ナデシコは、火星へと向かった。

一ヶ月の航路を終え、彼等は再び、火星の大地を踏む。

人類によって壊された、失われた大地へ。



















最終話「明日のために」






























火星が見え始め、彼等は出撃準備を始める。

ここから先は、何が起こるかわからない。

特に木連はチューリップを使えるのだ、場合によっては先に行き着いている可能性もある。

バリアーが張られているので、直接取る事は出来ないが、それでも楽観は出来ない。


−格納庫−


ヒロシゲがパイロットスーツを着込んで整備が終わるのを待っていた。

「ヒロシゲさん、どうぞ」

「お、サンキュ」

シーラにエネルギー・ゼリーを渡され、封を切る。

・・・かちり。

間の抜けたプラスチック音を立てる。

空気圧によって若干袋が弛緩したかと思うと、ヒロシゲは口をつけた。

「んぐっ、んぐっ・・・」

「それにしても・・・火星ってロストグラウンドみたいですね」

「ああ・・・スクライドが妙に身近に感じたのはそのせいなんだろうな」

モニターを見て火星の風景を見ながら二人はぼやいた。

その後ろに立つ人物の気配に気付き、ヒロシゲは振り向く。

そして話し掛けた。

「お、アキトじゃんよ」

近くを通りかかったブラックスーツを着たアキトを呼び止める。

「ヒロさん」

「行けそうか?」

「大丈夫ですよ」

アキトが静かに答えるのを見て、ヒロシゲはふっと笑う。

「ま、愚問だよな。

エースパイロットだもんな」

「アキトさん、戦闘準備は」

そこにイツキが現われた。

「出来てるよ」

「おっ・・・・その顔、まさかイッちゃん?」

「イッちゃん・・って、あなた!もしかして・・!」

驚くイツキを制するように指を突き出しヒロシゲは言った。

「ああ、鉄拳のヒロ、ただいま参上ってか」

「・・・生きてたのね、ヒロさん」

意外そうに言うイツキに、ヒロシゲは苦笑する。

「おいおい、それじゃ俺が死にやすい奴みたいじゃねえか」

「そうでしょう?あんな無茶ばっかりやってる人を見たら・・・」

「そう言ったって、俺もお前も死んでンだぜ。

アキトの歴史じゃな」

ちらりとアキトの方を見る。

「・・・そうだろ?」

「・・・はい」

「おいおい、暗え顔すんなよ。

久方ぶりに出会えた同郷の幼馴染に辛気臭せえ」

「ヒロさん、やめなさい」

「けどよぉ・・」

ヒロシゲの前にイツキが出てきて、アキトの方を向く。

「・・・アキトさん、アッ君だったんだ。

ユリカ先輩の事を気にかけてたせいで気付かなかったけど・・・」

「・・・ああ、イッちゃんだったんだ。

前は一瞬で消えちゃったから・・・」

アキトが弱々しい笑顔を出して会釈した。

だが、ヒロシゲは煮え切らない様子にイライラしていた。

「・・・あのよー。

これから死ぬかもしれない時にせっかく会ったんだぜ?

もうちょっと楽しくいかねーか?」

「そうですよー。

アキトさんがヒロシゲさんと知り合いだったなんて意外だったんですよ」

シーラも割り込んでくる。

「・・・いや、俺は・・・」

「アキトさん、次の出撃で誰か欠けたらどうするんです?

戦場は誰が死んでもおかしくないんですよ?」

「そうだけど・・・」

「・・まあいい。

話はこの戦闘を切り抜けられたら山ほどしてやる。

生き残れよ」


ばしん。


ヒロシゲはアキトの腕をひっぱたいた。

「・・・ヒロさん、変わらないんですね」

「へっ、そう簡単に変わらねえよ。

さて、そろそろ乗り込むとするか」



















−極冠遺跡−

『みんな、警戒してくれ!』

アキトの一言が響き渡る。

ナデシコの防衛のために全機出撃している。

そして、アキトが遺跡に近づこうとした。

だが・・・。


どがんっ。



『うおあぁぁ!?』

『ヤマダ機、エンジンに損傷!戦闘不能です!』

『くっ!全出撃させたのが仇になったか!』



しゃりいいいぃぃん・・・。



錫杖が鳴り響き・・・赤い機体が5機、姿を現せた。

それは全て同一機だった。

『ダリア』

木連側に持ち去られたレッドサレナの技術によって開発された機体だ。

よく見れば同じ色ではなく、一機一機色が異なる。

『来たな、ナデシコの一味』

パイロット達のモニターに、白髪に赤目の少女の姿が映りこむ。

『北辰!』

するとアキコが叫ぶ。

だが、他のパイロット達は驚く。

北辰がナデシコのブリッジで焼き殺された事は耳に入っている。

『北辰はこの間死んだんじゃないのかい?』

アカツキが呑気に返事を返すと、シーラから通信が入る。

『気をつけてください!その白髪・・・『アイビス』です!」

『アイビス?』

焦った声で話すシーラに、アカツキはまた気の抜けた声で返事を返す。

『その人・・・機体を強化できるように改造された、脳移植を受けた人です!

その人が相当な手馴れなら・・・危険です!』

シーラが叫ぶ姿を見て、北辰はニヤリと笑う。

『ほう、機械強化型人間の実験体か。

だがその警告も・・・・無駄だ!



