機動戦艦ナデシコ アナザーストーリー

 

世紀を超えて

第27話 月へ・・・!

 

 

 

 

 

 

…アキトの目の前に、旧式の戦艦が鎮座している…。

本来なら、マスミが撤退する時に使うはずだった物だ。


…独立派の戦闘要員はこれで月に向かう事になる…。

 

・・・。


「戦艦『皐月』(さつき)…旧式ですが、信頼性の高い名鑑です。」


…マスミが皆の前でそう説明する。


彼女は捕虜と言う扱いになっている為、

その手には申し訳程度に手錠がはめられている。

…それでも、凛としたその態度が崩れる事は無かった。


「マスミ…でさ、これ一隻で月まで帰れる?」

「…ナツメ…本当に行く気?」

「こんなチャンス二度と無いだろうからね。」

「…私…そうは思わないよ。」


「あ…マスミにも付いて来てもらうからね?」

「…相変わらず…人の話聞かないし。」

「別に良いじゃない!」

 

・・・。


「…良いコンビだな、月臣。」

「そうだなテンカワ…お前もそう思うか?」

「…例え敵同士になっても友情は変わらない…素晴らしい事だと思う。」

…。

「おーい弦悟郎!…機体の積み込み手伝え!!」

「五十六…俺をその名で呼ぶなァっ!!!」


・・・ドタドタドタ


「…お前達も随分良いコンビだよ…。」


…そう言うアキトだが、その顔には苦い物が有った。

友情が壊れた時、悲劇は起きる…。

そんな…かつての記憶が蘇ってきたのだ…。

 

・・・。

 

…それから暫くの時が過ぎ…、

火星から、一群の船団が飛び立った。

 

『皐月』を中心とした、独立派の船団である。

戦闘用は皐月ただ一隻で、残りは輸送艦。

…これから戦闘に向かうとはとても思えない。

 

…だが、それは内情を知らない者の台詞。

戦力の大半をエステバリス…機動兵器に頼っている以上、

船の性能だけで戦力を決めるわけには行かない。

 

かつて、航空機が大艦巨砲主義を打ち破ったように…、

…戦場の『質』が変わろうとしていた…。


・・・。


それが、始めて白日の元に晒される時が来た…。

…火星と月の中間地点。

独立派がそこに差し掛かった時…、レーダーに連合軍の艦隊が…!


「…反乱軍に告ぐ!直ちに降伏し、停戦せよ!」


連合軍側は…戦艦1・巡洋艦4・駆逐艦8・輸送船4…。

…船の性能だけなら勝ち目など無い…が、


「…我が方から奪った旧型戦艦一隻でどうにかなると思ったか?」
「ようし…戦闘機部隊発進!!」
「ま…黒い奴にだけは気をつけろよ。」


…敵の上層部は…完全に相手を舐めきっていた…。

 

…。

 

アキト達が宇宙空間を行く…。

練度は低いが、遅れる者は出ない。

 

…IFS

 

…アキトが気づいた時には既にラピスがその封印を解いてしまっていた。

但し全てを教えた訳ではなく…最初、操縦装置付きの機体に乗せてみて、

適性が有った場合のみ、寝ている内にIFSを投与したのだ。

…無論、承諾も説明も無し。(汗)

 

…。

 

何で封印を解いたかって?

…ナツメやアムより役に立てば、

アキトが振り向いてくれると思ったのだろう。

 

…女の嫉妬は恐ろしい。

 

・・・。

 

「…大した物だ…。」

 

月臣は皐月で艦長役をしていた。

 

「うんうん、一糸乱れぬ行軍…いいわよね!」

 

…当然ナツメは提督らしい。

 

「何故、私はここでこんな状態?」

 

一応、捕虜扱いのマスミは…提督席の横の金網に入れられていた。

…まるでサルの檻。(笑)

 

「ボク達の方に寝返ったと思われたくないでしょう…マスミさん?」

 

アムも表だって味方をして居ると言うのは拙いので、

席はカメラの死角部分に設けられている。

 

 

…ラピスはその隣り。

…これはラピスにあまり目だって欲しくないアキトの要望であった。

 

・・・。

 

チュドドーン!

