火星の空に、二機の機動兵器が存在していた。





「どうした・・・お前の力はそんなものか?」



男が声をかける。

だが、声をかけられた男はニヤリと笑った。



「く・・・ははぁ・・・こんなモンなわけないだろが」


そして、叫んだ。




「行こうぜ!シーラ!




これがッ!











俺とお前の輝きだぁー!!」











































『持て余す鼓動に

突き抜けてくBAD NEWS

乱れない街の風景

胸の中の好奇心だけが騒ぎ出す』





出典・ジーべック





『満ちたりてく世界

調和のとれないMORAL

シグナルにつまづくたび

悲しく笑う君への愛情 確かめる』





原作・BEN





『ぜったいに 誰もあやつれない

夢を抱いて 明日を叩く

時の流れ はみ出して

自由を感じ生きていたい』




掲載・Action

掲載者・鋼の城





『Set Me Free 永遠の眠りへと

たどり着くには まだ早過ぎて

灼熱色の眼差しで

BORO BOROになるまで 駆け抜けてやる』





執筆・武説草良雄







































物語は完結へと走る。





そこには何があるのか?





合言葉は







 「r」






 「e」 






 「l」






 「o」






 「a」






 「d」








「reload」=リロード










r=return

e=end

l=long

o=over

a=akito

d=drive











アキトとアキコは飛ばされた。





ボソンジャンプによって、何処とも分からない場所へ。







だが、二人は帰ってくる。












自分の帰るべき場所に。











自分の求めている場所に。










そこは何処だ?








終わり?


忘却?


後悔?


絶望?


幸福?


安息?












・・・・・ナデシコ?








nadesiko.





なでしこ。




撫子。




ナデシコ。





機動戦艦ナデシコ

「時の流れに・reload」




〜第四章・自分達で創るそれぞれの答え〜








第1話「刻め、鼓動を」








−ヒロシゲ−

・・・ち、こいつは手強いな。

今、俺は北山って奴と戦ってる。

当然、一対一じゃねえけどな。

俺はイッちゃんと組んでる。

ついでに説明すると、アキトとアキコが一対一で枝織とかいうのと北斗。

俺とイッちゃんが北山、

リョーコとヒカルとイズミが北辰、

アカツキとアリサが木織。

どれもバランスが絶妙で保たれてる。

北辰の家柄は接近戦が得意らしく、俺、リョーコ、アリサが主な相手、他の連中にギリギリ援護されてる。

・・・この戦い、結構厳しいモンがあるな。

それにまだこいつらは余裕が見て取れる。

けど負けてらんねえよ。

「イッちゃん、波状攻撃だ!」

「OKです!」


がががが・・・・。


「遅い」


ばしんっ。


イッちゃんの援護を前を行って攻撃を仕掛けようとするが、外れる。

そして反撃をしてくる。

錫杖が突き出した拳を捌く。

フィールドでかなり軽減されてるからまだマシだが、それでも充分コックピットに衝撃は来る。

・・・流石に辛いな。

このオッサンはシーラと一度戦ってボロボロにされたって話だがやはり強い。

一対二でこれじゃあな。

「それならこれはどうだ!?

衝撃のファァーストッ!ブリッド!」

「隙があり過ぎる」

「ぐあぁっ!?」


がす。


シェルブリットを・・・横から!?

確かにそれなら逸らす事ができるかもしれんが・・。

そんなタイミング見切れねえだろうに・・・。

『生憎、一度見た技を受けるほど弱いつもりはないのでな』

・・・心を読んだような口ぶりだ。

そういやシーラも使ってたか・・・。

ち、このままだとジリ貧だな。

『ヒロシゲさん!準備できました!』

シーラから通信が入った。

来たか・・・ついに、あれが来たか!