ばしゅううううう・・・・。


北辰達がフル・バーストをかける。

『いざ、尋常に!』






『『『『勝負!!』』』』















−アキト−

くそ・・・こういう事かよ・・・。

枝織ちゃんが、本気で戦える場所・・・ここか。

あの台詞にこんな意味があったなんてな・・。

だが、あの場で本気で戦うよりはマシだった。

少なくとも・・・戦艦の中で戦うよりは安全だからな。


ばしゅんっ!


ブローディアの目の前をDFSが掠める。

塗装が剥がれる。

文字通りの皮一枚の回避だ。

『アー君、本気で戦ってよ!』

『枝織ちゃん・・・これは殺し合いなんだよ!』

『分かってるよ・・・分かってる・・・・!

けど、私はこうしないと・・・こうしないと、何も手に入れられないの!

零ちゃんとも会えなくなる!

失敗したら、二度と座敷牢から出してもらえないの!』

『なん・・・だって?』

まさか・・・まさかそんな事が・・・?

いや・・・ありえなくはない。

どんな人間だって・・・孤立した状態で戦うのは困難だ。

いくら人外の力を持っていたとしても・・・。

それに枝織ちゃんは精神的にはとても幼い。

幼いから当然、視野が狭い。

『枝織ちゃん!そんな事をしなくても、ナデシコに来れば・・・』

『駄目なの・・・私が木連に戻らなきゃ・・・お父様が殺されるの・・・』

『・・・!!』

『だから・・・お願い、私と戦って!

全力で戦えれば・・・勝ってアー君を死なせても、負けて死んでも、後悔しないですむから!

だから!』

『・・・・』

俺は・・・。

この子を・・・。

殺さなきゃいけないのか・・・?

『・・・分かった、枝織ちゃん。

死ぬ気で、お相手させてもらうよ』

『・・・ありがとう、アー君』

・・・・枝織ちゃんは・・・恐らく潜在能力でも互角だ・・。

機体はどうだかわからない。

本気で戦わなければ、負ける。

攻撃を裁くのも攻撃でしか出来ないだろう。

だが・・・俺はこの子を殺したくない・・・。

もう後悔なんかしたくない!

俺は進む事を選択したんだ!

俺はッ!!


















−前夜−

俺は厨房に立っていた。

もう夜遅いから俺達以外誰も居ないが・・俺は、ラーメンを作っている。

これはルリちゃんとラピスの為に作った物だ。

そこで待っている二人の視線がやけに気になる。

麺を茹で上げ、盛り付けると俺は二人の前にどんぶりを置いた。

「出来たよ」

「・・・頂きます」

「いただきます」

二人はラーメンを啜り始めた。

「・・・以前と、変わらない味です。

一切、変わらない・・・」

「・・・そっか」

俺は少しがっかりした。

それは、俺が進歩していない証拠でもあったからだ。

下手にもなっていない、けど上手くもなっていない。

料理の上達は、精神の熟成に似ている。

ホウメイさんから言われた。

上達しない、イコール成長していない・・・って事だ。

「・・・アキトさんの心はあの時から止まったままなんですか?」

「・・・そう、だと思う・・。

昨日、俺・・・展望室でコウタロウと話してたんだ」

「それで・・・どうしたんですか?」

ルリちゃんが覗き込んでくる。

ラピスもじっ、とこちらを見つめている。

「俺が・・・分からなかった、ユリカの気持ちが分かったような気がするよ・・。

コウタロウの・・・ユリカの心の強さが・・・痛かった。

望んだ物をどうして手にしようとしないんだって・・・言われたよ」

「・・・そうですよ、アキトさん。

実際、アキトさんは意地っ張りで頑固でわがままで・・・自分の考えで人の幸せ不幸せを決めてしまいがちです」

「アキト・・・どうして私達がアキトの事を好きなのか・・分かってる?」

ラピスは・・・心底、俺の心中を疑うように言った。

「・・いいや、全然。

こんな冴えない料理人のどこが好きなのか、全然わかんないよ」

・・・分かればここまで来ないよ。

「ホントにばかですね」

「馬鹿だよ」

・・・がん首並べて馬鹿って言われると少し痛いものがあるな・・・。

実際そのとおりだから反論も出来ないけど・・。

「アキトさんの魅力、基本は優しくて、責任感が強くて、他の女の人に手を出さない所ですね」

「ここに来てからみんなに注目され始めたのは、強くて、影があって、謎が多い事だよ」

「・・・いや、全く自覚が無い」

・・・情けないが、本当に分からない。

こんな事ならどこに惚れたのか聞いておくべきだったか。

・・・いや、ユリカじゃ参考にならんかも知れん・・・。

「そんな事だとみんなを傷つけることになりますよ」

「・・・傷つける?」

傷つける・・・か。

けど、過去形や現在進行形じゃなくて未来形?

どういう事なんだ?

「アキトが誰か一人を選べば、全員傷付く。

それに時間が掛かれば掛かるほどみんなは行き遅れる可能性が出ちゃう。

私達はまだ若いからいいけど」

・・・確かに若い。

むしろ幼い。

「・・・私達をできれば選んで欲しいんです。

私が一番付き合いが長くて、ラピスが一番アキトさんを理解してます。

・・・・・・それ以外の人を選んでもいいんですけど、ちゃんと落とし前くらいはつけてくださいね」

落とし前って・・・。

「それとも、ルリの親に頼んでハーレムでも作る?

