぜ。

つーかこんな所で再会するとはな。

シーラに出会ったのも意外だったが・・・」

「え?ヒロさんはシーラちゃんと知り合いなんですか?」

「ああ、1年程世話をしたことがあった。

・・・それよりこんな所で立ち話もなんだ、さっさと脱出しちまおうぜ」

「あ、そうですね」

再び、歩き出す。

すると、一人の少女がなにやらブツブツいいながら歩いてくるのが見えた。

「あ〜・・・参ったな〜もー。

人手不足だからってか弱い少女がこんな危なっかしい科学者ばっかりの戦艦に乗せないでよね・・。

迷っちゃったし・・・」

やや涙目で少女は周りが見えていない様子である。

「あの〜」

「やだよお〜こんな仕事やだよ〜」

アキトが話し掛けるものの、聞こえていない様子だ。

「もしもし?」

「う〜・・・お腹空いたよ〜・・・ひもじいよ〜」

アキトは途方にくれたような顔になる。

と、そこでヒロシゲが前に出た。

「まだまだ甘いな」

「ヒロさん」

「こういう相手にはいくつか対処法がある」

「どういう事ですか?」

「まあ、見てろ」

呟くと、シーラを床に下ろし、耳をふさいだ。

「お前等も耳塞げ」

「え?」

「いーから」

仕方なく、全員塞ぐ。

「すぅ〜・・・。


人の話を聞けーーーぃ!!」


ごぁっ。


ゆうに150ホーンは超えるであろうか。

ミスマル親子にも勝るとも劣らぬ音波攻撃に、耳を塞いでいたにもかかわらず全員顔を歪めた。

それをまともに喰らった少女など、気絶してしまった。

「・・な?」

「・・・な?じゃないでしょう」

「ふっ、そんなに誉めないでくれ」

「誉めてない誉めてない」

「ま、いいからこいつを運んでくれ」

アキトはしぶしぶ少女を持ち上げ、運んでいく。











−ナデシコ−

「敵部隊、沈黙。

一隻のみ、攻撃をしてこなかった艦あり・・・」

「・・・多分、あれですね」

「ああ、間違いないな」

マリーの報告にジュンとカズシは頷く。

「・・・!艦から脱出ポッド」

「通信、入ります」

メグミが通信のボタンを入れる。

すると、メインウインドウの映像が切り替わる。

『お待たせしました〜!

脱出成功!

ぶいっ!』

ユリカがお決まりのブイサインを決めて登場する。

「・・ばか?」

そして、マリーがまたお決まりの台詞で対応した。

「脱出・・・?

脱出ってどうやって・・・」

『みなさん、心配をおかけしました!

お母さんに代わってお詫びします!』

「セレス・・・ちゃん?」

ぴっ。


『なにい〜〜〜っ!?

まさかシーラちゃんが乗り込んでたのか!?』

急にブリッジにウインドウが開き、素っ頓狂な声が飛んでくる。

ウリバタケが割り込んできたらしい。

『え、ええ』

目を白黒させ、セレスが答える。

『ち・・・帰ってきたら叱ってやる』

『・・・』

その一言にセレスは黙り込む。

『だが・・・』

ウリバタケは不敵に笑って腕を組む。

『その前に、今日のMVPとして誉めてやらねえとな!』


『『『『『『おおおおおおおおお!!!!』』』』』』


整備班一同が拳を高く掲げ吼えた。

















作者から一言。

・・・んー。

ちょっと飛ばしすぎたかなーと。

・・・・北辰がちょっと「武道家」っぽくてあんまり外道っぽくないですね。

あんな姿になってるのは山崎&リチャードコンビの研究の成果ではないでしょうか。

では、次回へ。







最近のネタ。





僕はACTIONの更新を確認しにページを閲覧していた。



すると・・・。





「む?

人気作家ランキング・・・?」





凄く興味がわいた。






願わくば、自分が入っている事を・・・などと馬鹿げた考えを持ちながら。


そして。





「・・・・!!







6位〜〜〜〜!?」





すげえ!







6位だ・・・6位だ〜〜〜!!







「は」






・・・あれ?







布団の中・・・?





「・・・・・・・・・・・・・・・・なんかよ。

いい夢見させてもらった・・・けど・・・夢なんだよ・・・タダの夢なんだよ・・(泣)。

こんなところで夢ネタやってる俺は・・・一体(ただの阿呆ですか?・・・そうですか)」



・・・・以上、ノンフィクションでお送りしました。



 

 

 

代理人の感想

いや・・・・・・さすがに滑りすぎでしょう(苦笑)。

どっかの仮面ライダーを騙るニセモノ(日曜朝八時からやってるやつ)ではありませんが、どーもずれてるというか。

格好いいはずの場面、泣けるはずの場面なのに全然格好良くありません。

朝八時のほうは人間に対する認識が歪んでるせいですが、こちらはさて?