『分かった!イッちゃん一度帰還する。

生きててくれよ!』

『了解!』

ついにお披露目だ。

アレをな。




・・・・・・・と、思ってたんだが。




その間に戦闘が終了した。

リョーコが北辰を倒した。

・・だが、どうも気分が悪かった。

あいつはあいつなりに自分の家族を護りたくて・・・ああいう風にしたんだろう。

同じ立場に居てシーラが生きれるなら俺だって・・・いや、家族を大切に想う奴だったら誰だってそーする。

だから俺だってそーする。

・・・それにしても、アキトの野郎、生き残れって言ったのによ。

いや、アイツは帰ってくるって言ってたな。

アイツはあいつなりの幸せのために、ってか。

・・・つーか、どうしよう、この居た堪れなさ。

出撃準備万端でセッティングした以上、このままだと何か間抜けだ・・。

「・・・立場無いですね」

「・・・言うな、不毛だ」

俺達は雁首並べて欲求不満気味な言葉を漏らす。

・・・立場が無いというのは本当だが。

と、戦闘が終わってボソンジャンプで二人が消えた後すぐに、敵が現われた。

『マエノさん、出撃してください!』

他のエステバリスはフルバーストの使用によるエンジンのオーバーホールが必要で戦闘不能らしい。

地上で半ば動かなくなったエステを見て俺は苦笑した。


・・・面目が立っちまったよ。おい。


・・・・ってな。

そんなこんなで俺はエステバリスに乗り込んだ。

「マエノ・ヒロシゲ、シーラ・カシス・・・発進するぜ!」

俺達のエステバリスは複座式だ。

つーのも、俺は元からデータを取る時は大体複座を使う。

最後のテストの時に丁度シーラは乗り込んでなかったな。

今回はデータ取りの為じゃなく、サポートが必要だ。

・・・そもそも、こいつは一人で扱うように出来てない。

強力なエステを目指した結果こういう形をとることになった。

無論、俺一人でも扱える。

だが100%じゃなく120%まで引き出すにはシーラの力が必要だし、死角が減る。

何より死ぬ時も一緒に居られる。

・・・シーラ一人を置いて行く訳には行かない。

それに、喧嘩ってのは一人より背中合わせのほうが心強いってモンだろ?


ばしゅんっ。


久々にカタパルト射出の心地よいGを感じる。

重力圏内の戦闘・・・火星で戦うのは初めてだ。

重力センサーがほんの少しだが地球より軽い。

モニターをパンすると、敵が二機居た。

何故か大破しているはずの北辰機を片方の機体が運んでいた。

エステバリスがほとんど動かない状況ではちゃんと回収できなかった。

・・・それが仇になったみたいだな。

「おい、そこのてめーら。

一体何のつもりだ?

墓荒らしならやめとけ」

『ほう・・!

ナデシコにはまだ戦力が残っていたか!

名前は?』

目の前にウィンドウを開いた男はずいぶん優男だ。

坊ちゃん刈りを伸ばしたような・・・ちょっと神経質そうな声。

俺には生理的に受け付けそうに無い・・・いや、お互いに受け付けなさそうだな。

そんな奴だ。

どこか芝居がかった言葉回しが癪に触る。

俺に絡んできた奴にもこういうタイプの奴がいた。

自分の非を全く認めずにずけずけと人を罵るバカヤロウだった。

「こっちの質問に先に答えろ。

質問を質問で返してどうすんだよ」

『・・・ああ。

私の名は・・サジマ・ソウ。

そしてこっちがサキヤマ・ショウゴ。

この機体を回収しに来ただけだ』

・・・回収、だと?

木連製の機体を回収しに来たって事は・・・やっぱり木連関係なんだろうな。

「俺はマエノ・ヒロシゲだ。

俺の後ろに座ってるのはシーラ・カシス。

・・・あんたらのやってる事はどうも俺の気に触るな」

『ほう?何故だ?』

「何故って?あんたらみたいな奴等が何故ってか?」


ああ、やっぱりだ。


底が見えた。

戦争を喧嘩位にしか見れない俺でも、死んだ野郎を悼めないほど俺は落ちぶれちゃいねえよ。

「死人とその棺桶を持ち去ろうとする墓場荒らしの火事場ドロを見て気分が悪くなっただけだ」

『ふっはっは・・・噂通りの馬鹿のようだな』

噂・・・?

・・・つー事は、シーラの親父の一派って事か。

「俺は馬鹿かい?」

『自分勝手で訳の分からない馬鹿だ』

「その馬鹿がお前を殴りたいそうだ」

『無理だ。

そう伝えてやれ』

・・・くだらねえ。人の体をまだどうしようとかいうつもりなんだろうな。

なら、ぶっ飛ばす。

こう言う理由は馬鹿げてるか?