全員相手にできる?」

「・・・それは勘弁して欲しいな」

・・・考えたくも無い。

そんなんじゃ俺の自由時間なんてなくなるだろう。

何より・・・コックなんて出来なくなる。

「・・・じゃ、アキトさん。

決着をつけてくださいね。

それも可及的速やかに」

「確かに事情を話したからには・・・ルリちゃんを選んでも問題は無いわけだけど・・」

「それにアイちゃんに頼めば年齢問題は一気に解消です。

・・・精神年齢はすでに17歳ですから」

・・・そうだ、そうだった・・・。

アイちゃんの存在を忘れていた・・・。

もし、ルリちゃんの年齢を精神年齢に同調させられたら・・・。

俺はすでに・・・この世界の年齢で19歳・・・。

・・・逃げ場が、無いのか?

「・・・あの、凄く失礼ですよ」

しまった、口に出てたか・・・。

「・・・ごめん。

でも、俺は・・・ルリちゃんを求められるものだろうか・・・。

それにルリちゃんを選ぶと・・・ピースランドまでついてくるのは勘弁して欲しいんだけど・・・」

「アキトさんが嫌なら故郷も捨てます」

「・・・そう言う?」

・・・やっぱり、決意は固いか。

俺みたいに意地で意思を決めてるわけじゃないからな・・。

「・・・分かったよ、俺はちゃんと選んでみせる。

そして、幸せを手にしてみる。

その先に見えるものも・・・きっと、ある。

そう信じれば・・・願えば、きっと何か・・・叶う」

「アキトさん」

「アキト」

・・・俺は、ユリカを吹っ切れない。

だが・・・不幸になろうとは思わない。

俺なりの、俺だけの・・・幸せを求めてみせる。

罪を忘れる気も無い。

それでも。

それでもだ。

俺が不幸になれば、俺を見てくれた人が傷付く。

そんな償い方だけはしたくない。しちゃいけない。

きっと、取り戻す。

俺の人生を・・・!




































そうだ・・・そう誓ったんだ。




俺は。



生き残る。




そして・・・掴んでみせる!




俺の夢を、俺の希望を・・・。




今度こそ、後悔なんてしない!



後悔しない選択をする!



ルリちゃん達を幸せにする努力も自分が幸せになるための努力も惜しまない!



そうだ、俺は・・・。



逃げる訳には行かないんだ!!




自分の闇に負けて、罪の意識に負けて人を不幸にしない。




俺の不幸がみんなの不幸になる。




それなら幸せになる。




罪を償うなら地獄の底で償うさ。




ああ。



もう、逃げない。



もう、迷わない。



さあ、進もう。



  コウタロウ
あのユリカの幻影のように、迷わずに、諦めずに。



望もう、願おう。




思い出のキャンパスを描こう。




命はその為にある。




貰ったチャンスだ生かすしかない。



さあ。



道はあるぞ。



歩け。



走れ。



死という何の解決にもならない場所から逃げろ。





戦え。









「うおおおおおおっ!」

「アー君、凄いっ、すごいよぉ!」

俺の心は・・・あの頃に近づいていた。

ゲキガンガーに憧れて・・・。

それで、コックを夢見ていた、あの頃に・・・。





































−アキコ−

く・・・アイツ・・・何で・・・こんな・・気迫が・・・。

俺は・・・こうして戦ってるだけで一杯一杯なんだぞ・・?

それとも、これが・・・。

『どうした!それで終わりか!?

アキトみたいに本気で来い!!』

「俺は・・・ッ・・・俺は・・・!」

俺は・・・弱くなった・・・。

俺は・・・もう、戦えないのか・・?


駄目だ!


まだ終われない!

ここで負けたら・・・負けたら・・・。

失えない・・・失えないんだよ・・・!






