 

…連合軍の戦闘機が爆発四散していく。

 

ビーッ!

 

反撃だとばかりにレーザーを放ってくる戦闘機。

だが、ゲキガンカラーのリモニウムはあっさりとそれを無効化する。

 

「バリアーは良いですね!…最高ですよ!!」

 

最近…バリアーまで付いた自機にご満悦の白鳥。

…当然ディストーションフィールドだ。

無論量産型にも付いている。

 

…アキト…歴史を変えないって…、

…ついに諦めたか?

 

「俺は…俺はっ…!!」

 

…未だ諦めてないよこの人。(爆笑)

 

ドゴォォォン!!

 

…悩みつつも駆逐艦一隻を爆発四散させるアキト。

 

・・・。

 

そんな彼の抱えるレールガンも十分オーバーテクノロジーであった。

 

・・・。

 

「…月?」

 

…アキトの視界に月が入ってくる。

普段通りの変わらぬその姿…。

 

だが、あちこちで爆発が起こっているのが分かる。

…月は戦場なのだ。

それを見て、アキトは最近考え始めた事を実行に移す事を決意する。

 

「…全ての業は…俺が…絶つ!!」

 

…アキトの脳裏に浮かぶは、白鳥九十九暗殺の時の事。

アレが上手くいっていたら、世界はどうなっていただろうか?

 

アキトは…和平会議をこの過去の世界で成功させるべく動き始める。

 

…歴史を書き換えるのも、それなら良いのでは?

そう…思い始めていた…。

続く

 

−−−その頃、月・連合軍基地−−−

 

レーダーに映る艦影…。

…ここは連合軍のブリーフィングルーム。

 

大佐率いる部隊は守備隊として、この基地を守っていた。

それ以上の連中の殆どは既に地球に逃げ帰ってしまっている…。

 

「…ついに来やがったな…。」

 

ヤマダ大尉が気合の入った表情を見せた。

 

「うん、だが…あの者達なら期待できるというものだ…。」

 

最近出番の無かったミスマル中佐だ。

無論、ユリカ達の直接のご先祖様。

…カイゼル髭が子孫とよく似ている…。

 

「ここが正念場だ…この戦いを終わらせる為の…な。」

 

…そしてテンカワ・リューマ大佐。

今、ここにいる主だった士官はこれだけである。

 

・・・。

 

「私はどうなるのよぉーーーっ!」

 

あ、4等兵

 

「煩い!…私は直ぐにでも返り咲いてやるわ!!」

 

・・・。

 

「…あいしゃる・りた〜んよ!」

 

ガブッ…

 

「ロボ犬!?…痛っ!!……噛まないでよ!!」

 

その時…キノコは廊下にモップをかけていた…。

 

::::後書き::::

さて、月編です。

…火星を飛び立ち月にやってきたアキトご一行。
果たしてどんな大騒ぎを見せてくれるのでしょうか?

…そして、戦争の行方は?

歴史はどうなるのか?

て、言うかキノコは今後どうなるのか?(爆)

…アキトと最終的に結ばれるのは誰だ!?

 

…こんな駄文でも応援して頂けるのなら光栄です。

では!

 

 

 

 

代理人の感想

 

マスミちゃんに鶴野恭子さんの声で「ムッキー!」と叫んで欲しいです(爆)

いや、TV東京で放映してる某朝アニメのネタなんですが(笑)←ローカルですいません

 

しかし、連合軍上層部って本当に無能ですね〜。

末端および中堅は頑張っているのにお偉いさんはアホばかりという辺り、

あからさまに某地球連邦軍を連想させます(爆笑)。

この組織にまともな将官はいないのか?

 

 

 

管理人の感想

 

 

BA-2さんからの連載投稿です!!

まだ歴史の介入を認めていないのか、アキト?

ここまでくると、判断力が無いとしか思えんぞ(苦笑)

すでにIFS付きの兵士まで作っておいて(笑)

しかし、恐ろしいな・・・女の嫉妬ってのは(汗)

そのうち、アキトが原因で地球は滅びるかもね、うん(大汗)

 

ではBA-2さん、投稿有り難う御座いました!!

次の投稿を楽しみに待ってますね!!

 

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