「それが聞き分けの無い奴でねえぇーっ!」

『ショウゴ、先に帰れ。

それを回収する方が先だ』

『・・・了解した』

おい、てめえぇ!!!逃げんじゃねえ!」

こそこそと逃げやがって・・・!

だが俺の前にサジマとかいうのは入り込んで妨害した。

『私を倒してからにしてもらおうか!』

「そうさせて貰うか!

シーラ、いっちょやるぞ!」

「はぁーい!!」

このエステバリスは中々面白い。

使っててそう思う。


「「チェンジ!ラディカルグッドスピィードッ!スイッチ・オン!」」




がしゅっ。ばしゅん・・・。



エステがすぐさま変形を始め、足が長く変化する。

複座式のアサルトピットを使用するとアサルトピット自体が一回り大きくなる。

つまりエステバリスも大きくなる・・・って事だ。

それを利用して機体の大きな変形を可能にしたって事だな。

その複雑なバランスを整えるシーラのセンスも天才的だが、それを実現させるウリバタケの旦那は流石だな。

こうやって命を賭ける機体を預けられる連中が居るって言うのは妙に安心できる。

もっとも、シーラが実力を認めてる整備しなら尚更だしな。

それに今はシーラが本当に後ろについてる。

今度は死ぬも生きるも一緒だ。

なんも怖がるこたぁねえ。

さあ、行くぜ。

「衝撃の、ファースト・ブリッドォォ!」

「!早い・・!」

そりゃあ早いだろうな。

俺だってこのスピードは最近やっと使いこなしたんだからよ。

以前のエステバリスと比べると格段のスピードだ。

関節部なんかまるで別物だ。

しいていえばア・バオア・クーに行く前のガンダムがマグネット・コーティングを装備したような感触だな。

関節部の摩擦がゼロになったんじゃねえかと錯覚したもんだ。

マグネットコーティングってーのはそういうもんだし、実際もそういう事をして見た。

勿論、シーラが。

・・・だが、本当に使えねえ。

早すぎて怖いくらいだった。

それもブレーキングが出来ないから一度腕を振るとすぐに戻せない。

・・・俺、ニュータイプじゃねえからブレーキング無しじゃ操作できないわ。

今度のエステはその早さプラス、ターン可能ってところがすげえ。

・・・さてと。

前置きはこれくらいにして戦闘続行と行きますか!

「行くぜ」

『!!』


ぱしゅんっ!


俺のエステの蹴りがサジマの機体の右腕を切り裂く。

DFSを纏った蹴りだ、そう簡単に防御は出来ない。

もっとも、こいつはそんなに強いわけじゃない、機体に振り回されている感覚が強い。

高性能機だが動きはナデシコエステ隊で一番遅いガンガーより遅い。

・・・最速になった俺のエステには勝てっこねえ!

『く、うわっ!』

「遅い!北山のオッサンはこんなに甘くなかったぜ!」


ばっ、ばすんっ・・・・!


蹴りが一撃、二撃放たれるごとにサジマは追い詰められる。

1、2、3、4、5、6、7・・・・。

9手目で王手だ!

『ぐああああぁぁ・・・』


どごんっ。


蹴りが当たったようだ。

きりもみ回転しながら間合いがほんの少し離れる。

やったか・・・?

いや!

『まだだ!私はこれで終わりじゃあない!』



ばしゅん、ばしゅん・・・。



サジマの機体はパーツをパージ(排出)した。

・・・そうか!こいつは追加装甲型・・・いわゆるアーマー付って奴か!

機体の妙な遅さはそこに通じてたのか・・!

 ア ン ・ キ リ ュ ゥ
『And Kill you』

呟くと同時にサジマの機体はアーマーで隠れて見えなかったミサイルをごっそりと見せつけた。

全弾発射・・・ってか!

ちっ!

そう来たか!

接近戦を挑んで半ば肉薄していた俺は少し焦った。

『死ィねーーーェ!」





どどどどどどど・・・・。










































だが、少しだぜ?