−前夜−

火星に着く前に俺達は一緒に話し込んでいた。

今までユリカとばかりくっついていたからアイちゃんやルリちゃん、ラピスとはあまり話していなかった。

色々盛り上がっていた。

昔の事、ここに来るまでの事、これからの事。

戦いが終わったら来るはずの平和な日々に俺は胸を高鳴らせていた。

これからもし戦闘で俺が死んだりすることなんて考えていない。

戦闘はあるとは思っていた。

けど、北斗と本気で戦う事になるとは思わなかった。

「もうすぐ・・・あの日が取り戻せるんですね」

ルリちゃんが呟くように言った。

俺も・・・凄い楽しみだ。

けど、俺は・・・・。

「・・・・」

「アキト、どうかした?」

「いや・・何でもない・・・」

「前から考える癖が多いけど、最近は妙に多いね」

ラピスが俺に突っ込んでくる。

あっちのラピスと違って感情を抑える感じが見える。

けど、確実に感情表現も相手の感情を捉える力もついてきてる。

・・・ラピスも人間らしい人生を送れるようになるんだな。

そう思うと・・・どうしても俺は気持ちを抑えられない。

思わず、目が潤んだ。

以前以上に涙もろい自分が恥ずかしい。

俯いて隠そうとするんだけど、それに気付いちゃうんだよな、ユリカは。

そんで俺の事をそっと抱いちゃったりするし・・・。

でも・・・それで安心しちゃうんだよな・・・。

「・・・色々、考えちゃうんだよな。

答えが出て、終わってる事でも・・・」

「なら悩まなくても」

ラピスはラピスなりに俺に気を使ってくれているみたいだ。

ルリちゃんは・・・それを微笑んで見てる。

・・・何でそんな、見るかなー・・。

恥ずかしいのに。

と、ルリちゃんがそれを止めるように話し掛けた。

「ラピス、今日はもう・・積もる話も積もりきったところですし、私達は部屋に戻りましょう」

「・・・でも」

「そういう事は恋人同士で解決してもらう事なんです」

「分かんないよぉ」

ラピスは不満そうな顔でルリちゃんを見る。

けど、微笑んで答える。

「ラピスも恋をすれば分かります。

では」

ルリちゃんがラピスを引きずり出すような形で連れて行く。

「あ、アキト、ユリカ、おやすみ・・・」

「「おやすみ」」


ぷしゅん。


「さて、と。

私達ももう寝よっか」

「・・・ああ」

二人が居なくなって、俺はどこか寂しくなった。

思わず、ユリカの背中に・・・抱きついた。


ぎゅ。


「・・・アキト」

「・・・ユリカ、俺・・・・・・・・ユリカの事、好きだよ・・」

何故か、俺はこんな事を口にしていた。

自分でも自分がよく分からない、俺は・・・どうしてこんな事をしたんだろう。

ユリカは振り向いて俺を抱きしめた。

「・・・知ってるよ」

違う。

俺が伝えたかったのは、多分、そう言うことじゃない。

何秒か間を置いて答えを探して俺は答えた。

「そうじゃなくって・・・何て言うか・・・。

心が弱い俺を支えてくれて・・・腕っ節も強くもないのに、俺を庇ってくれる・・・。

・・・なんか分からないけど・・・その度に、胸が・・・締め付けられるように痛むんだ・・・」

漫画なんかでよくある、女のリアクション。

だけどこの気持ちは本物だと思う。

・・・本当に分かんないもんだな。

否定していたはずの事を、俺は肯定してる。

少なくとも、今こうしている俺は・・・女だと思う。

これだけはハッキリしてる。

そして、目の前に居るのはユリカだが、こうして俺を抱きしめるユリカは紛れも無い男だ。

相手が男でも安心しきってこんな事をしていられる。

ユリカの行動に、男っぽくなったその一つ一つに・・・何故だか嬉しくなる。

そして・・・抱かれて、そう思う。

こうやってるだけで・・・どうしても、気持ちが高まる。

今、押し倒されたらすぐ股を開くだろうな・・・。

あの頃の俺と比較して・・・意思の強さも、何も、変わった。

  アイツ
もしアキトの側だったら冗談にもならないって言いそうだな。

だが、事実だ。

それが俺とユリカが変わっただけなのか、性別の変化による精神的変化なのかは分からない。

けど、もうどうでもいい。

俺は今の状況に不満を持ってない。

別にこれ以上の変化は望まない。

今・・・人生の中で一番満ちたりてる時間なんだ・・。

あの二年間に匹敵するくらい・・・。

傍から見たら絶対に変だって言われるだろう。

それでも、俺が満足したんだから別に良い。

ユリカも・・・笑ってくれる。

それでいい・・・それだけで・・いいんだ。

そんなことを思いながら瞑っていた目を開けると、くすくすとユリカが笑っていた。

俺の事を見て笑ってたわけじゃない、何かおかしくて笑ってるみたいだ。

「?・・何で笑う?・・・俺は真剣に言って・・・」

「だって・・・そんなに改まって言わなくても、それが女の子なの。

まだぜーんぜん分かってないんだね」

「・・・むー」

・・・これでも結構分かってきたつもりなんだが。

少なくとも・・・気持ちの部分だけなら。

俺の頭を撫で回しながら、ユリカは続けた。

「それでいいんだよ、アキト。

本当はもっと段階を踏んでかなきゃいけないんだもん。

成長していくにつれてそう言う感情を覚えていくはずなのに急に女の子になったら分からなくて当然だよ。

でも、そういう・・・前も女の子になろうかなって言ってたよね?」

「・・・うん、まあ・・・」

憮然としてるんだろうな、今の俺は。

この微妙な・・・倒錯した状況で、どうしてかもどかしい気がする。

「本当の意味でアキコになるのか、それともまたアキトに戻るのか。

それはまだ分からないし、決まってないんでしょ?」

「・・・うーん・・・」

俺の中では一応決めた。

だが・・・まだ、はっきりと口に出すのをためらう。

俺自身もどっちでもいいと思う。

俺は今の状況に安定感と幸せを感じてる。

しかし・・・やっぱり、心の底で、両方の意味で怖いと思う。

今の状況を失う事も、逆に女でいつづける事も。

そういう意味ではまだ決まってない・・。

・・・どうしてこう優柔不断なんだよ、俺って奴は。

「私は、アキトが望む方に合わせるよ」

ユリカの言い方はニュートラルな感じだった。

・・・俺は一応胸の中をさらけ出す事にした。

「・・・正直、こうやって甘えられる・・・女の方がいいって思ってる。

でも俺はユリカを護るってあの日に誓ったのに・・・」

「そんな事?」

「そんなってお前」

俺にとってあの日の誓いは大切だった。

ユリカにとってもそうだったはず。なのに・・・。

けど、ユリカは・・・。

「・・・そんな事、全然だよ。

私は、あの日に死んだんだ。

アキトはルリちゃんにこう言ったんだって?