俺が焦ったのはよ。


しゅぴぃぃん。


「柔らかなる拳!列迅!」


ぼぼぼぼ・・・ん。


俺のエステから伸びた鞭のような武器がミサイルを全て撃墜した。

『な・・・?』

「詰めが甘いんだよ」

俺一人で戦っていたら致命傷にはいたらんでもかなりの痛手だったのはまあ確かだ。

だけどよ。

俺は一人じゃねえ。

俺の真後ろにいるシーラ。

シーラは俺に見えてねえのが見える。

熱感知、レーダーその他いろんなモンで俺の目の前を見てくれてる。

そしてさっきの列迅・・・・チューリップなんかの接近防止用の触手を応用した武器。

それでミサイルをぶち落とした。

爆風こそ来たが強化された装甲とディストーションフィールドに阻まれてかすり傷程度だ。

逆にサジマの野郎は丸裸・・・。

「惜しかったな、そういうセコイ戦法を使ったところで俺達にゃ通用しないのさ!」

『ふ、ふふ・・・』

・・・なんだ?

こいつのこの余裕は何だ?

『遅かったな!もうショウゴは帰還寸前だ!』

「っ!」

そうか・・こいつ最初から!

「てめえ!」

『我々の崇高なる目的の為とあらば私程度の命、捨てて見せよう!』

にゃろう!

良い度胸というか、それとも悪人は悪人で狂信してるのか・・・。

それは分からんが厄介な真似しやがる。

「なら最速でてめえを倒してあいつらに追いついてやる!」

『私も伊達や酔狂でこんな機体を使っているわけではない!

今の今まで手加減してやった私に!

調子に乗って手の内を見せてしまったお前がッ!

この、私にッ!勝てるとでも思っているのか?』

ああ、思ってるさ。


「「イエス」」


『!!』

驚くサジマを尻目に、俺達は叫んだ。



「「チェンジ!シェルブリット・バァーストッ!スイッチ・オン!」」



ばしっ、がしゅんっ。


俺のエステが変形していく。

長くなっていた足が収納され、両方の上腕から拳にかけてが肥大化していく。

そして、足に装着されていたスラスターが両肩へと移動する。

「さあ、来て見ろ!親父の使い走り!

私とヒロシゲさんの道を邪魔するな!」

『ふふ・・・お嬢さん、あなたは本当に無知で幼い。

男女の愛が、永遠の物に思えるのは人生の内のほんの一瞬の泡沫なのですよ?』

「あんたにお嬢さん呼ばわりされる筋合いは無い!

私は何度もヒロシゲさんに命を救ってもらった!

そんな安っぽい悟りに私は騙されない!

その分はヒロシゲさんに返して・・・一生、いっしょう・・・」

光るモニターにシーラの俯いた姿が映りこむ。

女の涙が綺麗だとかよく言うけど、やっぱり悲しいモンだ。

そんな顔は見たくねえ。

「シーラ、泣くな。

泣いたら挫けちまうぜ?」

「・・・はい・・・っく・・・」

シーラは泣くのを我慢して顔を上げる。

そうだ、それでいい。

泣くのはこいつに勝って、それからだ。

『その様子だと・・・ご自分の体の事は知らないのですか?』

「・・・知ってる・・・けどっ!あんたに・・・あんたには関係ない!」

・・・体の事?

どういう事だ、まさか何かあるのか?

シーラの体に?

「どういう事だ、シーラ?」

「・・・・」

「シーラ!」

シーラは俯いて何も喋らない・・・何だ、何なんだ?

『ほお。

やはりヒロシゲ君には話していないと?

なら、私が教えよう』

「!やめっ・・!」

シーラは止めようとしたが、俺は敢えて聞きたかった。

こいつはきっと全部背負う。

俺に迷惑をかけたくない、命を救ってくれた俺には・・・って。

だから敢えて立ち上がってシーラの口を塞いだ。

こういう大事そうな話は聞かなきゃいけない事もある。

『お嬢さんは子供が作れない、作ったとしても母子共に死んでしまう』

・・・何だと?