『君の知っているテンカワ・アキトは死んだ』

・・・そう言って、別れを告げたんだよね」

「・・・ああ」

そう、そう言ったんだ・・。

「じゃあ、私だってそうだよ。

『アキトが知ってるテンカワ・ユリカは死んだ』の。

ここに居るのは『テンリョウ・アキコ』を大好きな『スミダ・コウタロウ』だよ」

「ユリカ・・・」

ユリカのその一言に、俺はまた胸を締め付けられるような気にされる。

だが、まだ語ることを辞めようとはしなかった。

「私は命が尽きそうになってた時にアイちゃんに治療薬を貰って助かったの。

・・・実を言うとあのまま薬がなかったら・・・死んでたらしいの。

だから、私はあの時死んだ。

『テンカワ・ユリカ』は死んだんだ・・」

「・・・俺が・・・俺のせいで・・・・」

また泣いてるんだろうな・・・。

かつてルリちゃんに・・・最後の別れを告げようとした時に言った一言。

現実に、大切な・・・ユリカに言われてみると・・・怖いほどに寂しい・・・。

「あ、あ・・泣かないで・・・。

こうして生きてられるのも、アキトと一緒に居られるのもアイちゃんのお陰なんだし・・。

全部、解決でしょ!うん!」

普段の快活さを引き出し、ユリカは笑顔を見せて俺を抱きしめてくれた。

俺って・・卑怯だよな。

男に戻らなきゃ、こうして・・・泣いていいって分かって・・・泣いてるんだから・・・。

頼れるから、だから・・・頼ってるんだ・・。

俺が震えてるのをユリカは・・・受け止めてくれるんだ・・・。

「ん・・・気を楽にして、アキト・・。

私は・・・ずっと傍に居るから・・・」

「ああ・・・・・」

体の力を抜く・・・疲れている。

けど・・・それでも安心し切れなかった。

だから俺はユリカを押し倒した。

いつもは押し倒されてるから少し驚かれたけど、やっぱり抱きしめてくれた。

それが、嬉しかった。

・・・やっぱり俺は・・・もう女なのかもしれない・・・。

沈みゆく意識の中で、俺はこう思った。





















































次で最後になるかもしれない、戦うのは。













































だが。

俺は・・・戦う事をやめるとしても・・・。

ここでは、やめられない。

最後になるかもしれない、戦いでも。

ああ。

戦う事は何と辛いんだろう。

けど。

ここで勝たなきゃ、ユリカは護れない・・。

戦うしかない。

けど。

どうしてだろう、心が挫けそうだ。

逃げたい。

ここから逃げ出したい。

ユリカ・・・・・。








































「遅い、遅い、遅い!」

「くっ、う、ああっ」

押されている。

この時、俺の中の「俺」はゆっくり剥がれていったのかもしれない。

俺が復讐鬼であった時の心のメッキも。

テンカワ・アキトというコックの心も。

残るのはー・・・・。












































−そして−

『その程度か!!』

『ぐ・・・』

(負けられない、負けられないのに・・・どうして力が出ない!

何故震える!

俺は乗り越えたんだろう!?

月臣の特訓も・・・北辰との戦いも!)

アキコは震えながらブローディアを操っていた。

防戦一方、カウンターを狙える状況にも見えない。

精神的に落ち着けていないのが大きいのだろう。

『なら、こちらから行くぞ!』

『アキコ姉、フェザーで攻撃をかく乱するから避けて!』

(駄目だよ・・・ブレア、そんなんじゃ・・・四陣は落とせない・・・。

俺も・・・上手くは・・・・避けられそうに・・・)

思いながらアキコはブローディアをぎりぎりで動かした。


ずばんっ!!


辛うじて、ブローディアは直撃こそ避けるが、左腕を持っていかれる。

『『アキコ姉ェェェッ!!』』

『チィッ・・・!?』

ディオとブレアの悲鳴がアサルトピットに木霊する。

アキコは残った右腕のDFSを作動させようとするが、動かなかった。

精神的な集中力を要するDFSを使おうとしても、心が揺れている時はつかえないのだ。

『終わりだ!』





がすん・・・・・っっ。






この時、彼女は気付いていなかった。



いくら腕が互角でも。



最後には、心の強さが勝負を左右するのだということを。




そして、彼女のほうが心が弱くなっていた事を。





『うあああああああぁぁっ!!』




アキコは一瞬の隙を突かれ、動力である相転移エンジンを破壊された。




『まけ・・・た』



それは、自分が弱くなった事の証明。




『誰も・・・護れない・・・』




それは、自分がかつて受けた惨劇を繰り返してしまうかもしれないという事実。




『ゆ・・りか・・・』




アキコは動力を失って動かなくなったブローディアの中で泣いた。




彼女の心は・・・ひび割れてしまっていた。




揺れていた、弱くなっていた・・・心が。




崩壊寸前まで追い詰められてしまったのだ。






























「アキト・・!?」

目の前の光景が信じられなかった。

コウタロウは、アキコの実力は確かに北斗と互角と踏んでいた。

それは、あのパーティー会場・・・そして以前の馴れ合い戦でのことだ。

確かに彼女達は互角であった。

だが、北辰に見透かされていたように・・・アキコの心に迷いが生じていた為に。

それが、北斗以上に顕著であった為に・・・アキコは敗北したのだ。

「アキコ機、エンジン停止!戦闘不能です!」

『アキコ・・・!?

くっそおおおおっ!!』


ばしゅぅぅぅぅ・・・・。


リョーコは叫びと共にフルバーストを発動させた。

「リョーコ、焦っちゃ・・・ああっ!」

ばす。

ヒカルがそれを止めようとするが、リョーコは止まりそうにない。

そして注意を促そうとして隙が出来てしまった彼女は北進に撃墜された。

「赤い雌の獅子よ。

貴様もこうなるがいい」

「させるかよっ!」

「居合か・・・笑止!」

突っ込んでくるリョーコに北辰は身構える。

そして、その白い髪が黒く染まる。

アイビスが作動したようだ。

ダリアの機体性能が高まり、少し発光を伴う。

居合をかわして攻撃をすることなど、北辰からすれば・・・さほど難しい事ではない。






だが。






(見えるんだよ・・・お前の動きは!)







リョーコには全て見えた。






自分が抜刀を始めてから、北辰がDFSを重ねて防御しようとしたその動きが。





それが見えてしまえば、後はどうということは無い。






防御されない攻撃をする、それだけだ。


















(・・・ここだ!)










ごっ。








リョーコは抜刀されかけていた赤雷の向きを変え、何と『柄』を使ってアサルトピットを強打した。

全力のDFSを使っていたリョーコはディストーションフィールドが無い。

当然、それを防御しようとした北辰のDFSも最大限ディストーションフィールドが使われていた。

よって、防御出来なかった柄は、直接アサルトピットに命中した。

加速がついたそれは、柄の面積の狭さから威力が拳より高い。

『ぐふっ・・・』

『お父様!』

枝織の声が響き渡る。

『・・・く、これが・・人の執念か・・・』

その少女の顔に似合わない爬虫類じみた表情を浮かべると、北辰は何かのスイッチを押した。

するとー。


ぼっ・・・ぼっ・・・ぼん。


『な!?』

『えっ!?』

北斗や枝織の機体のアサルトピットが射出され、二人は戸惑う。

木織や北山の機体も例外ではなかった。

『親父!何をした!』

『・・・これ、でいい・・。

宿命を断つ事が・・・できるのはっ・・・ここしかない・・・』

『何を言っている!』

激昂する北斗を余所に、北辰は呟きつづける。

『義に・・・殉ずるのは我だけでよい・・・。

木織・・・北山・・・すまん・・・。

あとは、頼む・・・』

『ああ・・・さな子によろしく言っておいてくれ』

『ふ・・・』

黒くなっていた髪が白に戻り、その瞳が閉ざされた。

「北辰機の生命反応が・・消えました・・・」

ブリッジに、シェリーの報告が響き渡った。

『何がしたかったんだ・・・・?

何がしたかったんだよ・・・てめえ・・・』

リョーコは北辰を殺した罪悪感・・北辰が、北斗達を護ろうとしたのではないかと。

少なくとも、彼が何の意味もなく戦っていたわけは無い。

そう感じ取っていた。

ぶるぶると震えながら・・・リョーコは肩を上下させ、シートに体を預けた。

『くそ・・・何なんだよ・・訳わかんねえよ・・・』

人を殺めてしまった・・・そういう後悔の念ではない。

だが、確実に、何か後味の悪い物が彼女の中には残った。













「敵、完全沈黙。

戦闘、終了です・・・」

シェリーの報告にクルーが胸をなでおろす。

しかし、その間もなく、オモイカネが警報を鳴らし、シェリーに伝えた。

「・・・!アキト機、ボース反応!」

「何・・?!」

ボース粒子はボソンジャンプの前兆、もしくは後に検出される。

故に、アキトのブローディアからボース反応が出たということはジャンプが行われるという事である。

「アキト、脱出して、アキト!」















−アキト−

俺は・・・どうしちまったんだ・・・?

空っぽじゃないか・・・。

ただ・・・何も手に入れられてなかっただけだ・・・。

それを確認した・・だけじゃないか・・・。

あの子のアサルトピットが排出された時、俺は抑えきれない気持ちのやり場を失い、

それを手放そうとしたら空虚感が俺を包んだ。

・・・そうだ、俺は幸せを掴もうとした、それだけなんだ。

それをちっぽけなプライドと罪悪感で掴もうとしなかったけなんだ・・。

落ち着いた、いや・・虚しくなった今でも、さっきの気持ちは変わらない。

・・・幸せを、掴みたい・・・。

『アキト、脱出して、アキト!』

ユリカが叫んでいる・・。

良く見ればアサルトピットの中に青白い光が広がっていた。

ボソンジャンプ・・・だが、何故だ?

何もしていない・・・のにか?

『アキトさん!』

「・・・ルリちゃん」

『ジャンプしてしまいます、脱出してください!』

「・・・駄目だ、アサルトピットの方までジャンプの兆候が見られる」

『そんな・・・』

「だけど・・・さ」

ああ。

「俺・・・なんか、逃げてたって・・」

言わなきゃ。

俺の結論を、言わなきゃ。

ここで別れてしまうかもしれないなら。

「俺は・・・幸せになりたい・・・って、なりたかっただけなんだ・・・って・・・さっき・・・」

『・・・』

そんな顔をしないでくれよ、ルリちゃん。

そう。

だから・・・。

『・・・だから!』

俺は叫んだ。

『帰ってくる!』

そして、ルリちゃんの方を見た。

『俺は幸せになるために戻ってくる!