「どういう事だ?」

『ibis・アイビス。

つまり・・・トキ。

その名は白髪と成功率の低さ故に後からつけられた皮肉のこもった名。

トキは非常にデリケートであり、雛の生存率は低い。

アイビスもその通りだし、何より致命的な欠陥がある。

子供を作る為の土壌であるその子宮が通常の5倍の強度・・・。

全身が常人の5倍の強さを持っている為に受精した後の生殖機能が機能しない。

子を作る為に広がらなければいけない場所まで狭まったままなのだ。

生命の維持に必要な最低限の機能だけを持った、まさに、まったく、機械と同様の存在なのだ。

理解したか?』

・・・俺はシーラの口を塞ぐのを止めた。

そして、聞いた。

「・・・そうなのか、シーラ?」

「・・・はぃ」

俯いて体を震わせながら涙を流すシーラ。

「イネスさんに・・聞いたんです」

俺からすれば別に問題じゃない、シーラを好きな事には変わり無い。

「・・・それくらいなら別に気にしないぞ?別に試験管授精でいいじゃねえか」

「!違うんです、私・・・お腹を痛めて赤ちゃんを産みたい・・・。

単なるわがままですけど女の子にとっては夢なんです・・・」

「・・・よーわからん」

俺がボソリと呟くと一斉にウインドウが開いた。

『ひど〜い!』

『マエノさん、最低です!』

『女の子の気持ちも考えて発言してください!』

すげえ罵詈雑言の嵐が俺の耳に襲い掛かる。

いてえ、耳が痛え・・・・。

「だぁああーーーっ!

わかった、俺が悪かったって!


言い直す!


シーラ、お前がそれを気にしてんのは分かった。

俺は男だから女のお前の気持ちは分からんけど、お前が辛い思いをしてんのは分かった。

・・・なら、その辛い分はカバーしてやるって。

お前の気の済むように甘えてくれて構わねーから」

「!はいっ!」

シーラは泣き顔を引きずりながらも大きな声で返事を返してくれた。

ブリッジの方の女連中もとりあえず黙り込んでくれたみたいだな。

・・・ってか、よくよく考えれば戦闘中にこんな事をしてられるのもすごい事だよな?

他のロボット物とか見てもこんなおちゃらけてられるのは無いよな?

・・・・・・ま、いっか。

「さーてと。戦闘開始だ!」

『・・・』

「・・・?どうした?」

『いや、気付いて欲しかった』

「何が?」

『・・・もう帰ってるぞ、ショウゴ』



「「「「「「あ」」」」」」



・・・うっかりしてた。

俺もシーラもナデシコ側も今の会話で全然気付いてなかった。

・・・ちっ。

「・・・てめー、気にいらねえ野郎だな」

『生憎、君に気に入られる為に生きているわけではないのでね」

・・・むか。

「・・・むかつく野郎だ」

『さあ、来たまえ』

・・・むかむか。

「行くぜ・・!」

『・・・!』

俺はムカつく気持ちを抑えてシェルブリットを叩き込む!

「衝撃の!ファースト・ブリット!」

『遅い』


ぱんっ。


「ぐっ!?」

なん、だと・・?

北山張りの見事な捌き・・・。

攻撃こそ返していないが防御に関してはかなりの達人だな。

なら、その防御を見切る。

ガッチリ固められた防御の隙を離れた場所で探し出すよりは、手を突っ込んで防御の隙を作ったほうが良い。

リスクも大きいが、これ以上に有効な作戦はない。

俺は達人じゃあねえからな。

「撃滅のセカンド・ブリット!」

『ぬるい、ぬるいぞぉっ!』


ぶおんっ。


加速をつけた二撃目のシェルブリットは引っ掴まれて半ば投げ飛ばされた。

勢いを落とさないまま方向をずらして地面に激突させようとしやがった。

・・・やっぱり重力が重なるとGがキツイな。

『どうした・・・お前の力はそんなものか?』

サジマが余裕綽々の顔でこっちを見てやがる・・。

だがよ。

俺達がいつ、どこで、これが精一杯だって、限界だって言った?