ナデシコで、俺は掴む!

だからー』


しゅううううぅぅぅ・・・・。


言い切る前にボソンジャンプをした。

その時、俺は−


















































≪アキト!≫








































俺はユリカの声を聞いた気がした。






































「!!アキコ機にもボース反応が!」

「何だって・・・!!」

再び上がったシェリーの叫び声に驚くジュン。

「メグミちゃん、通信繋がる!?」

「繋がります!」

コウタロウが確認すると、ウインドウが開いた。

「アキト!」

『ゆ・・・りか・・・・』

「ボソンジャンプの光が・・・アキト!脱出して!」

『ゆりか・・・おれ・・・だれもまもれないよ・・・・』

「何を言って・・・!?」

アキコが、虚ろな瞳で彼を見つめる。

そして、小さい声でぼそぼそと喋る。

『だれもまもれない・・・まもれないよ・・・』

「あき・・と・・・」

震えた声で、コウタロウは俯いた。

「護る・・・から・・・」

だが、次の瞬間には立ち直り、アキコに檄を飛ばす。

「私が・・・・護るから・・・。

アキトよりも・・・誰よりも強くなって待ってるから!

アキトを護れるくらい強くなって見せるから!

だから・・・帰ってくるって言って!約束して!!」

『・・・ゆりか』

虚ろな瞳をモニターに向けた、口元を少し吊り上げてアキコは笑った。

心はボロボロのはずだ。

『たのしみに・・・してる・・・』

それでも彼女はその問いだけにはちゃんと答えることが出来た。

『かならずかえる・・・どんなにかかっても・・・・・だからあの・・やくそくをはた・・・し・・・』


しゅううううぅぅぅぅ・・・・。


そして、アキコは消えた。

「アキト・・・」

コウタロウがボソリと呟いた。

ブリッジは、無音に包まれていた。

「コウタロウ・・・君。

部屋に戻って・・・いいよ・・・」

「・・・」

「戻って・・・」

「・・・・・・・・・・・・・はい」

「ユリカ・・・さん?」

ルリがユリカを見つめた。今にも泣き出してしまいそうだった。

その表情が、コウタロウにかけた言葉の意味を物語っていた。

自分以上に恋人を想っていた自分自身も、同じように泣きたいから、

一人で泣かせてもいいのではないかと思った。

それだけの理由なのだろう。



































その頃。

医務室。

「・・・!!アイちゃん!?」

「あ、あれ・・・あれれ・・・」

アイも、ボソンジャンプの兆候が見られた。

「そっか・・・お姉ちゃんと同じように・・・共鳴反応が・・・」

「あ、アイちゃん、あなた・・・」

アイは呟くように言った。

「この時代のアイも・・・ボソンジャンプをした頃なのね・・。

だから・・・。

でも、心配しないで・・・。

いつか・・・きっと、きっと・・また会えるから・・・」

言い切ると、彼女は消えた。

ほとんどの人間が気付かないうちに、彼女は姉を追うかのように消え去った。

































































ぼすっ・・・・。

「・・・アキト・・・」

コウタロウはベットにぶっ倒れると、頭の後ろで腕を組んで寝転ぶ。

「アキトの心を護れなかった・・・。

アキトは傷付いたまま・・・消えちゃった・・・」

天井を見つめる。

しかし、暗いだけで何も無い。

「・・・駄目だなぁ、私・・・」

「何で・・・アキトの事、好きだって言っても・いつもいつも・・・お荷物にしかなれない・・どうして、こうなんだろう」

涙が溢れ、頬を伝って枕にぽたぽたと落ちた。

「アキトぉ・・っ・・・気持ちが一つになったのに・・・なんで?

何でこんなことばっかり起きるのぉ・・?