「く・・・ははぁ・・・こんなモンなわけないだろが」

俺は笑いながら奴を見る。

そしてシーラも。

だからあの言葉を叫ぶ。

「行こうぜ!シーラ!」

「はい!」




「「これがッ!」」





「俺と」「私と」




「お前の」「あなたの」









「「輝きだぁー!!」」








かっ・・・。


光を放ち、俺達のエステはエンジンを全開にする。

フルバーストとも違う、エンジンの高鳴りが火星の空に響く。

『何だ!?何だというのだ!?』

「お前にゃ千年経っても分かるモンじゃねえ!

目先の大義に囚われて自分が利用されてる事も理解できないお前にはな!」

『何だと!』

サジマが表情を崩して睨む。

「この機体にはシーラの想いと!

ウリバタケの旦那の誇りと!

整備班の意地と根性が詰ってんだ!


負けるわけねーだろーがぁーーっっ!」


「唱えましょう!」


「ああ!」



お前を強くした。



俺を共感させた。



あの熱い話。



そして、進化の呪文。



俺達の反逆の狼煙を。





叫べ!





       ス     ク      ラ     イ     ド
「「S.Cry.ed!」」

『ぐっ・・・!!』

俺達のエステはまた変形を始める。

顔にマスクが掛かる。

フェイスオープンは良くあるがこれは珍しいか。

そして列迅が一纏まりになり。

足が獣を思わせる形に変化し。

シェルブリットの最終形態を模る。



「これが俺達の!」




「自慢の!」




「「拳だーっ!」」




ぐしゃっ!




俺達の拳がサジマの機体を完全に粉砕した。

別にこいつを可哀相とは思わねえ。

殺しちまったのはそれなりに悪いと思う。

だが後悔はしない。

俺達は戦場にいて。

お互いの考えをぶつけ合って、納得する為にここに立ってる。

「ヒロシゲさん・・・」

「ああ、分かってる」

何となく、シーラの言いたい事はわかった。

俺はシーラを上部席から降ろして膝に乗せてやる。

「俺も人を殺した」

「・・・」

「地獄に落ちんのも一緒、だろ?」

「・・・はい」

シーラは安心とも不安ともいえない表情で目を瞑った。

だから抱きしめた。

シーラ。

俺はお前がどういう体でも嫌いになるわきゃねえよ。

お前が、大好きなんだから。

どこまでもついて来い。

お前をどこまでも護ってやるからさ。

俺達は自分勝手かい?

自分勝手だな。


































俺達はその日から歩き出した。

自分達の足で。

自分達の力で。

お互いに無くした右腕を残った左腕で庇いあうように。

その先が地獄でもいい。

今、ここに生きているまでの過程も地獄だった。

一緒にいられるなら地獄でも構わない。

頑ななまでの底意地、見せてやろうじゃねえか。

シーラの親父にも。

そして。

俺達をこういう風に導いた世界に。

なあ、シーラ?












































作者から一言。

えーと。

第四章は、「ベタ」を極めたいと思います。

つまり・・・まあ「ナデシコ」に有るまじき都合のいい展開が多いかと。

あー、違うかなー。

王道っぽさを狙う?・・・・うーん。

それとシーラのあの設定はもっと奥深く使おうかな?

と、思ったんですけどreloadのテーマからは大分外れてるので、止めました。

・・・つーかあの設定でシーラを殺そうとしてました。

・・・でもこの話ビミョーに変かも。

次回作への伏線でもあるんですけどこれ以上あの二人を引っ張るとつまんなくなっちゃうかなーと思ったり。

そしてやっぱり格好良くなりきれないヒロシゲ君達でした。

・・・いかん、もっとシリアスにしないと・・・シリアスは真剣の意味だし(汗)。

では、次回へ。






追伸。

第23話より。

>超大音量で流れるゲキガンガー3劇場版エンディング・・・死ぬ・・・。

・・・アレ?

劇場版って入れた覚えが無い・・・。

もしかして修正してくれたんですか?




追伸その二。

メールアドレス、変えました。

 

感想代理人プロフィール

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代理人の感想

デス種第一話・・・・最低だった。

それはともかく、一端倒したはずの敵が生き返ってきたりするとあれなんで、

北辰クローン大量出現とかは勘弁して欲しいかなーと。

 

 

>追伸その一

どうだったかな・・・覚えてません(苦笑)。