アキトは・・・私と居たいのに・・・私はアキトと一緒に居たいだけなのに・・・」

恋人の笑顔を思い出し、彼は目を瞑った。

「でも・・・」

だが。

「でも・・・今度は、帰ってきてくれるって約束してくれた・・・」

彼は。

「私はアキトの想いに答えなきゃいけない・・。

それはあの日に交わした約束でもあるから・・・・」

恋人との約束を果たす為に、立ち上がるのだろう。

「だけど・・・今は・・アキトの為に泣かせて・・・。

女として・・・泣かせて・・・・」

しばらく部屋に嗚咽の声が響いたが・・・すぐに寝息にとって変わった。














































彼の夢の中で、彼女が歌った歌が響いた。









































『かけがえないものへ「ヤッホー!」

 この元気 届けたい

 いつか もう一度会えたら きっと言葉はいらないね

 地球がなくなっても 忘れたくないよ

 あのキャンパス あの恋 あのバイト

 輝きにKissをしてた

 保険もない車に 6人も乗って

 あの若さ(じゅうたい)の中かきわけ 夢を求めた

 冷たいビルに飲み込まれ 膝が立たなくなったら

 2秒だけ 目を閉じて 勇気を呼び起こそう

 砂の山 登ったら「ヤッホー!」

 この気持ち 伝えたい

 あの日の誇りを抱いて ここでがんばってるから

 いつまでも変わらずに 生きて行けたなら

 こだわり通したプライド

 雲で頂上は見えない

 「くじけそうになっても あきらめないで」と

 ささやいてた君が あんなに 眩しいなんて‥

 未来へ続いた道で もう歩けなくなったなら

 2秒だけ 目を閉じて 勇気を呼び起こそう

 愛の山 登ったら「ヤッホー!」

 この笑顔 飛ばしたい

 春になったら 君と 次のページ描くのさ

 夢の山 登ったら「ヤッホー!」

 この愛を 伝えたい

 あの日の誇りを抱いて ここでがんばってるから

 夢の山 登ったら「ヤッホー!」

 この愛を 伝えたい

 あの日の誇りを抱いて ここでがんばってるから

 砂の山 登ったら「ヤッホー!」 「ヤッホー!」

 一番 君に伝えたい』























































文・武説草良雄

絵・武説草良雄

感想・BEN様

  ・ノバ様

  ・ファルケ様

  ・sakana様

CAST

アキコ役・日高奈留美

アイ役・田村ゆかり

コウタロウ役・緒方恵美

ヒロシゲ役・緑川光

シーラ役・倉田雅代

リチャード役・子安武人

キンダイチ・レン役・モンスター前塚

アヤノ・サヨ役・川澄綾子

ライザ役・西原久美子

チハヤ役・松本梨香

北斗&枝織役・本多知恵子

木織役・榊原良子

北山役・玄田哲章

タニ役・高田裕司

ナオ役・山崎たくみ

シュン役・梁田清之

カズシ役・井上和彦 

サラ&アリサ役・ 雪野五月

ミリア役・永島由子

メティ役・こおろぎさとみ

レイナ役・富永み〜な

舞歌役・三石琴乃

三姫役・渡辺久美子

イリス役・山口由里子




主題歌

「BE YOND THE TIME〜メビウスの宇宙を越えて〜(機動戦士ガンダム逆襲のシャアより)」

挿入歌

なし(歌合戦の時は挿入歌に入らないという事で・・・)

エンディング

「ヤッホー!(さんまのスーパーからくりテレビより」

























































作者から一言。

俺はノーマルだぁっ!!

・・・いきなり何かと思われるかもしれませんが、前回の代理人さんの感想から。

>そっちのケが無い人には辛い

・・・そっちのケがあるわけでもないし、そっちのケがある人のために書いている訳でもねえですっ!

ただアキトが正直に戻ってこれる状況を考察しただけなんですよ(泣)。

物語的な意味が無いかもしれませんが、これはこれで結構考えて動いてるんですが。

アキトの性格からすれば違和感マックスかもしれませんが、女々しさとかで面影を残してるというか。

まあ代理人さんの言うとおり性転換した経験がある人なんてACTION内どころか一般でも珍しいし。

確かにTS物が面白いとは思います。

確かに読みますよ、そりゃ。

面白そうだから書いてますよ。

でもそれはギャップによる面白みであって、趣味じゃないっす(泣)。

しいて言えばダーク小説が好きでも、そんなダークな人生は歩みたくないと思うのと同じでッす。

つーか思ったんは、

北辰、アイビス無駄使い。

・・・しょーじき、もっと戦闘シーンをこった方が良かったかなーと。

あ、でも・・・無駄じゃないか。

それと共鳴が起きてボソンジャンプに発展するのはスクライドっぽいかなーと思ったり思わなかったり。

あと、ちょっと突っ込み。

よくよく考えると、ナデシコが過去にアイを遺跡で発見したのが和平が成るころですから九月。

これは時ナデ劇中でも話してますよね?

でも、その頃の劇中に三月って言ってましたよね?

つまり、この頃に遺跡に行ってもアイちゃんは居ないのでは。

・・・と、思いましたが気にしないことにしましょう。

実はこの話、別ヴァージョンがあって、その場合、コウタロウがアイの一途さに負けて、

アキコの為なら何でもすると、悪魔にも魂を売ろうと宣言して、シェリーに修正される話でした。

いくらなんでもアレなのでやめました。

それと歌合戦の際の歌は調べる時も大変だったんで、挿入歌からは弾きました。

・・・タイトル調べんのすらしんどい・・・・。

そもそも見た事も無いアニメの曲まで使った(汗)聞いた事はあっても。

エンディングは、アキコの曲として選曲したけどよもやここまで状況にあうとは思わなんだ・・・。

あれれ?ヒロシゲの話は?前話でやってた専用エステは?

と思った方、実は次章でやっちゃいます。

理由はこっちに組み込んじゃうと中途半端になっちゃうと思ったんで。

では、次章へ。















それと。

最近、文化部なりに(美術部)合宿にいってきたんですが。

その時に見かけた古い車のプレート。


「BIG BEN」


・・・・マジすか?












*お詫び。

マスコットは恥ずかしくなったので廃止します。




感想代理人プロフィール

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代理人の感想

「そのケ」のことですけど、そう言うのが好きな人だけじゃなくて、そう言うのに嫌悪感を示さない人と示す人がいる、ってレベルで考えてくださいな。

そういう意図でしたので「その手の話に耐性のあるひと」としたほうがよかったですね。

例えるなら女性は大概下ネタに拒否反応を示しますし、男性でもホモネタに拒否反応を示す人と笑い飛ばせる人がいると、そう言うことだと考えてください。

 

※大体、理由はともかく好きで読んでるならそりゃ「そのジャンルが好き」ってことじゃないのかなあ(笑)。

 

「ギャップ」に関しては・・・「努力は認めます」という評価ですね、残念ながら。

いまいち有効に使えてはいなかったと思います。